ツバキ(椿)の種類|季節や花の時期、西洋椿との違いは?

ツバキは古くから庭木として親しまれている日本原産の花木です。「古事記」や「日本書紀」「万葉集」にも多く登場し、野生種を元にして数多くの園芸品種が産み出されました。現在では日本国内だけでも2,000種以上のツバキの品種が存在します。

ツバキはアメリカやヨーロッパでも人気の高いため、「西洋椿」と呼ばれる豪華な花姿が特徴の外国種のも多く出回っています。

今回はたくさんあるツバキの中でもポピュラーな種類を写真ごとにご紹介します。

ツバキ(椿)はどんな花?

ツバキは、まだ寒い冬から春にかけて花を咲かせます。光沢のある緑色の厚い葉と、真っ赤な花弁を思い出す方も多いと思いますが、実は白やピンクのツバキも存在します。

ツバキ(椿)の種類

日本に分布するツバキの種類には、「ヤブツバキ(藪椿)」と「ユキツバキ(雪椿)」があります。また、ヤブツバキとユキツバキの分布する境界線上には両者の雑種のような種類も存在します。

ヤブツバキ(藪椿)

ヤブツバキはツバキの原種です。本州・四国・九州・朝鮮半島南部に分布し、樹高が高いのが特徴です。

ユキツバキ(雪椿)

ユキツバキもツバキの原種です。本州の日本海側に分布し、雪が多く降る地域に生息するので樹高が低いのが特徴です。ユキツバキは、ヤブツバキが豪雪地帯に適応した変種、亜種という考え方もあります。

ヤブツバキと比べると枝がしなやかで、花びらが水平に開く特徴があります。

リンゴツバキ

リンゴツバキもツバキの原種です。九州や四国など温暖な地域に分布しており、リンゴのような大きな果実をつけるのが特徴です。

侘助(わびすけ)

侘助は、ヤブツバキと他の種との雑種と言われています。一重、猪口咲きの小さな花が特徴で、京都の寺院などに古木が多くあります。

侘助は江戸時代に朝鮮出兵の際に持ち帰られたものとされ、千利休に仕えた侘助という人物が世話をしていたのでこの名前になったと言われています。

加茂本阿弥(かもほんなみ)

加茂本阿弥は、京ツバキを代表する品種のひとつです。一重咲きの白い花がお椀上に咲く品種で、蕾が丸々と膨らむと共に、中央から雄蕊(おしべ)が一本飛び出すことも特徴です。

岩根絞(いわねしぼり)

岩根絞は、江戸ツバキの一種です。中輪で半八重咲きの花を咲かせます。白い花びらに紅色の絞りが入る美しい品種です。白斑が多すぎないものがよしとされています。

玉之浦(たまのうら)

玉之浦は長崎県五島列島が誇る名花です。紅い花弁を白く縁取ったような花姿がとても美しく、幻の椿と呼ばれています。

玉之浦は、昭和22年炭焼き業者によって偶然に発見され、幻の椿として一躍愛好家の注目を浴びました。相次ぐ乱獲により原木は枯死し失われてしまいましたが、子孫は世界中に広がっています。

太郎冠者(たろうがしゃ)

太郎冠者は古典ツバキの代表的な品種です。江戸時代から命名されており、別名は「有楽」です。太郎冠者は桃色ですが、花色が紫色を帯びることから江戸時代より高貴な花とされ、茶席で生ける茶花として重宝されてきたツバキです。

玉霞(たまがすみ)

玉霞は「抱え咲き」「玉咲き」と呼ばれる咲き方が特徴です。花弁が雌しべをくるんで守るように咲きます。白地かピンク地の花弁に小さな絞り模様が入り、蕾が咲きかけの時期は特に愛らしい姿を見せてくれます。

藻汐(もしお)

藻汐は、江戸時代からある古典品種です。濃い紅色でレンゲ状に八重の花を咲かせます。バラのような雰囲気の咲き方が特徴的です。

蝦夷錦(えぞにしき)

