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盆栽

苔玉の作り方を写真解説!100均で買える材料で挑戦しよう

苔玉

苔玉とは、草木の根を粘土質の土で包み、周囲に苔を張り付けて糸などで固定した盆栽です。近年、お部屋のインテリアとして人気が高まってきており、小皿に載せたり吊るしてハンギングにしたりして楽しまれています。苔玉は作り方を学べば、初心者でも簡単につくることができます。苔玉は、合わせる植物によっても和洋どんな雰囲気にもなじみ、ハンギングとして天井や壁から吊るすこともできるので、リビングやお部屋のインテリアグリーンにぴったりです。

今回はそんな苔玉の作り方やおすすめの植物などについてもご紹介します。

苔玉作りに必要な材料は100均でそろう!

苔玉作りに用意する材料は以下です。

  • 苔玉にする植物
  • ケト土
  • 赤玉土
  • 籾殻くん炭(なくても可)
  • 緩効性化成肥料
  • 苔(水苔やハイ苔などお好みで)
  • 絹糸・木綿糸

じつはダイソーやセリアなどの100均の大型店舗なら、苔玉作りに必要な材料は全てそろいます。

水苔はもちろんのこと、ハイ苔なども手に入りますし、苔玉にする植物もちょうどいいサイズで並んでいます。最近ではすでに苔玉の土台部分がつくられていて、植物の根をつつんで縛れば簡単につくれる苔玉キットもあるようなので、探してみてくださいね。

糸の種類に注意!

苔玉に巻きつける糸は、目立たないよう黒い色がおすすめです。

また、糸の素材は大きく分けて2種類あり、時間分解される絹糸・木綿糸と、分解されないナイロン糸がありますが、絹糸・木綿糸を使うと時間の経過とともに自然に溶けて、苔が根付いた時に自然な仕上がりになります。

とはいえ、糸が溶けたときに崩れやすくなるので、糸がなくても崩れにくい土の配合や管理方法が必要とされるので、初めて苔玉を作る初心者の方はナイロン糸の方がおすすめです。

苔玉の作り方

  1. 苔玉用の土をつくる

    まずはじめにケト土と赤玉土を7:3の割合で混ぜ合わせます。ビニール袋に入れると混ぜやすくて便利です。水を少しずつ加えていきながら、耳たぶぐらいの柔らかさになるまでこねましょう。赤玉土の粒がなくなるまでこね、全体的になめらかになったら丸めておきます。

  2. 苔玉にしたい植物を準備する

    ポットや鉢から植物を取り出して、余分な土や黒っぽく傷んだ根を取り除きます。葉が生い茂っている場合は間引くように根元から枝茎を切り、土台となる苔玉のサイズに対して2倍くらいのボリュームになるように調整しましょう。

    株の整理が終わったら、根と周りの土を軽く握って丸くまとめます。

  3. 根の周りを苔玉用の土で包む

    丸めた苔玉用の土を取り出し、指で凹みをつけてその中に植物の根を入れて土で包みこみ、丸く整えていきましょう。固めすぎないよう、おにぎりを握るくらいの強さで行うのがベストです。

  4. 苔を濡らしておく

    とくに水苔の場合は、水に濡らして戻しておきます。ハイ苔や庭から採取した苔なども、あらかじめ水で濡らしておきましょう。

  5. 苔で土台を覆っていく

    植物を植えこめたら、丸めた土の上から苔をぺたぺたと貼り付けていきます。苔を貼り付けた直後はすぐに剥がれそうになりますが、苔が自力で根を伸ばし徐々に土に定着していくので心配はいりません。

    なるべく早く定着させるためには、鮮やかな黄緑色をした元気な苔を貼り付けるのをおすすめします。

  6. 糸を巻きつけて固定する

    貼り付けた苔がはがれないように糸で苔を巻きつけます。最初にX字を描くように糸を巻き、苔玉全体を固定してから巻きつけるのがポイントです。そこから少しずつずらして、糸をきつく巻き付けていきます。

    15周ほど糸を巻き付けたら、残りの糸は苔玉の中にしまい込みます。

  7. 糸を結って完成!

    糸を結ったら完成です。最後に水を張った容器に苔玉を入れ、全体が浸かるように水に沈めます。苔玉からブクブクと気泡が出るまでたっぷりと水を含ませましょう。水を含ませたあとは、お皿の上に飾ったり、ワイヤーを括りつけて木の枝や柵などにひっかけて飾りましょう。

苔玉の作り方で注意すべきこと

ケト土は通常粘土状に固まる腐葉土のことですが、メーカーによってまったく固まらないものがあります。固まらないものは苔玉には不向きです。固まるタイプのケト土は袋の中で小さいダマになっているので、固まるタイプなのかパッケージを揉んでみるなどして確認しましょう。

苔玉作りが終わったらどうする?

苔玉を作り終わったあとは、基本的に直射日光が当たらない明るい場所で管理しましょう。軒下など、戸外の明るい日陰や、風通しの良いところに置くのがベストです。苔玉をずっと同じ場所に置いていると、片面だけに日が当たって色が変わったりするので、時々鉢を回して向きを変えましょう。

苔玉への水やりをするときは、深めの容器に水を入れ、苔玉を浸します。苔玉が乾かないように注意しましょう。

苔玉作りにおすすめの植物は?

苔玉におすすめの植物は、室内でも育てることができる観葉植物や、盆栽として楽しめる植物などです。苔自体が直射日光に弱いので、ある程度日陰に強い耐陰性のある植物だと、苔玉にしても元気に育ってくれます。

下記に苔玉におすすめの植物の例をあげておきます。

  • コウモリラン
  • ガジュマル
  • 松の木
  • トキワシノブ
  • シダ類(オオタニワタリなど)
  • アイビー
  • 胡蝶蘭

反対に苔玉に使用するのに向いていない植物は、乾燥を好むサボテンや多肉植物などがあげられます。

苔玉の土台には、ケト土と赤玉土をミックスさせたものを使用します。ケト土は保水性が高いため、苔玉の中の根と周囲の苔が維持できるようになっています。苔玉の中は常に湿った状態になっているため、水はけがよい土を好むサボテンや多肉植物は根腐れを起こして弱ってしまうためです。

苔玉の作り方を覚えて自作してみよう

苔玉の独特の世界観は「ミニチュアの地球」と例えられるほど、魅力に溢れています。癒しの苔玉を作って、室内にグリーンがある生活を楽しんでみませんか。

サツキ盆栽の作り方|ミニ盆栽にもOK?枯れない水やりや植え替えのコツは?

