はじめて檸檬|日本に旅したレモン〜 No.2〜

kuniyoshijun

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公開日:2021.02.26

こんにちは。
レモン研究家の国吉純です。

前回はレモンのルーツについて、レモンの生まれ故郷インドから世界へと広がっていくまでのお話をしました。

レモンといえば?

正直、私の年代50代前後の人たちにとって、レモンのイメージといえば、
「部活でマネージャーさんが持ってきてくれるレモンのスライスの砂糖漬けや蜂蜜漬け」。

或いは、「喫茶店で紅茶を頼むと「ミルクになさいますか?レモンにされますか?」と聞かれ「レモン」と答えるとちょっと大人になって背伸びをした気持ちになった思い出」。
ではないでしょうか??

そして、レモンといえば、サンキスト!
とレモンは輸入品の外国産しか日本にはないと思い込んでいた人も多いでしょう。

私と国産レモンの出会いも、「そもそも日本でレモンって栽培されているの???」
という疑問からでした。

そこでいろいろ調べてみると、
なんと!!日本国内でもレモンを栽培している、
レモンは日本でも栽培が可能な果実!
ということがわかり、本当に衝撃的でした。

さて、今回は、日本にいつ頃、どのようにしてレモンがたどり着き、栽培されるようになったかについてお話をさせていただこうと思います。

熱海がレモンの発祥の地?

実は、レモンが日本にたどり着いたのは、明治6年(1873年)静岡県の熱海。熱海といえば、温泉。
温泉での湯治に訪れた外国人が、食膳に出されたレモンの種を庭先に播いたのが始まり、と言われています。

どうも、その前後くらいにアメリカからオレンジ、レモン、ストロベリー、ホップ等の種苗が当時の米国加州領事館から日本に導入されたらしく、また『近代日本食文化年表』の明治九年(1876年)のラムネに関する記述の中に、「東京日日新聞の記者であった岸田吟香の経営する銀座三丁目の精錡水(せいきすい)本店から発売された黎檬水(レモン水)がさかんに宣伝して評判を呼んでいる。」とあり、既に明治初頭にレモンブームが起きていたのでは?と思われる記事が残されていました。

その後、明治19年(1886年)に和歌山、31年(1898年)に広島県豊田郡大長村(現在の呉市)に伝わり、本格的な栽培がスタート。徐々に栽培面積が広がり、瀬戸内海を中心にレモンが栽培されたと言われています。ここにも面白いエピソードが残っていて、当初、大長村が和歌山県からネーブルの苗木を購入した際に、偶然レモンの苗木が3本混入していて、それを試植したのが始まりと言われています。

輸入レモンから国産レモンへの道のり

グレープフルーツは1971年、オレンジは1991年、レモンは1964年にと、レモンは柑橘類の中では最も早く輸入の自由化対象でした。
アメリカでは、レモンは古くからレモネードや料理の調味料として日常的に使用されていましたが、日本の1945年から1964年までは、外貨割当制によってシトラスの輸入は禁止されていたため、輸入レモンは全く存在しませんでした。

輸入が許された1964年に1万トン程だったレモンの輸入量は1974年には10万トンに増えるなど、あっという間に日本人の生活の一部になりました。
当時、海外への憧れを抱いていた日本人がまずは食生活から欧米化へと進んでいった背景と食に対する日本人の柔軟性を感じますね。

ところが、アメリカからの輸入レモンも1980年代末に12万tから9万tへと急減します。
その後も輸入相手国にチリなど南半球諸国が加わり、現在では5万t程。

減ってしまった理由は、輸入レモンの大半は外食などの業務用に使用され、景気後退とレモンの価格上昇によってより安価な果汁を使用するようになったからと言われています。
時代の流れとともに「憧れのレモン」というイメージも薄れていき、レモンは主役ではなく、料理の添え物的な印象を残すようになったのもこの頃からでしょうか。

国産レモンが少しずつ回復

90年代以降は、日本のレモン輸入量が徐々に減少したことにより、逆に国内、特に広島での生産量は増加し、昭和38年には、面積が国内一、生産量も全国の半分を占め、現在に至るまで日本の国産レモンの中心産地となりました。広島に次ぐ産地は、愛媛県、そいて和歌山県、ほか、熊本、宮崎、佐賀、香川、長崎、高知、三重と続きます。東では、東京や千葉、神奈川で、レモン栽培(生産)の北限は関東と言われています。

レモンに適した環境とは?

先に、栽培したい植物の原産地を知ることで、栽培の条件(適した環境)を知ることができるというお話をしました。

レモンの栽培に適した温度は、年平均気温が、15.5.度以上、冬の最低温度がマイナス3度に下がらないこと。低温地帯では、落葉などで翌年の春につく着果率が劣ります。冷気が停滞せず、そして風当たりの少ない場所。レモンは古葉に結果するといっても良いくらい、古葉がとても大切。古葉がついている枝でないとおおきな花が咲かないし、良い果実も結実しません。寒風が強くあたると古葉が早く落葉しやすいこと、また風邪で傷ができるとかいよう病という病気にかかりやすくなります。

今、一大レモン産地ととなっている瀬戸内は温暖(平均気温15度)で降水量も少なく晴れが多いのが特徴。レモンは雨と風に弱いこともあり、穏やかな海で風の量も少ないこの地域は病気の発生も極力抑えられ、レモンに最適な場所なんですね。

レモンは寒い地方では育たない?

とお話したところで、、、

あれ?では寒い地域ではレモンを育てられないの?

とがっかりした方も多いでしょう。
今までのお話は、あくまでも商品としての「レモン」の栽培、農業上でのお話。
家庭園芸でレモンを育てる場合は、売るほどのレモンが収穫できなくても、家族、或いは近所で友人同士で楽しむくらいのレモンが成ればそれで幸せ。冬に近づき、外気が低温になったら、室内に入れて管理するなど工夫をすれば十分に栽培を楽しめます。
レモンの気持ちになって仲良く一緒に暮らすことが大事ですね!

「せとだレモン祭り」開催決定!

さて、次回は、レモンの一大生産地、レモンの島(広島県尾道市瀬戸田)についてのお話
実は、この春、この島は大きく変わろうとしています。

3月21日(日)には「せとだレモン祭り」も開催の予定。
このコラムを読み進めながら、レモンの島にもぜひ足を運んでいただけたら嬉しく思います!

詳しくはこちらをご覧ください。

kuniyoshijun
レモン研究家・園芸家/株式会社ジュリエッタ・ガーデン 代表取締役 大手メーカーにて秘書業務に従事後、園芸、福祉に興味をもち園芸講座、執筆、造園などを通して、家庭園芸の普及に力を注ぐ。 また、自らの経験でマンション・ライフでのベランダガーデニング、コミュニティーガーデン、また園芸療法を得意としている。​ フマキラー株式会社カダン専属アドバイザー グリーンアドバイザー 東京テクノホルティ園芸専門学校 非常勤講師 NPO法人 日本園芸療法研修会 監査 日比谷公園ガーデニングショー 審査員 横浜みどりアップ計画市民推進委員 ​日本野菜ソムリエ協会認定 野菜ソムリエ 【blog】http://ameblo.jp/giulietta-lemon/ 【Instagram】junkuniyoshi、junkuni.lemon、ecofriendly_garden

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