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sora の物語の一覧

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so.ra
小さな蟻が 花の中からごそごそと顔をだした おばさん ごちそうさま ヘクソカズラはふん!と言うと 少しだけ  花の紅が深くなった 蟻は満足げに枝を離れていった さわさわと 風が吹く きらきらと 光が降る 夏の終わりの気だるい空気に 汗をふきふき 蜂が飛んできた あっちの花 こっちの花と飛び回り 膨れたお腹を撫でながら 葉っぱの上で一休み なぁ お前さん 可愛い花をしてるのに こんなに臭いにおいを出して 一人ぼっちで寂しくないか? しばらく羽を休めると 蜂もどこかへ飛んでった ヘクソカズラは 空を見上げて 雨が来そうだと呟いた さっき花に訪れた 蟻も蜂も蝶も みんな無事に帰ったかしら ヘクソカズラは 小さな花のラッパで そっとそっと呟いた 雨がやってくる 急いでお帰り また明日 日が登ったら 蜜を作っておくからね   🌿今日の花 ヘクソカズラ (さおとめばな) 寂しい日もあった 臭いと嫌われて 孤独に涙した日もあった そうして月日が流れ 乙女と言われる日も過ぎた だけど 今は知っている 自分だけの花の喜びを 小さなものたちが 訪れる短い花の季節 ありがとう 有り難う 五月女花は喜びに 一日一日 頬を染めて ひっそりと 紅に染まります 花を眺めていたら たくさんの虫たちが訪れていました。臭いけど、みんなに愛されてる花なんだなって嬉しくなりました(*^.^*) 小さなヘクソカズラの物語💖
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so.ra
【ピンクッション物語】 第30話 その② それから、もし、君の学校で接種しないと仲間はずれになるような事があったら、泉大津市の南出市長さんのメッセージを参考に伝えるといいかもしれない。 市民のための相談窓口も設けて、市外の人からの相談も受け付けてくれるそうだ。 『南出賢一 泉大津市長から5歳〜11歳のお子さんをお持ちの親御さんへのお願い』で検索してみてくれ。 とてもわかりやすい動画だから、ご両親にも見てもらうといいと思う。 海外ではCDCが、子供の接種の副反応が多発してることを報告してる。『子供への接種後に副作用が多発』で検索できる。 もう一年前に、ロシアでは、国の公共放送で枠珍の衝撃の事実を国民に報道してたそうだよ。 『ロシア公共放送が衝撃の事実を公開!! 』で調べたら検索できるから、是非見て欲しい。 驚くべき内容だったよ。 国が国民に向けて発信した情報だから、それなりに確かめた内容だと思うんだけどね。ロシアは情報統制されてるってイメージがあったけど、日本の方が閉ざされてるのかもしれないと思ったよ。 接種後の死亡者のデータを見ると、枠珍を打って9カ月たつと1.5倍死にやすくなってしまうそうだ。そして、ついにアメリカでは、FDAがファイザーに枠珍の申請をやめるように言ったそうだ。なのに、日本でたくさんの人が死んだり苦しんでるのに、今だに中止にならないのは不思議だと思わないか? 親父が、政治もしっかり勉強して視野を広げろと言ってた意味が、最近の出来事を見てわかってきたよ。これから、外国の情報も見られるように語学をもっと勉強しなきゃって思ってるよ。 いろんな情報が錯綜してて、本当かどうかはわからないけど、その時じゃ手遅れだから、今動かなくちゃダメなんだってしみじみ思ったよ。 注射薬が超低温で保管され、振動を与えないように運ばれるのは、注射液の酸化グラフェンが結晶しないためだったのかも知れないね。以前、注射液に金属片混入とニュースがあったね。その注射薬で確か3人も亡くなった人がいたのに、説明も謝罪会見もなくてうやむやのまま終わったよね。食べ物なら全品回収して調査するのに、直接身体に入れる薬なのに一部回収しただけだ。そしてその後、筋肉注射のやり方まで変わったんだ。筋肉注射液を間違って血液にダイレクトに入れたら大変だから確認してたのに、確認なしで打つやり方が変わったんだよ。国民に説明もなしだ。今は賞味期限の切れた枠珍を、賞味期限を伸ばして打ってる事も知ってる?直接体に入るものなのに、おかしいと思わないか?大切なことだけど、みんな気がつかないんだ。 驚くような事ばかり書いて君を、暗い気持ちにさせちゃったかな。今はご両親も元気で信じて貰えないかも知れないけど。むしろ、この情報が嘘だったら、ずっと何も起こらなければ本当に嬉しいと思ってるけど。。 とりあえず打ってしまっても、解毒する方法もいろいろ紹介されてるし、免疫力強化にもなるらしいからこの後に書くよ。 一つでもご両親に取り入れて貰えたらって思うんだ。 そして、僕が見つけた希望を伝えたい。 (続く) 第30話の📍ピンのテーマは梅の花の花言葉から【忍耐】です。寒風が吹くなか、凛として咲き誇る梅の姿に希望を重ねて書きました。 (続く)
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so.ra
【ピンクッション物語】第29話 ありがとう 君に出会えて良かった 不思議だね 僕らは傷つくたびに 乗り越える強さを 身につけていく 一人じゃないから 越えてこれた道がある 君との出会いに 運命を感じたよ 僕は医者をめざして 君は栄養士をめざして その先の道は 今はわからないけど 君と僕の道が 未来のどこかで 一緒に夢を追いかけて 行けたらと思うんだ 君が落ち着いた頃 手紙を書きたいと思ってる LINEや電話なら簡単だけど いろいろ思いを巡らせて 文字に書くのも 悪くないと思うんだ 君もそっちでの生活の事とか 教えてくれたら嬉しいな 僕らの新しい毎日は また、悩んだり辛いこともあるかもしれない そんな日も 本音を話せる人がいることで 乗り越える力に なれると思うんだ だから また いろいろ相談に 乗ってくれたら嬉しい これからもよろしく 卓 美幸が手紙を読み終えて、日記を開くと、背表紙のカバーにも 何かはさんであった。 一つは合格のお守り そして。。 (続く) 🌱アネモネが咲き出して 花壇を鮮やかに彩る季節になりましたね。たくさんの色のアネモネのなかで、寄り添って咲く2輪のピンクのアネモネがとっても素敵でした🎶💕 アネモネの花言葉から 29話の📍ピンのテーマは 【あなたを愛す】です🥰
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so.ra
【ピンクッション物語】第28話 荷物が運び出された部屋はがらんとして、窓から伸びる光が部屋の中に射し込んでいた。 美幸は部屋の真ん中に大の字になって寝そべってみた。 こんなに小さな部屋だったっけ。 たくさんの思い出がつまった部屋は、一回り小さくなって記憶の箱に収まろうとしているようだった。 いつからだろう? 馬鹿にされたり、いじめられたり。自分の体に引け目を感じて、泣くようになったのは。 担任にまで苛められ、生きるのが辛かった。 泣いてばかりだったな。そう呟くと、床の小さな傷に触れた。 それは、悲しくて悲しくて、マグカップを床に叩きつけた傷。粉々に砕けたカップは、美幸の傷だらけの心。母さんが泣きながら片付けてくれたっけ。 さようなら。小さな私。 床の傷を優しく撫でると、美幸は立ち上がった。 卓くん。 最後に会いたかったなぁ。 下駄箱に入れた手紙に返事も貰えないまま、お別れになっちゃったな。そんな事を思いながら窓を開けると、そこに自転車に乗った卓が立っていた。 やあ! 卓が手を振っている。 夢?美幸は目をこすった。 確かに卓がそこにいた。 心臓の鼓動が聞こえるほど、ドキドキと打つのを感じて、美幸は言葉が出てこなかった。。 降りてこれる?と、足元を指差す仕草をする卓に頷くと、美幸は慌てて階段を降りて玄関の扉を開けた。 今日引越しだよね。 そう。 午後に出るの。 息を弾ませながら美幸が言った。 良かった! ギリギリセーフだね。 卓が笑っていった。 まったく、君は新しい住所しか書いてないから、君の家を探すのに苦労しちゃった。 えっ、どうやって調べたの?。 君の小学校の同級生から聞き出した。はは、何でだって問い詰められたよ。 今まで色々話せて楽しかった、ありがとう。 これ、餞別。 引越し先や新しい学校で出逢うことなんか、書くのもいいかなって、ノートなんだ。 卓はそういうと、包みをを美幸に渡した。 袋を開くと、ちょっと厚みのあるノートが入っていた。 ありがとう。 ノートを渡すと、美幸が次の言葉を話す前に じゃあな! と、自転車にまたがると卓は走り去っていった。 えっ!あっ、ちょっと卓くん! ありがとう~‼️ 慌てて叫んだ美幸に、 前を向いたまま手を高く挙げてバイバイと仕草をすると、卓の自転車は曲がり角に消えていった。 最後ぐらい、もっとドラマチックにお別れしたかったのに、まったく! そう言いながら、美幸が手帳を開くと、一枚の紙がはらりと落ちた。 (続く) 第28話の📍ピンのテーマは、パンジーの花言葉から【思い出】です。 パンジーの花言葉には、「私を思って」という花言葉もあるようです😊❣️
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so.ra
