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山草の一覧

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122
醜男
小紫(コムラサキ) シソ科ムラサキシキブ属の落葉低木。湿地などの近くに自生するが自生種はまれにしかなく、栽培種が逃げ出して野生化したものが多い。自家受粉により結実できるので実つきがよく、一般に市販されているものはほとんどが本種である。庭や公園に近縁種の紫式部(ムラサキシキブ)の名で植えられ、園芸店でもムラサキシキブといって販売されていることもある。葉は小さく、上半分だけに鋸歯がある。花期は6~8月。10~20個の淡紫色の花を葉腋の上部につける。花は雄しべ4本、雌しべ1本が突き出る。果期は9~11月。果実は核果。径3㎜ほどの球形で、葉の付け根より上につく。紫色を帯びた細い枝が長く伸びて枝垂れ、丸い果実が群がるようにつく。白い果実の園芸品種がありシロミノコムラサキまたはシロシキブと呼ばれる。 樹高3mほどの近縁種、ムラサキシキブに似るが、樹高が40~120㎝で小さいことが名の由来。別名のコシキブは、紫式部に対して、優雅な女流歌人として知られた『小式部内侍(こしきぶのないし)』にあやかってつけたともいわれる。また、ムラサキシキブは江戸時代初期までは実紫(ミムラサキ)、玉紫(タマムラサキ)、山紫(ヤマムラサキ)といい、その語源は紫の実が敷きつめられた『紫敷き実』であったようで、このムラサキシキミが変化してムラサキシキブになった。別の説として、紫色の実がたくさん成ることから『紫繁実(むらさきしげみ)』の転訛ともいわれる。他にも、植木屋が源氏物語の筆者『紫式部』にあやかろうと、ミムラサキの実の色にかこつけて命名したのではないかともいわれる。 よく似た紫式部(ムラサキシキブ)、藪紫(ヤブムラサキ)との識別点は次の通り 小紫 ・紫式部より全体に小形 ・葉は小形で若葉に毛がある ・花は葉柄からやや離れてつく ・果実は径3㎜で葉の上側にまとまってびっしりとつく ・茎に稜の出ることがある 紫式部 ・葉は無毛 ・花は葉柄の付け根につく ・果実は径3.5㎜でまばらにつく ・茎はまるい 藪紫 ・葉は裏面に毛が密生する ・花は葉腋に数個つく ・果実は径4~5㎜で葉に隠れる部分もある ・果実の半分を毛のある萼が包む ・茎はまるい 出典『木の実のガイド』『里山の花木 ハンドブック』『都会の木の実・草の実図鑑』
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137
醜男
藪蔓小豆(ヤブツルアズキ) マメ科ササゲ属のつる性1年草。草地に生える。小豆(アズキ)の原種と考えられる。茎や葉に黄褐色の毛がある。葉は3小葉からなる。小葉は長さ3~10㎝、幅2~8㎝の狭卵形~卵形で浅く3裂するものもある。花期は8~10月。花は黄色で長さ1.5~1.8㎝。蝶形だが、竜骨弁(りゅうこつべん💬翼弁の下部前方にある花弁)は反時計方向に大きくねじれ、翼弁(よくべん💬マメ科の植物の花で左右にある一対の花弁のこと)も左右非相称。果実は豆果。長さ4~9㎝の棒状でぶら下がるようにつく。中に楕円形の種子が10個前後入る。種子は小豆より小さい。 小豆は本種を改良したものといわれ、古代から栽培される。小豆は日本を含む極東アジアが原産とされ、食習慣があるのは日本、韓国、中国、ブータンなどに限られる。日本では吉事や祭事に昔から用いた。現在は4~5万haの作付けがあり、ほとんどが赤色の子実で、種子の大きさにより普通小豆と大納言小豆に分けられる。白餡用の白小豆もある。他に、祭事の赤飯や小正月行事用の小豆粥などに用いる。