
ワラビ(イノモトソウ)科のホウライシダ属に分類されるアジアンタムは、シダ植物です。
世界の中の温帯~熱帯地域にかけて約200種類あると言われいます。
しかしアジアンタムと言えば、一般的にはアジアンタム・ラディアヌム種の事を指しています。
基礎情報
日当たり
アジアンタムは、乾燥には弱く、醍醐味である美しい発色の葉が傷んでしまいやすい植物です。
その為、一年を通じて直射日光の当たらない場所で育てるのが適しています。おすすめは室内の明るい場所となります。
ただし室内でも、全く日が当たらない場所での栽培には向いていませんので、その点は注意が必要です。
強い日射しの場所に置いてしまうと、葉焼けを起こしてしまい、チリチリになって枯れていってしまいますので避けるようにしましょう。
もし葉焼けしてしまった葉があれば、水を与えても二度と元には戻りませんから、根本から切り取るようにして下さい。
またアジアンタムは、日光不足になると葉の色が薄くなってきますので一つの目安となります。
置き場所
アジアンタムは、乾燥は苦手ですので、室内でも直接エアコンの風が当たってしまうような場所に置いて育てるのは不向きとなります。
空気中の湿度が高い状態の環境下でよく育ってくれますので覚えておくようにしましょう。
また乾燥だけではなく、耐寒性はあまりなく、寒さにも弱い性質があります。
冬場は最低でも8℃以上を保てる環境が生育には必要となってきます。
もし室内ではなく、ベランダで育てているような場合には、寒い冬の時期は、必ず室内へ移動するようにしましょう。
レースのカーテン越しの場所に置いて適度な日光を当ててあげるとよく育ちます。
水やり
夏
アジアンタムは水切れを起こしやすく、またそうなってしまうと葉の部分がチリチリになって枯れてしまい元に戻らなくなります。
ですので土の表面が湿っている半乾き状態のうちに、十分な水を与えてあげるようにします。
夏場はとても乾燥が進みやすい為、朝と夕方の1日2回は、最低でも水やりを行うようにしましょう。
また室内は思ったいるよりも乾燥していますから、一年を通じて霧吹きで葉水を与えてあげるようにすると葉がチリチリになるのを防ぐ事ができます。
ここで覚えておいてもらいたい事は、もしテラコッタや素焼きの鉢に入れて育てる場合には、非常に乾燥しやすくなる為、水切れを絶対に起こさないように、水やりには特に気を配るようにするという事です。
かといって水のやり過ぎも根腐れの原因になりますので、通常の水やりと葉水とで、水分と湿度のバランスを取る事が重要です。
1週間程度の旅行で不在になる場合には、水やりをしっかりとしてから、麩船に水を張ったお風呂場に置いておくようにし、湿度の高い環境を作っておくようにすればokです。
冬
冬の寒い時期は、春~秋の生育期と比較すると、水やりの回数は少なくてokです。
しかし乾燥を嫌う性質があり、水切れしてしまうと葉がチリチリになり枯れてしまいやすいので、土の表面が乾いている場合には、十分な水やりを行うようにして下さい。葉水も適度に行うようにします。
1週間程度の旅行で不在になる場合には、室内の暖かな場所で水やりをしてから、透明ビニール袋を上から優しく被せておきます。
肥料・追肥
アジアンタムは、葉の鮮やかなグリーン色が育てる醍醐味とも言えますが、発色を良くしようとして濃いタイプの肥料を与えるのは根が傷む原因となり絶対にダメです。
ただし、生育期には、月に2回を目安として、液体肥料を薄めたものを与えてあげましょう。
ただし寒い冬場の時期には、肥料は特に必要ありません。
用土
アジアンタムに適した用土は、水はけが良い土となります。市販で売られている培養土でもokです。
あるいは、その培養土に川砂を2割ほど混ぜたものでも良いでしょう。
自分で作る場合なら、「赤玉土の小粒5:腐葉土3:川砂2」の配合で作った土を使うのがおすすめです。
川砂の役割ですが、これは水はけを良くしてくれる働きを持っています。
植え替え・植え付け・種蒔
アジアンタムの植え替えを行う時は、鉢から取り出した後で、付着している土を1/3程度落とします。
そして新しい土を使って植え替えます。