【ピンクッション物語】第26話 ごめんね~、待った? 息を切らしてひながかけてきた。 ううん、私も来たばかり。 そう。 有難うね。 ひなは、美幸の隣に腰を下ろすと、大きな紙袋を差し出した。 あのね、これお爺ちゃんから。 えっ、元さん退院したの? 驚いて美幸が尋ねると、 そうなの。 満面の笑みでひなが答えた。 すごい回復って先生もびっくりするように回復して、先週退院したの。 お爺ちゃんたら、花が心配だって、もう杖をつきながら庭に出てるのよ。心配したけど、庭に出るようになったら食欲も出て、顔色も良くなってきたし、何よりもお爺ちゃんがあんまり嬉しそうにしてるから、私たちみんなお爺ちゃんがいいように見守っろうって決めたのよ。 それでね。 美幸ちゃんが引っ越しするって話をしたら、これを渡してくれって預かってきたの。 それからお爺ちゃんからの伝言。 『ひなから、両親を説得したって聞いたよ。 心は人それぞれだ。 想いも人それぞれよ。 どんな答えを選んでも、良いも悪いもないと思っとる。 ただ、大切な人に、生涯で一番と思える大切なときに、自分の気持ちを伝えずに後悔を残すのは、後々まで悲しいもんじゃ。 わしにもそんな痛みがあるんでな、勇気を出して心を伝えることができて良かったの。 よく頑張りなさったの。 みんな、自分の事だと考えておるがの、そんな心はいずれ生き方にも現れて、やがて世の中を作っていくんじゃ。 たとえうまくいかなんでも、 諦めちゃいかん。 頑張って行動を起こしたら、 成功も失敗も必ず一歩前に進んでおるからの。 あなたさんは、足の事で馬鹿にされたりいじめられたりと、 ずいぶんと辛い想いもしてきなさった。だから、とっても優しくて強い方になりなさった。 そんなあなたさんは、クリスマスローズの花のようだと思っとった。 寒さの中でも凛として、つぼみをつけて咲いていく。 この花は冬の女王とも呼ばれておるんじゃ。 あなたさんは、その綺麗な心のままで、生きていって下されよ。 これからも、辛いことや苦しいこともあるじゃろうが、応援しておりますぞ。』 以上、お爺ちゃんからの伝言。 お花はクリスマスローズなんだって。 お爺ちゃん、目が霞んで字が書けなくなっちやったから、代筆した手紙、これね。 そういってひなからの手紙と花を受けとる美幸は、思いがけない贈り物に、涙か止まらなかった。 有難う。 ずっとずっと大事にしますって、お伝えしてね。 美幸の言葉にひなが頷いた。 なんだか、ここでいつも泣いてきたね。 美幸ちゃんて、悲しいとき、いつもなんか食べるでしょ。 だから、これは私からのお餞別。昨日クッキー焼いたんだ。 2人で食べよ。 美幸が顔をあげると、ひなも涙を浮かべていた。 ひなと泣き笑いしながら食べるクッキーは甘くてしょっばかった。 寂しくなっちゃうな。 ポツリとひなが声にだし、空を見上げた。 頭の上には、早咲きの桜の花が空に灯りを灯すように、柔らかく揺れていた。 (続く) 桜の花言葉は、『精神美』『優美な女性』そして、ソメイヨシノより早い時期に咲く河津桜の花言葉は、『想いを託します』だそうです。 第26話の📍ピンのテーマは 【想いを託します】です。 🌸
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so.ra
【ピンクッション物語】第25話 泣き疲れて頭痛だわ。 重い気持ちで階段を降りると、食卓で父と母がにこやかに迎えてくれた。 おはよう。 大丈夫? 昨日は有難うね。 美幸がテーブルにつくと、母が口を開いた。 あの後、父さんと相談してね。 ワクチンを打つのは延期することにしたわ。この後、どうなるかわからないし、仕事の事もあるし、今は結論を出せないけど、父さんとよく考えてみる事にしたのよ。 お前が言うことも考えてみた。 もしもの事なんて、父さんは考えなかったからな。お前にそんなに心配させてすまなかったな。 今日は母さんと休みができたから、2人でドライブにでも行ってくるよ。 父さんも笑って言った。 両親の言葉にほっとして、美幸は笑いながら泣いていた。 それから、一ヶ月が過ぎ、ワクチンを打たないと仕事ができないと父も母も会社を辞めることになった。 田舎の母さんが、もう田畑を世話ができないから、帰ってきてくれないかと言われてたんだ。 母さんと相談してね。2人で農業をすることにしようと思うんだ。 お前も、転校することになって申し訳ない。それに田舎の暮らしだがいいか? 父が尋ねた。 お義母さんに聞いたら、そちらはワクチン打たない人もけっこういるみたいだしね。 母が笑顔で続けた。 お父さん、お母さん、良かったね。もちろん、私は大丈夫。 自分の子供時代が終わる、そんなことを感じながら、父さんと母さんと生きる新しい時間を大切に生きようと、心に誓うのだった。 (続く) 第25話の📍ピンのテーマは モッコウバラ(木香薔薇)の花言葉から 【幼いころの幸せな時間】です ターニングポイントに咲いていた花は、とても印象深く思い出に残りますね。 それが名もない野の花の事もあるかもしれませんが、そこに花がある、その幸せを忘れないでいたいなと思ったりします。 今日のお花 モッコウバラ 4月のpicから
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so.ra
【ピンクッション物語】第24話 実はね、中学校に行ってもいじめは続いてたの。 小学校の時よりもっと陰険ないじめだった。それでも用務員さんと仲良くなって、精神的にとても助けてもらったんだ。そうでなかったら、学校に行けなくってたかもしれない。 用務員さんは、とてもいろんな事を知っていて、初めて人生で尊敬できる人に出会って、話を聞くのが楽しみだったんだ。でも、仕事を続けるのに私たちに迷惑をかけられないってワクチンを打って、死にそうになっちゃったんだよ。 美幸は、声をつまらせて少し沈黙したあと、続けた。 ずっと、生死の境をさ迷って、やっと一ヶ月してもちなおしたけど、もう前みたいに仕事はできないんだって。。。 とても元気にしてたのに。。花壇もとても大切にしていて、いつも花で溢れてたのに、学校の仕事もできなくなって辞めちゃったんだよ。 打って死んでも、30分以内じゃないと因果関係を認められないんだって。重い後遺症が残っても、治療費も保証されない人がほとんどなんだって。 もし、お父さんやお母さんが死んじゃったら、私はどうやって生きていったら良いの? 後遺症は9ヶ月後に遅れてやってくるって聞いたよ。もしも、お父さんやお母さんが身体が動けなくなったり、働けなくなったら、私一人でどうやってみていったら良いの? 父が口を開いた。 ははは。美幸は心配しすぎだよ。見てごらん、テレビで偉い先生方がちゃんと根拠を言ってるし、何しろ怖い病気なんだ、かかったら大変なんだぞ。 お父さん、テレビや新聞は本当の事は言わないんだよ。だから、みんな知らなくて。自分が死ぬとか、重い後遺症が残るとか思いもしなかったって。3回目を打ったら、ずっと打ち続けないといけない身体になっちゃうって、今までのワクチンとは違うんだよ。だから、お願い、もう一度考え直して。 美幸は嗚咽して、先の言葉が続けられなかった。 美幸の気持ちはわかったわ。 あとは、お父さんとお母さんで、話し合ってみるから。 有難う。もう、休みなさい。 母は美幸の背中をさすって優しく言った。 美幸は、頷くと部屋へと上がっていった。ベットに横になっても後から後から涙が止まらなかった。でも、ちゃんと想いを伝えることができた、これでいいんだ。美幸は、泣きながらいつの間にか眠っていた。 (続く) 第24話の📍ピンのテーマは プリムラの花言葉から I can’t live without you【あなたなしでは生きられない】です。 大切な人に、反対されるかもしれないと知りながら、言葉を伝えることはとても勇気のいることですね。 何が正しいか正しくないかなんて、誰にもわからないものだと思います。 でも、深く傷ついても嫌われても、大切に大切に思う人に生きていて欲しいから、一生に一度の勇気をふりしぼっても、伝えずにはいられない時もあるって思うんです。 🎀写真は外出先の花壇で出会った真っ赤なリボンが可愛い寄せ植えと、パンジーのコラボ。 パンジーに、こっちへ来る?って、話しかけてるように見えませんか🥰
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so.ra
