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ショウブやカキツバタと混同されがちになるアヤメですが、その二つの花と違って、アヤメは地面に植えて育てることができるようになっています。そんなアヤメの育て方を紹介していきます。
低山や高原の明るい場所に生息するアヤメは、基本的には日当たりのいい場所での管理が適しています。ただし、土が完全に乾燥してしまうのも嫌がる植物なので、雨にもあたる場所で管理しても心配はありません。
アヤメを鉢植えで育てる場合は特に、日陰に置いてしまわないように気を付けましょう。
アヤメを育てるときは、水はけが良く、通気性もかねている土が適しています。赤玉土の小粒が6、腐葉土が4の割合で混ぜられた土を使用してください。ほかの割合のものでは、赤玉土の小粒が7、腐葉土が3のものがあります。
土の配合が難しいという方は、市販でも販売されている草花用の培養土を使いましょう。
アヤメを地植えをする場合は、植穴を掘るときに、腐葉土を混ぜ込んで耕してください。水はけの悪い土で育ててしまうと、根腐れを起こしてしまうので気を付けてください。
アヤメは乾燥を嫌う植物なので、土の表面が乾いてきたら、たっぷりと水を与えるようにしましょう。
アヤメを地植えをしている場合は、植えつけてから1、2週間ほどは、地面が乾かないように水やりをする必要がありますが、その後からは必要なくなってきます。
夏場は水が切れるのが早まってしまうので、水が切れないように確認しながら水やりをしてください。
冬の季節は、アヤメを鉢植えへ植え付けをする場合、地植えと同じように植え付けてから1、2週間ほど水を与えていると、地上部分が枯れてしまい根だけになってしまうので、鉢で育てるときには、土が乾いてから2、3日経った後に水やりをするようにしましょう。
アヤメを鉢植えで育てるときは、芽が出る前の3月と9月に、三要素等量配合された緩効化成肥料を、鉢に三つまみ程度与えます。
ほかの草花に与えるときよりも、少なめの量を与えるようにしておくのがポイントです。肥料を与えすぎてしまうと、根際から腐っていってしまうことがあるので、必要最小限のものを施して、あとは肥料を与えないようにしてください。
アヤメを地植えで育てる場合は、肥料を与える必要はありません。
アヤメの球根は、根茎の上部が出るほどに浅く植えます。株間 は20〜30cmほどあけてください。20cmほど盛り土してから球根を植えれば、生育がよくなって育てやすくなります。
地植えでも鉢植えでも、切り分けた株を深く植えこんでしまうと、せっかく植え替えたものがダメになります。そのため、できるだけ浅く植えるのがポイントです。そときに株がぐらついて安定しにくい場合には、少し深めに植えても構いません。
なお、球根を植え付けた直後はたっぷり水やりして下さい。
アヤメの植え替え時期は、2〜3月の芽が出る直前もしくは開花が終わったあとの6〜7月頃です。
アヤメは生育旺盛であるため、根詰まりしやすいです。そのため、鉢植えの場合は、1年に1度の頻度で植え替えましょう。地植えの場合も、必須ではありませんが、連作障害を防止するためにも3年に1度くらいの頻度で植え替えるといいでしょう。
アヤメの開花時期は、5〜6月頃です。
花の中心には直立している花びらがあり、それを囲うようにして、花がひらいています。この花びらは、中心のものが6枚、外側にあるものは3〜4枚となっていて、外側にある花びらはすべて反り返って、アヤメ科独特の形を見せてくれます。
草丈は通常のものでは30〜60cmあり、高く伸びた茎の先端に1〜3輪の花を咲かせてくれます。
アヤメは地下茎がどんどん増えるため、花が終わったら植え替えと同時に株分けをするといいでしょう。植え替えの時期に一緒に行えば効率もよくなり、次に植える株の生育もよくなります。
アヤメの増やし方は、株分けが一般的です。花が終わったら、1つの根茎を2〜3に切り分けてください。このとき、葉を1/3〜1/2ほど切りつめておくことで、余分な水分が蒸発するのを防ぎます。
なお、切り分けるときは清潔なナイフやハサミなどを使用してください。使う道具が清潔ではなかったときは、切り口から雑菌が入ってしまうことがあるので、殺菌剤を切り口に塗っておきましょう。
これを、前項で述べたように根茎の背が少し出るくらいに浅植えにして、株分けは完了です。
アヤメを育てるときに注意しておく病気や害虫では、ニカメイチュウという害虫があります。5月から7月の初夏から初秋にかけて多く発生する害虫で、茎の中にすみついて株を食い荒らしていってしまいます。
ニカメイチュウがすみついた茎は切り捨てて処分し、被害にあってしまった部分も切り落として、薬剤を散布して駆除しましょう。ほかにもズイムシという害虫に規制されることもあります。
これもニカメイチュウと同じで茎に潜り込んで茎や根を食い荒らしてしまううえに、外からでは発見が難しいので、4月と6月、9月には殺虫剤を散布して予防、駆除しましょう。
低山や高原などの日のあたる明るい草原などで見られることから、爽やかな印象があることで人気の花となっているアヤメは、その涼しげな様子から、観賞用としても多くの人に親しまれています。
同じアヤメ科であるショウブやカキツバタと同じように湿地で育つとも思われがちですが、アヤメは地植えしてそだてることができるので、鉢植えに植えて庭にかざることもできます。
生け花の花として使われることも多く、飾りの花としても十分に適していることから、観賞にはぴったりの花ともいえます。
GreenSnap編集部