サツキ

サツキは日本を原産とする、ツツジ科ツツジ属の常緑低木です。江戸時代中期にツツジから派生した植物で、街路樹や生垣にもよく使われています。

今回はそんな馴染み深いサツキの盆栽の作り方や管理方法についてご紹介します。

サツキ盆栽が今、人気なんです!

サツキは耐寒性・耐暑性ともに高く環境適応能力に優れているため、盆栽としても育てられます。

公園の生垣などにもよく使われるくらい、ほったらかしでも元気に育ち、5〜6月には花も咲かせるため、サツキ盆栽は育てやすく開花も楽しめる初心者向けの盆栽として、今人気を博しています。

盆栽仕立てにするのも簡単なので、ぜひ挑戦してみましょう。

サツキの盆栽作りに必要な道具

  • 鉢底ネット
  • 用土
  • 盆栽ばさみ
  • ピンセット
  • ペンチと針金(必須ではない)

サツキ盆栽への水やり(灌水)

サツキは過度な乾燥や湿気を嫌います。気候に合わせた水やりは、健康な盆栽を作るうえで欠かせません。

  • 春・秋:毎日暖かい時間帯にたっぷりと水やりします。鉢底から水があふれるくらいの量が目安です。
  • 夏:1日2〜3回比較的涼しい早朝と夕方にたっぷり水やりします。水切れには注意が必要です。
  • 冬:2〜3日に1回、日中の暖かい時間帯に水やりします。鉢底から水があふれないように水量を抑えることがポイントです。

サツキ盆栽に適した用土・施肥

サツキは水はけと水もちを両立した土を好みます。『赤玉土小粒5:鹿沼土小粒3:酸度未調整ピートモス2』といったやや酸性寄りの配合土を作成しましょう。

サツキには花後の6〜7月、9〜10月に施肥します。緩効性化成肥料を1ヶ月に1回施してください。冬場の厳しい寒さで株にダメージが残っている場合は、寒肥を2月にあたえてください。

サツキ盆栽の植え替え

  1. 植え付け2〜3日前から水やりを控え、土を乾燥させる
  2. 株より一回り大きな鉢を用意する
  3. 鉢底ネットを敷いた鉢に、鉢底石を入れる
  4. 容器の1/3〜2/3の高さまで用土を入れる
  5. 根鉢から株を慎重に取り出して、根についた古い土や根を整理する
  6. 根を広げるようなイメージで植え付けて、上から土を詰める
  7. 鉢の縁から2〜3cm下まで土を盛り、株を安定させる
  8. 軽く水やりをして株をしっかり土着させる

サツキ盆栽の剪定

サツキは頂芽優勢(ちょうがゆうせい)ではない珍しい植物です。頂点よりも脇芽の生長が促進されるため、株の中間〜下層の剪定を中心に行います。

サツキを観賞向きに仕立てる場合は、幹を横切る「幹切り枝」や枝の向きが異なる「逆さ枝」など、正面から見た時に見栄えを損なうような枝を剪定しましょう。

サツキ盆栽で注意する病気

サツキ盆栽は病害虫の被害を受けにくい強健な性質をもっているものの、水はけ悪化による菌の発生に注意が必要です。

菌が増えてしまうと、幹が不自然に太くなるなどの症状を引き起こすもち病を誘発してしまいます。予防のためにも土壌の水はけには常に気を配りましょう。

さらに映える盆栽に仕立てるための針金かけ

サツキの枝を同心円状に生育させるのは簡単ではなく、なかにはあさっての方向に伸びてしまう枝も出てきます。そのような時には「針金かけ」で枝を矯正することも可能です。

剪定と違って枝を切らないため株へのダメージも少ないことが魅力ですが巻きつけ時に枝s傷つけてしまうリスクも存在します。サツキの枝は柔らかく折れやすいため、慎重に作業してください。

サツキ盆栽をつくって育ててみよう!

サツキ自体生命力に富んでいるため、盆栽向きの植物と言えます。維持管理も比較的簡単に行えるため、盆栽ベテランはもちろん、盆栽初挑戦の方にもおすすめできる一品です。

桜盆栽の育て方|剪定や植え替えの時期・方法は?寿命はどれくらい?

桜盆栽

春の時期に見頃を迎える花といえば、桜が代表的ですよね。

桜は街路樹や庭木として楽しむイメージがありますが、桜盆栽としても楽しむことができます。ただし、桜を盆栽として育てるときは、ちょっとしたお手入れのコツを知っておく必要があります。

今回は桜盆栽の育て方や寿命などについて、詳しく紹介していきます。

桜盆栽を育てるのは難しい?

桜は他の樹木と比べると盆栽で育てるのが難しいといわれていますが、初心者の方でもポイントを抑えれば育てることができます。

とはいえ、街路樹に植えられているような桜が桜盆栽に向いているわけではないので、盆栽にあった桜の品種を選ぶ必要があります。

桜盆栽に向いている桜の品種としては、「旭山桜」や「十月桜」などの品種が育てやすく、旭山桜はソメイヨシノの2週間後に開花する八重咲き品種です。十月桜は名前の通り秋にも開花する品種で、1年に2回開花が楽しめる育てがいのある品種です。

その他、「八重しだれ桜」や「川津桜」も育てやすいです。

桜盆栽の育て方:置き場所は室内でもいい?

桜盆栽は、日当たりや風通しが良い屋外で保管するのが基本です。日当たりは半日陰の場所でも育ち、直射日光に当たると葉焼けしてしまう恐れがあるので真夏では直射日光や西日が当たるとことは避けましょう。

桜は寒さに強い植物であり、一定期間の寒さに当てることで開花します。そのため、冬の時期も屋外で育てて問題ありません。

室内で鑑賞したい場合は、開花してからにしましょう。2~3日程度であればお部屋に置いても構いません。ただし、それ以上室内で保管すると木が弱ってしまうため、3日経ったら屋外に戻すようにしてください。

桜はもともと屋外で育つ植物なので、できる限り屋外で保管するようにしましょう。

桜盆栽の育て方:水やりの頻度は?