【ピンクッション物語】第23話 大切なことは、いつだって言葉にするのがもどかしい。 両親がいなくなってしまったら、自分はどうやって生きていったら良いだろう。 後遺症は遅れてやってくる。 3ヶ月先、半年後、こんなはずじゃなかったとネットにはたくさんの涙が溢れていた。 国の認定も保証もなく、もしも両親が身体が動けず働けなくなったら、自分一人でどうやってみていったら良いんだろう。 愛しさと悲しみが溢れて、 美幸は涙が止まらなかった。 神様、一生に一度のお願いです。 どうぞ言葉が届くよう力を下さい。最後の最後のチャンス。 そう呟くと、 美幸は涙をぬぐって階下へ降りていった。 ねぇ、ちょっと聞いて欲しい事があるんだ。 今いい? なぁに?改まって。 いいわよ。 父と母は夕食を終わりリビングでくつろいでいた。珍しく早く帰宅した父がお笑い番組を見て笑っていた。 有難う。 父さんの笑い声聞いたのどれくらいぶりだろう? そんなことを思いながら、美幸は両親の向かいの椅子に座った。 でも、明日は注射だから、今日は早めに寝るつもりなの。 込み入った話なら、また今度ね。  母は、そう付け加えた。 うん。わかった。 短く話すようにするよ。 あのね、最初に、父さんと母さんにお礼を伝えたいの。 私を産んでくれて、今日まで愛して育ててくれて、本当に有難う。私は父さんと母さんの子に産まれて、本当に幸せだったよ。 美幸はそう言うと、両親に深々と頭を下げた。 おいおい、なんか別れの言葉みたいだな。 どうしたんだ、急に? テレビを見て笑っていた父が、美幸に視線を移すと怪訝そうに尋ねた。 うん。 別れの言葉かもしれない。 人の命なんて、ほんとは誰も明日なんてわからないものだもの。 私、足が不自由で、小さな頃からみんなにいじめられて育ったでしょ。醜いアヒルの子なら、白鳥になれるのに、私はこのまま大人になるのかって、この体を恨んだこともあった。 でも、いろんな事があったけど、父さんと母さんが一緒にいてくれて、私の心の痛みをわかってくれてた。 本当は、父さんや母さんに話した以上にひどいいじめにもあったんだ。死にたいと思ったことさえあったけど、生きてこれた。今までを振りかえったら味方がいる事にいつも支えられてきたなって、改めてありがたいなって思ったんだ。 だから、後悔しないように伝えたいなって。本当に有難う。 そう話す美幸の頬を涙が伝った。 どうしたの? 学校で、またいじめとかあったの? 母が心配して尋ねた。 ううん。違うの。 明日、父さんと母さんはワクチンを打つでしょう? 昨日、母さんと話した後、改めて調べたんだ。今はワクチンで死んだ人は1474人もいるんだよ。その数もワクチンを打って間もない人で、お医者さんが注射が原因の可能性があるって、診断書を書いてくれた人だけなんだよ。実際はその10倍はいるだろうって言われてる。そして、今も増え続けてるけど、それでも安全って言ってるんだよ。安全じゃないって何人死んだら言われるの?最初から何千人も何万人も死ぬ注射って知ってても、父さんや母さんは注射を打ったの? 溢れる涙をぬぐおうともせずに話す美幸の顔を、両親は黙って見つめていた。 (続く) 🌱ユーフォルビア・フロステッドフレーム パープレアと同じアミグダロイデス種で、新しい斑入りタイプです。 気温が低い時期に葉色が濃くなり、斑もピンクを帯びて見事です💕 気温が高い時期は斑は白く、葉色は深緑に変化します。花は淡い黄色。 冬季常緑〜半常緑。 第23話の📍ピンのテーマは、 ユーフォルビアの花言葉 『明るく照らして』です💖 親が子を思う心 子が親を思う心 時にすれ違うこともありますが、遥か遠い旅から帰る船の航路を照らす灯台のように、 それは消えることのない 明るくあたたかく、 力強く灯りですね✨ どんなに辛いときも 嵐の吹き荒れるようなときも 互いの心に寄り添い合って 心深くの愛を照らしあって、 その絆を紡いでいけたらと、 願いをユーフォルビアに託して投稿します。 🍀
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so.ra
【ピンクッション物語】22話 最近は、節約のため卓が食卓のテーブルで勉強することが多くなった。その卓のわきで、父も何やら勉強を始めた様子だった。 親父、何か資格に挑戦してるの? ある日、卓が切り出した。 ははは。 仕事で関わるお客様に、住宅関連の仕事をしている人がいてな、私にアドバイスを求められる事があるんだよ。今は経理の仕事見習いだからって遠慮させてもらってたが、社長から、できたら社員向けに話をして欲しいと頼まれてね。 まぁ、コンサルタントのような事なんだが。知ってることと話をすることは別だからね。勉強を始めたところだよ。 すごいね、父さん! いつかコンサルタントになって独立したりして。 そうさな。偉くなろうとは思わんが、どこにいようと役に立てる仕事ができることはありがたいことだ。 金儲けや地位をモチベーションに仕事を頑張る人をたくさん見てきたが、その先が果てがなくて、頑張り続ける人生も辛いもんだ。そんなことより、自分の持ってる力を役に立てることの方が、仲間にも恵まれて楽しいしなと思ってね。 それに、私は田舎育ちだから、どうも合理主義は肌に合わんで苦労する。 そう言って父は苦笑した。 そうか、俺も親父の考えに賛成だよ。俺が出会った大人は、あまり尊敬できる人はいなかったな。 あっ、でも、俺の学校の用務員さんは、無限実行で芯の通った人だなって密かに尊敬してたんだ。今は体を壊して辞めちゃったけど。。 ほぉ、尊敬できる人に出会えるのは貴重だ。つかの間でもそんな人に会えて良かったな。 誰にも良心があるもんだが、それを理解して実践することはなかなか難しい世の中だ。正直者が馬鹿を見るとか、言われるだろう。みんな馬鹿を見る事を繰り返して、だんだん自分らしくいることを諦めてしまうんだ。 確かに、ただ真っすぐなだけでは大切な人も守れない世の中だ。 賢く生きろと、お前にいつか話したな。 お前も何が真実で何が嘘かわからなくなることもあるだろう。私のように、自分がどっちの立場をとるか迫られるときもあるだろう。その時とっさには判断できないものだから、日頃から考えておくことだ。 信じた人に陥れられて、倒産してしまった会社もたくさん見てきた。社長も社員もいい人だったから、本当に残念でな。その時は私も一緒に泣いたよ。 だから、相手を見抜く眼を養うことは大切だ。それには、相手の態度や言葉の背景を考えるんだ。金の流れを見ると人の繋がりも見えてくる。 お前は、医者をめざしているが、医学の他に哲学も金融も歴史もしっかり学べ、そして、流されないように心の眼を開いて物事をよく見る事だ。 自分の欲を満たすために、人やものを道具のように使う人は、どんなにいいことを言っても偽物だと私は思う。力関係で、自分の考えが通らず無力感におそわれる事もあるだろう。だけど私は、世渡りは上手くなくても、自分の道を精一杯生きることで役に立つことなら、できるかもしれないと思ってるんだ。 まあ、ボチボチやるさ。 そんなことを言って、父は笑った。 そうだね、 自分がどう生きたいか、もう一度よく考えてみるよ。 仲間と繋がって、楽しみながら生きられる道があるなら、そんな道を生きてみたいな。 親父の仕事も、うまく行くように応援してるよ! 食卓に飾った菜の花に眼をやると、昨日まで蕾だった花が二輪開いていた。 春かぁ、新しい季節が始まっていくみたいだな。卓はポツリと呟いた。 (続く) 今日の花 アイリス 花言葉は『希望』『信じる心』『メッセージ』 第22話の📍のテーマは『希望』です。 写真は、横浜洋館の5月のpicから、お気に入りの一枚です。 写真を投稿しなおしました。せっかくいいね👍️をくださった皆様ごめんなさい💦🙏😫 有難うございました。
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so.ra
【ピンクッション物語】第21話 お爺ちゃんの病室からの帰り道、ひなは土手に座り茜に染まっていく雲を眺めていた。 思えば、短い間にいろんな事があった。 そんなことを思い返していると、 ひなさん? 声をかけられて振り向くと美幸が立っていた。 良かった。 たそがれて、泣いてるのかなぁなんて心配しちゃった。 美幸は笑うとひなの隣に並んで座った。 さっき買ってきたの。食べる? そういって美幸が差し出したのは焼き芋だった。 うわぁ、美味しそう! 2人は焼き芋を半分に分けて頬張ると、どちらともなく笑った。 ここで、大泣きしたっけね。 ついこの間なのに、すごくいろんな事があって、もう、1年前ぐらいの気持ちよ。 美幸が話すと、ひなも頷いた。 うん。今日は嬉しい報告があるの。 お爺ちゃんがだいぶ良くなって一般病室に移ったの。それで、今日お見舞いに行った帰り。 ほんとう!! 良かったね!! 美幸も満面の笑みで喜んだ。 うん。まだ、十分じゃないけど、これから少しずつ快復するだろうって。 お爺ちゃんね、わたしと弟が書いた絵をすごく喜んでくれてて、その絵を見ながら治りたい!治ろう!って思って甦ってきたって。。 それで、わたし改めて絵本作家をめざそうって思ったんだ。 そうなの。 人を勇気づけられるものがあるってすごいよね。 そうかぁ、絵が心を支えてくれたんだね。 わたしも、そんな生き方ができたら素敵だなぁ。 今日は、まだ体力が戻ってないから長話はダメって、看護婦さんから言われたから、あまり話せなかったけど。。春になったらお爺ちゃんに見せられるように花壇に花を植えようかなって思ってるの。 それは素敵ね。 わたし、今日は落ち込んでたから嬉しい話を聞いて救われたなぁ。 えっ、何かあったの? 美幸の言葉にひなが尋ねた。 美幸は昨夜の出来事を話した。 父さんと母さんをどうしたら止められるかな?生活のために仕事が大事で、それなら注射を打たなくちゃいけなくて。それはわかるけど、死んだり後遺症が残ったりしたらって考えたら、悲しくて辛くて夕べは眠れなかったの。 健康のためって言いながら、命をまでかけて打つ注射なんておかしいよね。その上、注射を打たないと仕事をさせて貰えないなんて、おかしいよね。 美幸の目からは、また涙が溢れた。 止められないかもしれない。 止めようとして話すことで、美幸ちゃんがたくさん傷つくかもしれない。でも、わたしなら、言わないで後悔するより、足にしがみついても止めたいって思うかも。大切なのは、大事な人に悔いのないようにちゃんと気持ちを伝えることだと思う。もしも、本当に注射で死んじゃったら、もう何も伝えることもできないんだって。。わたしもお婆ちゃんも、お爺ちゃんの事で、その事が身に染みたから。 ひなの言葉を聞いて、美幸はしばらく考えていたが、 そうだね。 もう一回、本気で話してみる。 きっと心が届くって信じてみるよ。 そういって涙を抜ぐった。 2人を包むように広がっていた柔らかな茜の空が、少しずつ藍色に変わり、家路を急ぐ鳥の群れが渡っていった。 🌱今日の花 アイリス 花言葉は『信じる心』『メッセージ』 第21話の📍ピンのテーマは『信じる心』です。 写真は、横浜洋館の5月のpicから、お気に入りの一枚です💖
