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猫凡の俳句の一覧

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ねこたんぽ
先日はGS句会への御参加・御閲覧ありがとうございました😊今回も徒然ナルままに感想など述べさせて頂きます(敬称略)。 ありったけの命満ちてヒヤシンス たぼ女 📝傷んだ球根から花を咲かせたヒヤシンス。「ありったけの命」を振り絞ったかのようで健気です。ミセスねこたんぽ選💁🏻‍♀️ 優し色有楽椿に平和の祈り のりよ 📝有楽椿という品種を初めて知りましたが、実に柔らかな印象の花ですね。殺伐とした世相の中、こういう花を皆が愛でることができればと願います。花自体が優しいというよりも、そう述べる人の心が優しいのです。 寒風に虫も食まない大根葉 ケロ女 📝今年は近年稀な寒い冬。虫のつきやすい大根葉がやけに綺麗なことで寒さを感じさせるのが面白いです。 春を待つ窓に並んだ猫と人 佐助 📝北国の家は暖かく作られているそうで、屋内にいる限り寒さは感じないとのこと。そんなぬくぬくの窓辺で、雪の積もった外を眺める猫と人。立春に相応しい明るい気分になりますね。 梅ふふむ土に雀の足の跡 種 📝「ふふむ」とは蕾のままでなかなか開花に至らない状態。梅見に来たけれど早かった。足元には雀たちの足跡。ふ〜む、雀も残念がって帰ったのかな?微笑ましい一句。 ねこじゃらしの骨白々と苔のうへ 種 📝ねこじゃらしことエノコログサ。花穂が熟して種子を散らすと枯れた芯が残ります。力を尽くして子孫を残し苔の上に横たわる姿を骨に見立てた。ねこじゃらしの新たな一面を見せて頂いた気がします。 陸奥の刀剣展や春浅し いざよい 📝刀剣展と春浅しを合わせたところが素敵です。鋭利で冷たい輝きの刀剣と、未だ冬の寒さを残した春の淡い陽射しが呼応するようです。寒いみちのくであることも生きています。 春塵に貝塚伊吹の捩れ立つ そらもよう 📝春は風の季節。土埃を巻き上げて強風が吹きつけます。貝塚伊吹は捩れた幹が特徴で、ゴッホの絵画のような趣があります。この木は実際には風と無関係に捩れているのですが、春塵と何と見事に調和するのでしょう。今回の私の特選句です😻 きよか あき姫 淡雪 はるみ おおきみ 恋の香 紅ほっぺ  お馬のけーこ 📝「いちご都々逸」良いですねぇ。そもそも都々逸とは、江戸末期に都々逸坊扇歌によって大成された口語定型詩で七・七・七・五のリズムでなるものです。恋愛がテーマのちょいと色っぽい内容が普通です。風流人のけーこさんらしく、イチゴの品種だけでちゃんと頬赤らめるような恋情を歌って下さいました。特別賞🏆 幻か吹雪照らして更待月 小菊 📝ふけまちづきとは月の出が遅く、夜更けまで待ってようやく出てくる月のこと。夜ふけの月光が照らす吹雪、凄艶な光景。御主人を起こして見惚れるのも分かります。 風緩みシーツ伸びゆく天の海 risho 📝早春の穏やかな晴れ間でしょうか、真っ白い(とは書かれていませんがそうに違いない)シーツがふわり靡いて海のような空へ伸びてゆく。視覚的にも皮膚感覚的にも心地良さ満点。ミセスねこたんぽ選💁🏻‍♀️ くれないの椿多輪でうるさかろ 芽生 📝鉢植えの場合、花が多すぎると煩わしく感じられることがあります。それが紅、しかも体調の悪い時、とくれば尚更。実感で分かる句。 ひと梅のパックス令和咲き誇る aiko 📝PAX(平和)といえばロマーナとかアメリカーナとか。超大国が圧倒的力を持つことで一定の秩序が保たれることが想起されます。無論それは権力を持つ側にとっての平和であって、普遍的なものでも永続的なものでもないわけですが。令和日本はどうなのか?「ひと梅」というのが意味慎重です。 誰訪ふや三尸虫揺れ朧夜へ ゆん 📝さんしちゅうは人の体内にいて、庚申の夜、その人の罪を天帝にチクるために抜け出すと言われています。