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2021/02/22

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【瑠璃の冬の物語】その7

瑠璃の父さまは、この頃は寝付いていた。食料が足りなくて、日に日に体が弱っていた。

その日は、弥彦が町へと出掛けていった。久しぶりに陽がでて暖かい日だったので、瑠璃は父様の体を拭いた。

「お前には苦労をかけるのう。乳が出ないことで、お前がどれ程苦しい想いをしているか、知っていながら力になれずにすまんな。」
「そんなことはないわ、父様。どんな辛いときも、父様がわかってくれる、その事に支えられて私は生きてこれたもの」

囲炉裏の脇に落ちていた、一枚の葉を手にすると父様は続けた
「葉には、光があたる表、影になる裏がある。人の世の出来事は表と裏が訪れて、定まらぬもの。だかな、枯れた葉を見れば表も裏も同じ色。幸せも不幸も全ては一つなんだよ。どんなことがあろうともお前はお前、全てがお前に戻る旅なのだよ。いつかお前にもわかるだろう。

梅さんから乳をもらうことが、どれ程辛いことか。権蔵のする仕打ちに、わしとて怒りが込み上げる。そして、お前にも可愛い赤子にも、なにもしてやれない弥彦さんも、お前を愛するゆえに悩みは深かろう。」
 
「父様、私は辛くて、申し訳なくて、弥彦さんの顔をみることができません。とても前のように笑顔になることなど。。」

瑠璃がはらはらと、涙をこぼしていった。そして、父様の目にも光るものがあった。

「わしはもう長くない。お前も薄々は気づいておろう。別れは辛いものじゃ。だかな、お前は強く生きなければならんぞ。」

「人を恨み、人生を恨み、神のなされることを恨み、恨むことも怒りに心をいっぱいにすることも簡単じゃ。怒りを心に住まわせれば、やがては怒りに心を食われてしまう。怒りで命の時を過ごすのも、赤子の可愛いしぐさで笑顔で過ごすのも、お前の一日なんだよ。いいか、瑠璃や。乳をもらわねば死んでしまったかもしれない赤子を助けられたこと、今はその事だけを思ってすごすんだよ。
 お前は、優しいから、みんな一人で背負って口を閉ざして我慢しておる。だが、辛い気持ちをみんな心に溜め込んでおれば、弥彦さんも溜め込んでいなくてはならのだ。お前の心の準備ができたら、辛い気持ちを弥彦さんにも伝えてはどうかと思うのじゃよ」

「父様、本当にそうかもしれないわ。だけど、今は口を開いたら、自分が壊れてしまいそうで、まだ話すことは難しそう。でも、私どこかで助けてくれない弥彦さんのことも、恨んでいたのかもしれないわ。」

「無理に心を封じ込めることはないんだよ。辛い気持ちも苦しい気持ちも、お前を守る大切な気持ちじゃ。だけど、その気持ちに溺れては生涯光は見えぬのじゃ。
 蓮の花は、泥のなかでなくては育たぬが、その泥の中からまっすぐに茎を伸ばして美しい花を咲かせる。お前も泥にまみれず花を咲かせる蓮のように生きよ、瑠璃。辛いときは、今は泥のなかと、心に思っていつかお前の花を咲かせることだけを思うのだよ。」

「お前に話したことはなかったが、私とお前の母さんは、家族も財産も、何もかも捨ててこの里へ来た。そして、お前を授かった」

続く

🌸蓮 過去pic から

🌸よろしかったら、物語の一話【瑠璃の物語】二話【瑠璃の冬の物語】は下のタグからご覧下さいね。

2021/02/22

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