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2021/02/16

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【瑠璃の冬の物語】その5

手の切れるような冷たい川の水で、洗濯をしながら、瑠璃は幼い頃父から聞いた言葉を思い出す。
 
「あの石をみてごらん。小さな石が水に押されて流されていく。もとはといえば大きな岩だったものが、砕けてぶつかってだんだん小さくなって、それから砂粒になって、土に帰っていく。人も岩も植物も、みんな形あるものは土に帰っていくんだよ。

だかな、その間にたくさん旅をする。ぶつかって割れて砕けて、でも、そうして磨かれてこんな綺麗な石になるんだよ。

お前もきっと、ままならない世の中に、ぶつかって傷つくことがあるだろう。いっそのこと、命すら捨ててしまいたくなることもあるかもしれない。

だが、考えごらん、森の動物も鳥たちも、草や木でさえ命を捨てようなんて考えたりはしない。命は授けられている借り物。命は自分のものだなんて、考えてるのは人間くらいなんだよ。小さなお前にはまだ難しかろうが、みんな今ある命をただ一生懸命生きているんだ。そして、苦しみのなかから磨かれて、美しく輝いていくんだよ。」

そう言って、父さまが水のなかから拾い上げた石は、翡翠色のそれは美しい石だった。

「綺麗な石ねぇ」
それは、金色、銀色に輝く模様のあるとても綺麗な石だった。
うっとりと眺める瑠璃に、父さまは石を渡してこう言った。

「この石はお前が持っていなさい。辛く苦しいことがあったら、今日の話を思い出すんだよ。どんなときも、自分の信じる心のままに生きていけば、いつかお前もお前らしい輝きを放つようになるからの」

瑠璃は胸に下げたお守りの袋から石をとりだして握りしめた。

「そうよ。私がちゃんと生きてあの子もみんなも守らなくちゃ。今は辛くても、もう少しの辛抱だわ。きっと乗り越えて見せる」

たくさんの洗濯を抱えて、瑠璃は家路急いでいく。

続く

🌸よろしかったら、物語の一話【瑠璃の物語】二話【瑠璃の冬の物語】は下のタグからご覧下さいね。

2021/02/16

朽ちかけた石蕗から、綺麗な椿の蕾に変わる写真に希望を持ちたいです。

2021/02/16

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@鳥さん さん
人生に飲み込まれてしまいそうな抗えない力にも、濁流を乗り越えて生きていく力って、どこから来るのかな?「何も考えずに無心にいきていく」ことは、いろんなことを考えて生きるより、もっと難しいこともあるかなって。人生を支えるもの、それはお金でも物でもなく、たった一つの言葉だったりするかなぁ、そんなことを考えながら書きました。

2021/02/19

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@so.ra さん 私の好きな映画にショーシャンクの空にという映画があるのですが、絶望の果てに運命に打ち勝つ主人公にとても励まされました。ふと思い出しました…

2021/02/20

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@鳥さん さん
絶望のはてに喜びがあることを、乗り越えたものだけが知る

そんなことなのでしょうね。

2021/02/20

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@so.ra さん 自身の体験からは、乗り越えられる時と時間が解決してくれる時と両方です…

2021/02/20

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