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いい花咲いてんねの一覧

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良し、行くぞう
盛夏の折、サギソウが美しく咲いた。 狂ってやがるとしか言えない暑さのせいで、こちとら体力の回復スピードと忙しさの塩梅が取れず、流行り病とは違うタイプの夏風邪を引いている。 熱も出ずに鼻だけが患うグズグズ感。 鼻づまりのせいで、「松任谷由実選集、五七五」と地声を発すればまるでユーミンのモノマネをしている清水ミチ子。 秋よ、来い…と懇願しながら必死に鼻をかむ。 サギソウは暑さに強い。むしろ暑さのさなか咲く。  むろん逆に暑さが命取りになる植物だってたくさんいるが、この暑さのなかで純白の翼をバッと広げて飛天の姿を見せるサギソウは誰もが羨むタフネス美人だと思うのだ。 サギという名の由来は、 おっ、鶴か(ワクワク)…?いや待てよ違う、なんだ、鶴じゃねぇな(ショボン)…のように、 「鶴かと思うでしょう違うんです詐欺」をはたらいているかのような風貌から(諸説あり) という話を聞いたことがある。 見間違えた者が悪いのに見紛わせた方をイジる、という典型的な先人のエゴイズムを感じるのは自分だけではないはず。 だいたい鶴じゃなくたってそれほど美しいのだから、結果オーライではないか。 サギよ大志を抱け。 生きろ。そなたも美しい。 そんな思いからつい鳥のサギに肩入れしがちだが、やはり美しいもんは美しい。 サギソウも美しく咲いたので何よりである。 せっかく純白の翼なのだからと、それが映えるように背景を赤にして撮影してみた。 汚い玄関先で撮ったのに、背景ひとつで写真の出来は何というか一気にジャペァァン(by郷ひろみ)。 ジャパンな雰囲気が行き過ぎて突然正月みたいな一枚になっている。 急にどうした。 鼻を詰まらせている奴の写真にしてはやけにめでたいじゃないか。 夏の花なのに正月っぽくなるのはどうもなぁ、と自らの季節感殺しを憂う。 ここはもう少し清涼に爽やかに、と思い、打って変わって優しい水色の背景を合わせたら、何ということでしょう。 今度は香典返しのカタログの表紙にしか見えなくなったのである。 チーン。 こんな仕上がりになるくらいなら、うっかり先取りした正月っぽさで愉快に行きたい。 そう考えて、今回は六段の調が聴こえてきそうなこの紅白の写真を選んだというわけだ。 サギソウのようにシーンごとの七変化をこなし、暑さにも強く、ついでに欲を言えば美しい、歩くタフネスでありたいものだがまずはこの鼻風邪を何とかせねば。 皆様もどうかご自愛ください。 グズグズ。
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36
良し、行くぞう
録画しておいたお笑い番組を観てヒーヒー笑った時にテレビの上あたりにぶら下げてあるチランジア・ウスネオイデスをふと見たら、先端にいつもと違う何かがあった。 お笑いを一時停止してウスネオイデスをガン見したところ、まさかの花であった。 君は本来ゴールデンウィーク頃に咲くんじゃないのか。 次は来年かと待っていたがまさかの今か。 ここぞの時まで溜めておいたのか。 自分の録画した番組の扱いと一緒じゃないか。 奇遇だなぁ。 小さい花でありながら、THE・花という感じの香りがする。 主観で言うとランのような濃い香り。 あまり嗅ぎすぎるとあっという間に香りを取り去ってしまいそうな気がして遠慮がちに嗅いでいる。 ここのところ今まで以上に忙しく、それが昨日やっと一段落したところである。 植物と暮らしていると、こうやって柄にもなく必死こいた後や立ち直り方を思い出せないほど悲しいことがあった時、はたまた誕生日など、自分が何かしら節目を感じたタイミングで突然「さ、咲いてる…!」となることが多い。 よく観察していなかったといえばそれまでだと思うが、なんとなく自分のリズムと合っている気がして植物をやめられない。 