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「ビカクシダ」とも呼ばれるコウモリランは、樹木や岩に付着して生長する着生植物です。
ほかの植物と同様に鉢植えでも育てられますが、板付けやハンギング、苔玉などに仕立てることでおしゃれなインテリアにもなります。
コウモリランはウラボシ科ビカクシダ属の多年草です。園芸分類は観葉植物、またはシダに分類されます。
大きさも品種によってさまざまで約10cm~150cm、大きいもので200cmちかくまで成長するものもあります。熱帯地域原産の植物なため耐暑性が強く、耐寒性は弱いです。
コウモリランの名前は、葉がコウモリの羽のように見えることに由来します。
別名のビカクシダは、葉の形が鹿の角である麋角(びかく)に似ているシダ植物であることから「麋角羊歯」と名付けられたとされています。
アジア、オーストラリア、アフリカなど熱帯地域を中心に18種類の原種が確認されています。近年では園芸品種の交配も盛んにおこなわれており、小型の品種が観葉植物やインテリアとして人気を高めています。
グランデは大きいものだと150cmほどまで成長します。別名「森の王冠」ともいわれ、栽培にはある程度のスペースを必要とします。
比較的入手しやすいビーチーは、園芸品種名「レモイネイ」としても流通しています。柔らかく細かい毛に覆われているため、シルバーリーフのようにも見えます。乾燥に強く小型な品種のため、室内でも育てやすいです。
アルシコルネは耐寒性があり比較的寒さに強いですが、真夏の暑さには弱いため風通しのよい半日陰で管理します。基本的に丈夫な品種ですが、カイガラムシなどの害虫対策に注意が必要です。
ビカクシダの中でも特に強健な性質で、初心者でも栽培しやすいです。流通量も多いため、入手しやすいでしょう。環境によっては屋外での栽培も可能なほど、耐暑性・耐寒性ともに優れています。
ビフルカツムとよく似ていますが、ヒリーの方が貯水葉の切込みが浅くコンパクトに成長しやすいため、室内での栽培に向いています。
ネザーランドはビフルカツムの品種改良種で、ふわふわとした葉が特徴的です。耐寒性が強く管理のしやすさから人気が高い品種で、初心者向けといえます。
ステマリアの葉は幅が広く深いグリーンが特徴的で、雄大な印象を与えます。日本のような高温多湿な気候に耐性がありますが、寒さに弱いです。冬は15℃以上の環境で管理しましょう。
ウィリンキーの葉は細かい毛に覆われているため、やや白く見えます。日当たりを好み乾燥にも強いですが、寒さには弱い傾向があります。
ウィリンキーは比較的大きく育ちやすいので、十分なスペースを確保したうえで育てたほうがよいでしょう。
ワンダエは大きく華やかな姿から、別名「ビカクシダの女王」といわれています。ワンダエはビカクシダのなかでも蒸れに弱く根腐れを起こしやすいため、風通しには十分注意しましょう。
リドレイはコウモリランのなかでも流通量が多く、樹形が美しいと非常に人気の高い品種です。
比較的管理しやすい品種ですが、寒さに弱く冬越しに失敗する場合も多く見受けられます。気温を15℃以上に保ち、生育環境を変えないことが重要です。
貯水葉が王冠のように見えることから「王冠をまとった」という意味のコロナリウムが名付けられました。コロナリウムは強い日差しが苦手なため、半日陰の風通しのよい環境で育てましょう。
キッチャクードは「リドレイ」と「コロナリウム」の交配品種で、どちらの魅力も兼ね備えていると非常に人気が高いです。強健な性質なため、基本的なビカクシダの育て方おさえていれば問題なく育てられます。
ビカクシダの中でも成長期と休眠期がはっきりとしています。乾かし過ぎないよう、湿度・温度管理に気を付けましょう。
エレファントティスは日光を好む性質がありますが、葉焼けさせないようカーテン越しに日を当てましょう。蒸れに弱く根腐れしやすいため、メリハリのある水やりと風通しを心掛けてください。
スパーバムは大型の品種で、上に大きく広がった貯水葉が立派です。葉焼けしない程度にしっかりと日光に当てて、こまめに葉水も行うことでより締まった葉姿に育ちます。
全体的に小ぶりなエリシーは、高温多湿を好み初心者にも管理しやすい品種です。エリシーはビカクシダのさまざまな交配に用いられています。
アンディナムはビカクシダのなかでも唯一南米系を原産とする種類で、高温多湿に弱い傾向があります。水切れを起こすと葉がしわしわになり復活しにくいので、水管理には注意が必要です。
クアドリディコトマムは「アンディナム」をコンパクトにしたような姿をしています。マダガスカル原産で流通量も少なく、休眠期の管理が難しいため上級者向けの品種といえます。
コウモリランには「信頼」「助け合う」という花言葉がつけられており、着生植物の性質を表したものだといわれています。
ユニークな姿をしたコウモリランですが、栽培スペースや見た目の違いなど、お気に入りのコウモリランを見つけて育ててみてはいかがでしょうか。
GreenSnap編集部