朧夜の幻想的な印象がこの伝説と調和して妖しの世界を創出しています。 だし香る透き通る葱生姜のせ ゆん 📝食べ物俳句の名手ゆんさんの真骨頂。料理が何なのか分からないのがミソかな。うどんかな、鴨南蛮そばかな、それとも‥。とにかく美味いに決まってる! 拙句から妻の琴線に触れた句は‥ 冬鳥の足跡波も消し惜しみ 猫凡 自句自解:浜辺に残る沢山の鳥の足跡。見ているだけで嬉しくなるのはなぜなのでしょう。厳しい冬を懸命に生きている鳥たちを思うからなのでしょうか。海よ、素敵なものを残しておいてくれて有難う。 今回の自選句は‥ 藍は天蓋大地は褥我が寒暮 猫凡 自句自解:寒暮、つまり冬の夕暮れが好きです。誰もいない中、独り佇んで空と海が溶け合うのを見つめていると地球を感じます。荘厳なる世界に自分がいることの奇跡。「我が寒暮」と言い切ってしまいたくなるのです。私の愛するロックバンド、ストラトヴァリウスのSoul of a vagabondの歌詞にインスパイアされて出来た句。 来月も🏷️GS句会をどうぞよろしくお願いいたします<(_ _)>
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ねこたんぽ
先日は今年最後のGS句会、御参加・御閲覧ありがとうございました😊今回も徒然なるままに感想など述べさせて下さい(敬称略)。 冬薔薇小さなことは気にしない いざよい 📝冬の寒さにも平然と花を咲かせている薔薇。些事にとらわれず大らかに逞しく行こうと励まされるのです。 粛々と漕ぐ掻くはねる年の暮れ 佐助 📝雪国の真冬の日常。「漕ぐ掻くはねる」、雪掻きと簡単に言いますが、どういう作業なのか、その大変さと共に教えて頂いた気がします。 ねこじゃらし光芒遥か島宇宙 種 📝空気の澄んだ日に一群のエノコログサが揺れ煌めく情景でしょう。「島宇宙」とは星雲を島に見立てた言葉です。広い土地のあちらに一群、こちらに一群、そんなふうに想像が広がります。 冬の夜や人声めいて腹の虫 種 💁🏻‍♀️妻の推奨句。夕飯前かな?無機質な言い方をすれば胃腸の蠕動音、それが空腹を訴えかけている喋り声のように聞こえる。ユーモラスで温かい句。 冬晴れやメタセコイアに千切れ雲 そらもよう 📝光、紅葉、純白と青、清々しさに満ちた冬の点描で、一幅の絵のようです。 核廃の署名求める人ありて 札交わし合う木枯らしの門 小菊 💁🏻‍♀️妻の推奨歌。木枯らし吹く中、世界平和を希求して来訪した人。応じる心の中に、何も出来ない自分や変わらない世界への忸怩たるものが滲むのも「木枯らしの門」が効いているからでしょう。 積み本がまたここに居る十二月 メイ 📝本好き、調べ物好きはいつも身近に本を置いておきたいもの。どうしても何冊か積み上げてしまい、家が片付かない。「居る」という擬人化により、そんな厄介者の本への愛情が滲みました。 逝きし人数えて暮るる冬銀河 ゆん 😻 私の選ぶ「この一句」。年末には今年亡くなった方々を振り返る特集が組まれます。身近な人、好きだった著名人、別れは毎年訪れます。二度と会えなくてもいつまでも覚えていたい、そんな想いが「冬銀河」という美しい言葉で表されています。遠く離れても思い出は永遠に輝いているのです。 「囲む」から「差し向かい」へと鍋の卓 risho 📝核家族化から夫婦だけ、さらには独居老人へと時代は移り変わりました。rishoさんの仰る通り、鍋はもはや囲むものではないのでしょう。差し向かえる相手がいることを有り難く思うべきなのかも。 拙句から妻が選んだのはコレ☺️ 風よ止め秋蝶しばし憩ふやう 猫凡 自句自解:秋深まり冷たい風の吹く中、藤袴の蜜を吸っている蝶を見ての素直な気持ちです。遠からず死んで土に還るからこそ、「しばし」の憩いを願わずにいられません。 今回のまとめからの自選句はコレ。 工業化された大地の穴惑 猫凡 自句自解:私の住む彦島には田んぼがありません。高度経済成長期に全て潰され、工場や社宅にされました。潜り込める穴などなさそうな、そんな土地でウロウロしているシマヘビの姿。穴に入り込むべき時に地上にいるという本来の意味の「惑」と、自然の大地が失われていることへの「惑」を重ねてみました。 来年もGS句会をどうぞよろしくお願いいたします<(_ _)>