今日はこうしてプレッシャーを伴う忙しさから解放され、笑い転げていたところでウスネオイデスの花と出会った。 笑う門には福来たる、は決して都市伝説ではないとここに証明する。 あとは忙しさが報われる知らせが入れば完璧なのに…と気を揉みたくなるところだが、ウスネオイデスの花に免じて「やるだけのことはやったのだ」と力を抜いて過ごそうと思う。 当たって砕けてナノサイズになったとしてもゼロと同じではない。 ウスネオイデスの花を見たからそう思えるのであって、これが花に気づくことなくお笑いを見終わったあとはただ心配だけで頭がいっぱいになってシケたツラをしていただろうから、もはや本当によくぞ咲いてくださいましたウスネオイデス様!とお茶でも出したい勢いで嬉しいのであった。
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25
良し、行くぞう
♪車にポピー、ポピー。 90年代後半から、ポピーの花を見たらこのフレーズがしばらく頭から離れなくなるというオール阪神・巨人師匠の呪いにかかっている。 先日「くりはま花の国」という大きな公園に行った。 園内は季節の花やハーブがたくさん植えられており、初夏までのこの時期は一面ポピーが広がる「ポピー畑」という広大なゾーンが存在する。 ポピー畑は夏~秋にかけてコスモス畑へとチェンジするらしい。 まさに行った当日がポピー畑の最終日ということで、無料のポピー摘み大会が開催されていた。 不思議なもので、リュックの中からハサミとキッチンペーパーに輪ゴムと新聞紙、おまけに持ち帰るビニール袋まで出てきた。 計画どおり(ニヤァ)とほくそ笑む自分もポピー畑へ身を投じ、写真のポピーも含め戦利品をたくさん摘んできた。 その数、ツボミを約60本。 少々本気を出しすぎた気がする。 帰ってからようやく置く場所も花瓶も足りねぇぞと気づいたのだ。 「これでしばらく花が潤うわぁ」と近くで摘んでいたご婦人が嬉々として仰っていたが、ご婦人はもっと摘んでいたので潤いすぎてビッショビショなんじゃないかと想像する。 うちも潤いすぎてビッショビショになる前にと近くの知人にお裾分けし、置く場所も花瓶もなんとか事足りた。 足るを知るのは本当に大切だと数日前の自分にこっぴどく伝えたい。 時折カサッ…という音がして、見に行くと床に小さな殻を落とし、ツボミだったポピーがまた一輪開いている。 それがあと30本分は続くだろう。 殻と花ガラの掃除は面倒だが、ポピーの息吹を感じるのは楽しい。 無邪気にくねる茎もポピーの可愛いところ。まとめて生けるとやはり楽しい。 水揚げも場所の確保も大変だったが参加して良かった。 次は秋のコスモス摘み大会に行こうかと目論んでいるが、「足るを知る」のタトゥーでも彫らないとまた同じ轍を踏みそうである。 銭湯好きな自分はタトゥーを入れないので、おそらく足るを知ることを忘れる可能性が2割、3割、5割増し。
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17
良し、行くぞう
10ウン年ぶりに有名テーマパークへ。 どんな世情の時に行っても混んでいるが、歩くだけでもとても楽しい。 ちなみにカチューシャは使わない主義である。 帰り道、頭から外す瞬間に人生が燃え尽きてしまいそうな気がするからだ。 これまで行く季節がずれていたのか、来てもチュロスばかり見ていたのか、今回初めてディズニーランドローズというバラが美しく咲いているところに出会った。 香りを確かめたくて柵の隙間から頭をねじ込もうとしたが、ニュースで見かける中国の子供みたいになりそうだったのでやめた。 オレンジ色の咲き始めから、段々とキッチュなピンク色へと変わっていくらしい。大輪房咲きの美しく面白いバラ。 本国の担当者がディズニーの名を冠するにふさわしいバラを選ぼうと、作出されたてホヤホヤ・命名前の3種類からたったひとつ決めたのがこのバラだとか、違うとか。 2003年に作出された比較的新しいバラだが、あまり虫と病気に強くないらしく、栽培においては中上級者向けと称されている。 