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so.ra
【ピンクッション物語】第20話 ひなが帰宅すると、お婆ちゃんがニコニコして出迎えた。 お爺ちゃんが一般病室にうつったよ。短い時間なら面会もできる。明日、婆ちゃんの代わりに行ってくるかね!? ほんとうに! やったぁ!! ひなは飛び上がって喜んだ。 翌日はよく晴れて青空がのぞいていた。 ひなが病室につくと、顔なじみの看護婦さんが検温を終えて部屋から出ていくところだった。 良かったわね。お話もできるわよ。 でも、疲れさせないように短時間でね。 看護婦さんにお辞儀をして病室にはいると、窓際のベットに一回り小さくなったお爺ちゃんが寝ていた。 お爺ちゃんはひなを見つけると、優しく微笑んだ。 久しぶりだねぇ。 来てくれて有難う。 心配かけたね。 その声を聞いただけで、ひなの目から涙が溢れた。 ほんとうに心配したよ。 一生分心配したんだから。 ベットの隣に置かれた椅子に腰をかけて、お爺ちゃんの胸に顔を埋めたひなの頭を、お爺ちゃん手がそっとふれた。 なぁに、わしはしぶといからのぅ。もう一度やってこいと追い返えされたんじゃ。 もう、大丈夫だよ。 ひなは頷くと涙を拭って言った。 もう、誰かのためなんてやめてね。お爺ちゃんは世界でたった一人のひなの大事なお爺ちゃんなんだから。 ひなの言葉を聞くと、お爺ちゃんはベットの横を指さした。そこにはひなと弟がお見舞いに書いた何枚もの絵が飾ってあった。 あの絵を見て元気をもらってたよ。元気になって花壇の世話をして、お前たちと花に囲まれて笑って過ごす夢を何度も見たんじゃ。有難う。元氣になったら続きの絵が見られなくて残念だがなぁ。。 お爺ちゃんは、ゆっくりゆっくり話をすると、ひなの方を見て嬉しそうに笑った。 大丈夫だよ。 何枚だって、ひなが婆ちゃんになったって書いてあげる。 だから、元気なっていっしょに花壇を作ろうね。 2人が見つめる窓の外では、桜の枝に蕾が膨らんでいた。 嬉しい気持ちと安心が入り交じったこそばゆい気持ちで、ひなは窓から空を見上げた。 病室から見下ろす桜の足元には、小さなパンジーが嬉しそうに花びらをゆすりながら、風にキラキラと光っていた✨✨✨ 黄色のパンジーの花言葉は「つつましい幸せ」 第20話の📍のテーマは『つつましい幸せ』です 🌱ビオラ タイガーアイ 印象的な格好いい花ですね🎶。 蝶の羽の模様のような花びら🦋🦋🦋午後の光が当たって、風の中を飛び立っていきそうでした🥰
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so.ra
【ピンクッション物語】第19話 ねえ 、お母さん お母さんはどうして今の仕事を選んだの? 今日は、珍しく帰りが早かった母と、こたつでみかんを食べながら美幸が聞いた。 美幸の母は老人ホームで働いており、いつも帰りが遅かったが、その日は用事があって半日休をとったので、久しぶりにのんぴりしていた。 どうしたの、急に? それって、学校の宿題のインタビュー? やだぁ、違うよ。 毎日会ってるのに、仕事の話をちゃんと聞いたことがなかったなって。 そうねぇ、ほんとは、人の役に立つためとか格好いいことを言うと、母親として尊敬されるのかも知れないけど。。 笑いなが母は続けた。 たまたま家の近くに求人があったのよ。そこに『ゆったりとお年寄りのお話し相手』なんて書いてあるから、ゆっくり楽しくできそうな仕事で良さそうって思っちゃったのよ。 それに、職場が近いから、お昼を家に食べに帰れるかもなんて思ったのよね。あなたは、小さい頃体が弱くてよく熱を出してたしねぇ。 そうなの? それで、実際は? 募集要項の話しは、最高のエサで、母さんはまんまと食いついちゃったと言うわけ😁でも、入ったら結構激務だったのよ。 ほんと。しんどい、しんどい。 こんなに肉体労働とは思わなかったわ。それに、人間関係もいろいろとあるしね。 そうなんだ。 お母さんよく長い間続けてこれたね。 そりゃあ、やめたいと思ったことは一度や二度じゃないわよ。でも、家の近くで働ける所なんてそうそうないしね。職場の同僚は恵まれたしね。女性が多い職場だからね、人間関係が良くないと噂を聞くホームもあるけど、うちは家族的で恵まれてるかな。それに、入所者さんがくれる笑顔は励みになるしね。 そうかぁ。じゃあ、お母さんはまずまず幸せな職場で働けてるんだね。老人ホームなら、職場が倒産することもないから安心だね。 すると、母がため息をついた。 どうかねぇ。 最近、具合の悪い人が増えてきて、今日は誰かが急変しないかってヒヤヒヤだよ。流行りの病のせいか、注射のせいかわからないけどね。 どこも大変なんだね。 うちの学校の用務員さん、友達のひなちゃんのお爺ちゃんなんだけど。この前、注射のあと入院しちゃって大変だったみたい。それで、ひなちゃんから、注射は受けないでっていろいろ教えてもらったの。 母さんは、もう二回打ったから 注射をしなくても大丈夫なんでしょう? いや、それがね、施設長から3回目も全員受けるように言われてねぇ。3回目は、後遺症も酷いらしいしね。母さんは2回目の時に、熱が出て寝込んじゃったから『今度はやりません』って言ったんだけどね。職員が全員申し込んでいて、『一人やらないでうつったらどうするの?』ってみんなから言われて、受ける羽目になっちゃったよ。 注射は明後日だから、その日はご飯の支度を頼んだよ。 えっ!もうすぐじゃない! ダメだよ。中に入ってる成分が劇薬なんだよ。ちゃんと説明書に書いてあるよ。打ったら自分の免疫も攻撃するから、3回目からは免疫が限界で、激落ちしてエイズみたいになっちゃうらしいよ!ねぇ、キャンセルできるんでしょ、キャンセルしてよ! 美幸は必死に母を説得したが、母は『それは陰謀論よ』ととりあわなかった。 偉いお医者さんも大丈夫って言ってるし、それに、受けなかったらやめなくちゃならなくなるでしょ。そしたら、明日からどうやって食べていくのよ。 このご時世で、次の仕事なんか見つからないわよ。 父さんも同じ考えなのよ。 だったら、打った後1444人も亡くなってるし、重い後遺症で今も苦しんでる人が6349人もいるんだよ。ものすごい数でしょう。ひっきりなしの救急車の音、母さんも聞いてるでしょう? 美幸が必死で説得したが、母は、みんな受けるし、私は丈夫だから。と笑って受け付けなかった。 それどころか、 あっそうそう。 実はね、お父さんもおんなじ日に予約したのよ。父さんの会社も全員打つように勧められたって。2人で行った方が、何かあっても心強いねって一緒に打つことにしたんだよ。 え~っ!ダメだよ! 何かあってからじゃ遅いんだよ。治療薬も、後遺症を戻す方法もないんだよ。死んでも注射のせいだって認められた人は一人もいないんだよ。異物混入の注射液で死んだ人もいるのに、謝罪も中止にもならないんだよ。賞味期限の切れた注射を、賞味期限を伸ばして打ってるんだよ。しかも、ひとつ前のウイルス用に作った注射を打ってるんだよ。おかしいでしょ。だからお願い、キャンセルして! 美幸は必死で説得したが、 母は大丈夫よ、心配しすぎ。 と笑って席をたってしまった。 どうして声が届かないんだろう。どうして、ちゃんと聞いてくれないんだろう。 美幸は、母を説得できなかった事が悲しくて涙が止まらなかった。重い足取りで階段を登り部屋へ入ると、ベットにたおれこんだ。 みんななんで命がけで注射をするの!命より重い仕事なんてあるの!みんなを苦しめて、家族もバラバラにして、こんなの間違ってる!美幸は一晩中泣き続けて、その晩は一睡もできなかった。 (続く) 19話の📍ピンは 「エリカ」の花言葉「孤独」です。 🌱エリカは、別名「ヒース」と呼ばれ、英語で「荒野」という意味を表すそうです。ヨーロッパの広い荒野に自生するエリカ、圧巻の風景なんでしょうね。花言葉「孤独」や「寂しさ」は、たくさんの花を咲かせるエリカの花からは想像がつかない花言葉です。寒風の中、ピンクの透き通るような優しく美しい花を咲かせていたエリカの花に、荒野に咲くエリカの姿を重ねました。白に紅をさしたようなエリカがとても綺麗でした。 🌱
