2024年に咲いたサボテン、今回は花がとても魅力的なその他のサボテン(エキノプシス、エキノセレウス、レブチア、その他諸々)を紹介します。
1 エリオシケ 初春に咲き出す南米サボテン
エリオシケ(旧ネオポルテリア)銀翁玉 Eriosyca senilis(=Neoporteria nidus)
2月20日撮影。
エリオシケは南米原産のサボテンで、生息域はコピアポアと重なります。
美花がサボテンとして、古くから日本で栽培され、刺の白い白翁玉、銀色〜茶の銀翁、白〜茶の多彩玉と呼ばれ、過去は学名もそれぞれありましたが、現在は白翁玉の学名である senilisに統一されています。
3月20日、エリオシケ(ネオポルテリア)銀翁玉の花を上から撮影。
エリオシケ(ネオポルテリア)白翁玉 Eriosyce senilis
2月22日撮影。
真っ白な刺はカールしており、手で触れてもほとんど刺さりません。
旧ネオポルテリア系のサボテンの花は透明感のあるピンクで。蝋細工のような艶々があり、早春から開花、花持ちも良いです。
エリオシケ(ネオチレニア)フラビ フローラ Eriosyce (Neochilenia) neohankeana var.fl aviflora
旧ネオレチア系のエリオシケの花は、白・ピンク・黄色と様々で、大きめの花をが咲きます。
このフラビフローラは、黒〜小豆色の肌にガラス質の黒い新刺がクールなサボテンです。刺は古くなると透明(銀色)になります。花はその名の通り(フラビ=黄色い、フローラ=花)、輝くような黄色。6月29日撮影。
2 南米美花サボテンたち 花サボテンの魅惑
①アンデスの山野草サボテン、レブチア
レブチア・宝山 Rebutia minuscula
レブチア属は小型の花サボテン。実生2年目の小指の先サイズでも咲く。代わりに短いサイクルで世代交代するため、頻繁に種子を確保する必要がある。
宝山の花色は、真紅〜黄色と幅広い。
写真は5月18日。購入した3月初旬から梅雨明けまで、次々と咲いていました。
自家受粉してくれると良いんですけど…種は出来ずじまい。
レブチア(旧ワインガルチア)花笠丸 Rebutia neocumingii ssp.neocumingi
黄緑の球体に白い刺が爽やかな感じがするサボテン。
花色は黄色のほか、赤もあるようです。
写真は5月5日。春の半ば頃から梅雨前まで咲き続けました。
レブチア・花房丸 と思われる種。百均出身で詳細不明。
5月26日撮影。
レブチア(旧スルコレブチア)・アレナケア rebutia arenacea
整ったボール型の黒肌ボディに白く短い刺がチャーミング。古くから人気だが、自生地では稀少。
②カマエケレウス、ロビビア系統の美花交配親
カマエケレウス・白檀 Chamaecereus silvestrii
日本の四季…冬の氷点下、梅雨の蒸れ、真夏の直射日光にも耐える丈夫さと、花付きの良さ、刺の優しさ、紐状の姿など、日本でも古くから栽培されて来た、いわゆる「民家の軒下サボテン」。
自生地は不明で、交配種起源説もある。もし野生株を見つけると、世紀の大発見になるらしい。
写真は5月9日。
③旧ロビビア(現在はエキノプシスに統合)
エキノプシス(旧ロビビア)チグリアナ
小型のサボテンで、黒い肌に白い刺が可愛らしい。花は赤紫〜赤でとても美しい。
6月8日撮影。
④午前中に終わる美しい花、エキノプシス
エキノプシス・金盛丸 Echinopsis calochlora
(カルクローラ)
百均で多く出回っていますね。百均で手に入れた株も4〜5年栽培すれば大きな花を咲かせます。
仔吹きしやすくすぐに増やせるため、安価にできるのでしょうね。
6月9日撮影。
エキノプシスは午前2時位から咲き始め、6時に満開、お昼前には萎みます。花は漏斗状で長い首。夜に活動するスズメガの長い口やコウモリの長い舌に合わせ、授粉をしています。
エキノプシス・ハイブリッド
エキノプシスは別名うにサボテン。日本でも昔から民家の軒下サボテンとして、短毛丸など栽培されてきた。短毛丸は基本的に白い花であるが、赤花やピンクの花も存在する。種間交配や近縁の属とも交配が重ねられ、様々な美花サボテンが多く産み出されている。
3 花も刺も塊根も素晴らしいエキノケレウス
エキノケレウス レイケンバッキー Echinocereus reichenbachii
エキノケレウス属はアメリカからメキシコにかけて分布する北米カクタスの代表種。英名ではhedgehog針鼠だが、日本では蝦サボテンと呼ばれる。
レイケンバッキーは様々な変種があり、微妙に花の色や形が変化している。
6月16日前後、数日間開花。
エキノケレウス・ブリストリー(L.607)
容姿は太陽に似て、肌に張り付くような細かい刺。花はレイケンバッキーにも似るが、より花弁が長く見える。花は2日〜3日で萎む。
6月18日〜19日開花。
エキノケレウス・大仏殿 Echinocereus subinermis
太った身体はまさに大仏の風格。小さな刺はやはり素手で触れると痛い。
花は輝くような黄色で大きく。とても美しい。
6月19日〜20日開花。
4 その他のサボテンたちの花
ステノカクタス(旧エキノフォスロカクタス)・秋陣営(左)と縮玉(右)
ステノカクタスとして学術的に認められているのは10種足らずだが。稜数や刺、花色など変異が多く、種間の特徴もボーダーレスで、同定は難しい。
