2月末日に、折られたような痕跡のあるオリーブの枝を帰路の途中で拾いました。
元株の場所も特定が難しい環境(詳細は文中)だったのと、若く細い小枝だったため、持ち帰り命を繋いでみることにしました。
事の経緯
私が通勤路に使っている商店街には組合で同じ植木屋に頼んでいるからなのかオリーブを植栽しているお店が複数軒あります。
2月の末、突風が吹き出して暖かくなり初めの頃の帰宅途中、その商店街の道脇にオリーブの若い小枝が落ちておりました。
切り口がギザギザなのと、オリーブが春先の風程度で折れるとは思えないのもあり原因は付近に数件ある居酒屋の酔客が誤って折った…と推測しております。
よく道で騒いでいる方が多いので…。
複数件あることから元株の特定が困難+返したところで…というような枝のサイズだったので、持ち帰ることにしました。
この時点の写真は残っておりませんので文章で状態と処理の記録をします。
処理…ぬるま湯+食器用洗剤で10分つけ置き
水揚げ…薄めたメネデール溶液
切り口…斜め
水挿し3〜4日後、挿し木へ
画像は挿し木から4日後のもの。
水挿しにしていたら…ミニ加湿器の付近に置き、破水はしていたのですが…葉先が枯れてきたのでまずいと思い、挿し木に移行。
挿し木用土…バーミキュライト
方法…密閉挿し※
薬剤…ルートン
密閉挿しは独自の方法でやりました。
①鉢底石、ネット、バーミキュライトで鉢穴のある鉢に枝を刺す
②下に、その鉢がはまる+若干隙間のあく容器をセット。この時下の容器にぬるいお湯を入れる
③角を少し切ったビニール袋を鉢上に被せる。
④ビニール袋と下容器の境をテープで圧着する
意図としては
①空間の水分を循環させつつ、かつ挿し木で禁制とされる日向に置いても葉が枯れ込まないようにする
②上から登ってくる蒸気が鉢底から土を湿らせることにより、発根を誘発させる
です。
素人考えなので、有識者に怒られそうですが…。
挿し木10日後
新芽がかなり開きました。
最近は帰宅後にオリーブとカポック(別投稿)の挿し木の様子を見るのが楽しみになってますよう。
本当は新芽を取り除いた方が根のためには良いのでしょうが、元々が落ちていた枝なので生存確認が怖く…。
挿し木11日後
写真だと分かりづらいですが、頂点から2〜3番目の脇芽も膨らんできたような気がします
挿し木14日後
脇芽の膨らみがやや顕著になってきたような気がします。
開いた新芽からも新しい脇芽が見えます。
ネットの情報の中には、
「挿し木は暫くは枝の中にあった栄養分で成長するので、それが緩慢になってきた1ヶ月後あたりからが重要」という声もありましたが、どうなんでしょうか…。
また、今日から上の袋の空気穴を少し広げました。
これで10日ほど様子を見て、大丈夫そうであれば数日おきに徐々に広げて外気に慣らそうかなと思っています。
反対側です。
こちらからの方が脇芽の膨らみが感じられる…?でしょうか?
私の気のせいだったら悲しいですが。
挿し木17日後(緊急事態発生)
発育が停滞しているなと思っていた矢先、出ていた若葉が一枚急に落葉しているのを発見。
色の変化もなく落ちていました。
そして、もっと早く気づけば良かったのですが炭疽病になりかけていました。
カイガラムシは見当たらないのですが、葉の表や新芽の間などの幹のすきまに黒カビが付着しており、光合成が阻害されていたようです。
発根率の悪化のリスクを承知で葉や幹をティッシュでクリーニングし、おそらくカビの発生源…と思われる、湿ったビニールに密着したままになっていた痛んだ葉先をカット。
蒸散による枯れ込みが怖いですが、一旦密閉による湿度管理を中断します。
ですが、良い事もありました。
それは、気のせいかな…と思っていた脇芽の膨らみが顕著になってきた事です。
炭疽病の害?がまだ取りきれていないのが恥ずかしい写真ですが、膨らんだ…と思いたい脇芽(右側上から2番目)
挿し木から19日後
この時は別の植物の実験的な養生と合わせて少し土を下から温めてたりしている様子。
やはり葉先が茶色くなるのでビニールを再びかけているところ。
挿し木から20日後(葉が2枚落葉+大改造)
そうこうしているうちに葉が2枚落葉…
葉が多い故の栄養不足だと思われます。
今回、色々見た上である博打を打つことにしました。
①表土をアルミホイルで包む
…あるオリーブ農家さんの記事では、アルミホイルに含まれる金属イオンの抗菌性に期待+株を乾かさないようにするために、挿し木の先を水苔とアルミホイルで包んで成功されてました。