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【ピンクッション物語】第18話 卓の父は、3月で会社を退職になった。取引先の相川さんが、良かったらうちで働かないかと誘ってくれたが、その誘いを断って仕事を探し始めた。 しかし、なかなか仕事は見つからなかった。 事務の仕事ぐらいあるだろうと思っていたが、なかなか難しいものだな。 夕食を食べ終わると、父が話し始めた。 今日もハローワークに行ってきたが、私ぐらいの年の男性の仕事は、警備員やマンションの管理人、清掃員がメインなんだそうな。マンションの管理人もいろいろ研修も受けなければなれないし、月給は5-8万なんだ。1ヶ月働いて、家賃の足しにもならないくらいの金額だ。それにわずかな年金を足して、やっとギリギリで生きてるんだ。 改めて世の中の格差と厳しさを知ったよ。 それに、定年が近いことや大企業で働いていた職歴が、かえって使いにくい人と評価されてしまうとは思いもしなかった。履歴を隠すわけにもいかないからなぁ。 私はいろんな現場も経験してきたから、その知識もいかせる職場を探していたんだが、どうやら難しそうなんだ。 それで、今日、知り合いで会計事務所を営んでる知人がいて、良かったら来ないかと声をかけてもらって、まずは見習いで働かせて貰うことにしたよ。 仕事があるのは有難いことだ。 今までの仕事と違って、覚えることも多いだろうし、きついこともあるだろうが、初心に戻って働いて見ようと思う。そのなかで、また自分をいかせる道が見つかるかもしれないからな。 卓は、父の言葉を聞いて胸が熱くなった。 ずっと父の仕事への取り組みを見てきた。どれだけ誇りをもって仕事に情熱を注いできたか。その父が見習いで一から始める決意をしている。 父の言葉を聞いて、自分はこのまま塾に通って、医者をめざしていいのか、卓は改めて自問した。 父さん、僕も、もう一度自分の道を考えて見ようと思う。今まで、いい加減な気持ちだった訳じゃないけど、自分の幸せな生き方をもう一度考えてみようと思う。 そうか、人生で一番残念なことは、やらずに諦めてしまうことだ。失敗して痛い目を見るかもしれんが、一回きりの人生だ。今までのように経済は楽じゃなくなるが、小さくまとまって諦めるな。どんな道をお前が選んでも、お前が本気なら父さんは全力で応援するよ。 そう言うと、父は黙って手帳から一枚の写真を出して見せてくれた。 そこには、赤い花をつけたアロエが写っていた。 アロエの花の花言葉は、生命力なんだそうだ。このアロエは、私が仕事で火傷をしてしまった時に、会社の掃除をしてくれてるおばさんがつけてくれたアロエなんだよ。大切に育てて、誰かが怪我をすると切ってきては手当をしてくれるんだ。何人もの人が、その優しい心づかいに救われたんだ。 お別れの挨拶に行ったときに、このアロエの株分けをしてくれると言われたが、育てるのは無理そうだと辞退したら、この写真をくれたんだよ。 花言葉なんて興味ないかもしれないが、この花の花言葉は『生命力』らしいよ。この花らしいいい言葉だと思わないかね。 私らの年になると、世の中は風当たりが強くなって辛いことも少なくないが、命の力を見くびっちゃだめだよ。 ここに宝があるんさ。 おばさんはそういって胸を叩いた。 冬に花を咲かせるアロエと一緒さ。あんたが私らの事を守ってくれてることを知ってたよ。私らはみんな感謝してる。だから、この写真をお守りがわりに持っていっておくれ。 きっと、もうひと花咲かせるように、私らみんなが応援してるよ。 そういってもらった写真だ。 人は有難いなぁ。 私はこれからの仕事は、世の中への恩返しと考えているんだ。きっと、出会う仕事が導いてくれるだろうって思って、頑張ってみるさ。 父の手の上で、アロエの赤い花が、キラリと光ったようだった。 🌿アロエの花言葉 生命力 日本では「キダチアロエ」が有名ですが、その種類は実に400種類もあるんだそうです。 古代エジプトやギリシャでも薬効が認められ、現代まで火傷や胃腸病など様々な症状への民間療法の代表格として利用されてきたそうです。 開花には諸条件があって、毎年咲くとは限らないけど、ラッキーな年にはキダチアロエなら冬に赤い花、アロエベラなら夏に黄色い花を見ることができるそうです。 18話の📍ピンのテーマは生命力です。 寒風のなかで真っ赤な花をつけたアロエがとっても綺麗でした😊❣️
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【ピンクッション物語】第17話 少しの沈黙のあと ひなは続けた。 美幸さん、みんなはどうしておかしいなって思わないのかな? 毎日、すごい数の救急車が通るよね。そんなに事故が起きてないのに、なぜおかしいなって大人は思わないの? 去年一年で死んだ人は、東日本震災の年よりも多くて戦後最大だったんだよ。9月ですでにいつもの年より6万人も多くの死んでいて、コロナでの死んだと言われてる約1万2,000人より4倍も多かったんだよ。残りの人は何で死んだの?しかも、国は火葬場の増設をするように言ってるんだって。その間にあったのは、注射を始めたことくらいじゃない?大人は知らないの?知ってて、なぜ自分から犠牲になっていくの? 弟の事があって、お爺ちゃんのことがあって、私は一生懸命ネットで調べたの。 TwitterやYouTubeでたくさんの人が発信してるし、誰だって見ることができるのに。今世界中で注射の強制にすごいデモや抗議や裁判が起きてるんだよ。 なのに、何でニュースにならないの。なぜみんなは黙ってるの?子供や妊婦にまで打たせようとするの? どうしたら、止められるかわからないの。みんなを守る方法が見つからないの。 そういうとひなさんは泣き出した。美幸は始めて聞くことばかりで、ただ驚くばかりだった。 私、全然知らなかったわ。 お母さんや学校の先生が勧めるから、怖いけど打たなくちゃダメかなって思ってた。 そうね、本当の事を知れば知るほど、絶望的な気持ちになっちゃう。。でも、私はこのまま諦めるなんてできないよ。 ひなは泣きながら続けた。 お爺ちゃんがいつも言ってた。 正しいことも間違った事も、みんな訳がある。 そのどっちを受けとるかも、その先どの道を歩くのも自分次第じゃ。 言葉のうわべに踊らされんように、迷ったら自分の目で見て考えるんじゃ。そして、どっちが自分に愛があるか考えることじゃ。 花を見てみぃ、 木を見てみぃ。 ちゃんと自分が生きる道を知っておる。 嵐が吹いていても煽られちゃならんぞ。誰かが得をしておるようなことは、たいがいは愛がないからのぅ、って。 お爺ちゃんが治ったら、たくさん話したいことがあるの。 それまでに、私も、もっとちゃんと自分の未来を考えたいなって。 ひなとそんな話を終えたあと、美幸は一人ノートに向かった。 これからの人生は、しっかり自分の目で見て、自分の頭で考えよう。そのさきにある未来が、今は絶望に見えても、きっと自分の花を見つけよう。 一粒涙を落として、美幸はノートを閉じた。 🌺今日のお花 シロタエギク この銀色の葉がとっても美しくて、大好きです。 シロタエギク(白妙菊)の 花言葉は💖あなたを支えます💖 17話の📍ピンのテーマは、『あなたを支えます』です。 華やかではないシロタエギクですが、この花があると、花壇が何倍にも美しく見えますね🌱
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【ピンクッション物語】第16話 土手で、2人で思いっきり泣いたあの日以来、2人は連絡先を交換して、毎日の出来事を話すようになった。 ひなから用務員さんの名前は元さんと聞き、美幸も元さんと呼ばせてもらっていた。 その後元さんの具合は? 美幸が恐る恐る尋ねると、ひなが明るい声で答えた。 うん!峠は越えたみたいなの。 まだガラス越しの面会だけど、少しずつ回復してて、もう少ししたら集中治療室から出られそうだって。 ほんとう!良かった!良かったねー。 美幸は嬉しくて涙が溢れた。 うん、有難う。 ひなも涙声だった。 まだ、良くなりかけだから、安心できないって言われてるけど、それでも、大好きなお爺ちゃんだから、絶対に絶対に治って欲しくて。 婆ちゃんは、打たないでって止めたけど、お爺ちゃんは耳を貸さなかったって、私が足にしがみついても止めれば良かったって毎日泣いてたから。 私もそれを見てて辛かったの。 私の家、五人家族なの。 弟がワクチンを打ってから耳が聞こえなくなっちゃって、お父さんとお母さんは毎日喧嘩してたんだって。 打つ前に、お父さんは注射についていろいろ調べてて、お母さんに打っちゃダメだって説得してたらしいの。でも、おかあさんは、病院の先生からも保育園からも勧められてるし、周りはみんな打ってるんだから大丈夫って聞かなかったらしいの。 『俺が反対したのに、俺の言葉を信じないでお前が無理やりワクチンを打たせるから、こんなことになったんだ。今までのワクチンだって、たくさん後遺症が出てるってあれほど言ったのに』って、お母さんを責めて。とっても仲良しだったのに、それが原因で離婚しちゃったそうなの。 お父さんも、お母さんを説得できなかった後悔や、弟の様子を見てとても辛かったんだと思うわ。お母さんもとても後悔して悲しんで、一時期はメンタルのお医者さんに通ったらしいのよ。 そんなことがあったから、婆ちゃん弟の時の事も思い出して、ご飯を食べられないほど落ち込んじゃって。婆ちゃんも倒れちゃうんじゃないかと、とっても心配してたんだ。 それに、みんなが暗いかおをしてるから、弟がとっても悲しそうにして笑わなくなっちゃって。どうしようかって考えて、弟と一緒にお爺ちゃんあてに絵手紙を書くことにしたの。 お爺ちゃんの好きな花や花壇を書いてね、最後に『元気になるようなひと言』を添えて、お婆ちゃんがお見舞いに行くときに持っていってもらってるの。 やっと意識が戻ったときに、絵を見てお爺ちゃんが笑ったんだよって、お婆ちゃんが涙をこぼして喜んでくれて、嬉しかったんだ。 ひなは、ポツリポツリと話し終えると、美幸に尋ねた。 私の学校では、先生が注射を勧めたんだけど、美幸さんの学校はどう? 先生は、『みんなにうつさないようにちゃんと予防して』なんて言うんだよ。なんで自分の命よりみんなを大事にしなくちゃいけないんだと思う? 私、黙ってようかと思ったけど、たまらなくなって手をあげて先生やクラスのみんなに話をさせてもらったの。 『私の弟は、ワクチンを打ったあと聴力を失いました。大好きなお爺ちゃんは、注射を打ったあと寝たきりです。