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孤独のラン栽培の一覧

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良し、行くぞう
「えぇ…うわっ!花か…」 蘭の花にこんな失礼な声を上げたのは人生で今日が初めてである。 さかのぼること二週間ほど前。 三浦は三崎にある産地直売施設のうらりマルシェという所でこのエピデンドラム・ポーパックス・アルバム (Epidendrum porpax fma.album) 略してこのポーパックス氏を買ったのだが、花は来シーズンではないかという根拠のない独断から、植え込み方もポット選びも実に気の抜けた姿でいたのだ。 そして今朝。 外にいる植物たちに霧吹きをお見舞いしに出たら、買ったばかりのポーパックス氏に触角も羽も黄緑色の蛾が止まっているではないか。 困ったことに、この近辺にはこういった葉や花に寄せたファッションをする蛾がやたら多いのだ。 いっそ君たちだけでVOGUEを一冊作ってみてはどうだ。 ともすれば2025年のA/Wは君たちのファッションが牽引するかもしれないぞ。 だから頼む、ここはやめてくれ。 情けないことに、自分は蛾が驚いて突然飛び立つのがちょっと怖いのである。 しかし霧を吹くなら蛾にどいてもらわないと、自分と蛾の双方が困るはず。 蛾は苦手だが、無下にその羽を湿らすのも考え物だ。 意を決して、そして心にヒゲダンを宿して、 「グッバイ!!」 と勢いよくポーパックス氏を振ったのだが、もう皆様はこの見え透いたオチがお分かりだろう。 そう、蛾ではなく花だったのだ。 そしてこれで冒頭の 「えぇ…うわっ!花か…」 に戻るのである。 グッバイ!!と勢いよく振ってしまった後で花だと気づいたショックは大きい。 だって、買って二週間で花が咲くとは思わないじゃないか母さん! 自分の中のえなりくんがそうぼやく。 ポーパックス氏の方こそこんな持ち主は運命の人ではないと言いたいだろうが、無傷で良かった。 花だとわかれば、触角だと思っていた物は腕のように見えるし、羽だと思った物はドレスに見える。 そして小さな妖精が全身を精一杯大きく広げて、 「シャネル!」とやっているように見えて、とても可愛い。 虫と花でこうも違う依怙贔屓ぶり。 そのバチが当たったのか、せっかく可愛いのにオチはVOGUEでもヒゲダンでもなくTIMになってしまったので失礼いたします。
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良し、行くぞう
Phal.Gene's Summer Violet (約20日ぶり二度目の登場) 前回の画像にも若干写っていたが、一年越しの花茎が実はもう一本ありまっせというわけでそっちの花茎からも開花してくれた。 何とも嬉しいことに先輩後輩合わせて2輪とも開花しているが、角度的に2輪どちらも収めようとすると必ずどちらかが犠牲になるので先輩の方を優先することに決めた。 園芸くらい縦社会じゃなくても…と思うが常識という刷り込みは恐ろしい。 こんな可愛い花にさえ先輩後輩という概念を抱く自分を呪う。 約20日経って、先輩改め一番花の方は少し色が抜けてきたが、紫…いや緑…という何とも不思議な花色に拍車がかかり、色は褪せてきたものの、これはこれでめちゃんこ好きである。 人間はこんなにも暑さでヒーコラ言っているというのに、暑さが本気を出した頃からこの人も本気を出し始めたように思う。 あぁそっか、夏咲きなのか、だからサマーバイオレットなのか、夏っぽい紫というわけじゃなかったのか、夏咲きの紫なのか、由来は案外シンプルだ、それワカチコワカチコと思い至るまでにけっこう時間がかかった。 由来がわかるまでの間、自分は暑さからかとうとう職場の階段を上れなくなり、母と娘ほど年の離れた先輩に 「(どうか自分の屍を越えてください)お先にどうぞ…」と告げ、登りきったはずの先輩が心配してもう一度階段を降りて来てくれたのにまだうずくまっているという顛末があった。 クッ…これが聖なる陽炎、熱中症の力か…などと厨二を拗らせながらその日のうちに病院に行ったところ血液検査を受けることになり、後日熱中症ではなく甲状腺機能亢進症という自分史上初めましてこんにちはの病気だとわかったのだ。 甲状腺ホルモンというやつが何でもないのに 「敵襲!敵襲ー!出あえー!ボェォ~(ホラ貝)」となりすぎるのが特徴で、非常に体感が暑くなる。 食事すら間違って敵襲と捉えてしまうらしく、我が身体ながらなんてバカな子なの…と思わずにいられない。 高温の環境下で特に悪化するそうで、夏にやっと自覚症状を感じる人が多いらしい。 暑いなかキュッと冷やしたお酒は最高に旨いがアルコールは厳禁。 せっかく社内懸賞でスパークリングワインを頂戴したのに、そんなわけで一本まるごと先輩に譲ったが階段を上れるなら何も後悔はない。 なぜこの病気になるのかは未だにわからない疾患だそうで、原因もオチもわからない怪談と突然の病気は本当に怖いなぁと思った次第である。 服薬治療が始まった途端、嫌になるほど身体が楽になり、頭の中でX JAPANが紅の伴奏に合わせて「健康だぁぁぁ!!」と叫び、ドラムを叩いている。 これは単に薬の効果であって決して健康になったわけではないので勘違いに注意しなければいけないが、とりあえず楽になっているので小っちゃいことは気にしない、それワカチコワカチコとやっていれば自分も咲けそうなこの夏。 皆さまもご自愛しつつ、花と緑豊かにお過ごしくださいといったところで残暑お見舞い申し上げて〆のご挨拶とさせていただきます。 チャンチャン。