しかしながら、虫も病気も蒸れも一切なく、花を差し置いて木のコンディションを取っても美しい。 たぶんティンカーベルが魔法の粉を水に溶いたスプレーにして、こまめに散布しているのだろう。 シンデレラ城にも、黄昏ていく空にも似合うバラ。 ディズニーランドは本当によくできている。 ただ、もしこれとは違うバラがディズニーランドローズだったとしても似合うとか言いそうなので、自分の尻軽さが時々嫌になる。 バラは健やかそのものだったが、自分は帰ってからというもの小さな世界を鼻歌で歌い、ハイターを使いながらカリブの海賊を思い、ことあるごとにアプリでダンボの待ち時間をチェックしたくなってしまうという、ある種の病気にかかったようである。 ディズニー恐るべし。
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20
良し、行くぞう
今年はアマリリスの花がもうひとつ花芽を連れて還ってきた。 冬の間、ただの玉ねぎだった球根がまたも植え替えそびれたまま芽を出し始めてしまい、2年前に根詰まりで花がチンクシャになったことを思い出し鳥肌が立つ。 自分の頭の中の出川哲朗が「ヤバイヨ、ヤバイヨ!マジデマジデ!」と叫ぶなか手近にあった鉢に急ぎ植え替えた。 しかし、所詮は手近な鉢。 たいして広くならなかった。 それどころか無理してブチ込んだおかげでウォータースペースは皆無。 果たして意味はあったのか。 お気の毒なアマリリス。 しかしお気の毒な環境でもめげなかったアマリリス。 こうして花茎をグイィッと伸ばし、今年も見事な花を咲かせたのだ。 しかも育ててきて今回初めての2本目の花茎というオマケつき。 花茎が立派すぎて玄関前ではカメラから見切れてしまうので、わざわざ廊下の消火器前まで担いできて引き目に写真を撮った。 ところが建物の横線が奇しくも囚人の写真によくある身長を測る線のようになってしまい、せっかく花を咲かせてもバエない。彼女はやはりお気の毒なアマリリス。 ともあれ植え替えはうまくいったので、あとは気長に楽しむのみである。 咲かぬなら 咲くまで待とうアマリリス ───良し、いくぞう
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16
良し、行くぞう
昨年の「ガーベラの日」という売り場のポップを見て衝動買いしたあのガーベラがファイトォォ!一発! 今年も花を咲かせた。 昨年の投稿を見返したら、もう少しピンクっ気が強かったように思う。 おそらく持ち主に似て少し可愛げがなくなったに違いない。 これはこれで好きなのでOK牧場。 昨年は花が終わってからというもの、なんだか小松菜を育てているような気持ちになる葉だけの風貌になった。 そのニセ小松菜もとうとう冬には消え、それと共にこの鉢へのやる気も消えて、「何かが生えていた鉢」という無惨な姿で玄関入口に転がされていたのである。 自分は水をやったかどうかも覚えていない、春になったら何か植えるからとりあえず置いとこう程度のやる気しかなかったのに、ガーベラはそうではなかった。 風と日差しの中に春が見え隠れし始めた頃、ふいにニセ小松菜が戻ってきているのを見つけた瞬間、自分はガーベラの生命力にアッチョンブリケ!となり、心を入れ替えたのである。 ズボラを発揮して春まで転がしとけばいいやという姿勢は反省するに余りあるところだが、これほどの生命力と可愛らしさを併せ持つガーベラ。 もう少し力を入れて(真面目に)育てようと思ったのだった。 むか~し昔のことじゃった。 悪さばかりしていたズボラ妖怪良し、行くぞうはガーベラ和尚に退治され、お叱りに心を打たれたのじゃった。 それ以来、五穀豊穣を司り、花に水をやるのが好きな妖怪になったのじゃ。朝、花の近くに水が垂れていたら、それは日の出と共に現れた妖怪良し、行くぞうの仕業と言われておるぞ。 この妖怪には、KIRIN力水と塩大福を供えるとたいそう喜ぶそうじゃ。 チャンチャン。
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18
良し、行くぞう