蝦夷錦は「椿伊呂波名寄色附」(1859年)に記載がある、代表的な江戸ツバキです。白地か淡いピンクの花弁に濃い紅色の絞りが縦に入るのが特徴です。

草紙洗(そうしあらい)

草紙洗は、江戸時代からある古典品種です。淡い桃色の花弁に吹きかけたような紅色の総絞りの花を咲かせる名花です。花つきがよく、庭木に適しています。

「草子洗」という名前は、この花の流れるような絞り柄が、小野小町が草紙に書き加えられた新たな墨を洗い落とす様子を連想させたことにより名付けられました。

卜伴(ぼくはん)

卜伴は、江戸時代からの名花で別名は「月光」です。泉州貝塚の茶人卜伴によって植えられたと伝えられています。濃い紅色の外側の花弁と、雄しべが変形して花弁のようになった内側の花弁のコントラストが美しい品種です。

菱唐糸(ひしからいと)

菱唐糸は、関西で古くから栽培されてきた江戸ツバキの品種です。蓮華咲きと呼ばれる咲き方をすることが特徴で、立体感のある端正な形の小さな花が咲きます。

村下(むらげ)

村下は、島根県奥出雲で発見されたヤブツバキの枝変わりです。村下とは、製鉄に従事する職人のことを指します。燃えるような朱紅色が製鉄の火色に似ていることから命名されました。

黒椿(くろつばき)

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黒椿は4〜5月になると、暗紅色の花を咲かせる八重咲き品種です。花はもちろん株全体も暗色調となっており、見る者に優雅な印象を与えます。

乙女椿(おとめつばき)

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乙女椿はピンク色の花を咲かせる椿のなかでも代表的存在にあたります。整った花姿と耐寒性を両立していることから、公園などに植栽されているケースが多いです。

明石潟(あかしがた)

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日本原産の明石潟は、江戸時代以降盛んに栽培されてきた椿の一種です。日本在来の椿のなかでも最大級の花径を誇る大輪を咲かせます。

天ヶ下(あまがした)

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天ヶ下は紅色の花びらに白い斑点が見られる大輪を咲かせる品種です。地面と水平方向に伸びようとする横張り性により、栽培の際は支柱の設置が必須とされています。

太郎冠者(たろうかじゃ)

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太郎冠者は別名『有楽椿』とも呼ばれる、歴史ある古典椿の一種です。全体的に淡い花色をもつため、茶花として人気の高い椿でもあります。一説によると、太郎冠者は『侘助(わびすけ)』の生みの親であるようです。

王冠(おうかん)

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王冠は熊本県で創り出された肥後椿の一種として知られています。黄色い花芯と紅白の花びらのコントラストが美しく、実に見応えのある椿です。

唐錦(からにしき)

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唐錦は江戸椿の銘花とされている歴史ある椿の一種です。桃色の花びらに薄い絞りが密に入っており、じっくり観賞すればするほど楽しめる椿となっています。

唐獅子(からじし)

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唐獅子は12〜翌3月に開花期を迎える椿です。花びらが幾重にも重なることで全体的にこんもりとした花姿となります。

光源氏(ひかるげんじ)

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光源氏は縦絞りの淡紅色の花びらに白い覆輪が入った花を咲かせる品種です。花の美しさゆえに、古くから人気を集めている江戸椿を代表する存在でもあります。

古金襴(こきんらん)

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古金襴は3〜5月にかけて開花する品種です。白を基調とした花びらに紅色の縦絞りが入り、全体的に立体感のある花姿をしています。

ツバキ(椿)の種類や品種を覚えよう

ツバキは古くから日本人に愛され、日本の園芸品種だけでも相当たくさんの種類があります。一重、八重、千重咲き、絞りなど、花の形や模様も千差万別です。

咲き方や花の特徴から名前を覚えれば、ツバキの咲く時期には外出が楽しくなるかもしれませんね。ぜひ様々な品種を覚えてみてください。

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