イロハモミジとは|普通のモミジとの違いや特徴、紅葉する条件は?

秋以外の季節にも美しく鮮やかな葉をつけるイロハモミジ。実は『万葉集』の中には138首もモミジを題材にした歌があり、古くから愛され続けています。今回は、イロハモミジの見頃の時期や葉の特徴についてご紹介します。

イロハモミジとは?普通のモミジとの違いは?

イロハモミジと普通のモミジはどう違うのか、いざ聞かれると分からないと答える人が多いかもしれません。

実はイロハモミジは日陰でない限りは、基本的には常に葉が鮮やかな赤色をしているという特徴があります。また、イロハモミジの葉は、ほかのモミジに比べると小さく、翼状の実が水平に開くという違いもあります。

イロハモミジの見頃の時期

イロハモミジの見頃の時期は地域によっても異なりますが、10~12月になると最も美しい紅葉を楽しむことができます。

イロハモミジが紅葉する3つの条件

イロハモミジが鮮やかな色の葉をつけるためには、以下の3つの条件が必要となります。

  1. 昼と夜の温度差が大きいこと
  2. 昼と夜の寒暖差が激しいことは、紅葉が鮮やかに色づくにとって重要な要素となります。イロハモミジは、アントシアニンという成分が増加することによって赤くなります。

    夜に気温があたたかいままだと、昼間につくられたアントシアニンは夜の間に消費されてしまいますが、気温が急激に下がることによってアントシアニンがゆっくりと消費されます。この明るくなってからも残ったアントシアニンのおかげで、見事に色づく紅葉が生まれます。

  3. 大地をうるおす雨が降ること
  4. また、気温だけではなく天気も関係します。晴れの日が続き、大地が乾燥してしまうとせっかくの美しいモミジが枯れてしまう原因になります。

    もちろん、雨の降りすぎも葉が落ちてしまうのでよくありませんが、適度な雨で水分を蓄えることは、綺麗な葉をつける上で大切なポイントです。

  5. 晴れの日が続くこと

夏から秋にかけて晴れの日が続き、下の葉までたっぷりと日光が当たることも、重要な条件のひとつです。イロハモミジは、昼間に太陽光を浴びて光合成をすることで、糖やタンパク質をつくることができます。

雨の日が続いてしまうと、モミジの鮮やかな色をつくり出す「アントシアニン」を合成する化学反応を活性化できず、綺麗な赤色の葉をつけることができません。

赤色や黄色のモミジはよく見かけますが、このような条件がそろうことで息を飲むような美しいイロハモミジを堪能することができますよ。

イロハモミジの葉・花・実の特徴

日本の秋の景観を作り出す、代表的な風物詩のひとつであるイロハモミジ。樹皮は淡いグレーで表面にはうっすらと縦縞模様が入っています。

葉にはノコギリ刃のような鋭い重鋸歯(じゅうきょし)があり、葉の先端はキツネの尻尾のような形をしています。ヤマモミジやオオモミジと比べると、葉のサイズは小さいのが特徴です。

また、モミジの葉の色は、昼と夜の温度差と日光の照射量が深く関わっています。モミジが鮮やかな赤色になるかどうかは、天候などの自然の力が大きく影響しているので、毎年かすかに違ったモミジを味わうことができるでしょう。

花・実

イロハモミジは、春に小さくて可愛らしい花を咲かせます。紅い5枚のがく片と、クリーム色の雄しべを持った花が10~20個ほど集まって、ドーム型に垂れ下がって咲くのが特徴です。

4~5月の開花後に実をつけ、その実が時間をかけて大きくなり秋に熟します。果実は上についている翼果(よくか)と呼ばれる羽のお陰で、風に乗って遠くまで飛ばされます。イロハモミジは、プロペラのような羽をつけて実を遠くまでくるくると運んでいきます。

イロハモミジに似ている木

ムクロジ科・カエデ属であるイロハモミジは、日本やアジアを原産としています。一般的な「モミジ」というのはこのイロハモミジのことを指しますが、実は似ている樹木もたくさんあります。見分けるポイントをチェックしていきましょう。

ヤマモミジ

北海道や日本海エリアなどの雪が多い地方に広く分布しています。イロハモミジは葉っぱに5~7つの切り込みが入っているのに対し、ヤマモミジは最多で9つの裂片があります。葉の周りはノコギリの刃のようにギザギザとしており、モミジの中でも大きいサイズの葉が特徴です。

サトウカエデ

サトウカエデは、北米原産のモミジで、カナダの国旗のデザインにもなっています。樹木の高さは30~40mまで成長し、葉っぱの大きさは7~15センチとかなり大きめです。

また、サトウカエデの樹液はメープルシロップになることから、漢字で書くと「砂糖カエデ」(英名はSugar maple)と名付けられました。

オオモミジ

オオモミジの葉っぱは、イロハモミジと同じく7つの切り込みが入っています。葉の周わりは、揃った細かいノコギリ歯で縁取られており、サイズはヤマモミジよりもひとまわり小さめです。

トウカエデ

トウカエデは「唐(中国)のカエデ」という名前の通り、中国が原産地とされています。江戸時代、中国から徳川幕府に贈られたことがきっかけで、今では日本各地に広まりました。

大気汚染や病虫害に強く、街路樹としても植栽されることが多いモミジのひとつです。丸いフォルムをした可愛らしい葉は3つに分かれていて、葉の表面には光沢があります。

ハウチワカエデ

ハウチワカエデは、北海道などに分布しているムクロジ科カエデ属の高木です。切れ込みの浅い葉を持っており「天狗のうちわ」に似ていることからこの名前がつきました。

秋になると、葉の先から少しずつ色が変わり始め、黄色、オレンジ、赤色と、変化していく美しいグラデーションを味わうことができます。

イロハモミジは庭だけでなく、盆栽やシンボルツリーとしても楽しめる

モミジは、実はたくさんの種類があり、葉の形もさまざまです。掌のような形をしたものや、天狗のうちわのようなものなど、紅葉によって葉が異なります。葉っぱの形や、切れ目の数が種類を見分けるポイントです。いくつかの種類の葉を集めて、違いを見比べてみるのも面白いかもしれませんね。

晩秋に美しく紅葉するイロハモミジ。紅葉狩りを楽しんだり、自宅のシンボルツリーにしたりと、いろいろな方法でその美しさが楽しむことができます。自分の生活スタイルにあった方法で、イロハモミジの紅葉を楽しんでみてください。

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