夏が来る 嗚呼夏が来る 夏が来る そう思って早々とペチュニアを植えてからもうじき1ヶ月、「いっそ梅雨だと言ってくれ」と思い、窓の外で降りしきる雨を見てため息をつく日々が続いていた。 これが梅雨じゃないのなら、この後まだまだ雨が続く本チャンが待っていると思いたくなかったのである。 ペチュニアも植え替えられて、さぁやるぞと思っていたのに日照が足りないせいで、咲くに咲けない日々を過ごしたに違いない。 天気予報が変わりに変わって晴れる日も増え、ようやく植え替えて第一号と第二号が咲いた。 早々と購入したので花の様子はラベルのイラストと品種名だけが頼り。 ようやっと咲いた花を見て「よしよし可愛いぞ」と思ったのも束の間、今度は品種名を忘れたことに気づいてため息をついたのである。 品種名が書かれたラベルは植え替えた翌日にゴミ収集車へ載せられ、旅立っていったのだ。 くそぅ!どうしてこうなった… ジャックバウアーのようにクソォ!と吐き捨てて受話器をガシャンと置きたい気分だ。 汚い言葉なので悪態はこれくらいにして、ワールドワイドウェブを駆使して同じ品種をとことん探したが見つからない。 これでは謎ペチュニアになるではないか。 冗談じゃない。498円もしたんだぞ。 どんぐりガムがいくつ買えると思っているんだ。天文学的数字だぞ。 自分の焦りと悔しさをよそにやっと来た晴れを満喫するペチュニア。 自分の負けだ。もう謎ペチュニアとして育てるしかない。 チーン。 モダンなんちゃらみたいな気もするし、なんちゃらショコラみたいなうまそうな名前だった気もする。 負けを認めたにも関わらずしつこく思い出そうとするがやはり出てこない。 こうなりゃ「探さないでください」と書き置きを残して行方をくらまし、山奥のひなびた宿で住み込みの仲居でもしないといたたまれないほどショックなのだが、謎ペチュニアが可愛いのがせめてもの救いである。 謎ペチュニアに免じてワケあり仲居になるのはやめておこう。
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21
良し、行くぞう
子供の入園直後、担任の先生による家庭訪問があるとの話だったので、慌てて玄関周りの片付けと掃除をし、ついでにおもてなしの花まで飾った。 それがこの、トルコキキョウとアルストロメリアである。 少々デカイ買い物をしたので財布の軽量化が進んでいる。 吹けば飛ぶだろう。がま口型の未確認飛行物体だ。 月刊ムーが黙ってない。 なので、なるたけ持ちの良い花かつゴージャスに見える花をと思い、この2種を選んだのだ。 これで、良しくんのお宅は花と緑がいっぱいねウフフと言ってもらえるだろう。 計画どおり(ニヤァ) ところがどっこい家庭訪問当日。 先生が登場するほんの数分前に、かのデカイ買い物をしたブツが届いてしまった。 ブツというのは何を隠そう、電動アシストチャリンコである。 配送業者さんにお礼のリポビタンDを渡しているところへ、先生が現れたのである。 チャリを覆う巨大ビニールがアパート入口でガサガサとはためく。 「わー、ちょうど届いたんですね。せっかく外でお会いしたので、ここで結構ですよ」 ここで結構ですよ…ですよ…すよ… なんということだ。 せっかく室内におもてなしの花を飾ったのに、先生は砂利の上から動かないではないか。 先生、信じてください。 うちは花と緑がいっぱいなんです。 珍しくちゃんと花瓶に生けたんです。 おもてなしの花なんです。 そんな思いもむなしく、先生はまた明日幼稚園で~と言い残し、去っていった。 誰のことももてなせなかった花を飾ってから一週間、今日もメリアとトルコはへこたれることなく玄関で笑っている。それどころか、ツボミまで開いてバラのようになってきた。 おもてなしという役職からあっさり放たれた今も、花は健やかである。 アルストロメリアは花粉の粒を外し、豆ほどの大きさのツボミは咲きにくいので購入後すぐカットすると持ちがグンと良くなる。 トルコは茎をハサミで切るのではなく指で折ると水揚げが良くなる。中心の雄しべ雌しべにカビが生えていないものを選ぶと持ちが格段に良い。 というのを忠実にやったのにこのザマだ。 仕方がないので、誰のことももてなせなかった悔しさを切り花豆知識に変えて、結びのご挨拶とさせていただきます。 チーン