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ねこたんぽ
先日は🏷️GS句会、御参加・御閲覧ありがとうございました( ˶ˆ꒳ˆ˵ ) 例によって幾つか感想など述べさせて頂きます(敬称略)。 獣めき背高泡立草群れる 種 📝のっぽのセイタカアワダチソウがおそろしいほど蔓延っている様に獣性を見出す、その感性が秀逸です。 魚も人も動かずにおり氷点下 佐助 📝氷結した湖沼の水底に自分もいるかのような気持ちにさせられる句。底冷えする日の体感が伝わってきます。 草の葉のうぶ毛全てに秋の霜 たぼ女 📝たぼ女さんらしい細やかな観察眼。温かなうぶ毛が霜で覆われている。寒い朝の温度感と美しさ。 ココア飲むゆっくりゆっくり冬隣 そらもよう 📝ココアはホットに限る。「ゆっくりゆっくり」の反復は、ココアをゆったり味わう様であると共に、冬が一歩一歩近づいてくる感覚でもある。季節感を見事に表した素敵な一句で妻もお気に入りです💁🏻‍♀️ 木の葉落ち青空パズル完成す risho 📝これはやられました。拍手👏落葉が進むに連れ、枝で細かく仕切られた青空が拡がってゆく。青空パズルかぁーっ!素晴らしい発想です。 口切りや茶筅置く手の白きかな メイ 📝茶道に疎い私はこの句で初めて「口切り」を知りました。茶葉の香り、かそけき音、白い手。五感が密やかに刺激される一句です。 薄墨の葉書が届く二人庵 小菊 📝薄墨は葬儀関連で使われます。文字が涙で滲みました、という意味があるようです。歳を重ねてくると、夫婦二人の住まいに届く訃報が徐々に増えていく、そんな哀感が滲みます。 駅そばの香り色なき風に食む ゆん 📝五行説の考えでは「色なき」🟰白🟰秋です。秋風に乗って漂う香りに誘われて駅そばを、ということでしょう。音のリズムが良いし、食べ物の句なのに品があるのも良いですね。 妻の琴線に触れた拙句は二つ。💁🏻‍♀️「どちらも小さき存在に対する慈しみを感じます。心がホンワカしました❤️」。ありがとう〜🥹 高き人屈みて話す泡立草 猫凡 野菊一輪神の光に守られて 猫凡 今回から厚かましく自薦句を😅 曼珠沙華兄死す亡父の顔をして 猫凡 自句自解:この秋、曼珠沙華の盛りに長兄を亡くしました。その穏やかな死に顔は亡父のそれと瓜二つ。私は幼い頃から父そっくりだと言われてきたので、自分もいずれこんな姿で棺に納まる時が来るのだと強く意識させられたのです。 次回もGS句会をどうぞよろしくお願いいたします<(_ _)>
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ねこたんぽ
先日は🏷️GS句会ありがとうございました<(_ _)> 例によって幾つか感想・妄想を‥(敬称略) 秋夕映洗濯物もそのままに たぼ女 📝炊事に洗濯に忙しい夕刻、夕映の美しさに見惚れてしばし家事を忘れる。「美しい」という意味の語を一切使わず美しさを雄弁に物語る素敵な句です。 オホーツク目指し踏みゆく花野かな べにしし 📝嵐が丘のヒースの荒野を想起しました。幻想的で美しいのですが雄々しさも感じさせます 川音の響く傍ら葛茂る あおぞら 📝涼しいなぁ!五七五でこんなに涼しくなれるって省エネです。私はこのクズは花盛りと読んだのですが妻は青い葉の繁っているだけと。どちらかな?緑だけの方が涼感は上ですが。 硝子戸の草蜉蝣の眼金 種 硝子戸の草蜉蝣の眼に狂気(原句) 📝クサカゲロウの目は実際ゴールドで凄く綺麗です。薄緑の身体にそこだけ強い光を放っているようです。