ここでポイントなのが、黒くなっている根は既に腐っていますので取り除くようにします、白い根は健康ですので、そのままでOKです。
鉢の中が根で窮屈になってくると根腐れしやすい為、2年に1回を目安に植え替えはして下さい。
最適な時期は、5~6月中旬頃です。それ以降にする場合には、9月中旬~9月一杯頃までとなります。
増やし方
アジアンタムの増やし方は、一般的には株分けで簡単に増やす事が可能です。
株分けに最適な時期は、5~8月頃ですので、それまでには行うようにします。
大きく生育した株は、植え替えと同時期にするといいです。
最悪9月までなら大丈夫ですが、寒い冬の時期までに根っこを張らせる為には、早めにやるのがおすすめです。
ナイフなどを使って株元に切れ目を入れてから、手でそれを2~4株程度に割きます。
発芽するまでは乾燥しないように日陰の環境下で管理をし、発芽したら、通常通りの管理に戻します。
病気・害虫
害虫としては、湿度の高い環境を好むアジアンタムですので、ナメクジやカタツムリがよく付きます。
新芽が狙われやすいので発見次第、箸でつまんで捕獲します。誘殺剤などを利用して駆除してもOKです。
ここで注意してほしいのが、葉の裏のブツブツは胞子の袋で、虫の卵ではありませんので間違ってバッサリ切らないようにして下さい。
管理温度
アジアンタムは、4月中旬から10月上旬頃までは室内、もしくは戸外の明るい日陰で直射日光を避けて管理します。
10月中旬~4月上旬頃は、室内の明るい場所で、最低温度は5~8℃以上で管理を行うようにして下さい。
種類・品種
アジアンタムには様々な品種がありますが、一般的に流通しているのは、「アジアンタム・ラディアナム」という園芸品種です。
これの代表的なものには、「ミクロフィラム・フリッツルーシー・フラグランス」などがあります。
その他にも、テネルムの園芸品種があり、その代表的なものには、「スクツムロゼウム」があったり、その他では、葉が大形の「アジアンタムマクロフィラム・アジアンタムペルウィアナム」や、吊り鉢向きの「アジアンタムカウダツム」などがあります。
トリビア
風水
アジアンタムは一説によると、「運命の人を引き寄せる」パワーを持っていると言われているようです。
特に独身の女性で、彼氏や素敵な結婚相手が欲しい方は、ぜひアジアンタムを育ててみると良いかもしれません。
またアジアンタムは葉には、陰の気を吸い取ってくれる力があると言われている為、運気を上げたいという方にはとてもおすすめです。
金運や商売運をUPしたい方は、西の方角に置いておくと良いでしょう。
花言葉
アジアンタムは、花を咲かせませんが、小さなグリーン色の愛らしい葉っぱが、沢山茂る様子がまるで花のように見える事から、花言葉というのが存在しています。
アジアンタムの花言葉には、「無垢」や「上機嫌」、「無邪気」や「繊細」、「天真爛漫」などがあります。
由来伝承
アジアンタムの名前の由来ですが、これはギリシャ語から来ていると言われています。
ギリシャ語である、「adianoto(アディアントス)」がその語源となっており、その意味は、「濡れない」です。
とういのも、アジアンタムの葉は、よく水をはじく性質がある為、昔の人がその様子を見て、このような名前になったそうです。
そしてアジアンタムの英語名である、「Maidenhair fern」には、「乙女の毛のシダ」という意味があり、柔らかいアジアンタムの葉の様子が、まるで少女の髪の毛のような印象を与える事からその名前がつけられたと言われています。
まとめ
今回は、観賞用や室内のインテリアとしても素敵なアジアンタムの育て方についてご紹介してきました。
ポイントに注意すれば比較的育てやすく、美しいグリーンの葉を沢山茂らせて私達の目を楽しませて癒してくれます。
この記事を参考にぜひあなたも一度アジアンタムを育ててみて下さいね。

takenaka
お花と植物を愛するライター。 お花と植物と共に暮らすグリーンライフに憧れて、去年お庭付きの一軒家に引っ越しました。まだまだ理想のお庭にはほど遠いけど、週末の楽しみは少しづつお庭の手入れをすることです♪