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Bulbophyllum retusiusculumの一覧

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阿南田零
年末にポストした“台湾産のレツシウスカラム(Bulbophyllum retusiusculum)”と、“スキーティアナム(Bulbophyllum skeatianum)”というラベルで売られていたバルボの形態の比較。ちなみに花の大きさは両種ともほぼ同じくらい。 向かって右側が台湾産のレツシウスカラム、左側がスキーティアナムとされるもの。 白矢印:台湾産レツシウスカラムの苞(bract)は白くて大きく、目立つ。色はさておいても、はっきりと存在感を主張するくらいの大きさがある。スキーティアナムとされるものの苞は小さくて存在感がない。 黒矢印:台湾産のレツシウスカラムの上萼(dorsal sepal)は横に広く張り出し、花柄(かへい)の太さより明瞭に幅が広いが、スキーティアナムとされるもののそれはスレンダーで、花柄の太さとほぼ同じ。 中段の画像:台湾産レツシウスカラムの唇弁(lip)は幅広で、中央の溝の縁に明瞭な稜線がある。スキーティアナムの唇弁はスレンダーで溝の縁に稜線は見られない。 下段の画像:台湾産レツシウスカラムの花芽は苞に包まれた筍状(画像の状態)のまま3cm近くなるまで蕾が見えず、花芽か新芽か分かりづらい。スキーティアナムとされるものの花芽は、画像の半分くらいの長さの段階で、マッチ棒の先端みたいに蕾の膨らみが分かる。 これくらい明瞭に形態的な相違があれば、まあ、普通は別種だよね。ただ、だからといって、このスキーティアナムとされるものが本当のスキーティアナムなのか、台湾産のレツシウスカラムの特徴が他地域のレツシウスカラムとも共通していて、レツシウスカラムの特徴と考えて良いかというと必ずしもそうでもなさそう。 実際、Bulbophyllum skeatianumで画像検索して、出てくる花の特徴はこのスキーティアナムと一致しているものが多い。しかし、そうでないものもある程度混じっているし、逆にBulbophyllum retusiusculumで検索しても、このスキーティアナムとされるものと同じ特徴の花がたくさん引っ掛かってくる。中には2019年に発表された『ベトナムで発見された、新しい色のBulbophyllum retusiusculum 2品種』みたいな学術論文まであって、ベトナムにはスキーティアナムは分布することにはなってないし、論文ではレツシウスカラムと呼んでいるけど、花の特徴は今回の“スキーティアナムとされるもの”の方と一致する。 とすると、今回“スキーティアナムとされるもの”としていたものが実はレツシウスカラムなのか? とすると台湾産のレツシウスカラムはレツシウスカラムじゃないことになるけど、台湾にはスキーティアナムに限らず、レツシウスカラムと迷いそうな類似種は他に分布しないことになっているんだけど?はてさて? 実はまだ花を咲かせたことのないレツシウスカラム(のラベルのバルボ)があと2つあるんだけど、これはいったいどんな花が咲くのかな?
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阿南田零
昨年は10月下旬に咲いたんだけど、今年は10月になっても花芽のはの字もなかったもんで、てっきり咲かないと思っていたら11月上旬になって花芽が出て、それから1ヶ月半、先週の日曜日になってやっと咲いた。今は浴室に吊るしてるけど撮影のために外に出した。 バルボフィラム レツシウスカラム Bulbophyllum retusiusculum, Rchb. f. (1869) 向かって左:全景 向かって右上:花のアップ 向かって右下:昨年10月の花のアップ 全く同じ株なのに、去年と今年でパッと見の形だけじゃなく微細構造にも違いのある花が咲いた。ややこしい。 キバナクシノハランという呼び名もあり、日本で流通しているバルボの中ではメジャーな方だけど、元々5種くらいの別種だったものが同種としてまとめられ、にもかかわらず、これホントに同種でいいの?って思うくらい花の大きさが地域で違ってたり、色や形がよく似ているのに、でも実は別種というものが結構たくさんあったり、それらが互いに間違って認識されてたり、実はいろいろややこしい種だったりする。 うちの株は、入手時には台湾産ということだったけど、実際、台湾産の蘭の自生地写真を集めたサイト等で見られるレツシウスカラムも、うちの株そっくりなので、まあ、台湾産というのは間違いなさそうな気がする。 また、台湾にはレツシウスカラム以外に類似種は分布していないことになっているので、台湾産のものをレツシウスカラムと呼ぶことも問題ないと思う。 ……ただねぇ、以前持ってて、咲かせる前に枯らせてしまったレツシウスカラムもラベルに台湾産と書かれていたけど、バルブが丸くて繊細そうな、明らかに今の株とは違う感じだったんだよねぇ。 ちなみに台湾産のレツシウスカラムの元々の名前、旧名は バルボフィラム フラビセパルム Bulbophyllum flavisepalum, Hayata (1912) 黄色い萼のバルボという意味。 台湾でのレツシウスカラムの呼称が黃萼捲瓣蘭なのはフラビセパルムの直訳。
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