桜盆栽は根も早く育つため、土の表面が乾いたタイミングで鉢底から水が流れるくらいまで水やりをします。季節ごとでは春~秋にかけては1日1~2回程度で、気温が涼しい朝と夕方に与えるといいでしょう。

冬の時期は1日2~3回が目安です。盆栽は水不足が枯れてしまう原因にもなってしまうため、水切れを起こさないようにすることが大切です。

水の与え過ぎも心配かもしれませんが、盆栽の鉢は浅いため他の鉢植えのように根腐れを心配する必要はあまりありません。

桜盆栽の育て方:肥料の与え方は?

桜盆栽は、花が咲いた後の4月頃から10月頃まで月1回程度有機性の固形肥料を株元に施します。梅雨~真夏にかけては肥料を与えると株が疲れてしまうため、この時期は肥料を控えるようにしましょう。

花後最初の肥料は液体肥料を与えると、速効性があり花持ちもよくなります。

桜盆栽の植え替えの時期や方法

植え替えの時期や頻度

桜盆栽の植え替え時期は、花が開花する前の2~3月頃が適期です。

6号以下の小さい株の場合はよく成長するので、1〜2年に1回の頻度で植え替えをしましょう。7号以上の大株の場合は3〜5年に1回でも問題ありませんが、根詰まりの兆候がみられたら植え替えしてください。

植え替えに必要なもの

  • 観葉植物用、もしくは盆栽用の培養土
  • 鉢底ネット
  • 鉢底石
  • 園芸用ワイヤー
  • 清潔なハサミ
  • 新しい鉢

土は市販のものが便利です。もし自分で配合する場合は[赤玉土5:軽石2.5:溶岩石もしくはバーミキュライト2.5]の割合で混ぜて、適量の緩効性化成肥料を混ぜて使いましょう。

また、鉢に対して桜盆栽の株が大きい場合は、ワイヤーを使って固定させるので、必要ならば用意しておきましょう。

植え替えのやり方

桜盆栽の植え替えのやり方は下記の通りです。ワイヤーを使って株を固定させる場合は※の工程も踏まえて作業してください。ワイヤーを使わない場合は※の工程は飛ばして大丈夫です。

  1. 新しい鉢に鉢底ネットを敷く。
  2. ※ワイヤーを10cmほどに切ってU字に折り、鉢の内側からネットを固定するように底穴に通す
  3. ※鉢の裏からワイヤーの両端を開いて、ワイヤーを固定する。
  4. ※鉢の内側に固定されたネットかワイヤーに、長めのワイヤーを通して鉢の左右に伸ばしておく。
  5. 鉢底石をいれ、土を鉢の1/3ほどまで入れる。
  6. 元の鉢から桜盆栽を取り出し、古い土を1/3ほどほぐし、黒い細い根は取り除く。
  7. 新しい鉢に桜盆栽の株をいれる。
  8. ※先ほど通したワイヤーを左右交差させて、株を固定させる。
  9. 隙間に土をつめていき、最後にワイヤーをきつめに縛ってしっかり固定させる。

植え替えした後は、お好みで土の表面にコケを張ることで和の雰囲気が一層増してきます。コケには保水効果が期待できるので、水やりが大切な桜盆栽にとっては大いに役立ちます。

植え替えのときの根の剪定について

桜盆栽を現在と同じ大きさで管理したい場合は、植え替えと同時に根の剪定をする必要があります。

太く長い根は地上部と比例するように伸びていくので、太く長い根を切ることで地上部の成長具合をコントロールできます。

根の剪定の目安は、鉢の壁に当たらない程度です。根詰まり気味の株の場合、太い長い根がぐるぐると回るように伸びているはずですが、この根を新しい鉢に入れてみて壁にぶつからない程度のところまで短く剪定してあげればよいです。

土でよく見えない場合はバケツに水を張って根周りの土を落としてから、根の様子を見てみましょう。

桜盆栽の剪定の時期や方法

剪定する時期

桜盆栽の剪定は、花後の4月と落葉後の11〜12月上旬の、年2回行うのが基本です。

ただし桜盆栽の剪定は、完成樹と若木で異なります。若木の桜盆栽の剪定は、とくに時期を問わず芽摘みなどをして樹形作りをしていきますが、芽摘みについては後項でご紹介します。

① 花後の剪定のやり方

花後の剪定は、必ずしもやらなくてはいけないというわけではありませんが、花芽分化が起きる7〜8月までに枝数や花をつける位置を調整することができるので、桜盆栽のお手入れに慣れてきた頃にやってみるといいでしょう。

基本的には、後述の芽摘みと徒長枝の切り戻しをしましょう。今シーズンに花がついた枝は分岐から2節程度になるように短く切り戻してください。針金を巻いて枝の向きを調整しておくと、かっこいい樹形がつくれます。

② 落葉後の剪定のやり方

落葉後、休眠前の剪定は、桜盆栽にとっては必ず必要な剪定です。

この時期にはすでに葉芽と花芽がはっきりと目視できるので、枝を伸ばしたい方向の葉芽の上で切り戻しをしたり、針金で枝の向きを調整していきましょう。

桜盆栽の剪定で気をつけること

桜には「桜きる馬鹿」ということわざがありますが、これは桜の切り口が塞がりにくい性質が由来しています。

そのため、桜盆栽の剪定では、どんな細い枝を切った場合でも、癒合剤を塗布しておかないと、切り口から枯れこんでしまうこともあるので注意しましょう。

また、剪定に使う道具類は必ず殺菌消毒をして、清潔な状態で使うようにしてください。

桜盆栽が咲かないときは「芽摘み」をすべし!

芽摘みとは?

芽摘みとは、桜の花が咲いた後、新梢から出る新芽を摘むお手入れのことです。

桜の花芽分化は先述の通り7〜8月ですので、花後から花芽分化が始まるまでの間に芽摘みをすると、来年の花つきをよくさせたり、枝を伸ばす方向を決めるなど、コントロールができるようになります。

芽摘みをする時期は?