味をつけない小豆粥は、解毒、利尿、排膿の薬効があるとされる。小豆の年間消費量は10万トンで、70%程度が国内で生産され、その7~8割を北海道が占める。中でも十勝地方産の小豆を原料とする餡は風味が良く、『十勝小豆』が普通小豆のブランドになっている。大納言小豆としては丹波大納言(兵庫県、京都府)、能登大納言(石川県)、アカネダイナゴン(北海道)がある。小豆の仲間では、大角豆(ササゲ)、緑豆(リョクトウ)、毛蔓小豆(ケツルアズキ)、竹小豆(タケアズキ)が食用とされる。 出典『野に咲く花』『里山の植物 ハンドブック』『食材図典』
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144
醜男
石見川(イシミカワ) タデ科イヌタデ属のつる性1年草。道端や田の畦、河原などに生える。茎は長さ1〜2mに伸び、下向きの鋭い刺でほかの草や木に絡みつく。葉は互生し、長さ2〜4㎝の三角形で、葉柄は葉身の基部近くに楯状につく。托葉鞘は鞘状の部分は短く、上部は葉状に広がって円形になる。花期は7~10月。茎の先や葉腋に短い総状花序を出し、淡緑色の小さな花が多くかたまってつく。花序の基部には丸い葉状の苞があってよく目立つ。花被は長さ3〜4㎜で5中裂する。花のあと花被は多肉質になって痩果を包み、直径約3㎜の球状になる。花被の色は緑白色から紅紫色、青紫色へと変化する。痩果は黒色で光沢がある。 名前の由来にはいくつかの説がある。 ①現在の大阪府河内長野市の近くに石見川村があった。江戸時代中期の『倭訓栞』によると、薬草『杠板帰』としての本種は、石見川村のものが良質だったので、イシミカワと呼ぶようになった。 ②江戸時代中期の『和漢三才図絵』によると、イシミカワのつる葉は、骨折の場合に膠の如く骨を接ぐ。骨を石の如くつけるので『石膠』。石膠が『いしみかわ』に訛った。 ③石のようにかたい果実に皮があることから。 出典『野に咲く花』『野草の名前 秋』
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128
醜男
蔓穂(ツルボ) キジカクシ科ツルボ属の多年草。山野の日当たりの良いところに生える。鱗茎は卵球形で黒褐色の外皮に包まれ、タマネギのようなにおいがする。葉は2個根生し、長さ15〜25㎝の扁平な線形。花期は8~9月。花茎は高さ20〜40㎝になり、淡紅紫色の花を総状に多数つける。花のころ根生葉があるものとないものがある。花茎にはふつう葉がない。果実は蒴果。長さ5㎜ほどの倒卵形または楕円形で鈍い3稜がある。中は3室に分かれ、それぞれ1個の種子が入る。種子は長さ4㎜ほどの扁平な線状長楕円形。 名前の由来は不明とされるが、皮をむいたなめらかな鱗茎(球根)から『つるん坊』と呼んだものが転訛したとの説がある。他に、細い蔓状の花茎を伸ばし、その先に花を穂状につけることにより名付けられたとの説もある。別名は参内傘(サンダイガサ)。公家が参内するとき、従者がさしかけた長い柄の傘をたたんだ形と花序が似ていることによる。 朝鮮に出兵していた加藤清正は明代に中国で記された『救荒本草』を持ち帰った。この本は飢餓の時、どんな草が食べられるかを書いたものである。この本にならいツルボの鱗茎を食用にし、生薬として活用するようになった。 出典『野に咲く花』『草木の種子と果実』『色で見わけ五感で楽しむ野草図鑑』『薬草の呟き』『野草の名前 夏』
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130
醜男