それを狂気とみた原句を私は推します。 月と往く歩調はいつも吾次第 そらもよう 📝なるほど〜。月はこちらの歩調にどこまでも合わせてくれますね。スタスタ先へ行ってしまう夫のことを踏まえての句だと知ると、ユーモアも感じます。 台風の去りしを告げる虫の声 ケロ女 📝シンプルですが共感を誘う句ですね。共に台風をやり過ごした生き物同士の連帯感も。 秋の潮白き帆影を遊ばせり いざよい 📝透明感ある青い海に白い帆、スーラに描いてほしいような幸福な一日。 水占い大吉溶けて秋牡丹 メイ 📝この水占いは白紙のおみくじを水につけると吉凶が浮かぶタイプでしょうか。大吉がすうっと淡く溶けて消える。秋牡丹つまり秋明菊の代表的花言葉「淡い思い」を踏まえて、見事にまとめられました。 丸刈りで木々は野分に立ち向かい risho 📝台風対策でバッサリ剪定された街路樹。痛々しい姿ですがしっかり踏ん張って生きています。 太陽の向き変わるバス中の秋 ゆん 📝通学か通勤?バスに射し込む太陽の角度で季節の移り変わりを知る。その陽射しは夏と違って幾らか柔らかく心地好い。妻💁🏻‍♀️もオススメの佳作です。 拙句から妻が選んだのは次の二句😊 行き帰り応援サンキューペチュニアの花 猫凡 海上の蒸気機関車夏の雲 猫凡 次回もGS句会をどうぞよろしくお願いいたします🤗
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ねこたんぽ
台風接近、避難、記念撮影。 先日はGS句会へのご参加ご閲覧本当にありがとうございました😊今回も感想を徒然なるままに。 打ち放つ金属音と残る夏 小菊 ✍️「甲子園」の語を用いずにそれを想起させる巧さ。打球音のみならず、飛んでゆく白球、試合あるいは大会後の余韻。素敵な一句で、妻もお気に入りです。 盆過ぎて呆け日焼けの皮を剥く RIANマスター ✍️夏の終盤の気怠さ、生の生活感が伝わってきます。 帰省した夫のあだ名新鮮に メイ ✍️長年連れ添った夫婦でもまだまだ知らないことは多い。夫の田舎で知った幼少期の夫のあだ名の新鮮さ。微笑ましい一句。そういえばこの夏、同級生から送られてきた私の高校時代の写真を見て、妻が似顔絵を描いてくれたのでした。いずれご披露⁇ 暮れかけの空の桃色サンドレス ゆん ✍️これは美しい句ですね〜。夏の夕景に溶け込むような色のサンドレス。個人的には小娘ではなくある程度の年増であって欲しい。 さっくりと刃を吸い込めし西瓜かな aiko ✍️お見事!上質のスイカのシャリシャリ感を「吸い込めし」と表して、涼しさ満点です。妻もお気に入りの一句。 日盛りや息する事を忘れおり いざよい ✍️まさに実感。炎暑の日中、空調の効いた部屋から一歩出た時など。 カーテンは真白野牡丹影ゆらぐ risho ✍️巧いなぁ‥まず字面が良いですね。カタカナ→漢字→ひらがな。視覚的リズムとでも言いたくなります。さらに、「真白」の位置。白いのはカーテンともノボタンとも解釈可能な仕掛けになっています。後者だとすれば、白と白が黒を生み出していることになりますね。いずれにしてもモノトーンのいわば静的な世界が、最後に「ゆらぐ」つまり動くのです。仕掛けに満ちた、それでいてすっきりと美しい一句。 老鶯とテッペンカケタカ共に鳴く そらもよう ✍️ウグイスとホトトギスの囀りが同時に聞こえてきたよ、という句です。両者は繁殖期を同じゅうするので囀りが同時期に聞こえるのは道理ですね。問題は、ホトトギスがウグイスに托卵することです。つまり、ウグイスの巣に卵を産みつけ、ウグイスよりも先に孵った雛がウグイスの卵を全部放り出す。ウグイスは自分の子だと思って一生懸命ホトトギスの雛を育てるのです。美しく穏やかな印象の囀りの背後では生命を巡る熾烈な駆け引きが繰り広げられているのです。 悠久を蝉生まれては地に落ちて 種 ✍️蝉は殆ど繁殖のためにだけ成虫になるようで、寿命は幼虫時代に比べてはるかに短い。