動くことも話すこともできなくなって1ヶ月たった今も入院してます。婆ちゃんも母さんも毎日泣いています。 日本ではワクチンを打ったあと死んだ人は年末で1400人以上もいて、重い後遺症で苦しんでる人は報告されただけでも6千人以上もいます。今までのワクチンでこんなに人が死んだり、重い後遺症で苦しむ人が多い注射はないと知りました。しかも、はじめての遺伝子治療ワクチンです。なのに、どうして安全と言えるんですか?死者何千人越えたらワクチンが中止になりますか?中学生ではコロナ感染で死んだ人はいないのに、ワクチンを打って死んだ人もいますよね。具合が悪くなっても、治療もない注射を打って大丈夫と、どうして先生は言えるんですか?みんなは、命がけでそんな注射を打つんですか?』って。 みんな、しーんとして聞いてたけど、先生が『それじゃあ、皆さんお家の方と良く相談して』って言葉で、打ちきられちゃったの。 私は、お母さんも、お婆ちゃんも、絶対打っちゃダメって思ってるからいいけど、友達は親は受けちゃってるし、説得できる自信ないなぁ、って言ってた。 ワクチンを打ってないと、高校で部活とか塾とかいろいろ制限あるかも知れないから、それも心配だから打っといた方がいいかなとか、そんなことを言ってる子もいたよ。みんな、どこか人事で国が勧めるんだから安心だと思ってるのよね。 美幸さんは、ワクチンを受けるの? ひなに尋ねられて、美幸はドキっとした。 実は、ひなさんの話しを聞くまで、何にも考えずに受けようと思ってた。ちゃんと自分で調べなくちゃって、大反省したよ。 ほんとね。 私も家族がいろいろなかったら、気がつかなかったかも。 自分で調べるって大事よね。 (続く) 今日のお花 ヒペリカム 花言葉は「きらめき」「悲しみは続かない」 16話の📍ピンのテーマは『悲しみは続かない』です。
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【ピンクッション物語】第15話 美幸とひなは長いこと泣き続けると、どちらからともなく顔を見合わせて笑った。 ひどい顔 。。 ほんと、美人が台無し。( *´艸) そして、美幸が口を開いた 有難う。今日ひなさんに会えて良かった。本当に、明日から学校に行けないかなって思うくらい絶望してたから。 用務員さんはきっと今も、すごく戦ってるんだと思う。だから、退院してきた時に、わたしも恥ずかしくないように頑張ろうと思う。 中学生のわたしにだって、交通事故でもないのに毎日すごい救急車が通っていたり、今の世の中おかしなことばかりだってわかるよ。まるで裸の王様の話みたいに、大人たちはみんなわかってても誰かが言い出すまで言えないみたい。 そうね。 ひなが頷いて言った。 この間、2月に美幸さんがわたしと弟に会ったんだったわよね。 実は、弟は耳がほとんど聞こえないの。小さいときにワクチンを打ってその後高い熱が出て、すごい頭痛で壁に頭を打ちつけるぐらい痛がって、あちこちの病院で検査したけど原因がわからないって言われ続けたんだって。ワクチン打ってからって言っても聞いて貰えなかったし、治療法も知らないって言われて。。最後に耳が聞こえなくなっちゃって、母さんはすごく後悔して何日も何日も泣いたんだって。。 涙ぐんで、言葉を詰まらせると、またひなは話し始めた。 少し言葉を覚えてからだったから、片言話せる言葉があったのは救いだったって。。結局、原因不明だって保証もなくて、本当に酷いわよね。それなのに、安全ってその注射を今も続けているわ。 弟は、言葉の教室に通ってるの。それで、わたしが送り迎えして、この間はその帰りなのよ。 弟は、絵本が大好きなのよ。 わたしの膝に乗って、わたしの頬にさわってお話を聞くの。言葉を話す響きで、優しい音とか、怖い音とかわかるみたい。耳が聞こえないけど、他のいろんな感覚でお話を聞いてるの。弟に本を読みながら、わたしは自分の声の響きとか表情をふりかえるようになったのよ。 それに、弟はとっても優しいの。とっても純粋で、絵本を読んであげると、声をたてて笑ったり、涙をポロポロこぼして悲しんだり。まるで柔らかなバラの花びらみたいな心だなぁって思うのよ。 だから、わたしは、いつか読んだ人が幸せになるような絵本を書く仕事がしたいなって思ってるの。そこには、お爺ちゃんの大好きな花もいっぱい書きたいなぁって。 そう、とっても辛くて大変だったのね。 そして、素敵な夢。 わたしもいつか、ひなさんの本を読んでみたいなぁ。 美幸はひなとそんな話をしながら、自分もそんな希望を育てる仕事ができたらなぁと考えるのだった。 💠今日の花 アゲラタム 花言葉は【信頼】【幸せを得る】アゲラタムは花持ちが良くて色褪せしにくいことから、ついた花言葉だそうです。 15話の📍ピンのテーマは『信頼』と『幸せを得る』です。 過去picから🌹 小さなアゲラタムの花の成長を、バラの花たちが優しく包んで見守っているような花壇でした💖 🌱✨🌱
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【ピンクッション物語】第14話 美幸が驚いて顔を上げると、そこにはあの2月の雪の日に見かけた女性が立っていた。 あっ、えっと もしかして、ひな さんですか? えっ、どうしてわたしの名前を? 驚いて、ひなが尋ねた。 あっ、やっぱりそうだったんだ。 はじめまして、わたしは美幸って言います。 美幸は慌てて涙をぬぐうと、2月の出来事、自分と用務員さんの事、そして、今日の出来事を話したのだった。 同い年と知って、いつか会いたいと、ずっと思ってました。 用務員さんは、わたしの本当の家族のように接してくれて、学校を続けられたのも、用務員さんのお陰だって思ってるんです。 それなのに、今日、用務員さんがお病気と知って、もう学校に来れないかもと知って。それに大事な花壇もめちゃくちゃにされて。。 もう、絶望のどん底で動けなくなっちゃって。。それで、ずっと泣いていたんです。 そうなの。 わたしはひな、その用務員さんはわたしの大好きなお爺ちゃん。そんなに、お爺ちゃんの事を思ってくれて有難う。 ひなはそう言うと、美幸の隣に座り、にっこり笑ってテイッシュを差し出した。 良かったら使って。 いつも、弟の世話をするのに、たくさん持ってるから、遠慮しないで。 美幸は、有難うと照れて笑うと、テイッシュを受け取って鼻をかんだ。 2人は顔を会わせて笑った。 それから、真顔になると美幸が尋ねた。 それで、もし良かったら、用務員さんはどんな具合なのか、教えて貰えないですか? おそるおそる美幸が訪ねると、 ひなが頷いて、話し始めた。 お爺ちゃんは、植木職人さんだったけど、前に脳梗塞をしてから足が不自由になっちゃって。お爺ちゃんね、すごい頑張りやさんで雨の日も雪の日もリハビリを頑張って、歩けるようになったんだ。 前の仕事は無理だって、学校の用務員さんになって、学校の花壇に綺麗な花を咲かせるのが生き甲斐だって、それは楽しそうに話してくれてたの。毎日のように、花壇の花の写真を送ってくれるから、わたしもそれがほんとに楽しみで。携帯は花の写真で溢れてるのよ。 そう言って、ひなは携帯の写真を見せてくれた。 そこには、色とりどりの花が溢れるほどに咲いていた。 そして、花壇を手伝って繰れる生徒さんと仲良しになったんだよと、あなたの事も話してくれたの。同い年って聞いて、わたしもあなたにいつか会いたいなぁって、ずっと思っていたの。 2人は写真を見ながら、花の前で嬉しそうにしている用務員さんの顔を思い浮かべて微笑んだ。 それから、ひなは続けた。 お爺ちゃんね、ワクチンを受けてから体が動かなくなって入院してるの。もう一か月も経つけど、今も動けないで寝たきりなの。 ひなは、少しの間うつむいていたが、言葉を続けた。 お爺ちゃんね、脳梗塞のあとずっと治療をしてたんだけど、ワクチンを打たなくちゃいけないって主治医に強く勧められて、最初は『遺伝子治療なんて訳のわからんもんは受けない!』って言ってたんだけど、学校の仕事をするなら、生徒にうつさないように受けなくちゃダメだと周りからも言われてね、それで仕方なく打ったのよ。注射してすぐに具合が悪くなったのに、主治医は注射のせいじゃないって診断書も書いてくれないし、治療法もわからないってちゃんとした治療もないらしいの。主治医に信じてたのにって言ったら、嫌なら他で治療してくれって言われて、仕方なくその病院で今も治療を続けているのよ。 ずっと、元気だったお爺ちゃんなのに、今は寝たきりで話しもできないし、治るかどうかもわからないの。私たちとっても悔しくて悲しくて、この気持ちをどこに向けて言いかわからないわ。 そう言うと、ひなの頬を涙が伝った。 そうだったの。 ほんとに酷いことばかり。。 だけど、だけど。。 用務員さんきっときっと治る。 美幸は自分に言い聞かせるように呟いた。 2人の頬を涙が止めどなく流れた。 土手の前の花壇ではアゲラタムが静に風にゆれていた。 💠今日の花 アゲラタム 花言葉は【信頼】 14話の📍ピンのテーマは『信頼』です。 誰かを何かを信頼する それはとても大切なことですが、時にはその信頼がいのちや人生を左右することもある。 信頼を託す人、託される人、そこに真実の愛の交流があって欲しいと願いを込めて書きました。 「Ageratum(アゲラタム)」は、ギリシア語の「ageratos(不老)」を語源とし、長い花期や鮮やかな花色が長い間保たれることにちなむといわれます。和名の「大霍香薊(オオカッコウアザミ)」英語では「Floss flower」などと呼ばれます
