桔梗を盆栽仕立てにして楽しんでいます。ドクダミの解剖が思いのほか楽しかったので、桔梗も丁寧に見てみようと思い立ちました。
キキョウ(桔梗、Platycodon grandiflorus)はキキョウ科の多年生草本植物。山野の日当たりの良い所に育つ。日本全土、朝鮮半島、中国、東シベリアに分布する。絶滅危惧種である。属名のPlatycodonは「広い釣鐘」を意味する。種小名のgrandiflorusは「大きな花の」という意味である。なお、つぼみが風船のような形状であるため "balloon flower" という英名を持つ。
昔は朝貌(アサガオ)といえばこの花を指した。安倍晴明、明智光秀がこの花を紋所とした。
朝鮮名はトラジ(도라지)で、民謡トラジはアリランと並ぶ朝鮮の魂の歌である。
根は生薬キキョウであり、去痰・排膿の効を持つ。
(Wikipediaより改変)
盆栽として育てている白い桔梗、素敵でしょう?
カマキリの子どもがとまっていますが、注目していただきたいのは葉のつき方です。一応互生ですが、3枚セットで近接しており、下から見ると時計回りに付いていますね🕰
真上から見るとこんな感じ。螺旋階段のよう!葉が重なり合わず、あらゆる方角からの光をキャッチできるようになっているのでしょう😃
葉は全縁鋸歯、葉脈も互生です。
根元です。複数のシュートが出て株立ち(叢生)します。ちなみに植物学では地上部をシュート、地下部をルートと呼びます( ¯﹀¯ )/+*
これがルート(根)、生薬として用いる部分です💊桔梗(キキョウ)+甘草(カンゾウ)=桔梗湯(ツムラ138)です。この薬は喉の痛みの特効薬で、張仲景の傷寒論に「少陰病、2、3日、咽痛の者は甘草湯を与うべし。癒えずんば桔梗湯を与う」とある通り、2000年前から使われてきた名方です。私の使い方は、持ち歩くお茶に桔梗湯を1、2袋放り込み、よく振ってチビチビ飲むというものです。喉が痛いな、風邪引くかも、という時には素晴らしい効果を発揮しますよ😉
葉と茎の境から花芽が出てきます。当然ですが最初はガクの方が長いですね。
ガクの中から合着した花弁が伸びてきます。それに伴って花の柄も伸びてきます。
ここでちょっと発見❗️一番上が真っ先に大きくなるのは当然なんですが、その次に大きくなるのは上から2番目ではなく3番手のようなんです。継続観察の要あり🧐
開花寸前です。なぜ紙風船のように膨らむのか、明確に書いてある資料を見つけられませんでしたが、私の仮説では、花弁が合着していて気密性が高いので、呼吸などで発生したガスが満ちて膨らむのではないかと。どなたか正解を教えて下さいませ😌
スウッと割れて開花が始まりました😃
オシベがメシベにピッタリくっついていますね。「ボカあ君のことが大好きなんだ❤️死ぬまで君を離さないぞ、いいだろう?」みたいな🤣でも実はこのオシベとメシベは結ばれてはいないんですね〜、残念ながら😭その理由は後に明らかになります。この時期を雄性期と呼びます。
うなじです。ガクが5つ、花弁が5つですが、花弁の半分ほどはくっついています。
もっとわかりやすく。
正面です。綺麗な星形⭐︎
花弁を切り離すと一枚一枚はやや不整な菱形です。
花弁を外した姿(//∇//)
オシベを外しました。生まれたまんまのメシベの姿(//∇//)アーレー
オシベは5本です。
花粉まみれのメシベ。でもこの花粉で受粉するわけではありません。このメシベは未熟で受粉の用意が出来ていないからです。
多くの花では自家受粉を避けるためにオシベとメシベの成熟時期をずらしています(雌雄異熟)。キキョウではオシベが先に成熟します(雄性先熟)。
ではこの花粉は無意味なのでしょうか?そうではありません。メシベに細かい毛が沢山生えていて花粉をキープしていますよね。これはやってくる虫に花粉をくっつけて他の花に運んでもらう戦略なのだそうです🤩
ガクを取り除いて〜
メシベの根本の子房を輪切りにしてみました。レンコンみたいに穴が5つ開いていました🕳🕳🕳🕳🕳
花が咲いてしばらく経つと、オシベがそっくりかえってメシベから離れてゆきます。
2、3日もするとメシベの先端が分かれてきます。雌性期です。メシベがオシベに遅れて成熟したわけです。
メシベの先(柱頭)が5裂して星形⭐︎になっています。こうなったメシベは受粉できます。この時、オシベはもう花粉を失って萎びていますから、他の花から虫が運ぶ花粉で受粉するわけです。自家受粉を防ぐ巧みな時間差攻撃🏐ですね!
タネを見たいので、花粉を採って受粉準備の出来たメシベにつけてやったら、子房部分が膨らんできました🎈花びらは観察の邪魔になるので取り除いてあります。
タネが熟すのを待つ間にも次々と花は咲き、虫たちが集います。
茶色くなってきました。そろそろかな?
熟したので切り取りました。
左:正面顔。これでは分かりにくいので先端を切り落とすと‥
右:5つの小部屋が現れました😃子房にあった5つの穴がこうなったわけです。
小部屋一つ一つには小さなタネが沢山入っています。左の状態で振ればカサカサと幽けき音がしますよ。小人のマラカスかな☺️
一つの小部屋に35個で、部屋数が5ですから、全部で35✖︎5=175個もある計算です🧮1シーズンに咲く花が50あって、それが全部結実したとすれば、175✖︎50=8750個ものタネを生み出すことになりますね。すごい生産力です🤩
もちろんすぐタネまきしました。今後もお勉強はまだまだ続くのです🏫
返り咲きすると聞いて花後花柄切ってましたが、花後の種のできかた、とても良くわかりました❗
丁寧な解説勉強になりました👌
これからも大切にキキョウ育てていきます🙋
ありがとうございました\(^_^)(^_^)/