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とろっとした甘い果肉と独特の芳香が特徴のメロン。高級で栽培が難しいイメージがありますが、家庭菜園はできるのでしょうか?
今回は、メロンの育て方や、手入れ、収穫時期などを詳しくご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。
メロンは、アフリカ大陸・インドを原産とする、ウリ科キュウリ属の野菜です。表面に網目模様がある「ネット型」と、網目模様のない「ノーネット系」に分かれています。
ネット系のメロンは栽培が難しく、高級メロンとしてハウスなどでプロの農家によって作られることが多いですが、じつはノーネット系の品種は家庭菜園でも比較的育てやすい品種が多いことが特徴です。
今回は、ノーネット系のメロンの育て方をご紹介します。初心者でも育てやすい品種を選べば家庭菜園で育てることができますよ。
ホームセンターや園芸店などでもメロンのタネを販売していますね。
栽培にはコツがいるメロンですが、タネから苗を育てるのはそれほど難しくありませんよ。
家庭菜園で育てやすいメロンは、ノーネット系である「マクワウリ」や「プリンスメロン」です。初めてメロン栽培に挑戦する方は、網目のないノーネット系を選ぶと失敗が少ないでしょう。
網目模様のあるネット系のメロンを育てたい方は「コロタン」という品種がおすすめです。また、ミニメロンを選んで栽培すれば、プランターでも栽培できます。
ネット系のメロンは、気候・天候・害虫予防などのコントロールがしやすいため、地植えよりも鉢(ポット)やプランターでの栽培のほうが簡単ですよ!
土が30ℓ以上入るサイズのプランターで2株程度栽培できますよ。
メロンは高温の環境を好み、地温が15℃以下では生育しません。昼間は28〜30℃、夜間は18〜20℃の気温が必要です。生育適温のキープは難しいので、冷え込む夜間には、マルチングやホットキャップを設置するなどの保温対策を取りましょう。
また、メロンは雨を嫌い、日照と乾燥を好みます。よく日が当たる場所で、簡易な雨よけをして栽培しましょう。
まず大前提として、長時間の日照を確保できる環境でないとメロンの栽培はできません。
あと、収穫物を甘くするためには、葉の健康が絶対条件です。ウリ科の野菜はうどんこ病にかかりやすいので、葉が湿ったり、蒸れたり、肥料過多だったりするとかかりやすいので注意しましょう。
メロンの種まきは、4月上旬〜4月中旬に行います。初心者の方は苗を買って、苗から育てるのがおすすめです。
ネット系の「コロタン」などは苗でしか出回りません。品種に合わせて、育てる方法も選んでくださいね。
基本的に連作はNGです。病害虫の被害に遭いやすくなりますので、ウリ科を育てた土の再利用&同じ場所で栽培するのは避けるか、3~4年は間をあけましょう。
どうしても連作したい場合には「接木(せつぼく)苗」「接ぎ木(つぎき)苗」と名前のついた苗を購入してください。接木苗とは、「台木(だいぎ/だいぼく)」と呼ばれる根の部分は別の野菜で、接いだ部分から上はメロンという苗です。メロンの台木は、連作に強いといわれるカボチャが多いです。覚えておくと便利ですよ!
