
アルメリアはイソマツ科に属する多年生の植物です。ヨーロッパの海岸地帯が原産の植物で、ヨーロッパでは広く園芸種として普及しています。くす玉状の美しい花を咲かせ、切り花としても利用されます。
そんなアルメリアの育て方について説明します。
アルメリアを育てる場所
アルメリアは日当たりを好む一方で、暑さに弱いという性質も持っています。そのため、温度が上がりやすい場所や西日の当たる場所を避けます。
寒冷な気候である山地帯や東北地方、北海道などでアルメリアを育てる場合は、日当たりのいい場所で育てましょう。それよりも南部や平地でアルメリアを育てる場合は、日当たりよりも温度条件を優先した方が元気に育ちます。
また、アルメリアは湿度の高い状態を好まないため、湿度が上がり過ぎないように風通しの良い場所に置きます。
アルメリアの水やり
夏の水やり
発芽して間もない苗は水分切れに弱いため、乾燥させないように注意を払う必要があります。庭に植え付けられるくらいまでアルメリアが成長すれば、それほど気にする必要はありません。
地植えの場合は、炎天下で土が完全に乾燥している場合に水をやる程度で十分です。鉢植えの場合は、土が乾燥し始めたら十分に水を与えます。
冬の水やり
冬は水やりをさほど気にしなくても大丈夫です。冬場は水分が蒸発しにくいため、夏場よりも乾燥気味に管理します。
アルメリアを地植えする場合は、特に手を掛けずに放置して大丈夫です。鉢植えの場合も、完全に土が乾燥したら水を与える程度にします。
アルメリアの肥料・追肥
アルメリアを育てるときは、春と秋に肥料を与える必要があります。
アルメリアを植え付ける前に、土に腐葉土や有機肥料などの緩やかに作用するようなタイプの肥料を、あらかじめ混ぜ込んでおくと便利です。
春先に関しては、一番成長する時期にあたるので、即効性のある肥料を使用しても構いません。一方で夏場や冬場は成長が緩やかになるため、肥料を与えない方がいいです。
アルメリアは肥料が足りないと黄色く変色して枯れてしまいますが、肥料が多すぎても根腐れを起こして枯れてしまします。
アルメリアの土
アルメリアを育てるときは、市販の山野草用の土を使用すると一番簡単です。栄養分や水はけ具合などが、アルメリアの栽培にぴったりです。
自分で用土を配合して育てる場合には、まず水はけに気を付けます。パーミキュライトや赤玉土、川砂などをベースに、腐葉土などを混ぜ込みます。
アルメリアを地植えする場合も同様で、水はけが悪い場合は川砂などをあらかじめすき込んでおきます。少し石灰などを混ぜ込んでおくと、より良いです。
アルメリアはピートモスなど、水はけの悪い土を使うと、容易に根腐れを起こすので注意が必要です。
アルメリアの植え替え・植え付け・種まき
アルメリアの生長期にあたる春か秋に、植え替えや植えつけ、種まきを行うのがベストです。
特に株が大きく生長して、芽が密集しているような状態を放置すると、湿度がこもって根腐れの原因になりかねません。そのため、アルメリアを育てている鉢が窮屈になってきたら、そのときに植え替えを行いましょう。
アルメリアの増やし方
アルメリアの増やし方には、「挿し芽(挿し木)」や「株分け」、「種まき」といった方法があります。
株分け
株分けは、根本が枝分かれしにくいため、自分で幹を割いて芽を切り離さなければならないため、他の植物の株分けよりも難易度が高いです。
挿し芽
挿し芽は水はけのいい赤玉土などの用土に芽を指して水分を維持しておくと、簡単に根が出ます。
種まき
種は春先か秋に撒いておくと、春に発芽します。
アルメリアの種は、ある程度光があたらないと発芽しない性質を持っているため、あまり地中深くに埋めてしまうと発芽しません。
種を蒔く際は土を被せないでおくか、薄く被せる程度に留める必要があります。
アルメリアの育て方で注意すべき病気・害虫
かかりやすい病気
アルメリアが枯れてしまう原因として、一番多い症状は根腐れ(黄色く変色して徐々に枯れてしまう現象)です。アルメリアは根が弱く、多湿や肥料の与えすぎで容易に根腐れを起こします。
一度根腐れを起こしてしまうと、根が再生することはできないので、そのまま枯れてしまいます。抗菌剤を与えるなどして予防しておきましょう。
ただし、基本的にアルメリアはほとんど病気に掛かることがない丈夫な植物です。
つきやすい虫
害虫としては、アブラムシが特に発生しやすいです。
アブラムシもまた、多湿な環境に発生しやすいため、風通しに気をつける事が、アブラムシ発生の予防につながります。アブラムシが発生してしまった場合には、殺虫剤などを用いて駆除を行います。
アルメリアの管理温度
アルメリアは元々イギリスなどの海岸地帯に自生している植物であるため、強い日射しや低温にとても強い植物です。反面、ヨーロッパは夏場、日本ほど高温多湿にならないため、アルメリアは高温と多湿にはとても弱いです。
アルメリアは生命力に高い植物であるため、日光不足でも十分育ちます。そのため、何よりも湿度と温度の管理を優先して育てる必要があります。
夏場は、換気をしっかりと行うと共に温度が上がり過ぎないように、遮光を行いましょう。鉢植えの場合は、夏季の日中は涼しい室内に移動させるのも良いでしょう。
アルメリアの花
アルメリアは華奢な茎の先端に、くす玉状に密集して花を咲かせます。
花の色としては、ピンク、赤、白の系統の色が多いです。アルメリアの花は品種や個体ごとの差が大きく、同じ品種であっても全く雰囲気の異なる花を咲かせたりすることもあります。
このような株ごとの花の個性も、アルメリアを育てるにあたっての楽しみのひとつです。
アルメリアの風水
アルメリアは密集している花のイメージから、風水的には人間関係や他人との出会いなどの縁に関して有効であるとされています。このため、玉の輿や他人との出会いを求める場合にはアルメリアの切り花が効果を発揮するとされています。
ただ単に飾るだけでなく、自分が出会いたい人や縁を結びたい人のイメージを明確にしながら念を込めつつ、ガラスなどの煌びやかな花瓶に生けると、さらに効果が倍増します。
飾る方角としては、人との出会いや良好な人間関係を司ると風水上考えられている北西の方角にある窓辺に飾るのが有効です。
アルメリアの花言葉
アルメリアの花言葉には、「思いやり」と「同情」という意味があります。
密集して咲く花がお互いを思いやり、労わりながら助け合って咲いているように見えることから、このような花言葉がつけられたといわれています。
アルメリアの由来
アルメリアの花は原産地であるイギリスなどのヨーロッパでは、古くから親しまれた植物であり、歴史上の重要な城や庭に植えられるなど、多くの人に愛されてきた植物です。
アルメリアの花を種から育ててみよう!
アルメリアはその独特の美しさからヨーロッパの多くの人を虜にしてきた植物です。
しかし華奢な姿が日本の庭の風景にも非常にマッチします。
さらに、高温と多湿にさえ気を付ければそれほど育てるのが難しい植物ではありません。
多くのヨーロッパの人々を魅了してきたアルメリアを育てることによって、皆さんも是非、西洋の雰囲気を味わってみてください。
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