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20
良し、行くぞう
風に乗っていい香りがしてきたので、向こうから美人でも来るのかと思っていたら、ツツジであった。 この時期たくさんのツツジが花を咲かせているが、個人的にこの平戸ツツジの香りが好きだ。 一番蜜が甘いのは赤紫のあいつだと思うが。 この世には、やれムスクだアンバーだと色々な香水が売られているが、誰かツツジの香りと銘打った香水でも作ってくれないだろうか。 フルール・ジャポネズなどという名で日本の花シリーズにして、ウメ・ツツジ・沈丁花に水仙など、日本に自生する花に特化した香りをまとえば、レッドカーペットの上に立つセレブ達も 「オゥ、サッチャエキゾチックジャパン」 と甘いため息をつくこと請け合いだ。 と、いつか世界的な調香師ジャン・クロード・エレナにでも会えたら言ってみようと思うが、エルメスお抱えの世界的なフランス人調香師がこんな辺境に現れるのはおそらく天地がひっくり返っても無理だろう。 そして特筆すべきは、このツツジがよそのお宅の生け垣だということだ。 人様のお宅で何をやっている。 春は馬鹿をより馬鹿にさせる。 そんな拍車のかかった馬鹿は淡い夢を胸にしまって、今朝も一人、レッドカーペットではなく川っぺりでツツジの香りに甘いため息をついてきたところである。
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22
良し、行くぞう
本日午後3時、 開花を宣言いたしました。 花のサイズはバファリン一粒ほど。 優しさはどれくらい含まれているだろうか。 こんなにも小さい花でありながらパールホワイトという感じの柔らかな光沢があり、鼻を近づけると梅にも似た甘い香りがする。 そして、アングレカムの一族ならではの特徴ともいうべき距(キョ)というパーツも、後頭部にちゃんとついている。 が、それを確認できそうにない写真しか撮れなかったので偉そうなことは言えない。 何しろ相手はバファリンサイズ。 距(キョ)を取るか、顔を取るかと秤にかけたらとりあえず今回は顔にしとくか、ということになったのだ。 こんなにも小さいのにパーツがしっかりしているのを見ると、自然界の精巧さに芸術性をも感じる。 この、写せなかった距(キョ)というパーツに関するプチ情報なのだが、 NHK「ダーウィンが来た」でおなじみの自然科学者チャールズ・ダーウィン。 彼は、このアングレカムのキョというパーツを見ただけで 「このキョがある花から蜜を吸うために、他にはない特殊な機能を備えた蛾がいるに違ぇねぇ」 と予想した。 残念ながら存命中に彼自信が確かめることは叶わなかったが、後の世でダーウィンの予想どおり、本当に特殊な機能を持つ蛾が発見され、その蛾はまさにアングレカムの蜜を吸っていたのである。 植物の姿形だけを頼りに導きだした新種の存在をチラつかせるダーウィンがすごいのか、ダーウィンにとんでもないインスピレーションを与えるアングレカムがすごいのか。 答えはわからないが、こういうことはとりあえずキョの撮影ができてから語れよと我ながら思うのでこのくらいにしておく。
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20
良し、行くぞう