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良し、行くぞう
Phal.Gene's Summer Violet 2022年8月に花茎付きで購入したものの、それ以降花茎がさらに伸びたような気もするし伸びてない気もするぜ~と結局花茎が鳴かず飛ばずで一年。 よもやこのままシケるのではあるまいか。 お方様、ご覚悟を…! などと一人大河ドラマを気取っていたら先週突然蕾が顔を出し、ようやく開花した。 クリーム色の縁取りにショッキングピンクのSameraと、爽やかな青紫のviolacea Indigo blueを交配させたものらしい。 クリーム色の縁取りからしてなんとなくSameraの特徴が強い気がするが、くすみパープルはインディゴブルーから来ている様子。 さらに、この花は良い香りがする。 石鹸のような、柑橘の皮のような、形容し難い良い香り。 嗅いだ瞬間、暑い夏の日射しの下、これから日舞のお稽古に向かうべく白い日傘を差してテトテトと歩く和服美人のイメージが浮かんだ。 いつか自分が日舞を習いたいと決意したら、合わせてこの香りに似た物を探そうと思う。 そうやっていつも、なりたい自分を思い描きつつ今日まで生きて来たが、実現したこともあればなかなか叶わないこともある。 最近はなぜだかオモウマイ店の名物おばちゃんになりたくて仕方がない。 「ハイこれ持っていきな、サービスだよ、騒ぐんじゃねぇ」 と片っ端から作った料理を片っ端から振る舞いたい。 そしてある日突然、客だと思っていた男がそっと中京テレビの名刺を差し出すのだ。 店先に植木鉢で花を育てているお店はオモウマイらしいので、趣味と実益を兼ねることができ一石二鳥ではないか。 しかし自分の得意料理はおにぎりくらいしかないため、夢を描きつつ花を咲かせつつ料理も頑張らないといけない。 夢は果てしない。 夢を叶えることもランをたやすく咲かせることも一朝一夕にはいかないが、とりあえずこの胡蝶蘭を咲かせる夢は叶ったので人生はまずまず順調なのである。
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良し、行くぞう
2022年3月に「スーッとするニオイ、想像がムズイ説」を唱えた、うちのトンガリ担当ブラサボラ・ノドサがおかげさまをもちまして咲いた。 厳密に言うと咲いたのは秋の終わり冬の始まり頃、そして1月の終わりに花は幕を閉じたのだが、約2ヶ月、「スーッとするニオイ」を楽しませてもらった。 みどりのまとめにも書いたのだが、自分の裸ばかりインスタに投稿する海外のチェロ奏者が書いていたようにスパイスも感じる香り。 そして生産者さんのおっしゃるとおり、嗅ぐと鼻の奥でスーッとする香りでもあった。 個人的にはジンジャーとバニラの合わさった、スパイシーだがどこか甘い香りだと感じたのだが、何かどこかで嗅いだような…と思い、記憶を辿った結果、葬儀の花を見慣れていた自分の答えはズバリ「カトレアの香り」であった。 さすがカトレアの近縁。葬儀に使うカトレアとは大きさも色も違うが、 「あたしゃカトレアの近縁だよ!」 と香りを使って外堀から攻めてきた。 今回の花は側花弁というパーツが一個足りないという、少々残念な姿になった。 根詰まりか。水か栄養か。 わからないが、できることを試しながら再び花に会えるよう試行錯誤を誓う。 家人が葉の先端の些細な黒変に神経質なほど敏感で、夏に生えかけの新しい葉を「切った方がいい」と言うもんだから、半信半疑だったが切った。 そのあとに別の新しい葉から咲いたのがこの花である。 切ったのは正しかったのか。 他の葉も先端は少し黒いが、その葉が花を咲かせたのだ。 心配だからもう一度言わせてくれ。 切ったのは正しかったのか。 花は咲いたのにモヤモヤするのは、切らなければ花がもう一輪楽しめた気がするのと自分の決断ではなかったからだ。 「ごらんよ、花が咲いたよ」と自分が言ったら、「ちょっと待って」と言い残し、いそいそと黒い段ボールを組み立てて、図鑑のような黒い背景の写真が撮れる簡易スタジオを作ってくれたのもまた家人であるがゆえ、かいがいしさを思うと「切らない方が良かったっぽくないか」と言えないでいる。 夫婦間における気持ちの伝え方も、蘭の管理方法も、まだまだ勉強が必要だ。 スーッとする花一輪で夫婦間の責任の持ち方まで考えさせる存在感があるのだから、やはり蘭はすごいよなぁ。
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