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サツマイモ(さつま芋)は秋に旬を迎える、甘くて栄養豊富な野菜です。育て方はとても簡単で、土壌を選ばず痩せた土地でもよく育つので、家庭菜園の初心者にもおすすめの野菜ですよ。
収穫後、冷暗所で管理することで長期間保存ができます。今回は、サツマイモの育て方と収穫方法、種芋からの苗作りの方法について詳しくご紹介します。
サツマイモはヒルガオ科の根菜です。暑さや乾燥にも強く、痩せた土地でよく育つ野菜なので、初心者でも簡単に育てることができます。肥料を少なめにして栽培するのが栽培のコツです。
サツマイモは、品種によって甘さや食感に違いがあります。ホクホクした食感のもの、ねっとりとした食感のものなど、様々な種類があるので、好みを選んで栽培してくださいね。
サツマイモは窒素(チッソ)分が少ない土壌で育てましょう。肥料過多の状態だとツルボケになり、実の部分の収穫ができませんので注意。
それ以外は、日差しさえ確保できれば比較的かんたんに栽培できる野菜として知られていますよ。
サツマイモは、市販の苗を購入して育てる方法と、種芋から自分で苗を作る方法があります。苗作りは「芽出し」とも呼ばれます。
芽出しに使用するサツマイモは、スーパーなどに売られている市販のもので大丈夫です。200〜300gほどの大きさで、陥没(芽)の多いものを選びましょう。3月上旬頃に芽出しを始めると、植え付けに適した時期に苗が完成します。芽出しした苗は「挿し穂」と呼びます。
水耕栽培の場合も、温床栽培の場合も、本葉が7〜8枚ほど出たら、地面に近い葉を2枚残して、清潔なナイフで切り取りましょう。切り取った茎を日の当たらないところに置いておくと、白く細い根が数本生えてきます。そうすれば、植え付け苗の完成です。
培養土を入れたプランターに種イモを半分くらい埋めておくと芽が出ます。
芽出し中の種イモが埋まっている土に窒素(チッソ)の肥料をたっぷりと与えるとよいでしょう。ツルボケの状態になりますので、挿し穂(挿し苗)がたくさん穫れますよ!
サツマイモは、排水と通気性の良い土壌を好むので、畝を大きく盛り上げます。畝ができたあとは、マルチで覆いましょう。地植え栽培のサツマイモは、植え付け2週間前までに土壌の準備をします。
市販のサツマイモの苗を購入するときは、茎が太くて節間がつまり、葉が5〜6枚ついて根が出ていないものを選びましょう。サツマイモの苗は、4月下旬ごろから店頭に並び始めます。
サツマイモの苗の植え付け時期は、5月中旬〜6月中旬です。市販の苗(挿し芽)を購入した場合は、発根を促すために買ってきたら切り口側を水に浸けて置いておきましょう。
苗が水を吸ってピンとしてきたら植え付けます。
挿し穂(挿し苗)を湾曲させながら5~6節埋める「船底植え」、挿し穂(挿し苗)を寝かせるように5~6節埋める「水平植え」が有名です。このほか、まっすぐ垂直に植えるという裏ワザもあります。
垂直植えは船底植え、水平植えに比べると収穫量は減りますが、食味が良い実が穫れるといわれていますよ。
狭いスペースの栽培なら垂直植えにしてみましょう。挿し穂(挿し苗)を縦にして3節くらい植えてくださいね。
サツマイモは、水はけと風通しがよく、日当たりの良い環境を好みます。高温を好む野菜で、イモが太く育つには20〜30℃の気温が必要です。
プランター栽培のサツマイモは、深さ30cm以上のサイズを選ぶのがポイントです。深めで幅のあるプランターを使って、余裕を持って育てましょう。
培養土や肥料の袋を使った栽培もおすすめですよ。一株育てることができます!
地植え栽培のサツマイモは、基本的に水やりは必要ありません。地中の水分で十分ですが、真夏に1週間以上雨が降らないときは、朝夕の涼しい時間帯にたっぷりと水をやりましょう。
プランター栽培では、土の表面が乾いたらたっぷり水やりしてください。
サツマイモは追肥をしなくても育ちますが、葉色が薄い場合は追肥を行いましょう。サツマイモの追肥に適した時期は、5月下旬〜6月下旬です。サツマイモは、肥料を与えすぎるとつるボケしてしまうので注意が必要です。
サツマイモには、カリ成分の多いサツマイモ専用の肥料を施しましょう。
植え付け一か月後、葉の元気がなく色が薄かったり、葉が黄色くなっていたら3~5g程度の追肥を与えましょう。カリ・リン酸が含まれる「草木灰」を追肥として使用するのもおすすめですよ!
サツマイモの生育期間は病害虫が発生しやすい時期なので、あらかじめ防虫剤をまいておくなど工夫しましょう。とくにうどんこ病、つる割れ病、アブラムシ、コガネムシ、ハリガネムシなどに注意してください。
サツマイモの病害虫について、詳しくは関連記事を参考にしてくださいね。
7月中旬〜8月中旬に、サツマイモの伸びたつるを裏返します。この作業を「つる返し」と呼びます。
サツマイモのツルは、土に触れた部分から不定根と呼ばれる根を出します。この根が土に入ると、そこから養分を吸収しすぎてつるボケを起こしてしまうので、出てきた根を切りつつ、つるを裏返しにします。つる返しの作業は以下の通りです。
サツマイモの収穫は、9月下旬〜11月中旬頃です。茎葉が黄色くなり始めた頃を目安に収穫をはじめましょう。
株元を残して余分なつるを刈り取って、マルチをはがします。芋を傷つけないよう、株元から離れた位置をスコップで掘り上げましょう。株の周囲をていねいに掘って、サツマイモを収穫してください。
サツマイモの収穫時期について、詳しくは関連記事を参考にしてください。
サツマイモを保存する際は、乾燥を防ぐために泥をつけたままにします。新聞紙などにひとつずつ包み、ダンボール箱にいれて暗く暖かい場所で保管しましょう。
10℃以下になると低温障害で腐り始めてしまうので注意してください。
サツマイモには多くの品種がありますが、その中でも育てやすい種類と味わいの特徴をご紹介します。
サツマイモの育て方のコツは、窒素分を与え過ぎないことです。サツマイモ専用の肥料を使うほか、前作の肥料残りにも気を配りましょう。
そのほかはあまり手もかからず育てることができるので、ぜひ春夏の家庭菜園で育ててみてください。
松原真理子
GreenSnap編集部