メロンの苗を購入する場合は、葉色がよく、茎が太く、節間がしっかりと詰まっている苗を選ぶのがポイントです。接ぎ木苗の方が病気に強く、丈夫に育つので、接ぎ木苗を選んで購入しましょう。
葉の元気さが特に重要です!色褪せていないこと、病害虫の被害を受けていないものを選ぶようにしましょう。
メロンは、通気性の良い土を好みます。プランター栽培のメロンは、市販の野菜用培養土か、果実用培養土を使用すれば良いでしょう。
畑の土などを使う場合は、ウリ科の植物を育てていない場所の土を使用し、石灰で土壌を中和して堆肥などを混ぜ混んでおきましょう。
地植え・露地栽培のメロンは、植え付けの2週間前から土壌の準備をしておきます。地温がしっかり高まらないと育たないので、事前にマルチをかけて地温を上げておきます。
播種のための用土は、市販の「挿し芽用」「タネまき用」が便利です。ホームセンターや園芸店に並んでいるものでOKです。
もし見つからない場合には、培養土を利用してもOKですが、肥料が豊富過ぎてタネが腐ってしまうこともまれにあります。「パーライト」や「バーミキュライト」などを適度に混ぜると、排水性・保水性がアップしますよ。
メロンの苗を植える時期は、5月中旬〜5月下旬です。苗の本葉が4〜5枚になったらプランターや畑に定植していきましょう。
プランター栽培のメロンは、深さ30cm以上、幅60cm以上の大きさがあるプランターに1〜2株植え付けていきます。鉢植えに植える場合は、深さ30cm以上の10号鉢に1株植え付けましょう。
地植え・露地栽培のメロンは、株間を60cm以上あけて苗を植え付けましょう。
メロンは高温で乾燥した環境を好むので、水やりは控えめにします。プランター栽培では、表土が乾いたらたっぷり水やりします。
地植え・露地栽培では、ひとつ目の果実が結実するまでは降雨のみで過ごします。果実がついたあとは、毎日朝晩の2回、たっぷり水やりしてください。
メロンは収穫期適期の前に葉が枯れ始めます。そのタイミングで水やりをストップしましょう。収穫時期に水やりを控えることで、糖度の高い甘いメロンを収穫することができます。
メロンは生長に合わせて2回の摘心を行います。
1度目の摘心の時期は、6月上旬〜6月中旬です。メロンの苗の本葉が5〜6枚になれば摘心し、子づるの発生を促します。この時点ですでに子づるが生えている場合は、状態のよいものを数本残して他は摘み取ってください。
2度目の摘心の時期は、6月下旬〜7月上旬です。人工授粉が終わった後に行いましょう。
メロンの果実は孫づるにつきます。2回目の摘心では子づると孫づるを摘心し、果実が充実するように調整します。
メロンの雌花は孫づるにつきます。親づる、子づるは積極的に整枝・摘心しましょう。
メロンの結実をより確実にするため、6月中旬〜6月下旬にメロンが開花した後、人工受粉を行います。
メロンの雄花と雌花の見分け方は以下の通りです。
受粉の方法は以下の通りです。
メロンは、6月下旬〜7月中旬に、1〜2回ほど追肥を行います。
7月上旬〜7月下旬にかけて、メロンの実が育ってきたらカラスの被害を防ぐために再び寒冷紗をかけましょう。
ただし、メロンは蒸れた環境が苦手なので、寒冷紗の裾を少しまくって風通しをよくします。
8月上旬〜8月下旬頃、果実のついた節の葉が枯れたら収穫適期です。ネット系なら53〜55日、ノーネット系であれば45日〜50日で収穫できます。
果実が全体的に白っぽくなったころを目安に収穫しましょう。
メロンは、多くの野菜に発生する「つる割れ病」や「べと病」「うどんこ病」などの病気に注意が必要です。また、メロンの根は浅く横に広がる性質があるため、とても多くの酸素を必要とします。
水はけが悪くなると呼吸が満足にできず、収穫直前に枯れてしまう「急性萎凋(いちょう)症」を発病するリスクが高まるので注意しましょう。
また、メロンは、ウリハムシやアブラムシ、ハダニ、アザミウマの被害に注意が必要です。
メロンは病気に非常に弱いです。通気性の確保、長時間の日照の確保が絶対のほか、肥料の与えすぎ(特に窒素肥料)によって起こる病弱・害虫被害に注意が必要ですよ!
メロンには、美容や健康に良い栄養がたくさん含まれています。メロンに多く含まれるカリウムは、体内の老廃物や余計な塩分を排出する利尿作用があります。
また、赤肉種には抗酸化作用の高いβカロテンも豊富に含まれているので、食後にメロンをとるのがおすすめです。
メロンの育て方は手間が多く、簡単ではありませんが、手入れを欠かさず行えば、自宅でも甘くて美味しいメロンを収穫することができます。
温度管理や水やりなど、野菜の基本的な栽培技術が詰まったメロン、初心者から中級者へのレベルアップへ、腕試しに挑戦してみるのも素敵ですね!
七尾びび
GreenSnap編集部