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バラは世界中でとても人気な花で、その人気ぶりからたくさんの品種が開発されています。ただし、バラは意外と病気や害虫の被害にあいやすい花でもあります。今回はバラがかかりやすい病気や害虫の発生時期や原因、対策方法などについて詳しくご紹介します。また、病気に強いとされるバラの品種についても触れているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
バラは品種改良を重ねることで、どうしても植物本来の力が弱まってしまうことが多いです。
虫や病気にかかりやすいのが、バラの栽培難易度をあげる要因のひとつでもあります。ジメジメした環境だとカビに関連した病気になったりするなど、生育環境によって病気や害虫を発生させることが少なくありません。
まずは、バラがかかりやすい主な病気の種類と各症状についてご紹介します。
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バラが黒星病にかかると葉に黒や茶色の斑点がつくなどの症状がでます。これが黒い星のようだから、黒星病と名がつけられました。斑点が見つかったあとは、葉全体が黄色く変色して、ポロッと葉が落ちます。 |
うどん粉病 | うどん粉病にかかると、バラの葉や茎が白い粉をかけたような症状がでます。うどん粉をかけたように見えることからこのような名前となりました。原因はカビ(糸状菌)。そのままにしていると葉が縮れ、変形することもあります。 |
枝枯れ病 | 枝枯れ病はバラの枝の切り口から病原菌が侵入して枝が枯れる病気です。枝枯れ病になると、枝に黒い斑点が生じ、そのまま枯れてしまうなどの症状がでます。 |
黒星病にかかりやすいのは5〜6月の梅雨時期や、秋の長雨時期などジメジメした季節です。
黒星病の病原はカビの仲間である糸状菌です。この菌がバラの葉に付着して入り込むことで症状が出ます。
梅雨の時期などの水やりを控えめにしてある程度予防することはできますが、カビは完全に予防することは困難。葉に斑点が出始めたら、菌がある証拠ですので、その葉をすべて取り除いて対応してください。
うどん粉病にかかりやすい時期は5〜11月です。湿度や温度が増してジメジメするような時期はとくに注意が必要です。
うどん粉病の原因はカビですので、湿度が高いと発生します。また窒素肥料を与えすぎると枝葉が多く出るため、風通しが悪くなりうどん粉病にかかりやすくなるので、肥料の与えすぎには要注意です。
うどん粉病の予防・対策は蒸れさせないことです。株同士の距離を離し、風通しをよくするように心がけてください。
枝葉が多くなりすぎたら、適宜カットして風通しをよくしましょう。うどん粉病になっている葉を見つけたら、見つけ次第しっかりと取り除いてください。また空気感染しますので、薬剤も使用しましょう。
枝枯れ病は環境に起因するものではないので、とくに発生しやすい時期はありません。通年を通して警戒が必要です。傷つきやすい台風の時期や、剪定後はとくに注意してください。
枝枯れ病にかかる原因は、剪定や接ぎ木などで枝をカットしたときに、その傷口へ病原菌が入ることです。剪定以外でも、枝に傷がつくと、そこから病原菌が侵入します。
枝枯れ病の予防・対策方法は、剪定などで枝を切る際、清潔な剪定用ハサミを使用するようにしましょう。また剪定したあとは、癒合剤を塗布すると、病原菌の侵入を防ぐことができます。
ただし、どうしてもバラは病気になりやすい傾向にあります。バラの苗を購入する際は、耐病性のある品種を選ぶこともおすすめです。
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「クロード・モネ」は、ピンクの花びらに黄色の模様が入る、四季咲きのバラです。病気に強くなるよう改良された、人気の品種です。 |
レヨン・ドゥ・ソレイユ | 「レヨン ドゥ ソレイユ」は、黄色い花を咲かせるバラです。トゲが少なく病気に強いため、初心者の方にもおすすめの品種です。 |
このほかにも、さまざまな病気に強いとされるバラの種類があります。
続いて、バラにつきやすい害虫の種類と各症状についてご紹介します。
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チュウレンジハバチは羽が黒く、お腹がオレンジ色のハチの仲間です。茎に球後を産み付け、そこから生まれた幼虫がバラの葉を食べられます。葉に穴が開き、大きな被害を受けると光合成ができず、枯れてしまうなどの症状がでます。 |
カミキリムシ | カミキリムシは強いアゴを持つ害虫で、茎や葉に穴をあけて食害していきます。また、幹の中に空洞をあけて、卵を産み付けることもあります。症状がすすむと、やがて枯死に至ります。 |
アブラムシ | アブラムシはバラの若葉や新芽に群がりやすく、小さな緑色の虫がうごめいていたら、アブラムシが発生している証拠です。植物を吸汁するので、病気を他の株にうつしたり、被害が拡大する恐れがあります。 |
カイガラムシ | バラの枝に白い小さな粒がつくように見えたら、カイガラムシが発生している証拠です。カイガラムシは吸汁して株を弱らせるほか、粘着質な排泄物がスス病などの他の病気に感染する危険性をあげます。 |
チュウレンジハバチは湿度と温度が高い、5〜10月の時期によく発生します。
バラの香りに引き寄せられた成虫が飛来して、卵を産むことが原因です。孵化してから幼虫の30日間のあいだに、あっという間にバラの葉を食べ尽くします。
チュウレンジハバチの成虫が卵が産みつけられているのを見つけたら、針金などで潰しましょう。チュウレンジハバチは針は持たないので安心してください。幼虫が発生した場合は薬剤を撒いて対応します。
カミキリムシの発生時期はほぼ通年です。ただし、とくに5月から7月の気温が高い時期は成虫が飛び交うようになります。幼虫は幹や茎の中で食害しながら1〜2年過ごすため、発見が遅れやすいです。
カミキリムシが発生する特定の原因はありません。しいていえば、成虫が夏にバラの株元に穴をあけて産卵。そこから生まれた幼虫が茎のなかを食害することで、茎が弱ります。
カミキリムシの成虫を見かけたら捕獲してください。茎元におがくずのような茶色い粉があるときは、幼虫が食害している可能性があります。幼虫を見つけたら、適宜スポイトなどで薬剤を茎に入れましょう。
アブラムシが発生しやすい時期は4〜11月のガーデニングシーズンです。春になると羽化した成虫がいっせい飛び回り、さらに繁殖していきます。
アブラムシは植物に含まれるアミノ酸に引き寄せられて発生します。アミノ酸は窒素分からつくられますが、バラの成長には必要不可欠なので、根本的な防除は難しいです。
粒状の防虫剤を植え付け時に土に混ぜておくのが効果的です。そのほか木酢液を水で希釈してスプレーすると、忌避剤となります。
カイガラムシが発生しやすい時期は4〜10月の間です。ただし、とくにバラに発生しやすいバラシロカイガラムシは通年発生するので、注意しましょう。
カイガラムシは羽をもつ成虫がバラに飛来することで、羽化した幼獣が発生するようになります。とくに風通しが悪い場所を好むので、株全体の通気性の良さが大切です。
カイガラムシは白いロウ状の殻に覆われているため、薬剤での対応は難しいです。見つけ次第、ハケやテープなどで取り除きます。幼虫の場合は、まだ殻がないので、薬剤が効果的。カイガラムシは幼虫のうちに対応しましょう。
バラはどうしても病気になったり、虫の被害にあったりすることがあります。大切に育てたバラに病気の兆候や虫がついていれば、焦ってしまうかもしれませんが、適した薬剤を使用することで改善させることが可能ですので、ぜひやってみてください。
GreenSnap編集部