生まれては落ちるように感じます。そんな営みが有史以来繰り返されてきたことに思いを馳せるということは、取りも直さず自分の人生を考えることでもあるのでしょう。 赤き実の間に朝顔二つ三つ 佐助 ✍️家庭菜園のトマトかミニトマトの間に朝顔がのぞいているという情景でしょうね。この朝顔は意図して植えたというより零れ種から育ったもの(であってほしい)。園芸家の意外な楽しみとして「あるある」ですね。 夏庭にひっそりと咲くエケベリア 皇帝ダ ✍️夏庭、ですから草が生い茂っていると想像します。エケベリアは丈の低い多肉植物。夏草の陰に発見されたのでしょうね。そこに植えたことを忘れていたか、何処からともなくやってきたか。これも園芸家あるある、です。 義父眠る寝息聞こえぬ蝉時雨 たぼ女 ✍️哀切極まる一句。芭蕉の、閑かさや岩にしみ入蝉の声、と同様、単調な蝉の合唱は死の静寂を浮き彫りにすると共に、読経のようにも感じられます。 拙句の中で妻が好きだと言ってくれたのは、  初蝉のちちいと細く叫びけり 猫凡 でした☺️ 次回もGS句会をどうぞお楽しみに〜🤗
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ねこたんぽ
先日はGS句会への御投句、御閲覧本当にありがとうございました○︎┓︎今回も素晴らしい作品が多数寄せられました。感想を徒然なるまゝに。 三本目開ける麦酒は糖質ゼロ たぼ女 ※「糖質がおいしいって誰が決めたの」、「良い顔して飲むね」。糖質オフだからって飲み過ぎはダメですよ。 桑の実の色や手に染む懐かしき 佐助 ※今どきの子供らは桑の実を食べて手や口を染めることもないのでしょうね。昭和世代の感慨が滲みます。 生き難い世は世で生きて百日紅 種 ※酷暑にも負けずに咲き続けるサルスベリ。状況がどうあれ生きてゆこうという自分への叱咤、あるいは他者へのエール。植物がサルスベリである必然性が明瞭です。 雨宿り一期一会の旅の妙 あおぞら ※旅先の一コマが鮮やかに切り取られました。ザッとにわか雨、駆け込む軒先での旅人同士の語らい。二度と会うこともないであろう故それだけ心に残ります。 雨音を切り裂くようにウィンウィンと風の糸吐く扇風機ムシ ケロボ ※たーぼー*さんと全く同じで、私もピタゴラスイッチの「新しい生物」を思いました。電気屋さんの店先でビニール紐を靡かせていたような、音も割合うるさいレトロなタイプでしょう。前にしゃがんで「ア゛〜〜〜」って言いたくなります。 ざんざ降り一転一斉蝉時雨 そらもよう ※激しい雨音が瞬時に蝉時雨に入れ替わる転換の妙。音の性質が似ているところも素晴らしい。「一転一斉」が効いています。妻もこの句が好きで、「雨音も蝉時雨も、どちらも大きいのだけれど、不思議に静けさが感じられます」と。素敵な一句です。 一年の巡りの早さ青田波 芽生 ※青田波という季語には動きが含まれています。「巡り」という動きに呼応する気がします。青田が青田であるのも実に短い期間で、田んぼにまつわる季語が多数あるのも日々その姿が変化することと無縁ではないでしょう。毎年繰り返される営み、その中で老いていく自分、という苛烈な感慨も滲みます。 青時雨そっとうなじに手を伸ばす risho ※この句も妻のお気に入りで、「初々しいカップルを横目で見てる感じ」と。色気のある句なのにいやらしくないのは「青」のおかげでしょうね。絵画的な印象深い一句。 青田波寂しき景色励まして 小菊 ※さびれゆく町村でしょうか、風に揺れる青田が「負けるな」と応援している。勿論本当は自分が応援しているわけですが、心情を青田に代弁させている。抗い難いものに抗う心象風景。 アガパンサスの青が解けてつゆの明 いざよい ※良いですねぇ。梅雨明けを「アガパンサスの青が解けて」訪れるものとは!鬱陶しい気分が明るさへと優しく開けてゆくようで。アガパンサスを詠んだ句の決定版でしょう。 