ビカクシダに必要な着生材、既製品や自作板など色々な着生材の良し悪しをミジンコ並みの経験と主観でまとめてみましたw
数日掛かりで文章まとめたら、もの凄い長文になってしまいました…汗
興味がありましたら、どうぞお付き合い宜しくお願いしますm(_ _)m
①定番の焼杉板
メリット
・近所で売っている(ホムセン、材木屋)
・ホムセンで買えば好きな長さにカットしてもらえる(厚さがある破風板が◎、野地板は安いけど薄いし表面ザラザラなのでわたしは使った事がない)
・端材ならコスパ◎
・生板より耐久性撥水性抗菌性UP
・軽い
・コルクやヘゴ板より仕立て直しが楽
・バーナーで炙るのが楽しい
・表面の炭化層には撥水・防虫・防カビの効果があります(古くから日本家屋の外壁材としての実績があります)
デメリット
・バーナーを買わなければいけない
・バーナーで炙らければならない
・炭化させた部分を落とすのが大変(私は真鍮ブラシでゴシゴシてしますが、数が多いと結構疲れます)
・炭落としが甘いと壁紙がススで汚れる
・芯を含む板だと割れやすい
個人的には松崎しげるくらい真っ黒に焼くのが好みです
焼きが浅いと水やりや経年で表面の炭化層が薄くなって、短期間で生板の色に戻ります
また、焼くなら両面を焼いた方が○
片面だけだと反りやすくなります
サッと焼くだけなら片面でもいいかも(全部焼くと炭落とすの面倒ですし)
ちなみに焼かずに生板のままだと、水やりの度に濡れる表側から劣化する事が多いです
※ちなみに無垢板は乾燥してくると必ず反ります、平らな場所に置いて表裏を決めましょう
※杉以外の木材だとカビが発生しやすいとの情報あり、うちも白いカビが出てる板があります(樹種不明)
2023.3.18 追記
こちら割れてしまった樹種不明の板、タッカーを猟奇的に打ち付けて使ってますw
見た目はアレですが今のところ問題なし
こちらはど真ん中に芯がある杉板
芯があるといずれ亀裂が入る(たぶん…しかも運もある)ので、長めのビスを斜めに打ち付けて割れるのを未然に防いでいます
※画像はビス頭まで入れずに途中で止めて、グラインダーで削り落として目立たなくしています
②コルク
メリット
・樹木に自生しているように見える
・軽い
・加工性が高い(切ったり繋げたり)
・撥水性、耐久性がある
デメリット
・見せたい部分もあるので面積的にデカくなる
・板と比べるとちょっと高価
・カタチいろいろで悩む(コレは楽しいからメリットか?)
・厚さが薄いと割れる原因に
・凸凹してるので慣れないと着生の難易度高め
・地方都市では現物販売は皆無なのでネット注文→思ったより小さい・大きい・カタチが…等々
着生植物全てのド定番です
チューブコルクや板コルク、枝コルクなど色々な形があるので妄想が膨らみますね
小さなコルクだと水苔や貯水葉で隠れて全然見えない…なんて事もありますので、大きめのコルクを買うことをお勧めします
大は小を兼ねます、ノコギリで切ったり女性でも簡単に加工ができるので、大きいコルク見つけたらとりあえず買っておけば後悔する事はないと思います
③ヘゴ板
メリット
・根張り◎
・通気性◎
・保水性と排水性が抜群に◎
デメリット
・国外から輸入不可の為、お値段高め
・軽くて密度の低いヘゴはポロポロ繊維が落ちやすい
・根張り良いので板替え時に剥がしにくい
・古い根が繊維の隙間に入って取れない
画像の茶色い部分は全て活着した根です
真鍮ブラシで擦りましたが取れませんでした…長い時間を経れば少しは肥料分にはなるかとw
ともあれ育成面で上記メリットは唯一無二の機能を持っています
ジリジリと作り込む様な本気育成株には良いかも知れません
あまり見かけないので売ってたら買いです
最近は3Dプリンターの擬似ヘゴ板がよく出回ってきましたね(後述)
④OSB合板
メリット
・他と比べると安価
・薄いし軽い
・穴開けるだけでOK
デメリット
・子株をつけると水やり頻度が多いので、黒カビが発生する(我が家の場合)
・耐久性×(劣化が早いので使い捨て要員)
ホムセンの端材で見つけたら買っておいて損はないかも?
