これはハオルチア ボルシーの花のアップです。今年初めて受粉をやってみましたが、ハオルチアはサボテンなんかに比べると交配が難しいなと感じました。それでも成功率を上げることはできます。ということで私が思う受粉のコツをいくつか簡単に記しておきます。
☆まず、ハオルチアは自家不和合性(同じ株の花粉を同じ株の雌蕊に着けても結実しない性質)の植物なので、前提として別の遺伝情報を持つ2株を用意しなくてはなりません。例えば同じ親株から葉挿しで増えた2株は親株のクローンなので互いに受粉させても結実しません。この点を押さえておかないとどんなに努力しても文字通り実を結ばないので気をつけましょう笑
①「花芽形成期は窒素分を控えつつリン多めで」
これはハオルチアに限りませんが、花芽形成が予見できる段階から窒素の割合が大きい肥料でなくてリン多めの花用の化学肥料をあげると成長が良いです。肥料の成分表をよく確認してから買いましょう!
②「陽当たりの良い所で管理する」
花芽が出たら特に光量をしっかり確保するようにします。光量がしっかり確保できると花芽は天に向かって上へ上へと伸長していきます。一方、光量が不足すると花芽は湾曲して伸びていきます。湾曲する花芽は細く、不健康そうです。この湾曲した花芽は特に次の摘蕾の作業をした方がいいです。しないと蕾の重さでどんどん垂れ下がります。
③「花芽の間引き、蕾の摘蕾」
私の1番大きな株は6本の花芽が伸びましたが、4本引き抜きました。結実した株の未開の蕾も体力維持のために適宜摘蕾しました。花芽は株を押さえて引き抜くことができます。この株は4.5房結実させましたが株へのダメージはなさそうです。
④「開葯と雌蕊の裂開を見極める」
ハオルチアの柱頭を観察していると写真のように3裂することに気がつきました。これが受粉適期のサインです。これを光で透かして見ると柱頭から花粉をキャッチするための微量の液が浸潤しているのが分かります。裂開前に花粉をつけたと思われる花は結実しませんでした。開葯は雄蕊に花粉が認められることでわかるので比較的判断は簡単と思われます。開葯した雄蕊は花の外へせり出してくるのでルーぺでも確認しやすいです。
⑤「花粉を確実に柱頭につける★重要★」
これは簡単なように思えて意外と難しいです。小さい花で尚且つ花弁が完全に雌蕊を包み隠す構造になっているので、適当に細い棒を花に入れて花粉をつけようとしてみても、実際に付着したのか確認できません。というかそもそも柱頭の裂開を確認できません。さらに言えば柱頭は力が加わるとポロっと取れてしまうのでこしょこしょ棒でつつくのはあまりお勧めではありません。写真のように花弁を半分以上取って手前の雄蕊も取って受粉に臨むと確実です。ただ、花弁も結実に何らかの働きをしている可能性があるので全部取らない方がいいと思います。この時、安く売ってる60倍ルーペで確認しながら作業するといいです。
⑥「ナメクジに食われないようにする」
これ、結構大事です笑 今年は外に置いといたんですが、相当な数の花芽がナメクジに食われましたw 外に置いてる方はナメクジ忌避スプレーを鉢にしておいた方がいいです、絶対。
使う道具はピンセット、60倍くらいのルーペです。ピンセットで雄蕊を摘んでそのまま母株の雌蕊に直接つけます。ちゃんとついたかルーペで確認します。つける前に雄蕊の方もちゃんと開葯されて花粉が出た状態かルーペで確認しておきます。
ちなみにこの写真の花も結実しました。まだこれから咲くという方も多いと思います。ぜひみなさんやってみてください!結実すると嬉しいですよ!(^^)
5月12日撮影
結実するとこんな風になります。これはオブツーサの株の結実です(^^)
5月29日撮影
冒頭の花はこの1番下の房です。順調に成長しています(^^) ボルシーは5つ結実中です(^-^) オブツーサに比べて房が黒っぽいです。
6月6日撮影
5月12日撮影の房です。房が茶色に変わりはじめました。収穫までもう少しですね(^^)
6月7日撮影
種がとれました。この房は受粉させてからおよそ1ヶ月で収穫に漕ぎ着けました。