知名度もあがって人気が出てきたビーチー。
わかっていても調べるのは面倒くさい…そんな自生地の情報や生態についてまとめてみました。
トゲトゲシャキーン(`・ω・´)なveitchiiを一緒に作りませんか?
GreenSnapを初めて日が浅い私ですが、
ビカクシダを飼われている方々を見ていると、
'大きく完成されたものを手に入れる'事より、'子株から作り込んでその種の特徴をいかに引き出してあげるか?'を楽しみながら育てている方が少なくないように見えます。
僭越ながら、私もそんなシダ勢の1人でございます。
3年程前までは飼育方法も情報も、そもそも流通量も少なく、国内でトゲトゲシャキーンなveitchiiを見る事ができる機会は今より少なかったように思えます。
昨今これだけ美しい株が出回るようになったのはその生態を理解している栽培者の方々が増えた事に他ならないと思います。
2号ポットで数百円で簡単に手に入るようになった超キュートでホットビューティーなveitchiiについて、今更ながら基本的な情報を書いていこうと思います。
veitchiiを愛している方々は必ず通るであろう、自生地の情報について先ずは書いてみようと思います。
ご存知の通り、Platycerium veitchiiはオーストラリアに生息しているオセアニア系のビカクシダの一種です。
とりあえず、カーナボン渓谷の情報を例に挙げましょう。
記録されている最低気温は-2℃、最高気温は40℃を超えます。
乾季が始まる7月の気温は6〜20 ℃程度
雨季が始まる1月は20〜35℃程度
寒い時は乾燥、暖かい時に湿潤…
厳しくもわかりやすい気候ではあります。
しかし、特筆すべきはその'耐乾性'でしょう。
とあるサイトの記載ですが、
2年間まともに雨が降らなかった地域で岩に着生して生育してるveitchiiが確認されているそうです。
全ての植物に言えることですが、光、風、水、温度のバランスは自生地に則るのが基本となるでしょう。
veitchiiが健康に育っているかどうかはその姿を見れば一目瞭然です。
胞子葉は強烈な日差しから身を守るために短く細く深く分岐し、分厚い星状毛に覆われて白く見えます。
貯水葉はトゲが高く伸びます。
また、健康なveitchiiには胞子が付くのはもちろん、PUP(子株)を良くふきます。
逆に、不適切な環境で育ったveitchiiは胞子葉が長く幅広くなり、垂れてしまいます。
また、貯水葉を含め、分岐が少なく、そして浅くなります。
(この状態でも枯れはしませんが、増えませんし、カイガラムシが付きやすくなります。)
これは僕の推測ですが、
オセアニア系ビカクには園芸品種が多数存在しますが、何故かveitchiiは他に比べてその数が少ないです。
その理由は環境の差異がこれだけその姿に如実に反映されてしまうので、安定した姿を造れず、特徴の固定が出来たかを判断しにくい点にあると考えています。
百聞は一見に如かず、
実験をしてみました。
みなさん大好きな' Lemoinei'です。
有名な種類なのでご存知かと思いますが、レモイネイには下記2説があります。
①veitchiiの園芸品種
②willinckii x veitchiiの交配種
まず、P. Lemoineiですが、歴史を振り返ってみます。
1924年にフランスのV.Lemoine氏が名付け親だそうで、"willinckiiとveitchiiの交配"と記録しています。(②)
1964年 カナダのJoe(Hoshizaki)氏がwillinckiiの園芸品種として絵を公表した
と言われています。
あのhobbyな本のp.157に書いてあります。
なぜこのようなことになったのか検証してみました。
彼の本には
日照の少なさと水のやり過ぎがこのようなことを招いた。
環境が合えば姿は普通のveitchiiと変わらない。
みたいなことが書いてあります。
ウチのレモイネイちゃんがこちら。
まぁなんかよくある姿。
日照たっぷりあげたのでパッチ出てきてます。
葉も上に向かっています。
ではこちらの胞子葉は誰のものでしょうか?
話の流れでもうお判りかと思います。
はい。その通りです。
(遠近法じゃないよ笑)
このでろでろに伸びた胞子葉は日照の少ない所で水たっぷり(台風が多かった年だったこともあって)で作られた葉っぱです。
僕の想像の域を出ないのはどこまでいっても事実ですが、
自生地の環境とは異なる環境で育ってしまったP. veitchiiの胞子培養株(もしかしたらPUP?wまさかね?w)を交配種と誤認してしまったのがP. Lemoinei という説は有力だと考えています。
とはいえ、歴史のある品種なのでレモイネイはレモイネイとして存続して欲しいし、
そもそもこれだけ長い年月維持されてきた品種ですから、その姿の素晴らしさは言うまでもありませんね。
昨今情報の伝達方法が増えたお陰で本来のveitchiiの姿を目にする機会が増えてきました。
一方で高く伸びた貯水葉、
ピンと伸びた胞子葉をウリに「この個体は特別だよ!」なんて扱いをされている普通のveitchiiを見ると、ちょっとモヤモヤした気持ちになったりします。
安くても、普及種でも、正しい情報と適切な愛情を持って育てれば、その美しい姿は誰でも作る事ができる筈なのに…と。
(全てのシダは等しく愛されるべきでは?なんて宗教や哲学の域ですね(笑)エゴ発言はこのへんにしておきます💦)
いかがでしたか?
偉そうな事言っておいて僕もまだまだ本来の魅力を引き出せる飼育方法については研究中です。お見せするのも恥ずかしい株もあります。
また、ここに記載した情報が全てではないと思います。
「○○○は〜したほうがいいよ!」とか「○○○したら失敗したー!」とか、噂話とか、なんでもいいです、みなさんのお力添え、コメントお待ちしております。
あなたのveitchiiが、健康で、美しく、活発でありますように。
そして、あなたのようなveitchiiが大好きな人がこれからも増えますように。
お役に立ちましたら、💕お願いいたします。
読んでくださり、ありがとうございました(*´∀`)ノシ
以上です。
改めて、きつねさんのシダとveitchiiに対する知識と愛情を感じました。
キレキレシャキーンなveitchiiを目指したいです。