加工しなくて良いのが最大の利点か
⑤セリアの焼板 / ホムセンの集成材
メリット
・物によっては安価(集成材)
・セリアの板はすでに炙ってある
・セリアの板は薄く桐なので軽い
デメリット
・一枚板ではなく集成材なのでいずれ接着面から割れる
※接着面が糊なので水やりの度に劣化して割れます(写真はセリアの焼き板)
材料の性質上いずれ割れるけど子株の養生時期だけならOKですし、先述の通り割れてきたらタッカー打ちまくれば再利用も可
※板厚があるなら早々に割れる事は無いようです(当方は未確認)
2021.4.25 追記
セリアの焼き板ですが、無垢材と集成材の2種類ある様です
この写真ではわかりにくいですが…
わかりますでしょうか?
上が無垢板、下が集成材です
矢印のところが接着面、ここから割れてきます
試しに無垢板の方を買ってみました✌︎
もし割れるようならまたこちらに記載致します
※ 集成材と無垢板と言うよりは製造過程の都合上たまたま一枚板になってることろが混じってるだけだと思われます
なので無垢板は1ロットあたりかなり少ないです
2023.3.18 追記
割れる割れない問題、対策はタッカーで止めるで完結とします
それより柔らかい桐なので劣化が速いですね(写真なしですみません)
子株養生して剥がすと活着した根ごと板の表面が剥がれます
OSB同様に使い捨て要因ですね
⑥耐水性の無い合板
メリット
・特に見当たりません…
デメリット
・薄くスライスされた木が何層か耐水性の無い糊で圧着されているだけなので、水やりの度に劣化、カビるし腐るし朽ちる…
ホムセンの端材コーナーでよく見かけますが、使い捨て要員としては良いかも…
写真は3回耐水ニスを塗ってますが半年〜10ヶ月でこの有様です
※ラワン耐水ベニヤやコンパネなら長期使用が可能です(圧着する糊の種類で耐水性が違います)
※針葉樹合板は使った事がないのでわかりませんm(_ _)m
⑦チークバスケット
メリット
・通気性抜群
・見た目が◎
・加工手間のわりには安価
・壁掛けやハンギング、鉢代わりにもなる3way
デメリット
・水やりの後は結構重くなる(コンポストの量が増えるので)
・意外と持ちづらい
・まだ未経験ですが、隙間から出た子株はきっと外しずらいと思われます
※長期使用した事がないので耐久性は不明
※写真のバスケットは着色しています
2023.3.18 追記
板付けと同じ管理方法だと少し扱いづらいのがデメリットですが、ユーティリティ性が高いのが最大の利点です
大きいサイズなら鉢植えビカクには最適です
通気性良く鉢としての安定性もあり、貯水葉で覆われても側面からの水やりが可能です
小さいサイズはどんな植物にも使えるので見かけたら買っといて損はないと思います
⑧IMAMAさんの着生板
メリット
・洗練された意匠性◎
・板厚12mmなので軽い
・穴が沢山空いてるので、色々な固定方法が可能
・通気性◎
・耐久性◯
デメリット
・良い物なのでお値段も…(株より高くなる可能性ありw)
エンブレム以外の形や無垢板でのオーダーも可能です
気になる方はIMAMAさんに問い合わせください
2023.3.18 追記
丸3年使ってますが割れたり劣化して使えなくなるような雰囲気は全くありませんが、色味はだいぶ変わりましたね
木材と染色した塗料の色褪せはありますが、これは仕方ないですね
着生していた部分が本来の色に近いです
2階ベランダから垂直落下した際に少しだけ欠けました(先端の下側)が、そこから腐食してくる様子もありません
まだまだ使えそうです✌︎
2023.11.1 追記
3年半経過しました
表面のクリア塗装はだいぶ落ちました、経年でのヤレ感あります
板自体も反ってきました↓
とは言えまだまだ使えそうなのでメンテナンス
表面を軽くペーパーで均して着色→クリア塗装してみました
なんという事でしょう、もはや新品w
付け替えのタイミングでメンテナンスすれば永遠に使えそうな気がする笑
優れた物は手を掛ければ長持ちしますね
⑨opossumさんの垂れ板
メリット
・見た目がキュート
・丸くてかわいい
・なんか垂れてる
・垂れてるとこが凄く持ちやすい
・穴の位置や径などオーダー可能
デメリット
・板の向きと木目の向きが揃っていません…
人によっては気になるかも!?
