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藪椿の一覧

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藪椿(ヤブツバキ) ツバキ科ツバキ属の常緑小高木。海沿いから身近な山野まで広範囲に生える日本の照葉樹林の代表的な構成種。本州以南の暖地に広く自生するが、庭や公園で見かける椿の多くは本種や日本海側に自生する雪椿(ユキツバキ)などの交配種から誕生した園芸品種。一般には、これら野生種とその園芸品種をまとめて椿と呼ぶ。葉は厚いワックス層に覆われて光沢があり、冬の寒さや乾燥から守られている。花の盛りは2~4月だが、11月頃からちらほら咲く。雄しべの下半分がくっついて筒状になり、花弁と基部でつながっているため花ごとぽろりと落ちる。昔の武家は首が落ちるとして忌み嫌い、屋敷内には植えない地方も多い。病人の見舞いにも持っていかない。果実は蒴果。夏に赤く色づき、秋に熟すと3裂して硬い殻をもつ暗褐色の種子がこぼれる。種子は地面に落ちると森のアカネズミなどが運んで蓄え、一部が食べ残されて芽を出す。種子は上質の油を含み高価な椿油が採れる。椿油の収量は種子の15〜20%で黄色を呈し、オリーブオイルよりはパルミチン酸が少ないため固形しにくい。整髪料やシャンプー、軟膏基剤など化粧品から食用まで広く利用される。油粕はサポニン(💬植物界に広く分布する配糖体の一群。薬用のほか発泡剤、洗浄剤などに用いる)を含み飼料にならず、漁獲毒用、ミミズ駆除剤になる。 椿の花は虫の少ない季節に咲くので、花筒の底に貯めた蜜と赤い色でメジロやヒヨドリを誘い花粉を運ばせる鳥媒花。鳥は花の近くの枝、時には花弁に止まり花の横側から蜜を吸うため椿は横向きに咲く。また、鳥は鼻が鈍く匂いは無意味なため椿に香りはない。 椿は古くから庭に植えられ、室町時代にはすでに八重、紅白などの園芸品種が記されており、江戸時代に二代将軍徳川秀忠が椿を好んだため椿の園芸熱が高まり、江戸椿、京椿、肥後椿など各地に特徴のある品種の改良が進められた。日本で生まれた品種だけでも約6000種あるという。 藪椿とは、手入れしていない藪に生える椿の意味。椿は、葉が厚く光沢が強いので『厚葉木(あつばき)』『艶葉木(つやばき)』と呼ばれたのが名の由来。 出典『里山の植物ハンドブック』『里山の花木ハンドブック』『したたかな植物たち 秋冬編』『薬草の呟き』
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