4月17日撮影。
ステノカクタス(エキノフォスロカクタス)・竜剣丸
5月16日撮影。
唯一、稜の数が数えることが可能なステノカクタス。
ロフォフォラ・烏羽玉 Lophophora williamsii
別名、ペヨーテ(青虫)。
メキシコのウィチョル族が儀式で乾燥した粉末を水に溶いたものを服用し、鮮やかな幻覚作用を得ることで知られる。【絶対に真似しな行こと!人生を棒に振ります。】
7月22日撮影。
ロフォフォラ・銀冠玉 Lophophora williamsii var.decipiens
烏羽玉のバージョン違い、花がより小さくピンクも薄い色。烏羽玉より扁平で登頂部の白い毛が多い。
5月初旬より開花しては閉じ、また開花。
人工受粉はしていないが、結実し種子が出来そた。蒔いたら発芽(写真なし)
アズテキウム・紅籠 Aztekium ritteri 'valdezii'
5月10日開花→8月21日開花写真に更新。
アズテキウム属の種は2つ。hintonii(ヒントニー、花籠)と、ritteri(リッテリー、バルデジー、紅籠)である。いずれも成長が遅く、1年で1mmほど。早く大きくするには、写真のような接木とするしかない。性質的にはとても強いので、滅多なことでは枯れない。春〜秋の成長期には水をたっぷり与える。
5月10日撮影。
フライレア・士童(シドウ)
兜丸に似た姿と大きな花で人気が高い。
短い寿命で時に花を咲かせずに受粉・結実するため、実生により株の更新をはかる。
5月15日撮影
ハマトカクタス・竜王丸
細くひらひらした黄色い花弁に底紅の花。7月27日撮影。
テロカクタス・和光丸 Thelocactus
bicolor var.wagnerianus
6月26日撮影。
大統領に近い種。ピンクの花は大きく美しい。
コリファンタ・玉獅子(ラディアンス) Coryphantha radianus
6月22日撮影。
コリファンタ属はマミラニアに近いグループで、花は大きく、成長点付近の白い毛より咲く。ダニが付きやすく、その場合は肌が汚れるので、定期的に水やりするか、薬品散布が必要。
ハマトカクタス・改元丸?かな?
札落ちにつき、種名は確定出来ず。
長い刺は鉤爪状。稜は多く、くねっています。
花は黄色で大きい。
パロジア(ノトカクタス)・青王丸 Parodia(Notocactus) ottonis
南アメリカの草原パンパに生息。パロジア属は現在、旧ノトカクタス属、ウィンギンシア属を内包する。
旧ノトカクタス属は標高の低い湿潤な草原地帯が故郷で、日本でも育てやすく、初心者向けのサボテン。
中でも青王丸は大玉を除き、割合安価で多数出回っています。
ノトカクタスは自家受粉して種を作るため、増やすのも簡単です。
パロジア(ノトカクタス)・紅小町
若い株は白い毛状の刺に、長いピンクの刺が伸び、とても可愛らしい姿をしています。
古くなった刺は茶色に変化します。
紅小町も自家受粉により種子が簡単に採取できます。
パロジア(ブラジリカクタス/ノトカクタス)・雪晃 Parodia (Brasilicactus) haselbergii (ex.Notocactus)
雪のように白い刺、成長点から咲く真っ赤な花。花は長持ちする。普及種だが、過度の乾燥を嫌う。
ピグマエオケレウス・ビーブリー Haageocereus(Pygmaeocereus) bieblii
名前にセレウスが付くが柱状にならない小型種。花は夜咲き。
ツルビニカルプス・烏城丸 Turbinicarpus schmiedickeanus v. schwarzii
ツルビニカルプス属のサボテンは成長が極めて遅い。北米サボテン。自生地では岩陰に潜んでいる。
以上、8月7日までの開花。また追加します。
8月7日、エキノプシス・大豪丸。
8月10日前後に咲くのかな?
もうちょっとお待ち下さいませ😁🎶
更新する時に前の写真を見ると、今は日焼けして危険な状態の子もいて、胸が苦しくなります。熱中症?…さておき、
ロフォフォラ・翠冠玉 Lophophora diffusa
メキシコ・ケレタロ郊外の固有種だとか。
フサフサの白い毛が小動物みたいで可愛いです。
お迎えしたばかりなのに咲いてくれました。我が家のロフォフォラでは唯一の白花♡
順番は変わり、途中から咲いた順になってます。
エキノプシス・大豪丸
8月19日朝4時20分撮影。
ウニサボテンと呼ばれるエキノプシス属は夜中から早朝にかけて咲き、午前中には萎みます。
蕾は毛で覆われています。
大豪丸は刺が無く、白いモフモフで取り扱いしやすいサボテンです。たまに誤って「無刺短毛丸」や「兜丸」の名で売られていますが、百均でも売られ、安価で多く出回っていますので、高値掴みにご用心。
花には小蟻が沢山、蜜を吸いに群がっていました。
エキノプシス属・豊麗丸 Echinopsis ancistrophora 9月7日撮影
南米原産で球の直径は10cm程度の割と小型のサボテン。花色は白〜桃〜赤。花は午前中で萎む。
9月8日、アズテキウム・紅籠が沢山咲いたので、記録用として追加します😉✌️
どのお花も綺麗で、解説も詳しくてスッゴΣ(◉౪◉ )
がっちゃん監修のサボテン🌵図鑑を出して欲しいくらいです(๑•̀ㅁ•́ฅ✨
見せていただきありがとうございます🩷ྀི