※材料のロスを極力少なくする為だと思いますので、このあたりは割り切っていきましょうw
コレに強権種つけてプレゼントなんかしたら喜ばれそう☺︎♪
新興ブランドの為、耐久性がどれくらいなのか不明です(私が柱としてレビューします…2021.2.26使用開始)
2023.3.18 追記
わりと湿潤を好むエリシーを付けていた事もあり、丸2年で写真の様に劣化してしまいました
活着した根を取るのに硬めのブラシでゴシゴシしたらもっと剥がれてしまった…
ふにゃふにゃで柔らかいです
販売元へ問い合わせたところ、柔らかい部分はもうダメだろうとの回答…涙
まだ使いたいので強度が落ちた部分は全て切除!ホールソーで大胆に穴あけました
塗装してニス塗って、鉢底ネットを耐水性のある木工ボンドでくっつけてみます
とりあえずこれでしばらくは使えると思いますが、乾燥気味に管理する株が良さそうですね
また機会があれば更新します
⑩自作着生板
メリット
・好みの形に作れる
・自己満足をひたすら追求できる
・作り慣れてしまえばコスパ最強✌︎
デメリット
・時間と手間がかかる
・材料の知識、電動工具、経験等々が必要
・何度か試作しないと理想には近づけない
・材料選びに失敗すると半年もしないうちにボロボロに…(⑥で既述)
現在は耐水性のある合板で製作するようにしています
今まで耐水ニスを主に使っていましたが、ウッドワックスを入手したので今後試してみたいと思います
2023.3.18 追記
ウッドワックスと合板の相性はあまり良くありませんでした
板表面に白いカビが発生しました
合板は着色してニス仕上げが1番良さそうです
また、杉板とウッドワックスの相性は良さそうです
カビも発生する事なく丸一年経過、右の濃い色味は若干の色落ちはありますが撥水性も高く機能性も◎
以上、私が使用経験のある材料を好き勝手に評価してみました
使った事ないけど確実にやめた方がいいのはMDF素材が使われているもの(濡れると一晩でグズグズになります)
他にも流木など色々と着生させてますが、長くなりすぎるので割愛させて頂きますm(_ _)m
番外編 ① セリアの網籠
メリット
・どこにでも引っ掛けられる
・網なので通気性抜群
・子株や瀕死の株の養生に使える
デメリット
・長期使用に伴い錆てくる → 2年使用で底のワイヤーが錆びて切れた箇所あり
鉢物いれたりドリンクホルダーにしたり、とにかく使い勝手抜群です!
たぶんウチには10個以上ありますw
2023.3.18 追記
番外編② 100均のプルアウトボックス
こちらも子株の養生メインで、より省スペースで収まります
メリット
・100均(しかもニコイチ)
・とにかく省スペース
・自由に連結が可能
デメリット
・穴を開けるのが面倒
・穴を開けるのに工具が必要
・穴が小さいと水苔の乾湿がわからない
・樹脂製なので屋外では紫外線劣化する
・株の間隔が狭いので育ってくると貯水葉が重なり合う
・水やりのタイミングが独特
乾きを優先すると穴をあける事になるのですが、とにかくこれが面倒です
しかも6ミリくらいのドリルではうまく穴があけられません
あけるなら10ミリ以上をお勧めします
(わたし指が太いんですが、穴が小さいと指先が入らず濡れてるかわからない… 指太の人は12ミリ以上がいいかも)
写真は半年後くらいの様子
蓋はシリコン製なので、貯水葉で覆われても裏側から力技で外せます
デメリットにもありますが、水やりのタイミングを掴むまで慣れが必要です
貯水葉が覆い更に通気穴が小さいと鉢植えよりも乾きが遅いかもしれません
2023.5.23 追記
番外編③ Z hego
3Dプリンターを駆使して様々なビカクアイテムを創造する @yohei1572 さんの逸品
使う前からわかるのは、もの凄く軽い事
これだと水が切れたタイミングがすぐわかりそうです
しばらく使ってみた感想☟
裏面の縁に溝があり、糸がしっかり引っ掛かっかるので板付け作業がとても楽です
板裏からの吸水力は凄いですね、仰向けで1cmも浸かっていればぐんぐん吸い上げます
ドボンも一瞬で済みます、時短さいこうw
吸収が早ければ乾くのも早い!
子株中株育成のスピードアップに繋がりそうです
使用するのは今回が初めてですが、年々素材や構造がアップデートされ強度やデザイン性が向上している様です
定期的にIMAMAさんのサイトで販売されています
yoheiさん出店のイベントでは直に買えますのでInstagramを要チェック✔︎
とんでもなく長い文章になってしまいました…すみません
何に着生させるか、素材とご自身のインスピレーションで可能性は無限大!
板付けの参考になれば幸いです…
お付き合い頂き誠にありがとうございましたm(_ _)m