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モッコウバラ(木香薔薇)は、中国南部原産のつる性常緑低木でトゲのないバラの品種です。害虫がつきやすいイメージがあるバラですが、モッコウバラは比較的害虫にも強く、初心者にも育てやすい品種といえます。
ここでは、そんなモッコウバラの育て方をご紹介します。
モッコウバラは開花時期の4〜5月頃になると、2~3cm程度の、淡黄色もしくは白色で、芳香のある花を咲かせます。
常緑で、小さい花が山盛りに咲き誇り、お庭を一気に華やかにしてくれるため、垣根の部分に誘引して楽しむ方法も人気があります。
モッコウバラは植え付けて3年もすると、シュートと呼ばれる茎と葉の部分がぐんぐん伸びて、5mほどにもなります。
花が終わったら早めに剪定をし、シュートをまとめることがきれいに育てるポイントです。
モッコウバラは強くて育てやすいので、高温多湿な場所や半日陰でも育ちます。ただし、日当たりのよい場所で育てるほうが、花つきはよくなります。一方、寒さには弱いため、寒冷地での栽培には向きません。
また、地植えにする場合は、うしろにフェンスなどのモッコウバラのシュート(茎と花のあいだのつる)を誘引できるものを立て、場所を広くとります。鉢植えにする場合は、株より二回り以上大きい鉢と水はけのよい土を用意します。
モッコウバラを育てるときは、基本的に乾いたらたっぷりと水をあげます。
地植えにした場合は、雨が普通に降っていれば、特に水やりをしなくても大丈夫です。高温乾燥の続く真夏は早朝と夕方、日が暮れてから、たっぷりとあげましょう。
鉢植えの場合は、土が乾いたら鉢底穴から水が出てくるまで、たっぷりとあげます。メリハリをつけた水やりが植物を強く育てます。
モッコウバラは多肥を嫌います。肥料をやりすぎると、花つきが悪くなるといわれています。花が終わった頃から9月頃まで、月に2回ほど油かすや固形肥料をやります。化成肥料、バラ用の肥料も適しています。
モッコウバラの栽培には、水はけの良い土と保水力のバランスのとれた土が適しています。
地植えにする場合は、植え付けの2週間前に土を掘り起こし、堆肥、油かす、骨粉などを混ぜ込んで土をふかふかにしておきます。鉢植えにする場合は、バラ用の培養土や、赤玉土小粒と腐葉土などがよいでしょう。
モッコウバラは、苗から育てるのが一般的です。秋頃になると、園芸店にモッコウバラの苗が出回り始めるので、そのタイミングで購入すると良いでしょう。
なお苗を選ぶときは、株元の方まで均等に葉がついていて、葉につやのあるものを選ぶようにしましょう。落葉していたり、枝が折れていたりするものは、なるべく避けてください。
また、花を咲かせるまでに時間をかけたくないという方は、枝先に花芽がついているものを選むことをおすすめします。
初心者の方は、春先に出回る苗の方が新葉も花芽もついているので、その時期に購入するのもいいでしょう。
モッコウバラの苗の植え付け時期は、少し暖かくなってくる3月、または夏を終えて気温が下がる10〜11月の頃です。
植え付けするときは、風通しがよく、日当たりのよい場所を選びましょう。なお、うしろにフェンスやアーチなど、つるを誘引できるものを立て、広い場所で育ててやると元気に成長します。
気温が下がる時期の目安として、周囲のほとんどの人が長袖になってきたな…というところを基準にしてみるとわかりやすいですよ。
モッコウバラを地植えする場合は、植え付けの2週間前に土を掘り起こし、堆肥、油かす、鶏糞、骨粉などを土とよく混ぜ込んでおきましょう。この肥料に根がつかないように土を10cmほどかぶせ、植え付けます。
モッコウバラを鉢植えする場合は、株の2回り以上大きい鉢を用意し、バラ用の培養土や赤玉土小粒と培養土など、水はけと保水力のバランスがとれた土に植え付けます。
なお前述の通り、モッコウバラはつる性で成長が早く広い場所を要するため、ベランダでの栽培には向いていません。
モッコウバラを地植えしている場合は、特に植え替えは必要ありません。
モッコウバラを鉢植えしている場合は、ある程度大きく成長し、根が鉢下から出てきたら、植え替えをしましょう。
植え替え時期は10〜11月が適期です。ただし、真夏と真冬以外を避ければ、それほど時期にこだわることもありません。
植え替え方法は、以下の通りです。
ふたまわりほど大きな鉢と、先の植え付けの時と同じ土を用意します
根を傷つけないように、根鉢も崩さずに、苗を植え替えます。
植え替え後は特に、普段の管理に比べてもお水を欲しがることがあります。普段よりも少し水やりの頻度について注意が必要です。
モッコウバラは比較的虫がつきにくく、病気にも強いです。ただし、まれにアブラムシ、ハダニ、イラガの幼虫がつくことがあります。
風通しが悪くなると発生し、見つけにくくなり大量発生してしまうので、適度に剪定することをおすすめします。最近はニームなどの植物オイルやお酢からできている忌避剤が売られていますので、害虫予防に散布しておくことで、害虫の発生を防ぐことができます。
モッコウバラの増やし方は、「挿し木」が一般的です。
挿し木の方法は、以下の通りです。
花が咲き終わったあとの枝を、10~15cmほど切り落とします。
カッターで枝の根元を、斜めに切り落とします。
それを1時間ほど水に浸し、ルートンなどの発根促進剤をまぶしつけます。
湿らせた赤玉土やバーミキュライト、挿し木用の土を入れた容器に挿します。
水分の蒸発を防ぐため、葉は半分に切ります。
その後ビニール袋やラップで鉢を覆います。
水をきらさないように気をつけながら、明るい日陰で発根するのを待ちます。
30~50日して発根したのを確認したら、ビニールを外します。
ビニールを外してからは、水やりを控えておきます。
挿し木を成功させるポイントは、「挿している部分が常に水で湿っている状態をキープすること」「根が出たら水を与えすぎないこと」です。
モッコウバラの剪定時期は、花が咲き終わってすぐ~7月までの夏と、12~1月の冬の年2回です。
花後から夏にかけての剪定は、枝の半分くらいの長さでバッサリと剪定してしまってOKです。ただし、冬の剪定は、うまく冬越しさせるためにも控えめにしておく方がいいです。
また、モッコウバラはつるが暴れやすいため、ワイヤーや麻紐を使ってフェンスや支柱にツルを巻きつけ、誘引してあげると良いでしょう。
花後の剪定で迷ったら、花のついていた枝を中心に切るようにしてみてください。また夏の思い切った剪定ののち、一度誘引をし直しておく。冬の剪定のあと、春の花付きを想像して、再度誘引をすると作業しやすいですよ。
モッコウバラは育てやすく、お手入れも簡単なので初心者の方にもおすすめの園芸植物です。玄関先やお庭を華やかにしたい、常緑の植物で目隠しをしたい、手軽にバラの花を楽しみたい、といった方は育ててみてはいかがでしょうか。もこもこした可愛い花に癒され元気をもらえますよ。
モッコウバラは成長が早い植物です。お庭に植え付けする場合には、植え付けする場所をよく見極めて、長く楽しんでください。
松原真理子
GreenSnap編集部