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【ピンクッション物語】第13話 春が深まり、花壇にはたくさんの花が咲き乱れていた。 中でも美幸が好きなのは、ピンクがかったうす紫色のチューリップの花壇だった。 この色、大好きだなぁ 赤よりも黄色よりも優しくて、この花の前にいると、小さなことにくよくよしてた気持ちが溶けていくみたい。 そんな話をする美幸を、用務員さんはニコニコ眺めながら言った。 そうか、それは良かった。 このチューリップは、死んだ連れ合いが好きだった花なんだよ。この花を見るたびに、連れ合いがそばで笑ってくれてるように感じてね。 知ってるかね、紫のチューリップの花言葉は不滅の愛だそうな。いや、これはちょっとのろけましたかな。 用務員さんは照れて笑った。 学校生活で疲れたら、ここに来て眺めると良い。いつも私と妻が応援しとるぞ! 本当? それなら一年中チューリップが咲いてると良いな! そんな話をしながら、美幸は穏やかな春の光の中で、小さな幸せをかみしめていた。 ずっとずっと、こんな時間が続くと良いな。 それから、雨が降り続きしばらく外に出られない日が続いた。久しぶりの晴れ間に花壇に来てみると、チューリップの花はすっかり散って、あちこちに大きな草が目だつようになっていた。 雨が続いたからなぁ。 それにしても、こんなに草が伸びてて、これから草取り大変そう。 あれ、そういえば、このところ用務員さんを見かけない。 どうしたのかなぁ。 次の日も、次の日も、用務員さんを見かけないので、美幸は担任に聞いてみた。 あぁ、何だか体調を崩して少しお休みしてるらしいよ。 事もなげに言う担任に、美幸はビックリして、大変な病気かと聞いた。 さぁな、詳しいことは知らないし、個人情報だからな。まぁ、来月から新しい人が来るらしいから、問題ないだろう。 担任は関心なさそうに答えると、職員室へ戻っていった。 えっ、もう戻ってこないってこと?そんなに重い病気なの? 美幸は泣き出しそうなのをやっとこらえていた。頭が真っ白で、午後の授業は何も耳に入ってこなかった。 次の月に来た用務員さんは、花壇の草と一緒にチューリップも引き抜くと、大きな袋に次々と入れていった。 あっ!大切なチューリップが!! 美幸はあわてて花壇に駆け寄ると、思いきって用務員さんに話しかけた。 あのー、手伝いをさせてもらっても良いですか?それから、捨てちゃうならそのチューリップを貰いたいんですが。。 新しい用務員さんは、ちらりと美幸の方へ目線を向けると、美幸の歩くようすを見ていった。 花壇の手入れの手伝いを、足の不自由な生徒さんにさせて、なんだのかんだの言われちゃ面倒だから、手伝いは勘弁してくれ。 それから、このビニールに入ってるのは処分するものだが、それを持ち帰って良いとわしは許可できる立場にないんでね。 すまないが、仕事の邪魔をしないでもらえんか。 新しい用務員さんは、そういうと美幸に背を向けて、また作業の続きに取りかかった。 花壇から草と一緒に、残っていた花もチューリップも、次々と抜かれていった。美幸の目の前で、いつもの懐かしい風景は消えて、たちまち土だけの殺風景な花壇に変わっていった。 口の中から身中の水分が抜けてしまったように、美幸の口はカラカラに乾き、一言も言葉を返すことができずにその場に立ち尽くしていた。 しばらくすると、用務員さんが迷惑そうに視線を向けたのに気づき、美幸はゆっくりと校門へと歩き始めた。 たった一人、人が変わっただけで、風景がガラリと変わってしまう。 いつも親しく話してくれていた用務員さんが守ってくれていたものは、とってもとっても大きなものだったんだ。ほんの一瞬の出来事で美幸は思い知らされた。 ひどい! ひどい! ひどい!! なんなの、なんなのよ!!! 用務員さんが大切にしていたあのチューリップはあっという間になくなった。『いつでも私と妻が応援しとるぞ!』そう言ってくれた大切なチューリップを守れなかった自分にも腹が立った。 バッカヤロー!! 帰り道、人気のない土手の道で、美幸は大きな声で叫んだ。 声に出したとたん、それまで塞き止めていた涙が堰を切ったように溢れて、美幸はその場にしゃがみこんだ。 そうしてどのくらい時間がたったろうか、一人の女性が美幸に声をかけた。 あのー、大丈夫ですか? (続く) 🌺13話の📍ピンのテーマは 紫色のチューリップの花言葉≪不滅の愛≫です。 💜紫色は、高貴な色や魅惑的な色の象徴とされています。 失われることのない真っ直ぐな愛の気持ちと気品を感じる花にちなんだ花言葉とのことです。 🌱
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【ピンクッション物語】第12話 3年生になり、受験を意識してか学校での美幸へのいじめはなくなり、穏やかな毎日が過ぎていた。 花壇では色とりどりの花が咲き始め、休み時間に花壇の前で過ごすのが美幸の一番の幸せな時間だった。 いつものように草を抜きながら用務員さんと話をしていたときに、いつかの雪の日の出来事の話になった。 用務員さんが驚いて詳しく尋ねるので、美幸は出会った女性のことや一緒にいた男の子の事なども伝えたのだった。 世の中は狭いもんだ。 用務員さんが苦笑していった。 ポカンとしている美幸に その子らは私の孫たちだよ。 どうもあなたとはご縁があるようだなぁ。  そう言って用務員さんは笑った。 私の孫と同じ年頃なんで、学校の子供さんらは、孫のような気持ちがしておったが。。 あの子らは、本当に優しい私の自慢の孫なんだ。 美幸は、あの時の女性の行動や一緒にいた男の子に感動した話を伝えた。 孫は、隣町の中学に通ってる。あなたと同じ三年生だ。 女の子はひなという名前だが。。 コロナの影響もあって会う機会もないとは思うが、もしどこかで会うことがあったら、声をかけてみてくだされ。 そうかぁ、隣町。 ひなさんはどんな進路に進むんだろう? いつか会えたらいいな。 花壇に咲く色とりどりのアネモネを眺めながら、美幸はあの雪の日のひなの姿を思い出すのだった。 (続く) 🌺アネモネ キンポウゲ科アネモネ属の球根植物で、主に地中海沿岸に生息します。 和名は、「紅花翁草」、「花一華」「牡丹一華」などとも呼ばれ、昭和の初め頃から親しまれているそうです。 実は、花びらに見える部分はがく片とのことですが綺麗ですね💖 アネモネは寒さに当てないとつぼみが出来ない性質があるって調べてて知りました。 こんなに繊細に見える花なのに、寒さすらも糧にするなんて強い花だなって感心しました。 春のはじまりのおだやかな風が吹き始める頃に花を咲かせることから、英語での別名は「Wind flower(風の花)」ともいわれるそうです。風の花、風の時代の今を生きる心意気、そんな想いも重ねました。 ピンク色のアネモの花言葉は「待望(待ち望む)」アネモネの花言葉は「清純無垢」「無邪気」「待望」「期待」「可能性」だそうです 第12話の📍のテーマは、再開を【待ち望む】です💖
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so.ra
【ピンクッション物語】第11話 それは2月の雪がちらつく冷え込んだ夜だった。塾の帰り、肉まんでも買おうかと美幸はコンビニに立ち寄った。 店員さんに注文しようとすると、 手に大きな荷物を持った、一人の年老いた男性が入ってきた。 あっ、ちょっと待ってください。 店員さんはそういうと、お爺さんの方に向かっていった。 すみません。マスクをつけてもらう決まりになってるんで、着けてもらえますか? あぁ、こりゃすみません。 マスクは紐が切れてしまって、捨ててしまったんです。それに、財布を忘れてしまって買い物ができないんです。 どうも道に迷ってしまって、道を教えてもらおうと立ち寄らせてもらったんですが。。 申し訳なさそうに話すお爺さんに、店員さんは続けた それなら交番で聞いてください。とにかく困りますから、マスクをされないなら、ご利用はできません。 そう言うと、行く手を遮るように男性の前に立ったので、お爺さんは、頭を下げると外に出ていった。 雪が降ってるのに、大丈夫かな? 美幸は急いで肉まんを受けとると、お爺さんの姿を探して外に出た。 道路を挟んで少し進んだ先にバス停があって、形ばかりの小さな屋根のついたベンチにお爺さんがポツンと座っていた。 コンビニの他に商店もなく、普段から人通りの少ない通りだった。雪の降る寒い日だったからなおさら人影もなく、小さな街灯だけがベンチとお爺さんを照らしていた。 傘もないのか。。 自分の持つ傘に目を落とすと、美幸はお爺さんに向かって歩いていった。 すると、バス停の横の道から、小さな男の子を連れた自分と同じくらいの年頃の女性が現れた。 女性は、お爺さんのそばのベンチに座ると話しかけた。 寒いですね。 一番早いバスもあと20分くらいしないと来ないみたいです。 雪の日は遅れるし。。こんな寒いところで大丈夫ですか? この町へ来たのは今日が二度めなもので、すっかり迷ってしまいまして。出先に肝心な財布も忘れてしまったものですから、バスが来たら運転手さんに道を尋ねようと思って待っております。 お爺さんの話を聞いて、それなら今度来るバスに乗って終点の1つ手前の駅で降りれば大丈夫と女性が伝えた。 さっきまで悲しそうな顔をしていたお爺さんは、嬉しそうに顔をほころばせた。 そうですか、それは良かった。 ご親切に有難うございます。 そう言って深々と頭を下げるお爺さんに、女性はバックを探ると何やら取り出した。 