舗装されたコンクリートのわずかな隙間に根を下ろし、 後ろでチヤホヤされながらこんもり咲くパンジービオラに対抗しているのか、 「わたしは自分で咲けます!」 と、これ見よがしな至近距離で街角のビーナスと化しているガッツ溢れるスミレを見つけた。 街角っちゅうかあれやな、コンクリの角やんか。本気でやっとるんやろ? ネタも根も突き抜けてんねんやんか。 こっちも本気でやっとるからわかるで!それが出たんやと思うわ。 いやぁこらホンマにおもろいなぁ。 むっちゃ好みやで。いやホンマに。 私はスミレが優勝やと思っとるわ。 いやーもうホンマ…後は聞かんといて! えみちゃんもそう言ってくれるだろうか。 たぶん一歩足を踏み入れたらもう戻っては来られないだろうと思い、あえて敬遠しているカルチャーのひとつが宝塚だ。 もうかれこれ数年、スミレを見ると 「スミレの花~咲く~頃ォ~」 と頭の中で良し行くぞう歌劇団が歌い出すのだが、これも立派な宝塚の影響だと思うのだ。 ここまで来ていながら周囲に話すことが出来ないのは、呆れられてしまうのが怖いのと、劇場へ連れて行かれることが怖いからだ。 なのでこれは自分とスミレだけの秘密である。
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良し、行くぞう
アネモネがふっくらぽってりと揺れる朝7時の寄せ植え。 忙しくしていた間に、蕾も早7番目。 ムスカリも峠に差し掛かり、若干集合体恐怖症をくすぐる出で立ちとなった。嗚呼ムズムズ。 自分はギリギリにならないとやる気が出ない脳を持っており、人生ウン十年、その脳の働きに苦しめられている。学生時代の毎年8月31日の過ごし方が良い例である。 現実なんて気にしない。 それワカチコ、ワカチコ。 とやっていたが、幼稚園グッズをあと2日で全て用意するというミッションがあらわれた! 否。本当は一ヶ月前からあらわれていたのだ。 自分が視界に入れないよう寄せ植えばかり見ていたのだ。 大人になんかなりたくない。 植物だけ見て楽しく暮らすのさ。 そう、自分は寄せ植え界のピーターパン。 鉢はまさしくネバーランドなのだ。 しかし学生時代と違って今度は家族の命運がかかっている。 ネバーランドでチンタラやっている場合ではない。 「ムーン締切パワー!メーイクアップ!!」 こうしてピーターパンは締切戦士へ姿を変え、血走った目で当日の明け方までミシンを走らせてなんとか事なきを得たのであった。 締切戦士は縫い物だけではなく、寄せ植えの水やりと花ガラ取りもやってくれていたらしい。 期日を乗り越えピーターパンに戻った自分にはその辺の記憶があまりない。 もう少しワカチコする時間配分を考えないとと思うのだが、こうしてアネモネがいい感じにネバーランドを彩っているのを見る限り、きっとまた戦士が現れることになる予感がするのだ。 自分をピーターパンにしてしまうのは自分なのか、花なのか。 植物というのは本当に恐ろしいものである。
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15
良し、行くぞう
横須賀市・田浦梅の里に行ってきた。 よく晴れ、よく咲く白梅。 梅林をそよぐ風が魅惑の芳香を運んでくる。 頂上付近の白梅はおおむね満開、心臓をビリッビリに破る階段の途中はまだまだ3分咲き。 今週以降もまだまだ楽しめると思うが、来週もう一度行きたいと思いつつも自分の大腿筋とヒラメ筋が 「どんだけぇ~」 と叫んでいるのは無視できない。 山と階段は下りがつらい。膝と足首にくる。 梅を見に行くなら頑張れるが、帰り道だんだん梅のない世界へ戻るにはあの階段が心身ともにつらいのだ。 手製のサンドイッチを持って行ったが、リュックの中で押し合い・へし合いだったのだろうか。 食べようとリュックから出したら、マイク・タイソンに打たれたあとのようになっていた。 きっとおにぎりにしてもタイソンには勝てなかっただろう、あいつが強すぎたんだよと自分を慰める。 約3000本の梅に囲まれ、かぐわしい香りに包まれてどれほどはしゃいでいたのだろう。 撮った写真のほとんどに自分の指が写っていた。 これでは台無しじゃないか。 何をやってるんだ。この汚いブタ野郎。 大腿筋とヒラメ筋に謝れ。 タイソンと指先に苦しみつつも、田浦梅の里はとても良かった。 梅を見る人々の表情の、なんと素晴らしいことか。 梅の向こうに東京湾の水平線や沖を漂う貨物船が見えたり、トンネルから出てきた京急の赤い電車と梅のツーショットが撮れたりするのはこの梅園の良いところ。 指先さえ邪魔をしなければそっちを載せたかったのに。 なんて日だ。 せっかくなので、霞のような梅に淡く染められた里の景色をどうぞ。