芽摘みをするタイミングとしては、花後、新梢が少し伸びたころです。時期としては4月中旬ごろが目安となります。

芽摘みのやり方は?

春に新しく伸びた枝(新梢)が分岐している部分の根本から、2〜3芽を残してそこから先は清潔なハサミで切るだけです。

一つの枝に芽がたくさんつきすぎていると、根本の芽が開花しにくくなるので、桜盆栽としては少し不恰好になってしまいます。

効率よくエネルギーを株に蓄えさせ、さらに来年もよく花を咲かせたいのであれば、芽摘みは積極的に行いましょう。

また、伸ばしたい枝がある場合は、針金で調整するのもおすすめです。

桜盆栽の注意する病害虫

桜盆栽には、アブラムシやハダニなどの害虫がつきやすいです。アブラムシは繁殖力が強く、5~11月頃まで活動して冬の時期は冬眠します。とくに春先に大量発生する傾向があるため、桜の芽や葉などを吸汁してしまいます。

アブラムシに牛乳をかけると窒息死するため、見つけたら牛乳スプレーや薬剤散布などで予防しましょう。

ハダニは0.5mm程度の小さな害虫で、葉の裏に寄生して葉の葉緑素を吸い取ってしまいます。梅雨明けから夏の時期に発生しやすく、高温で乾燥した環境を好みます。ハダニは水に弱いため、見つけたら盆栽を水に漬けるかハダニ専用の薬剤で退治することができます。

桜盆栽の花が咲かない時は、病気にかかっている可能性も考えられます。てんぐ巣病は春~冬の時期にかけて発生する伝染病で、カビの一種であるタフリナ菌が原因です。

てんぐ巣病にかかると枝の一部がホウキのように膨らんだ小枝が現れ、その小枝が伝染することで花数が減ってしまいます。てんぐ巣病の枝を見つけた場合は、その部分を切り取って燃やしましょう。切り口の部分には殺菌剤を塗布し、細菌やウイルスにかからないよう予防します。

その他、桜盆栽はせん孔褐斑病(せんこうかっぱんびょう)という病気にもかかりやすいです。この病気は5~6月頃に発生しやすく、葉の表面に丸い褐色の斑点現れて最終的には斑点部分に穴が空いて枯れてしまいます。感染した葉を見つけたら病気の葉を取り除き、薬剤を投与します。

日頃から桜盆栽を手入れしていても病気にかかってしまうことがあるため、病気を見つけたらなるべく早めに対処することで病気の悪化を防ぐことができます。

桜盆栽の寿命はどれくらい?

桜には多くの品種がありますが、代表的なソメイヨシノの寿命は100年程度といわれています。

桜盆栽の場合も育てる品種によって変わりますが、一般的に寿命は数十年ほどのようです。

しっかりとお手入れしていれば長年楽しめますが、害虫や病気の被害にあって枯れかかっている場合は、無事な枝を選んで挿し木で増やすのもおすすめです。

桜盆栽の育て方を覚えていろいろな種類を育ててみよう

桜盆栽は室内でも春が感じられ、庭木とはまた違った楽しみ方ができますね。日本では庭木といえばソメイヨシノがとても有名ですが、桜盆栽で育てる一才桜などの品種もかわいらしいです。

桜盆栽を育てることは一般的に難しいといわれていますが、植え替えは毎年する必要もなく基本的な手入れをしていれば育てられるでしょう。

盆栽をご自分で育てて開花した時はとても感動するので、ご興味があればぜひ桜盆栽を育ててみることをおすすめします!

ガジュマル盆栽の仕立て方|栽培に適した鉢って?土選びや水やりのコツとは?

ガジュマル 盆栽 日光

ガジュマルといえば入り組んだ幹や根が個性的で人気の観葉植物ですが、じつは盆栽に仕立てて楽しむこともできます。

今回はガジュマル盆栽の仕立て方や鉢の選び方についてご紹介します。

ガジュマルとは?盆栽でも元気に育つの?

ガジュマルは東アジアを原産とする、クワ科イチジク属の観葉植物です。かわいらしい丸々とした根っこをもつことから、日本では卓上サイズの観葉植物として人気を博しています。

ですが、じつはガジュマルを盆栽として楽しむ方が、近年じわじわと増えてきています。考えてみれば根の生命力あふれる動きは、盆栽にして独特な世界観を楽しむのにぴったりな植物とも言えますよね。

地植えでは樹高20m近くに成長することから、精霊が宿る木として神聖視されている一面もあるガジュマルなので、盆栽にしても力強く育ってくれます。

カジュマルの生育適温は25℃前後なので、十分な日当たりが確保された場所で育ててあげましょう。耐寒性にも比較的優れているものの、5℃以下になるような場合は屋内での管理をおすすめします。

屋外で管理する場合は直射日光による葉焼けを防ぐため、半日陰で育ててください。

ガジュマル盆栽を作りに必要な道具

  • 鉢底ネット
  • 用土
  • 盆栽ばさみ
  • ピンセット
  • ペンチと針金(必須ではない)

ガジュマル盆栽に適した鉢とは?

丸々とした根をもつガジュマルには、根腐れを起こしにくい浅めの鉢が最適です。株より一回り大きな浅鉢を選んだら、鉢底石を敷き詰めて水はけをよくしましょう。

ガジュマル盆栽への水やり(灌水)

  • 春・夏:ガジュマルは湿潤な環境を好みます。表土が乾いたのを確認したら、朝夕の比較的涼しい時間帯にたっぷりと水やりをしましょう。
    とくに厳しい暑さに見舞われる夏には、こまめに葉水をして湿度維持に努めてください。
  • 秋・冬:ガジュマルは気温の低下とともに生育が止まるため、冬季は乾かし気味に管理します。
    表土が乾いてから2~3日空けて水やりをするのがおすすめです。

