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Bulbophyllum sp.の一覧

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阿南田零
先日の『名前はまだない』バルボの正面です。 フィリピンのパラワン島で発見されたので、俗にバルボフィラム パラワネンセ(Bulbophyllum palawanense)と呼ばれていますが、正確にはまだ学名が付けられていない、未記載種(名無し)です。 元々は、アメリカの植物学者で東南アジアの蘭の新種をたくさん記載しているGarayさんが、アメリカ蘭協会(AOS)の会報で「パラワネンセですー」って紹介しただか、「今度パラワネンセって名前をつけます!」って言っただか、みたいな話らしく、以来、その世界では『GarayさんがそのうちBulbophyllum palawanenseとして命名(新種記載)するのだろう』という想定の元、そう呼ばれていたようなのですが、結局、Garayさんは命名することなくお亡くなりになられました。なので、未だに通り名がそのまま、あたかも学名のように使われています。 永くフィリピンの蘭を調査・研究し、沢山の新種記載もしているCootes(クーツ)さんは、Garayさんが亡くなった翌年、「パラワネンセは(論文として)公式に発表された名ではないので、使うべきではなく、バルボフィラム ロビーの亜種 ブレビフロラム(Bulbophyllum lobbii subsp. breviflorum)とすべきだ」と述べてます。 ブレビフロラムは、元はスマトラナム(Bulbophyllum sumatranum(これもGarayさんの命名))というスマトラ固有のバルボと、それによく似たボルネオやタイのバルボをまとめてロビーの亜種としましょう、と2015年に提唱された亜種名なのですが、特に、その中の、ボルネオ島サバ州産のバルボは、色も形もパラワネンセ瓜二つです。なので、この時パラワネンセも共にブレビフロラムに纏められても不思議はなかったのですが、残念なことに、未記載種(=種としての特徴が定義されていない)だったパラワネンセはこの亜種に含められませんでした。 そうした経緯からすれば、上記のCootesさんの意見はとても納得できる妥当なものなのですが、これまた残念なことにCootesさん、自分で『パラワネンセは論文として公表された名じゃないから使うべきでない、ブレビフロラムと呼ぶべきだ』と言いながら、その主張を論文として公式に発表せず、フィリピンの新聞のコラムに書いちゃったものだから、パラワネンセはブレビフロラムとはならず、通り名のままなのです。 まあ、やはり将来的にはパラワネンセはブレビフロラムに含められるんじゃないかと思いますけど。
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