これ、コートなんです。 ビニールの安物ですが、今日は雪が降ってるし、風避けになるかもしれないから、良かったら使って貰えませんか? いやいや、そんなご厚意に甘えるわけには。なぁにすぐにバスが来ますから大丈夫ですよ。 そう言ってお爺さんは頭を下げた。 でも、バスを降りた駅からも歩かれるかも。何かあったらこの子と2人で羽織れるように、男物の大きなサイズなんです。本当に安物ですが、使って貰えたら。。 2人のそんなやり取りを隣で聞いていた男の子が、たどたどしい言葉で話し始めた。 おぅーじーちゃん かぜひーちゃうからだめ ちゃーんときくんだよ 真剣にお爺さんを見つめて、一生懸命話す男の子の言葉を聞くと、お爺さんは女性からコートを受け取った。 有難うございます。 見ず知らずの私に。。 ぼうやも有難うね。 ご厚意に甘えて使わせていただきます。そう言うと男性はコートを羽織った。 暖かいですなぁ。 本当に有難うございます。 そう言って男性は少し涙声で続けた。 実は、先日妻が救急車でこの町の病院に運ばれまして、受け入れ先がなくてこんな遠い病院に来ることになったんです。 結局回復せずにあっという間に亡くなってしまって、死に目にも会えませんでした。今日はその帰りなんです。すっかり道に迷ってしまい、店で聞こうと思ってもマスクがないと追い出されましてな、とうとう夜になってしまいました。雪もちらついて人通りもなくて聞くこともできずに困っておりました。 わしらは2人暮らしでしたから、頼れる人もなくて。。 お爺さんはそう言うと、言葉を詰まらせた。 女性は男性の話を聞くと涙ぐんだ。 この先にこの子が通う学校があって、さっき迎えにきた帰りなんです。教室が開いてたら、バスの時間まで待たせて貰えるように頼むんだけど、もう閉まっちゃったから。。 この辺は喫茶店もないし、寒いですがあと少し我慢してくださいね。 そんな2人の話を黙って聞いていた男の子が、女性の頭を引き寄せて何か内緒話をしたようだった。 だって、それお守りでしょう?いいの? こくりと男の子は頷いて、自分の鞄を差し出した。 そこには、小さな袋が下げられていた。女性は袋を外すと男の子に手渡した。中に入っていたのは、小さな黒い種のようなものだった。 あぅーげる おーまーもり そう言って、男の子は、ニコニコしてお爺ちゃんに差し出した。 これは、ぼうやの大切なものでしょう。気持ちだけ貰っておくよ。有難う。 お爺さんから返されると、男の子は泣き出した。 この子が誰かに何かをあげたいって言うのは、初めてなんです。そして、それはフウセンカヅラっていう花の種なんです。この子が通い初めた学校でみんなで育てたフウセンカヅラの種を、去年みんな一粒ずつ貰ったんです。種に♡のマークがあるからお守りだって、大事にしてたものなんです。 この子は、少し耳が不自由で言葉もはっきり話せないんです。だから、苛められる事が多かったけど、そのぶん人の心がわかるような所があって。 きっと、話を聞いていて、お爺さんのお守りになれたらってこの子なりに考えたんだと思います。この子にとって他人に何かをあげようとするのは初めての事で勇気を出したと思うんです。お邪魔かもしれないですが、良かったら気持ちを受け取って貰えませんか? そうでしたか、それはすまないことを。それでは、ありがたく頂戴しますよ。 お爺さんが手を差し出すと、男の子は嬉しそうに種を手渡した。 本当に♡のマークがついてるね。フウセンカヅラか、春になったら育て方を調べて見ようかな。ぼうや、有難うね。 そんなやり取りをしているうちに、バスが到着してお爺さんは、手を振って何度も何度もお辞儀をしながら乗っていった。 2人もお爺さんと同じバスに乗るのかと見ていたら、バスを見送ると女性は男の子の手をひいて反対方向へと歩きだした。 もしかして、お爺さんを心配して見守っていたの? 少し離れたビルの軒先で様子を見ていた美幸も、お爺さんがバスに乗り込むのを見届けると安心して、その場を離れ家へと向かった。 その時は、しばらくしてその女性と偶然再開するとは美幸は思ってもいなかった。 (続く) 🌺マホニアコンフューサ(細葉柊南天) 花言葉は「優しい暖かさ」です。 柔らかな細長い葉の優しい印象と、小さくて黄色い花が冬の寒さの中も、灯りを灯してくれるようです。 第11話の📍のテーマは、優しい暖かさです。
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so.ra
【ピンクッション物語】第十話 父は言葉を続けた、 今日、会社で今後の経営に関わる大事な話し合いがあったんだ。 こんなご時勢だから、うちの会社も厳しくて、どうやってコストカットをするかという話になった。 そこで、これまでの下請けの取引先を切って、格安でやってくれる外資の業者に乗り換えようと提案したやつがいるんだ。その業者は、手抜き工事をしたり、裏で賄賂を渡すなどよくない噂を聞いていたし、何より長い実績のある信頼できる下請けの業者は、会社と一心同体の宝だと思うから切ってはいけないと反対したんだ。 ところが、10人中8人が外資の業者に賛成で、切り替え案が通りそうになったんだ。もうすでにできてる話、そんな印象だった。 でも、どうしても会社のためにも、今まで誠実に仕事をしてくれた業者のためにも、ここは譲れないと思ったんで、私は納得できないと食い下がったんだ。 そしたら、社長が、「お前は首をかけてもその主張をするのか!」って怒りだしてね。 それでも、父さんは、この身にかえても会社のために考えていただきたいって粘ったんだ。 結局、会議はもめて、最後は従来の業者と外資の業者と、半々に仕事を委託して成果をみようという話に落ち着いたんだ。 多勢に無勢の厳しい戦いだったが、相川さんの会社との取引を続けることができて、父さんはほっとした。 誠実に仕事をすれば、そんな安い金で請け負えるはずがないんだ。きっと、1年後2年後には結果は明かになり、会社を守ることができると父さんは信じてる。 けれど、父さんは社長を怒らせてしまったからね。 それからあることないことミスをでっち上げられて、責任をとる形で辞めざるを得ないように仕向けられたんだ。 後から思うと、裏で計画されていた話に、父さんがまんまとのせられてしまったのかもしれない。 そんなわけで、父さんは3月末で退職させられることになってしまったんだ。 その話を聞いた相川さんが、お礼と感謝を伝えに、わざわざ今日来てくれたんだ。 お前を巻き添えにしてしまって、すまない。今まで、理不尽なことがあっても自分の想いを圧し殺して仕事をしてきたこともあった。だか、今度ばかりは譲れなかった。 父さんは、再就職先を探すつもりだし、退職金や少しの蓄えはある。生活はギリギリになるかもしれないが、奨学金や学費の補助がある高校や大学もあるようだから、お前が同じ気持ちなら、お前の夢を応援したいと思っている。 父さんは一気に話をすると、僕の顔をじっと見つめて返事待った。 卓はゆっくりと話し始めた。 俺、今頭のなかがパニックで、何を話したらいいかわからない。けど、父さんの選択は間違ってないと思う。さすが、俺の父さんだって思う。そして、父さんがよく知恵を使うんだ!って言ってた意味が、何となくわかったよ。 世の中、損得で動くやつばかりだから、正しいこととか、自分はどう考えるかとか、考えない方が楽かもしれないよね。それはつまり、みんなと合わせてるようで、結局は自分さえよければっていうのと、同じことなのかなぁって思ったよ。 でも、 もし、僕だったら。。やっぱり父さんと同じ答えを選ぶと思うよ。それは、中学生だから、世間知らずって、生き方のうまいやつはいうのかもしれないけど。 父さんと俺の生活が厳しくなるかも知れないけど、高校はバイトしながらでも行ける所を探すよ。 俺は苛められて、孤立することがどんなに辛いか早くに知ることができた。そして、そんな時に自分はどう立ち向かうかの覚悟もできた。父さんが俺と一緒に戦ってくれたから、俺の心は強くなったんだ。 結局、選んだ答えは自分の未来に返ってくるんだと思ってる。 父さん、今度は俺が一緒だ! 父さんと一緒に戦うよ。 道は1つじゃない、きっと願いを実現させる道を進むって信じてるから、一緒に頑張ろう! なんだか、うまく言葉にできなくて、何を言ってるかわからないかもしれないけど、 父さんと一緒なら大丈夫! 俺も頑張るから、父さんは体だけは大事にしろよ。 卓はそう言うと、父の顔を見つめた。 大きな存在そう思っていた父親の頭には、いつの間にかたくさんの白髪が増え、目尻のシワも深くなっていた。 (続く) 🌿冬の花壇で、真っ白な花に出会いました。クローリーの花に似てますが、クレマチスのような枝で、腰の高さぐらいの木にたくさん咲いていました。 長いシベ、綿毛のような種もありましたので、クレマチスの仲間かな?➡️クレマチスシルホサと判明しました💕 北風のなかも真っ白の花弁を開いて、凛とした佇まいに力強さを感じました。 この花の名前も花言葉もわかりませんが、寒さにも負けないで、しっかり花を開いていく花に想いを託して、第十話の📍ピンのテーマは信念です。 このご時世で、いろんな選択を迫られてる人も多いと思います。心に決めた想いを貫いて生きることは、辛くて苦しい結果をもたらす事もあるかと思います。。でも、その選んだ選択が、幸せの春に繋がっていきますように♡きっと、幸せを掴めますように♡祈りを込めて💖 春はもうすぐです❣️
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