海月浮く海の初めの川の中 ゆん ※河口かな、そこにくらげがいた、それだけなのですが、本当に言葉の処理が巧みですよね。最初のkuの「う」、中七の最初の「う」が頭韻的に心地好い。さらには中七から最後までの「の」の連打、この楽しいリズム感。どこ吹く風とあなたまかせの気楽な浮遊感まで感じられます。唯一気になったのが「初め」。「始め」が正しいのかな?この使い分けは意外に難しくて、自信がありません。どなたか教えて下さいませ〜。 ハマユウの蕾の中に光差しそっと溢れる生命の息吹き yoko. ※浜木綿の蕾が綻ぶところに注目されたのがお手柄です。薄緑の中に純白が覗く。「蕾の中に光差し」の表現に説得力があります。生命の息吹きが「そっと」溢れる、も良いですね。溢れるといえば「ドッと」溢れそうなところを、注意深い観察者だけに分かる程度に人知れずさりげなく。 拙句から妻が選んだのは二句(๑´▿︎`๑)♫︎ 夏日影舗道に蝶を刻み付け 猫凡 見えぬもの掴んで守宮音も無く 猫凡 次回もGS句会をどうぞよろしくお願いいたします🤗
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ねこたんぽ
今日は🏷️ニャンニャン祭り、ですが、この場を借りて今月のGS句会の御礼とまとめをさせて頂きます。今回もご参加ご閲覧本当にありがとうございました😊幾つか感想を述べさせて下さいまし(敬称略)。 万緑や眞白な七分袖のひと そらもよう ※緑に白、それも七分袖!爽やかさが溢れ出る素敵な一句✨ 儚さを夜空に綴る宵蛍 たぼ女 ※儚さを「綴る」が工夫ですね。スゥッと動いては消える蛍火の美しい表現だと思います。宵といえば日没後で夜の一部ですので、夜空としなくてもよいかも。宵だけに😝 吹き渡る風をも染めしラベンダー 佐助 ※一面のラベンダー、風が運ぶ香りが色を持って辺りを染めるよう。視覚触覚嗅覚が鮮やかに刺激されます。 梅雨曇り今夜の雨待つ傘の富士 ケロ女 ※笠雲をいただいた富士山を、傘を持っている人に見立てたユーモラスな句。梅雨曇りは今にも降りそうな曇天で、まだ降ってはいないので、言葉の意味としても適切だと思いますが、「雨」が二度出てきてちょっとうるさいかも。「梅雨曇り未だ降らぬに傘の富士」などとしてはどうでしょう? 紫陽花の名を知りたくて呼びかける げじげじまゆげ ※花好きなら皆共感できる心情かと。牧野博士もそんな気持ちだったのでしょうね。 白紫陽花しなやかに熟れ露まとふ 小菊 ※雨にうたれた満開あるいはややそれを過ぎた柏葉紫陽花の姿でしょう。色香漂う句ですが、清楚な白であることでバランスが取れています👍 紫陽花の雨に包まれ人心地 aiko ※息苦しいほどの豪雨が少し収まった街角、辺りを見る余裕が出て気付けば紫の紫陽花多数、といった情景でしょうか。ついさっきの恐怖心は何処へ、ほどよい程度なら雨も悪くない、と人の心も七変化🐌 苔青く十薬白き雨の道 べにしし ※「細川家菩提寺、高桐院にてガラシャを想う」の句。どくだみの花を白い十字架に見立てていますが、そこが分からなくても十分に美しい句で、雨の日もまた佳き哉と思わせます☔️ 谿は見ず沢の音聞け若楓 種 ※渓流脇に楓の新緑、という景でしょう。下の流れを見るよりも、木漏れ日の若楓(これが主格かな?)を見上げ、沢の音に浸れ、心まで洗われるようであろう?という句意かと。命令形と相まって清々しさに溢れた一句✨ 構内を行き来忙しく夏燕 メイ ※人が忙しく行き交う駅の構内、子育て中の燕もまた大忙しです。動きに満ちた夏らしい一句、お見事👏 緑蔭に消火栓あり通い道 ゆん ※暗い緑に赤、色彩の対比が際立って、独特の怪しい雰囲気を漂わせています。流石👍 亀の子は歩く光へひかりへと ゆん ※これは海亀の子が孵化してすぐ海へ向かう情景です。いじらしさ、生命の神秘、希望を感じさせます✨ 活きの良い毛細血管花菖蒲 いざよい ※花の網目模様を毛細血管になぞらえた着眼が面白いですね。