ガジュマル盆栽に適した用土・施肥

ガジュマルには、水はけのよい用土が適しています。「観葉植物用の土2:赤玉土1:鹿沼土1」の割合で混ぜた配合土がおすすめです。

ガジュマルの幹や根をより太く強健なものに育て上げたい場合は、春~秋の生育期に水に希釈した液肥を与えます。2~3週間に一度の頻度がおすすめです。

ガジュマル盆栽の植え付け・植え替え

ガジュマルの植え付け・植え替え適期は5〜6月です。2〜3年に1回、鉢底から根がはみ出してきたタイミングで植え替えましょう。

  1. 植え付け2〜3日前から水やりを控え、土を乾燥させる
  2. 株より一回り大きな鉢を用意する
  3. 鉢底ネットを敷いた鉢に、鉢底石を入れる
  4. 鉢の1/3〜2/3の高さまで用土を入れる
  5. 根鉢から株を慎重に取り出して、根についた古い土や根を整理する
  6. 根を広げるようなイメージで植え付けて、上から土を詰める
  7. 鉢の縁から2〜3cm下まで土を盛り、株を安定させる
  8. 軽く水やりをして株をしっかり土着させる

ガジュマル盆栽の剪定

ガジュマルは時がたつにつれ葉が茂り、株元に日光が届きにくくなります。剪定適期となる4~6月になったら、徒長してしまった枝や樹形を大きく乱す枝葉を切り落としましょう。

ガジュマル盆栽で注意する病気

ガジュマルは強健な性質を誇るため、病害虫による被害を受ける心配はほとんどありません。まれにカイガラムシが発生しますが、歯ブラシで擦り落としたり薬剤散布をして駆除すれば問題ありません。

ガジュマル盆栽を観賞して楽しもう

ガジュマルは環境の変化に比較的強いため、盆栽のなかでは比較的簡単に育てられる部類になります。盆栽特有の丸みを帯びた根と生い茂る葉の絶妙なバランス感をお楽しみ下さい。

苔盆栽の作り方|育て方は難しい?水やりや植え替えのやり方は?

苔

苔植物は全世界に2万種以上存在すると言われていますが、苔の中には盆栽に仕立てて楽しめる種類もあります。

今回は数ある苔の中から、盆栽向きの苔や、苔盆栽の作り方・育て方についてご紹介します。

盆栽向きの苔とは?元気に育つ環境とは?

苔は非維管束のコケ植物の総称です。全世界に2万種以上存在すると言われている苔のなかでも、盆栽に適している品種とそうでない種類があります。

苔玉に使われる「ハイゴケ」や直立性の「ギンゴケ」などは盆栽向きの苔の代表格です。苔は直射日光の当たらない木陰のような半日陰環境を好みます。日照時間も1日あたり3〜4時間と室内でも比較的育てやすい点は嬉しいですね。

苔の盆栽作りに必要な道具

  • 鉢底土
  • 用土
  • 盆栽ばさみ
  • ピンセット

苔盆栽への水やり(灌水)

苔を盆栽として育てていると一般的な植物と違い表土の乾き具合を確認できない問題がでてきます。決められたタイミングと水量の水やりを行い、湿潤な環境を保ちましょう。

  • 春・秋:毎日暖かい時間帯にたっぷりと水やりします。鉢底から水があふれるくらいの量が目安です。
  • 夏:1日2回比較的涼しい早朝と夕方にたっぷり水やりします。屋外ではとくに水切れさせないように注意します。
  • 冬:2〜3日に1回、日中の暖かい時間帯に水やりします。表土が十分湿るまで水やりしましょう。

苔盆栽に適した用土・施肥

苔は水はけと水もちを両立した土を好みます。小粒の赤玉土をベースとした土に、川砂もしくは水苔を混ぜ込んだ配合土がおすすめです。

苔には夏と冬を避けた3〜6月、9〜11月に施肥します。規定量の2〜3倍に薄めた液肥を7〜10日毎に1回、水やり代わりにあたえましょう。

苔盆栽の植え替え

  1. 植え付け2〜3日前から水やりを控え、土を乾燥させる
  2. 株より一回り大きな鉢を用意する
  3. 鉢に鉢底土を入れる
  4. 容器の1/3〜2/3の高さまで用土を入れる
  5. 根鉢から株を慎重に取り出して、根についた古い土や根を整理する
  6. 根を広げるようなイメージで植え付けて、上から土を詰める
  7. 表土の上からお好みで化粧石をまく
  8. 軽く水やりをして株をしっかり土着させる

苔盆栽で注意する病気

苔盆栽では白絹病による被害に注意が必要です。湿潤な環境でよく見られる白絹病は菌の増殖によって発症する病気で、白い菌糸で苔を覆い尽くしてしまいます。

一度感染すると回復に有効な手立てはないため感染を防ぎたいところですが、水気を好む苔とは切っても切り離せない病気です。

苔盆栽を育ててみよう

苔盆栽は比較的簡単に育てられる手軽さと、コンパクトでかわいらしい姿から盆栽初心者にもおすすめできる一品です。水やりをしっかり管理して枯れない苔に育て上げましょう。

黒松盆栽の仕立て方|枯れない植え替えのコツは?剪定や芽摘みの時期はいつ?

黒松

盆栽にできる樹種の中でも代表的なのが、黒松です。

とても丈夫で寿命も長く、長年育てると力強い幹立ちと新緑の美しさのコントラストを楽しめますよ。

今回は黒松の盆栽の仕立て方や管理方法について、ご紹介していきます。

黒松とは?

黒松は日本を原産とする、マツ科マツ属の常緑低木です。

日本の原風景に必ず想起されるであろう黒松は寺社仏閣や皇居にも多く植えられており、盆栽の代表格とも称されます。

最大の特徴は塩害の厳しい海岸をものともせずに育つ強健な性質です。黒松は基本的には日当たりを好むものの、半日陰や日陰といった環境にも適応することから、盆栽に最適なことが伺えます。

黒松の盆栽作りに必要な道具

  • 鉢底ネット
  • 用土
  • 盆栽ばさみ
  • ピンセット
  • ペンチと針金(必須ではない)

黒松盆栽への水やり(灌水)

黒松はやや乾燥気味な土壌を好む植物です。気候に合わせて水やりの量やタイミングを調整しましょう。

  • 春・秋:毎日暖かい時間帯にたっぷりと水やりします。鉢底から水があふれる量が目安です。
  • 夏:1日に最低2回以上、比較的涼しい早朝と夕方にたっぷり水やりします。暑さによる水切れには注意が必要です。
  • 冬:2〜3日に1回、日中の暖かい時間帯に水やりします。表土が軽く湿る程度の控えめな水やりをします。

