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ラン科の植物で、葉も花もとてもユニークなクマガイソウ。北海道南部から九州まで、広い地域の森林や竹林で自生していますが、今では絶滅危惧II類に指定されている希少な植物でもあります。自宅で栽培してみたい人は、ホームセンターなどで手に入れることが可能です。存在感抜群で、人気の高いクマガイソウの育て方をご紹介します。
クマガイソウが自生しているのは薄暗い森林や竹林なので、直射日光は好みません。そのため、午前中に少し日が差し、午後からは日陰となるような明るい半日陰で育てるのが適しています。
直射日光に当たると葉焼けを起こしてしまうので、日なたに置く際には、春や秋なら50%、夏なら80%くらい、ネットなどで遮光してあげましょう。
また、クマガイソウは夏の暑さも苦手です。夏はできるだけ涼しく、風が直接あたらないような場所に置いてください。寒さには比較的強いですが、冬は霜や凍結に気を付けるようにしましょう。
クマガイソウは乾燥を嫌います。乾燥してしまうと発育しなくなりますので、注意してください。
クマガイソウを育てている土の表面が乾いてきたら、たっぷりと水を与えるようにしましょう。冬の間は乾燥させないように様子を見ながら、週に1回くらいの水やりで構いませんが、春から秋にかけては、もう少し頻繁に水やりしてください。
クマガイソウへは、4月から6月頃の春と、9月から10月頃の秋に肥料を与えてください。真夏に肥料を与えると、かえって弱ってしまいますので注意しましょう。
与える肥料は1,000倍くらいに薄めた液体肥料で、これを月に2〜3回程度与えてください。
クマガイソウを育てるときは、市販の山野草花用の培養土を用いましょう。自分で用土を配合する場合は、日向土小粒を5、赤玉土小粒を3、腐葉土2くらいの割合で配合するといいでしょう。
クマガイソウは地下茎の伸びがよく、フカフカの土を好むので、地植えにする場合も、腐葉土を4割くらい混ぜてあげてください。
クマガイソウは地下茎の伸びがいいので、鉢植えにする際には、最低でも7号くらいの鉢を選びましょう。大きな育苗箱や、大きめのプランター、深さのある発泡スチロールの箱の底に穴をあけたものでも構いません。
植え付け時期は、3月か11月頃が最適です。植え付けの際には、地下茎を横向きに置き、新芽が軽く隠れるくらいに土をかけてあげましょう。
鉢植えの場合は、先端の芽が鉢の真ん中に来る位置に植えてあげてください。地植えの場合は、芽が伸びる方向にスペースがあるかどうかを確認しましょう。
クマガイソウの地下茎は長く伸びてしまうので、鉢植えの場合は詰まりすぎないように、2〜3年に1回は植え替えを行ってください。植え替えを行う際は、根を傷つけないように気を付けて掘り起こしましょう。
クマガイソウがかかりやすい病害虫は特にありません。
クマガイソウの増やし方は「株分け」が一般的です。
うまく育てることができれば、毎年2〜3倍に増やすことができるので、掘り起こしたクマガイソウを分かれそうなところで軽く引っ張ってください。力任せに引きちぎるのではなく、軽い力で分かれるところで分けるようにしましょう。
クマガイソウの花が枯れてきたら、早めに取り除いてあげてください。花が枯れたあとに種ができますが、クマガイソウを種から育てるのはとても困難です。花をつけたままにしておくと、種に栄養がいってしまい、株自体が消耗してしまいます。種にこだわらないのであれば、枯れ花は付け根から切り取ってしまいましょう。
クマガイソウの花の開花時期は、4月から5月にかけてです。この頃になると、大きな扇型の葉の上に、ランにも少し似たこれまた大きな花をつけます。
クマガイソウの花言葉は、「見かけ倒し」や「気まぐれな美人」「闘志」といったものがあります。
ただし、あまり良い意味ではないので、誰かに贈る際には注意したほうがいいかもしれませんね。
ユニークな形の大きな葉っぱに大きな花で、存在感抜群のクマガイソウ。以前は山登りの際などによく見かけたようですが、乱獲や、森林伐採の影響などにより、今では絶滅の危機にあるとのこと。とはいえ、ホームセンターなどで手に入れることは可能なので、育ててみてはいかがでしょうか?
※トップ画像はたかゆきさん@GreenSnap
GreenSnap編集部