あなたの大切なシダの健康について、一緒に考えてみましょう。ビカクと記載はしましたが、シダ全般に発生する害虫について情報をまとめてみました。
大切な家族でもあり、恋人でもあるビカクシダ。
ある日ふと見てみるとなんだか元気なさそう。
時間が経つほど弱っていき…美しかったその姿は今やもう見るに耐えない…
なんてことにならないために。
敵を知りましょう。
シダの健康を守れるお医者様は貴方なのですから。
注意
虫が登場します。なるべく清々しい絵を用意したつもりですが、嫌な人は見ない方が良いです。
◾️コガネムシ ナメクジ カタツムリ
写真のP. veitchiiの胞子葉に穴が空いて居るのが分かると思います。
犯人は「ドウガネブイブイ」でした。
症状
食害
影響
新芽から狙われるので余りに酷いと成長を阻害されて草が縮んでしまいます。
対策
外で飼育している場合に多いです。
昆虫を誘引するモノが側にありませんか?
朽木とか…溜まった水とか…光…匂い…とか。
あまりに被害が頻発する場合、取り込むことを検討してください。
水苔の中に住んでいるナメクジが居る?
なんてこった早く薬を撒いてやっつけましょうよ。
◾️ツマグロヨコバイ
写真はP. veitchiiの新芽でイチャイチャしているツマグロヨコバイ。
イネに害を与える虫として有名ですね。
葉裏に隠れているので見つけにくい事が有ります。
可愛い顔をしているので個人的にはあまり嫌いじゃない。幼虫は透明で綺麗です。
症状
口吻を刺して樹液を吸う
影響
樹液を吸われた箇所が黄色く変色して見た目が悪くなります。
対策
2〜3匹程度住み着いているくらいならば、草が衰弱する事はまずありません。
(15匹住んで居ても大丈夫でした。←取りなさい)
気がついたら取り除きましょう。
人を刺すことは無いです。
◾️ヒラタカイガラムシ カタカイガラムシ
写真は比較的高湿な環境でアスプレニウム に発生したヒラタカイガラムシの仲間。
宇宙生物みたいで少しかっこいい。
症状
樹液を吸う
影響
樹液を吸われた箇所は黄色く変色して見た目が悪くなります。
大量発生するまで放置すると草が衰弱します。
対策
ツマグロヨコバイの様に動き回るわけではないので単体の駆除は容易です。
しかしながら増殖力が比較的高く、幼虫や卵は視認が出来ないので、一度の駆除で根絶は困難です。
発生を確認したら1カ月ほど先まで見込んで、1週間に一度駆除し"続けて"ください。
あまりにいたちごっこの場合は薬剤の使用を検討しましょう。
どこにでも湧くイメージをお持ちの方々もいらっしゃると思います。
しかし、カイガラムシは種類によって食べられる草も限定的、高湿や乾燥などの環境変化にさほど抵抗力もなく増殖出来る環境も限られます。
結果的に飼育環境の見直しや、自生地に一歩でも近づける努力が予防、駆除に繋がった事のほうが多いです。
蟻🐜と仲が良い種類が多いです。
"最近蟻が部屋によく出るな"と思ったら葉裏や茎などをチェックしましょう。
◾️ハランナガカキカイガラムシ
憎い。お前が憎い。
茶色く張り付いているのがメス
白いひとまわり小さいほうがオス
メスは動けませんがオスと幼虫は移動できます。他の草に感染ることがあります。
症状
樹液を吸う
影響
吸われた箇所が黄色く変色します。
あまりに増殖すると排泄物で葉がベタつき、すす病などを誘発します。
勿論、草は衰弱します。
対策
凄まじい繁殖力と成長スピードを持っています。
幼虫の視認は困難で、発生を確認出来た時には草全体に広がっている場合が少なくありません。
年に3回程度ある"大量発生時期"を把握して、
発生する1カ月ほど前に根から吸収する防虫効果がある薬剤を散布しましょう。
先手必勝です。
僕は冬の取り込み前、春に外に出す前に薬を飲んでもらっています。
発生してしまった場合はすぐに上記薬剤と合わせて窒息系薬剤を継続散布して少しずつ減らしていきます。
無風状態や過乾燥な環境で増えやすいです。環境の見直しも重要な対策となります。
ヒラタカイガラムシ、カタカイガラムシと別枠で記載した理由は、
あまりにその対策が異なるからです。
ハランナガカキカイガラムシは、枯れる寸前の葉に集まり、大量発生する習性があります。
つまり、ハランナガ…名前が長いんだよ!!💢以降HNKMと記載します!!💢💢💢
〜仕切り直し〜
つまり、HNKMが減らない場合、草そのものが弱っている場合があるのです。
HNKMのせいで草が枯れてしまった…なんて言う方をよく見かけますが、ほんとうにそうでしょうか?
大した移動手段を持たない、この小さな生き物が、栄養源となる宿主を枯らすまで吸い尽くす事にメリットが有るでしょうか?
僕には、栄養が無くなった樹液を必死で吸ってなんとか子孫を残し、生存のチャンスを作ろうとしている可愛そうな姿にも見えるのです。
"草を元気にする"事を視野に入れた駆除が大切だと思っています。
如何でしたか?
敵に立ち向かい、愛する者を守ろうとする貴方の愛情にシダは必ず応えてくれます。
全ての害虫対策に共通して言えるのは、
"毎日診てあげる"事だと思います。
シダは薬剤に敏感で、その用法用量を誤るとあっと言う間に枯れてしまうこともあります。ちゃんと会話(シダと)してから使いましょうね。
薬の要らない強いシダをめざして、
LET'S FERNTASTIC LIFE.
役に立ったら💕お願いします。
興味を持ってくださった方とは具体的な薬のお話も交えて情報交換したいな…
以上です。
今回も大変ありがたい授業ありがとうございます
HNKM此奴は気になってました。お店で購入する場合は確認して持って帰るので大丈夫なんですが、ネットの画像でしか確認出来ないものに関しては、自宅に届いてからいきなり隔離なんて事もあります。HNKMの疑いがあるものは毎日毎日ジェット水流で飛ばしては扇風機で乾かすの繰り返しで、星状毛と引き換えに退治してました。
ビカクシダなど葉に弾力のあるものはいいのですが、フペルジアなど複雑な葉の隙間に潜んで取れにくかったり、ジェットの水圧で千切れてしまう種は薬を使って見ようかなと思っていた所です。
薬等の使用は自己責任の前提で、きつね教授のお勧めの薬剤、使用方法教えて頂きたいと思います
🙇🏻♂️ 貴重な情報ありがとうございました。また、きつねさんの授業楽しみにしてます。