ただ、私を大いに悩ませるのはいつものあの難題、つまり、あやめ、しょうぶ、花しょうぶ、かきつばたなどの区別です💧本来、花弁の根元に細かい網目が入るのはあやめ(故に文目、綾目)です。そしてややこしいことにあやめを菖蒲とも表記するので、さらに混乱が生じます😵‍💫そこまで考えなくて良いのかもしれませんが、「細かいことが気にかかる。ボクの悪いクセ」by 杉下猫京 春菊のポーチドエッグの露光る じぇ ※朝露を纏った春菊の花を、朝食のポーチドエッグに見立てた、美味しそうで可愛い句。 今回我が妻の琴線に触れた句は三つo(*'▽︎'*)/☆゚︎ 構内を行き来忙しく夏燕 メイ 緑蔭に消火栓あり通い道 ゆん 籐椅子に眠る父おり夢に生き ゆん 拙句から妻が選んだ句は二つ😻 理科室の騒めきよぎるブラシの木 猫凡 💁🏻‍♀️教室のガヤガヤや匂いがよみがえりました 青大将呼吸忘れてお見送り 猫凡 💁🏻‍♀️呼吸忘れる忘れる! GS句会、次回もどうぞよろしくお願いいたします<(_ _)>
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ねこたんぽ
先日はGS句会に御参加・御閲覧ありがとうございました😊今回の作品からいくつか選んで感想を述べさせていただきます(敬称略)。 早苗田に雄々しき影の逆さ富士 いざよい 📝雄大で美しい日本の原風景です。 リラ香る街ゆく人の声高し 佐助 📝ライラック祭りの賑わいを視覚嗅覚聴覚で多角的に捉えた一句。心浮き立ちます。 通り道柿の花咲く夏近し あおぞら 📝柿の花は緑で小さく目立ちません。そこに目を留め季節の変遷を感じ取るところが素敵です。 朝顔に成田屋の声夏はすぐ じぇ 📝当然、この朝顔は団十郎でしょうね。えび茶の渋い大輪に向かって一声「たやっ!」。咲いた喜びが伝わってきます。 青嵐マーマレードを煮詰めをり そらもよう 📝外は青葉をザワザワ言わせる強風、キッチンで黄色い柑橘を煮詰めている。色の対比、動と静の対比が鮮やかです。 初夏の陽の窓のみ白き職場なり risho 📝コントラストの句でしょうね。夏は光と影の季節なのです。 夕焼けのみるみる溶けて無となりぬ 種 📝光と色彩の急速な移り変わりを上手に詠んだ一句ですが、人生を詠んだとも解釈し得る。 夏野ゆく季節の言葉を巡らせて べにしし 📝爽やかさ120%、これから夏の散策の時はこの句が友となるでしょう。 裏金よ卯の花腐し偉い人 芽生(メイ) 📝 卯の花腐しとは五月ごろの長雨のこと。じめじめして鬱陶しい感じが、政治腐敗のニュースにぴったりです。季語だけで中七、残り十文字、上手にまとめられています。 玉苗に雨雲溶かす逢魔刻 fooco 📝低く垂れ込めた雲を映す田んぼの水鏡、夕暮れ時の複雑な色彩が全てを包む。怪しげで幻想的な世界を「逢魔刻」という言葉が見事に表しています。 でろりんと伸びる浅蜊のくつろぎぬ ゆん 📝アサリの砂出しでしょうね。水管を伸ばして盛んに水を吐いている。この後食べちゃうんですけど。諧謔味溢れる名句です。 皆様の句からの妻セレクト💁🏻‍♀️は二つ。 時変わる微かな合図小判草 risho 📝時刻が変われば吹く風も変わり、コバンソウのシャラシャラした音も変わる、そういうことでしょう。小さな草に目を留めるrishoさんならではの感覚です。 朝刊の社説で包む夏薇 べにしし 📝夏のわらびと、朝刊の社説の取り合わせが新鮮!もうそれしかないと思えるから不思議です。名人級の一句かと。 拙句より妻セレクト💁🏻‍♀️は二句。 一滴を以て足れりと万年草 猫凡 病む人よジニアが今日も咲いている 猫凡 紹介できなかった方々も御参加本当にありがとうございました❣️ 次回もGS句会をよろしくお願いいたします彡:>)8┓︎
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