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17
良し、行くぞう
八重の水仙を見つけた。 たまに通る道だが、反対側にはめったに渡らない。 今日たまたま魔が差して渡った場所の、おそらく自治体が管理していると思われる道路脇の植え込みにそれはいた。 おいちょっと待て。 水仙にしちゃ様子がおかしいぜ。 よく見てみろ。 自分の中の植物刑事(デカ)がそう呟いたもんだから、近づいてみたら八重咲きの水仙だったのだ。 初めて八重の水仙を見たのだと思うが、なんかこう、なんというか、 やけにクシャクシャしてるなぁ というのが第一印象。 しかしながら外側の花びらは精一杯水仙らしくいようとしているように見えて面白い。 思ってたこの世の八重全般とは結構違うので、水仙に関してひとつ利口になった気がする。 この水仙の群落、八重咲き水仙と肩を並べる近さにノーマル日本水仙も植わっている。 そのため、植物刑事が指摘しないと二つの水仙の違いに気づきにくい。 そして、植物刑事は不自然な点に気づく。 道路脇の植え込みはそれぞれ水仙やツツジが植えられて連なっているが、八重の水仙が生えているのはこの植え込みだけなのだ。 果たして自治体がこんなイタズラ心溢れる植え方をするか。 造園屋は町の植え込みなんかで遊ぶものなのか。 植物刑事は思案を巡らせたうえ、ひとつの仮定を立てた。 「水仙の横にわざと異なる水仙を植え、誰か気づくかなぁと陰ながら一人ほくそ笑む地域住民によるゲリラ園芸なのではないか」と。 残念ながら捜査は打ち切りとなったため真相は掴めず、迷宮で笑う八重咲き水仙。 間違いないのは、陰ながらほくそ笑むゲリラがここにもう一人誕生したということだ。
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12
良し、行くぞう
アセビ 花まみれ、の図。 「I amツツジ科!」との主張をまざまざと見せつける、特徴的な小さい壷状の花。 花材として見れば、花がなくともその枝振りはどこを取っても美しく、壷に花を生ける際には「ブチ込むだけでなんか解決」という頼もしい枝物だったのを思い出す。 庭木として奔放にさせておくとこのように花まみれの茂みと化すが、それもまたアセビパワーがウズウズとしていて面白い。 そんな奔放なアセビとは、相模国一宮でおなじみの寒川神社で出会った。 皆が荘厳な本殿と大きなねぶた飾りにカメラを向けているその横で、自分はひたむきにアセビを撮っていたのだが、仲間もライバルも一人として現れなかった。 大丈夫だ。悲しくなどない。 自分は後厄になるのだが、嘘か真か、「後厄が一番ヤバいらしいよ、だってほらフィナーレじゃん、厄の。」 という誘いを受けて、厄の実施期間もあと一年という頃合いなのだが初めて厄落としのご祈祷を受けに寒川神社へ行ったところ、このアセビと出会ったのである。 授与品は色々入っていたが、御神撰の落雁がダントツで嬉しかった。落雁うめぇ。 こうして厄祓いが済み、今日もおかげさまで平穏無事に暮らしているが、それすなわち、自分の知らない所で払い除けられた厄はさぞや恐ろしかったのではないか。 厄との距離も近かったのではないか。 もしかして結構ギリギリだったんじゃないか。 すんでの所で払い除けたその厄は、どんな恐ろしい厄だったのだろう。 ギリギリでいつも生きている感のある自分が厄祓いを受けた後に平穏無事でいると、逃れたであろう厄がむしろ怖いもの見たさで気になってしまうのである。
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22
良し、行くぞう