黒松盆栽に適した用土・施肥

黒松は水はけのよい土を好みます。『赤玉土小粒5:鹿沼土小粒3:腐葉土2』といった配合土を作成しましょう。
黒松には真夏を覗いた春秋の4〜5月、9〜10月に効き目の緩やかな有機固形肥料を1ヶ月に1回施肥します。株の周囲に浅く穴を掘って、そこに固形肥料を置いてください。

黒松盆栽の植え替え

黒松は4〜5月に植え替え適期を迎えます。2〜3年に1回を目安に新たな用土の入った鉢へと植え替えましょう。

  1. 植え付け1週間前から水やりを控え、土を乾燥させる
  2. 株より一回り大きな鉢を用意する
  3. 鉢底ネットを敷いた鉢に、鉢底石を入れる
  4. 容器の1/3〜2/3の高さまで用土を入れる
  5. 根鉢から株を慎重に取り出して、根についた古い土や根を整理する
  6. 根を広げるようなイメージで植え付けて、上から土を詰める
  7. 鉢の縁から2〜3cm下まで土を盛り、株を安定させる
  8. 軽く水やりをして株をしっかり土着させる

黒松盆栽の剪定

黒松は冬の明ける2〜3月に剪定適期を迎えます。徒長した枝や余分な枝を根元から切り落として枝分かれを促進しつつ樹形を整えましょう。松葉を3〜4つ以上葉芽を残しておくことで、剪定で負ったダメージの回復を早められます。
一本の枝につき2〜3つほど前年に生えた葉芽を残して剪定することで、剪定で受けたダメージの回復が早まります。

黒松盆栽で注意する病気

黒松は病害虫の被害を受けにくい強健な性質をもっているものの、カイガラムシの被害を受けることがある植物です。カイガラムシは25℃以上の高温多湿下で発生しやすく、葉から養分を吸収して株を弱らせてしまいます。放置していると葉に黒ずみが出る「すす病」を誘発するおそれがあるため、カイガラムシを発見したら牛乳スプレーや薬剤を散布して駆除しましょう。

さらに映える盆栽に仕立てるための手入れ

針金かけ

11〜翌2月には「針金かけ」で枝の矯正が可能です。剪定と違って枝を切らないため株へのダメージも少ないことが魅力ですが巻きつけ時に枝を傷つけてしまうリスクも存在します。黒松は樹皮がある程度丈夫なためあまり心配はありませんが、傷をつけないように注意して作業しましょう

芽摘み

4〜5月は、葉がまだ開いていない新芽を摘み取る「芽摘み」の適期となります。トゲのように尖った芽を摘み取ることで節目を短くしたり、枝の勢いを調節できます。将来の樹形を想像しながら摘み取る芽を決めていくのがおすすめです。

黒松盆栽を育ててみよう

黒松は日本人と切っても切れない関係にある植物です。黒松盆栽を眺めているとどことなく感じる風情は、先人たちも感じたものなのかもしれませんね。

梅盆栽の仕立て方|強剪定に適切な時期は?枯れない水やりのコツとは?

梅

梅は中国を原産とする、バラ科サクラ属の落葉高木です。飛鳥〜奈良時代に日本へと伝来して以降、和歌に数多く詠まれたり、観賞以外にも薬としてとして活躍するなど、日本人の価値観に深く根ざしてきました。

今回はそんな馴染みぶかい梅の盆栽に関して、仕立て方や育て方をご紹介します。

梅盆栽は育てやすいの?

初春の開花を楽しむ街路樹のイメージが強い梅ですが、盆栽としての梅もこれら同様に古くから人々に愛されてきた歴史をもちます。

耐寒性・耐暑性ともに高く環境適応能力に優れる梅は、ミニ盆栽にも向いている強健な植物です。霜を避けられる日当たりと風通しのよい場所で管理すれば、1〜2月にかわいらしい花を咲かせてくれますよ。

梅の盆栽作りに必要な道具

  • 鉢底ネット
  • 用土
  • 盆栽ばさみ
  • ピンセット
  • ペンチと針金(必須ではない)

梅盆栽への水やり(灌水)

梅は水分を好む性質があるため、気候ごとにタイミングを変えつつたっぷりと水やりしていきます。

  • 春・秋:毎日暖かい時間帯にたっぷりと水やりします。鉢底から水があふれるくらいの量が目安です。
  • 夏:1日2〜3回比較的涼しい早朝と夕方にたっぷり水やりします。水切れには注意が必要です。
  • 冬:2〜3日に1回、日中の暖かい時間帯に水やりします。鉢底から水が少しこぼれる程度の水量が目安です。

梅盆栽に適した用土・施肥

梅は水はけのよい土を好みます。『赤玉土小粒5:鹿沼土小粒3:川砂2』といった配合土がおすすめです。
年間通して株が枯れることのない梅には、春の3〜4月・秋の9〜10月に緩やかな効き目が特徴の固形肥料をあたえましょう。

梅盆栽の植え替え

梅の植え替え適期は花後の2〜3月です。2〜3年に1回を基準として植え替えましょう。

  1. 植え付け2〜3日前から水やりを控え、土を乾燥させる
  2. 株より一回り大きな鉢を用意する
  3. 鉢底ネットを敷いた鉢に、鉢底石を入れる
  4. 容器の1/3〜2/3の高さまで用土を入れる
  5. 根鉢から株を慎重に取り出して、根についた古い土や根を整理する
  6. 根を広げるようなイメージで植え付けて、上から土を詰める
  7. 鉢の縁から2〜3cm下まで土を盛り、株を安定させる
  8. 軽く水やりをして株をしっかり土着させる

梅盆栽の剪定

梅は開花期終わりの2〜3月に剪定適期を迎えます。徒長した枝や不自然な枝を見極め、枝の根元から切り落として樹形を整えましょう。

冬の間は梅が休眠状態に入っているため、太い枝を切り落とす強剪定も可能なため、切り口に癒合剤を塗ることを忘れないようにしてください。

一本の枝につき2〜3つほど前年に生えた葉芽を残しておくことで、剪定で受けたダメージの回復が早まります。

梅盆栽で注意する病気

梅はカイガラムシの被害を受けやすい植物です。カイガラムシは25℃以上の高温多湿下で発生しやすく、葉から養分を吸収して株を弱らせてしまいます。カイガラムシを発見したら牛乳スプレーや薬剤を散布するか、歯ブラシでこすり落として駆除しましょう。

梅盆栽を育ててみよう

梅は環境の変化に強い植生をもつため、制約の多い盆栽のなかでも育てやすい部類に入ります。厳しい冬が明け、春の陽気とともに咲く梅の花は盆栽との相性も抜群です。

もみじ盆栽の仕立て方|適した樹形に剪定するには?葉刈りのポイントって?