これの真似はもう不可能な進行度ですが、表土のみでもアルミホイルで包むことにしました。
鉢内の保温等を目的に、オリーブの挿し木用の鉢の周りのみをアルミホイルで囲っていたりされている例もありました。(これは別の方)
また、他種かつこれまた別の方の例ではありますが、ラベンダーの挿し木でアルミホイルで鉢上を覆い、穴を開けてそこに穂木を刺して成功されている報告もあるようです。
以上を参考に、抗菌、保温、保湿を兼ねて鉢の上側を覆いましたがこの処理を行ったのにはもう一つ意図があります。
②ご禁制である肥料の散布
アルミホイルで表土を覆うことで、葉水を行っても土に水が行かなくなりました。
これによって、挿し木で肥料を使えない理由(土中で分解されない肥料による断面の腐敗/土中の浸透圧上昇による断面からの給水困難)が解消されるのでは?と思い、
ハイポネックス現役を700倍に希釈したものを葉面散布してみました。
その後、うちにあるビニール袋だとビニールに葉がいちいち触れてしまうため、逆さにした瓶を上から嵌めました。
スギと茶樹の挿し木に窒素系肥料を葉面散布することでの発根促進の論文があった事、
そしてSNSでバラを水挿ししている方々が液肥を与えてから発根速度が上がったという呟きをいくつかされているのを見た事で試すに至りました。
ただ、農家の人でさえメネデール投与くらいで留めているので逆効果の可能性もあります。
ただ、うちで1ヶ月水挿し→1ヶ月挿し木(ルートン使用済)のローズマリーの穂木にも水挿し時代に液肥を与えていましたが、少なくとも発根には至らぬものの発芽と穂木の体力の向上には繋がるようです。
まあこのローズマリーの穂木は今も発根しないまま新芽ばかりぼこぼこと出して成長しまくっているので逆効果のいい例ではあるのかもしれないですが。
ただハイポネックスはリン酸が多い山型の肥料なので、ちゃんと効果を出そうと思うかつ、論文の再現を行うなら住友液肥1号か、尿素液肥を作る方が良いのかもしれないですが。
○挿し木20日目まとめ
・処理…アルミホイルによるマルチング
(抗菌、保湿、保温)
・投与…メネデール100倍液(土)
…ハイポネックス700倍液(葉面)
一部参考にしたオリーブ農家様のnote
https://note.com/crapto_life/n/n00ad02580620
スギの挿し木に肥料散布した論文
https://www.ffpri.affrc.go.jp/labs/kanko/105-7.pdf
茶樹
※結果としてはよく言われている「剪定前に親木に多めに栄養を取らせる」のが最優位ではあるが、表+結果を見ると無散布よりは散布している物の方が生育と活着率は良い傾向にある。
https://www.ffpri.affrc.go.jp/labs/kanko/105-7.pdf
挿し木21日目(落葉した葉から状態を考察)
今朝、若葉が一枚落葉しました。
観察してみると、葉の半分が茶色になっていました。新芽故に色が薄い為、変化に気付くのが遅くなってしまいました。
他の葉を触ってみましたが、今のところ大きな葉ほどしっかりしているようでした。
考えられる要因は
①黒カビ対処時に湿度管理を1日やめてしまったこと
②重なった処置によるストレスが一番弱い葉に入ってしまった
③オリーブの挿し木にしては葉を残しすぎている為、穂木がエネルギーを節約する為に自ら葉を落としている
対策としては
①昨日完了した処置以上の環境変化をなるべく付けない
②葉水を1日1回行う
③落葉が続くようなら、現状残っている葉を半分に裁断するか選別する(判断が遅い!)
昼追記:葉水与えようとしてガラスを動かした時の揺れがストレスだったのか、葉が一枚落葉…
落ちた跡は青色だったので、枝に生命力がまだある事は少なくともわかりました…。
挿し木24日目(一枚落葉疑惑)
どうすれば…どうすればこの衰弱を止められる…?見守ることしかできません…。
ただ、希望的観測をするならば…
健康な葉を植物が落とすタイミングには覚えがあります。
別投稿に挙げている、ダイソーで衰弱し切ったクロトンも健康そうな葉を自らブツブツと怖いくらい落としていった事があります。(今思うと新芽を残す為に自ら切り捨てていた?)
自衛による生理現象なのだと…信じたい…
この子の葉が全て落ちるまで、見守ります。
ところで…オリーブの挿し木から鉢上げまで8ヶ月以上かけてる先人達が多いのですが…
この子は…あと7ヶ月以上生きられるのでしょうか…???
優しい方ですね~♡
見ていて頼もしかったですよ✊🏼ˊ˗( ੭˙꒳ ˙)੭ガンバレー