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熊笹 くまざさの一覧

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so.ra
【ピンクッション物語】第六話 校庭に沿って植えられてた桜の樹の足元には、熊笹がびっしり繁っていた。 校舎が風避けになって、日中は太陽が当たってぽかぽかしている所では、雑草がのびのびと繁っていた。 冬の真っ只中だったが、ひとしきり草取りをして汗をかいた用務員さんは、タオルで額の汗をぬぐうと、美幸と並んで日だまりに腰かけた。 それで、靴は見つかりなさったか? ううん、やっぱり出てこなかった。でも、先生が『生徒の靴紛失につき捜索中。情報があれば職員室まで連絡を請う』って貼り紙をしたお陰か、靴隠しはされなくなったの。 そうか、それは良かったな。 だけど、きっと面白くないって思ってる人がいるはずだから、そこは気を付けないとって。 なるほど。 でも、卓くんと話をしたとき、 『どんな自分になりたいんだ?』って聞かれて、人を基準にビクビク、オドオドして過ごすのは止めようと思って、その時間を未来のために使おうって思い始めたの。 美幸がそういうと、用務員さんは顔をほころばせた。 ほぉ、なりたい自分の話をできる友達など滅多にできないもんだが、良い友達ができて良かったなぁ。 美幸は用務員さんの言葉に、嬉しそうに頷いた。 卓くんて、生徒会長してて頭が良いし、みんなとふざけたりしてけっこう気さくだし、私なんかとは遠い存在だなって思って見てたんだけど。 私が困ってるのをみて本気で心配してくれて、自分の事も話してくて。。うまく言えないけど、信じてみようかなって、本物の友達になれたらなって思えたの。 そうか、人を信じられるようになるって事は、自分の心も信じられるようになるって事だと、わしは思っとる。それを成長って言うんかもしれんの。 わしは学がないから、立派な事は言えんが、自分が見て肌で感じたことを柱に考えることが大事だと思うんじゃ。 それ、あそこに生えとる熊笹を見なされ。 葉っぱの周りが白くなっとるが、いつもあんな風に白い訳じゃないんだ。 春は新葉の緑色になり、 夏にはもっと深い緑になって、 秋が深まってくると黄色く枯れて、しまいに冬になると葉の縁が白く変わるんじゃ。 あの隈取りは強い風が吹き抜けて、葉の周りの水が蒸発してできるそうじゃ。 綺麗じゃろ。 白い縁取りは、笹が寒さを耐えた勲章のようなもんだ。 増えすぎると邪魔にされる。 笹の頑張りなんぞ、誰も見ちゃおらん。だけど、自分の命を精一杯胸をはって生きとる。 わしは、ここで草を刈るたびに、笹には負けられんと気合いを貰うんじゃ。 辛くて苦しいときは、一回り大きくなる時だから、そりゃあ痛いもんさ。耐えられん苦しみもあるかも知れん。だかな、その先の道は、一回り大きくなった自分でなくては歩くことができない道だから、節目がくるんじゃろうなと思う。 覚悟など簡単なもんじゃないが、その卓くんも、そうして自分の力で超えて手に入れなさったんじゃろう。 いい友達になれるといいな。 美幸は用務員さんの言葉に頷いた。 2人の前で、笹の葉から小さな雀が顔を出すと、こちらを見て驚いたように顔を引っ込めた。 そんな様子を見て、2人は顔を見あわせて笑うのだった。 (続く) 第六話の📍ピンは熊笹 名まえの由来は、漢名の隈笹から、寒くなると、葉の縁が白く隈取られることからついたそうです。風のあまり通らないところや雪の下に埋もれるところでは隈取りはできないそうです。 12月28日の誕生花 花言葉「孤高」は、高い山の強い風に向かって凛として立っている姿からつけられ、もう一つの花言葉「抱擁」は、葉の緑を白く隈取る姿をたとえたとか。 第六話の📍ピンのテーマは、孤高、抱擁です。 追記  クマザサの葉には殺菌・防腐効果があり、古くから生活と深く結びつき、笹だんごやちまき、鯖寿司や笹寿司などに利用されています。
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