もみじ

もみじといえば、秋に真っ赤に紅葉する姿が街中や山間で楽しめる、馴染み深い樹種ですよね。そんなもみじですが、じつは盆栽でも新緑や紅葉、裸木の変化を楽しむことができます。

今回はもみじ盆栽の仕立て方や管理方法についてご紹介します。

もみじとは?盆栽に適した環境とは?

もみじは日本を原産とする、カエデ科カエデ属の落葉高木です。
もみじを代表する主な代表種は、関東甲信越以南の太平洋側に自生するイロハモミジと、関東甲信越以北の日本海側に自生しているヤマモミジの2種類が挙げられます。
もみじ盆栽として広く浸透しているのはヤマモミジで、独特な縦縞をもつ白い幹肌や秋の紅葉など季節ごとに違った楽しみ方ができるため、ミニ盆栽にもおすすめできる品種です。
もみじは日当たりと通気性のよい環境を好む一方、乾燥を嫌う植物でもあります。基本的に日当たりのよい場所で育てつつ、夏の炎天下をはじめ鋭い日差しが照りつける場合は半日陰で管理しましょう。後述する水やりも含め、一定の湿度を保ち続けることがポイントです。

もみじ盆栽を作りに必要な道具

  • 鉢底ネット
  • 用土
  • 盆栽ばさみ
  • ピンセット
  • ペンチと針金(必須ではない)

もみじ盆栽への水やり(灌水)

もみじは過度な乾燥やを嫌う植物です。気候に合わせた水やりは、健康な盆栽を作るうえで欠かせません。

  • 春・秋:毎日暖かい時間帯にたっぷりと水やりします。鉢底からあふれるくらいたっぷりと水をあたえましょう。
  • 夏:1日2〜3回比較的涼しい早朝と夕方にたっぷり水やりします。表土が乾燥しないように、こまめな水や地が大切です。
  • 冬:1週間に1〜2回、日中の暖かい時間帯に水やりします。表土を湿らせる程度の軽い水やりに済ませましょう。

もみじ盆栽に適した用土・施肥

もみじは保水性に優れた腐植質の土を好みます。小粒の赤玉土単体でも問題ありませんが、乾燥しやすい気候の場合は黒土を混ぜ込むのもおすすめです。
もみじには春の4〜5月と秋の9〜10月に施肥適期となります。効き目の緩やかな固形肥料を用土1リットルあたり5〜10gを目安に1ヶ月に1回施してください。ミニ盆栽でもみじを育てている場合は、鉢の両端にそれぞれ1つずつ、合わせて2つ施しましょう。

もみじ盆栽の植え替え

もみじは芽吹き直前の3月に植え替え適期を迎えます。植え替え頻度は2〜3年に1回です。

  1. 植え付け3〜5日前から水やりを控え、土を植え替えしやすい乾燥した状態にする
  2. 株より一回り大きな鉢を用意する
  3. 鉢底ネットを敷いた鉢に、鉢底石を入れる
  4. 容器の1/3〜2/3の高さまで用土を入れる
  5. 根鉢から株を慎重に取り出して、根についた古い土や根を整理する
  6. 根を広げるようなイメージで植え付けて、上から土を詰める
  7. 鉢の縁から2〜3cm下まで土を盛り、株を安定させる
  8. 軽く水やりをして株をしっかり土着させる

もみじ盆栽の剪定

もみじは年に2回ほど剪定可能な時期が存在し、それぞれ目的の違う剪定を行います。
枝先をを剪定すると脇芽が次々と生えてきて、やがて樹形を乱すことになりかねません。脇芽が出にくいように枝の分かれ目を根元から刈り込みましょう。

  • 梅雨明け〜真夏前(7月上旬):もみじに適した環境整備を目的とし、風通しをよくして株元に日光があたるような剪定をする
  • 秋〜冬(11〜翌2月):観賞向きに樹形を大きく整えることを目的とし、徒長した枝をはじめ、向きの異なる枝などをバッサリと切り落とす

もみじ盆栽で注意する病気

もみじはアブラムシの被害を受けやすい植物です。暖かい時期に発生しやすいアブラムシは葉から養分を吸収して株の生育を阻害してしまいます。発見したら牛乳スプレーや薬剤を散布して駆除しましょう。

さらに映える盆栽に仕立てる

葉刈り

葉柄の中間で切り落として2番芽を生やす葉刈りは小枝が増やせる反面、植物にとって負担を強いる作業となっています。とくにもみじは樹勢の弱い植物として知られているため、5〜6月に行う葉刈り前に施肥をして体力を養っておきましょう。

もみじ盆栽の紅葉を楽しもう

もみじ盆栽で一番気を遣わなければならないのは水やりです。土の乾き具合を常日頃からチェックし、適宜水やりをすることで秋には見事な紅葉を楽しめますよ。

イワウチワ(岩団扇)の育て方|植え付けや水やりの方法は?

