warning
error
success
information
羽のように優雅に広がった大きな葉が特徴的なクサソテツは、多年生のシダ植物です。若芽は、別称コゴミと呼ばれる山菜として知られています。
今回は、観賞価値が高いとして人気のクサソテツの育て方についてご紹介します。
クサソテツは、木漏れ日が当たるような環境下に自生している植物であることから、半日陰での栽培が適しています。耐陰性があるため日陰でも育ちはしますが、葉色が少し悪くなり観賞価値は低くなります。
クサソテツは乾燥が苦手なので、水切れに注意しましょう。土の表面が乾いていたら、たっぷりと水やりをしてください。
また、土だけでなく地上部も適度に湿度があるような環境を好むため、定期的に霧吹きで葉に水をかけてあげるようにしましょう。
クサソテツは、栄養分が含まれている土であれば肥料を与えなくてもよく育ちます。土が痩せているような場合は、春と秋に緩効性化成肥料を与えるとよいでしょう。
緩効性肥料は、成分がゆっくりと土に溶け出して、2ヶ月程度効き目が持続する肥料です。クサソテツの場合は、春と秋に施肥することで、生育期に栄養を与えることができます。
クサソテツを育てるときは、肥沃で水はけと保水力のバランスがよい土が適しています。地植えの場合は、植える場所の土に完熟堆肥や腐葉土を混ぜ込んでおきましょう。
完熟堆肥とは、有機物の分解・発酵がすでに進行した肥料です。そのため、有機物の分解や発酵の際に発生する熱やガスが土の中で発生しないため、根を傷めるリスクを軽減できます。また、腐葉土を混ぜ込むことで水はけや通気性、保水性がよい土に改良されます。
鉢植えの場合は、赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜ合わせた配合土を使用しましょう。
クサソテツは病害虫の発生が少ない植物ですが、ナメクジが新芽を食害することがあります。ナメクジは葉の影などに隠れて生息しているので、枯れている下葉などを取り除いて防除しましょう。見つけたときは、ただちに取り除いて退治してください。
植え付け、植え替え時期は3月〜4月、もしくは9月〜10月が適しています。
クサソテツは葉を大きく広げて成長するうえ、土の中で地下茎を広げていくので、地植えにする場合は、広い場所に植え付けましょう。苗は間隔を40cm程度あけて植えてください。
そして、植え付け後にたっぷりと水を与えれば完了です。植え付け後の水やりには、土と根の活着を促す効果があります。
クサソテツは大きく広がって育つため、本来は地植えが向いていますが、鉢やプランターで育てることも可能です。鉢植えの場合は6号鉢(直径18cm)に1株、プランターに植える場合は、幅60cm程度のプランターであれば、多くても2株までにして植えます。
鉢やプランターにそのまま土を入れると底穴から土が漏れてしまうので、必ず鉢底ネットを入れましょう。プランターに中敷がすでに入っている場合は、鉢底ネットを敷く必要はありません。
鉢底ネットを入れたら、水はけをよくするために軽石などの鉢底石を高さ3cm程度敷きつめます。そして、その上に土を入れて苗を置き、鉢やプランターの縁から2〜3cm下の位置まで土を入れて植え付けます。植え付け後には、たっぷりと水やりをしてください。
鉢やプランターでの栽培の場合は、毎年植え替えを行いましょう。子株を傷めないように気をつけ、若芽が土に埋まらないようにして植え替えます。
クサソテツの増やし方は、「株分け、」もしくは「ランナー(親株から伸びた茎)を植える」方法があり、どちらも簡単に行えます。株分けもランナー植えも、3月頃が適期です。
株分けで増やす場合は、伸びてきたランナーについた子株を切り分けて、それを植えて増やします。少しだけ土の表面から子株の先端が出るようにして植えてください。
ランナー植えで増やす場合は、以下の手順で行いましょう。
先述の通り、クサソテツは乾燥に弱いので、夏場など気温が高く土が乾燥しやすい時期は、水ごけやワラを株元に敷いて、土が乾きにくくなるようにしたほうがよいでしょう。
また、若芽を収穫する際は、全部取ってしまうと生えてこなくなってしまうので、1〜2本残しておくようにしてください。そうすることで翌年も元気に育ちます。
クサソテツは観賞して楽しむのはもちろん、若芽を収穫して味わえる楽しみもある植物です。目立った病害虫もほとんどないうえ、肥料を多く与えなくても元気に育ってくれるので、栽培しやすいといえるでしょう。観賞価値の高い植物を探している方は、クサソテツをぜひ栽培してみてください。
※トップ画像はのっこちゃんさん@GreenSnap
GreenSnap編集部