ここからは良し、行くぞうさんをお迎えして解説をお送りします! 良しさんどうですか、今日のこのアネモネ選手、だいぶ仕上げてきたと思うのですが~… そうですね! まずこの色合いですが、かなり色づいてきたと思います! クラシカルピンクで咲くというプログラムを提出していたようですが、宣言どおり色味を出してきましたね! 2週間前はどうなるのかとメディアでも心配の声が上がっておりましたが… そうですね!アネモネ選手はこの2週間、梅干しにしか見えないというバッシングもありましたし、植え替えや冷たい雨もあったので、すごく困難な状況だったと思います! どうですか良しさん、やはりこのような2週間というのは、選手にとって苦境を強いられるものなのでしょうか? そうですね!ただアネモネ選手は寒さに比較的強いと言われているのと、雪予報がなくなった分そこまで気温が下がらなかったのもありまして、今回のアネモネ選手にとっては幸運だったのではないかと思います! 技術点や構成はいかがでしたか? そうですね! 花柄に高さがありますね! 最初の段階で花の付け根に包葉がぴったりくっついていましたが、選手にとって開花前の蕾がある状態で植え替えにあたるというのは難易度が高いんですね! その難易度を乗り越えて、ここへきて花柄がしっかりと伸びているので、花姿に非常に高さがあることと、その高さが出た状態で色合いもハッキリしているのは技術点とても高いと思います! 花びらの構成も八重ならではの奥ゆかしさがわかりますので審査員たちにアピールできています! え~そして、ただいま審議中ということですが、良しさん、どういった点が審議にかけられていると思われますか? そうですね! 高さ、色合いともに2週間でよく仕上げてあると思うのですが一点だけ心配なのがこの花びらの広げ方でしょうか! 八重のぽってりしたボリューム、奥ゆかしさはあるのですが、花びら全体の広げ方がもう一歩足りていなくて円形のポージング、少し乱れたとジャッジが出るかもしれないですね! となるとどうでしょう、今回のプログラム、開花という認定はあるのでしょうか…! そうですね! もしかしたら開花認定は厳しいかもしれませんが…2週間でここまで仕上げてきたチャレンジは世界が注目してますので、とても素晴らしいと思います! …とまぁこんな感じでオリンピック脳が出来上がっている。 何を見ても実況解説に持ち込んでしまう哀れな思考は閉会式まで続くのだ。 頑張れ日本。頑張れアネモネ。
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良し、行くぞう
華美ではないが、不思議とぶりっ子ではないタイプの可愛らしさを感じるし、何よりとても丈夫。 小花フェチなら単鉢で植えれば楚々とした草姿に風情を感じるし、 寄せ植えに入れれば少々根が切れてもビクともせず、土も隠れるし、寄せ植えの主役は食わないがスピンオフを作ればそっちで主役を張れるような存在感。 非常にちょうど良い。 昔働いていたショップでも入荷すれば必ず完売する、まさにちょうど良いモテ子。 クリスマスローズやムスカリがいる寄せ植えの一味のメンバーにしたのだが、早朝、ムスカリやクリスマスローズが細胞外凍結を起こして「力が出ま千円」となっているその横で、この姫フウロは 「普通です!キリッ」としている。 しかし他の勢をおびやかすことはしない。 花一輪の寿命はそこまで長くないようだが、代わりに新しい花が常に咲くのでスタミナバッチリ2交代制。 誰もが振り向くゴージャス美人ではないかもしれないが、一緒にいると面白い。楽しい。 不思議とずっと一緒にいても疲れない。 長い付き合いだけど飽きない。 何気ないことなんだけど話したくなることがあったからちょっとLINEしてみよっかな。 笑ってくれるかな。 そういやたまに無性に可愛い瞬間があるんだよな。 何なんだろう。 この世には色々なモテ方があると思うが、「君がいるとなんだか楽しい」というモテ方こそ真のモテということなのではないか。 なんてこった、やはりこの花はモテ子なのである。 あぁ面白い。 あぁ楽しい。 しかも可愛いし。 あぁ本当にちょうど良い。 ちょうど良すぎて、ベランダからちょうど良さを叫びたくなるくらいこの花が好きだが、我が町も雪が舞ってきたので今日のところはやめておこう。
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