イワウチワ

イワウチワは日本の固有種のひとつ、山林でよく見かける多年草です。地域によりますが春から初夏にかけて、白やピンクの可憐な花を咲かせる人気の山野草でもあります。この記事では、そんな可憐な山野草、イワウチワの育て方全般についてご紹介します。

イワウチワ(岩団扇)を育てる場所

屋外・室内

イワウチワは、本州の中国・関西以北の山林ではよく見かけますが、それ以上南の地域ではほとんど分布していないことが示すように、冷涼な環境が必要な植物です。そのため暖地では、屋外・室内共に、湿度管理と湿度保持に十分な注意が必要です。

日光

イワウチワは直射日光を嫌うので、日陰かつ温度があまり上昇しない風通しの良い場所で育てましょう。土の表面を、苔でおおってあげるようにするとよいでしょう。

イワウチワ(岩団扇)の水やり

イワウチワの生育期にあたる春から夏にかけては、土の表面が乾いたら水やりを実行しましょう。花が終わったあとの冬場は、鉢植えの場合は週に一度、地植えの場合はよほど乾燥しない限りは不要です。

イワウチワ(岩団扇)の肥料

イワウチワを植え付けるときに緩効性肥料を加え、あとはそれほど肥料は必要ありません。イワウチワの生育期にあたる春から夏場にかけて、薄めた液肥を月1回をめどに与えるだけで十分です。

イワウチワ(岩団扇)の土

イワウチワを育てる用土は、本来のうち一羽が育つ林の中の土をイメージした、腐葉土を多めにした赤玉土との配合用土がベストです。市販されている山野草用の用土を利用するのもよいでしょう。

イワウチワ(岩団扇)の植え付け・植え替え

植え付け

イワウチワは、赤玉土やに腐葉土を多めに混ぜ込んだものや、市販の山野草の土を利用して植え付けます。

植え替え

イワウチワの植え替え時期は、花後の夏前、また新芽の動く前の冬場が適期です。日中は半日陰になる場所を選びましょう。植え替えのときに、少量の緩効性肥料を混ぜ込んでおきます。

イワウチワ(岩団扇)の増やし方

イワウチワの増やし方は「株分け」が一般的です。また、花後には落下した種子から「実生」が確認できることがよくあります。その場合、ほかの場所や鉢に植え替えてあげましょう。種子を採取することができたら「種まき」も可能です。

イワウチワ(岩団扇)の手入れ

イワウチワは高温と乾燥、そして直射日光を避ける、この3つのポイントを守ることが重要です。あとはあまり手をかけすぎずに自然な姿を楽しむのが長生きの秘訣です。

イワウチワ(岩団扇)の育て方で注意すべき病気・害虫

かかりやすい病気

イワウチワ特有の病気や、注意すべき病気は特にありません。風通しがよくないと葉に軟腐病が発生することがあるので注意します。

つきやすい虫

特に注意すべき害虫はありません。

イワウチワ(岩団扇)の花

イワウチワは開花時期の4〜5月頃になると、薄紅色のかわいい花を花茎に1輪咲かせます。イワウチワの花とよく似たイワカガミの花は、1本の花茎にたくさんの花をつけることで見分けられます。

イワウチワ(岩団扇)を育ててみよう!

イワウチワはその可憐な花で、春のハイキングや登山中の人々の目を楽しませています。そしてイワウチワは、もともと日の差さない林の中の木の根元などによく根付く植物です。

自然の中で育っている環境を再現するように気を付けて育ててあげたいものです。

※トップ画像はノンビリーナさん@GreenSnap

奥深い盆栽の世界!人気の樹種&最近注目の多肉盆栽とは?

盆栽 多肉

こんにちは、GreenSnap編集部です♫

盆栽は器の上に広がる小宇宙と称されるほど、その美しさと奥深さで、昔からたくさんの人を魅了しています。最近では多肉丼が流行っていて、植物が織りなす世界観という意味では、盆栽に興味が湧いてきた方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は盆栽の人気樹種や、最近注目の盆栽を、GreenSnapユーザーさんの投稿からご紹介します。

王道をゆく人気の渋かっこいい盆栽

梅は丈夫なので初心者におすすめの盆栽向きの植物です。黒くしっかりとした幹が生み出す曲線美と力強さに思わず惚れてしまいますよね。そしてなんといっても春に咲かせる花!梅は花付きがいいので、満開時にはずいぶん華やかな見た目と香りを楽しめますよ。

もみじ

もみじは四季折々、その繊細な姿を楽しむことができるので人気の樹種です。春はひょっこりとかわいい芽出し、夏の青々とした緑葉、秋の真っ赤な紅葉、冬の落葉した繊細な姿。どこを切り取っても、植物がもつ命を感じられて素敵ですよね。

カエデ

カエデも力強い幹と、豊富な葉がみせる色の移り変わりで人気です。また、写真にあるように石に根をはらせるには長い年月を重ねなければなりません。盆栽はそういった石とのコンビネーションも重要で、楽しみ方のひとつです。

黒松

盆栽といえば松、松盆栽といえば黒松、といっても過言ではない松盆栽の王様、黒松です。どっしりとした根張り、歳月を感じる層になった幹、枝ぶりの力強さ、非対称のバランスが美しい葉が素敵ですよね。過去には樹齢300年の松盆栽に脅威の1億円の値がついたこともあります。

人気急上昇のちょっぴりかわいげのある盆栽

ミニ盆栽

最近では小鉢盆栽よりさらに小さい、ミニ盆栽が流行っていますよね。片手ににありあまるちんまりとしたサイズ感がかわいらしいですが、しっかりした幹を張っていて力強さを感じます。お猪口に苔盆栽を作り込んで楽しんでる方もいらっしゃいますよね。

多肉コラボ盆栽

ピンクの花の沈丁花と、エケベリアのコラボ盆栽です。高さのある沈丁花と、沈丁花の足元にこんもり生い茂っている多肉ちゃん達がかわいらしい…。まさに、鉢の上に広がる小宇宙という感じですね。

多肉盆栽

こちらはセデベリア属の樹氷という多肉植物です。あえて切らずにそのまま放置していたら、このかっこいい姿になったとのことです。樹氷は分頭しやすいので、うまく剪定していけば盆栽のような非対称のバランスが美しい盆栽として楽しめますね。

奥深い盆栽の世界に足を踏み入れてみては?

盆栽は植物が持つバイタリティと、人間がどれだけ愛情を持って世話をするかで、その魅力がきまる奥深い世界です。王道の黒松や、初心者向きの梅を楽しむもよし、お手持ちの多肉を和風な器に飾って楽しむのも良しです。
ぜひ、心癒される盆栽の世界を楽しんでみてください♫