韮(ニラ) ヒガンバナ科ネギ属の多年草。河原の土手、草地など日当たりのよい場所に生える。もともと日本に自生していたとする説と、古い時代に大陸から持ち込まれたとする説がある。古事記や日本書紀にも記述があり、万葉集では久々美良(くくみら)という名前で登場する。野菜として栽培されるが、1株から多数の種子ができ、よく発芽するため、いたるところに野生化している。全体に特有の臭気がある。地下の鱗茎が分かれて殖える。鱗茎は小さく、シュロ状の毛に包まれ、横に連なっている。葉は扁平な線形。花期は8~9月。花茎は高さ30から50㎝になり、先端に白い花を散形状に多数つける。花被片は狭長楕円形で先は尖る。果実は熟すと裂けて黒い種子を落とす。 名前は、古事記に『加美良(かみら)』の名前で登場し、これが訛ったという説がある。韮は漢名。 江戸時代の農書では韮黄の作り方などが述べられているが、そのにおいが強いためか、ほとんど市販されなかった。第二次世界大戦後、中華料理が身近なものになって、ニラは大衆野菜となった。品種に花茎とつぼみを食べる『花ニラ』や、軟白栽培して食べる『黄ニラ』、葉の幅が広い『大葉ニラ』などがある。ニラはカロテンのほか、ビタミンB1・B2・C、各種ミネラルが含まれている。なお、別種である帰化植物の花韮(ハナニラ、別名 西洋甘菜)はニラとつくが全体に有毒成分を含み、ニラと間違えて食べると下痢を起こすので注意が必要。 出典『四季の野の花図鑑』『散歩の草花図鑑』『食材図典』『都会の草花図鑑』
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133
醜男
芙蓉(フヨウ) アオイ科フヨウ属の落葉低木。中国原産で古くから庭木として植えられ、暖地の海岸に近い林などに野生化している。日当たりのよい環境を好み、大気汚染などに強く丈夫なので、道路沿いに植えられることが多い。葉は5角形で浅く3~7裂し、柄は長い。花期は7~10月。直径10㎝以上にもなる大輪の一日花を次々と咲かせる。淡紅色または白色の5花弁で、花はしぼんでも落ちずに翌日も残る。果実は蒴果。球形で表面に多くの毛があり、秋に熟すと上向きに5裂して多くの毛のついた種子を出し、冬にも枝に残る。 名前は中国名『木芙蓉』の木を略して音読みしたもの。中国では『芙蓉』は蓮を意味し、『木芙蓉』は『花が蓮に似ている木』、すなわちフヨウを意味する。日本でも平安時代は芙蓉と木芙蓉が使い分けられていたが、いつしか『木』の1字が忘れ去られ、『芙蓉』の2文字だけでフヨウを表すようになった。また、八重咲きの園芸品種『酔芙蓉(スイフヨウ)』は、朝開いたときは白色だが、段々と赤みを帯び、夕方には紅色になり酒に酔ったように見えることが名前の由来。近年は草本でフヨウ属の仲間のアメリカフヨウが盛んに栽培される。アメリカフヨウは葉に裂け目がなく、花が大きく数も多い。 出典『樹木の事典600種』『樹木の名前』
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118
醜男
山芋(ヤマノイモ)/自然薯(ジネンジョ) ヤマノイモ科ヤマノイモ属のつる性多年草。山野にふつうに生える。葉は対生し、三角状披針形で基部は心形、先は長く尖る。葉腋にしばしば珠芽(むかご💬種子ではなく栄養繁殖する芽。地上に落ちると発芽する)がつく。花期は7~8月。雌雄異株。雄花序は葉腋から直立し、白い小さな花を多数つける。雌花序は葉腋から垂れ下がり、白い花がまばらにつく。果実は蒴果。秋になると軍配を3つ合わせたような果実ができ、この中に種子がつく。種子は5㎜ほどの扁平な円形で薄い翼がついていて、開いた果実の隙間から風に乗って旅立つ。 長さ1mに及ぶ地下の根茎は自然薯と呼ばれ、独特の風味と粘りが人気の食材。ヤマノイモとナガイモは地中に肥厚して多肉になった根があり、これを晩秋に掘って食用にする。このいわゆるイモは、形態上は根だが、発生上は根とも茎ともつかないので、担根体と呼ばれる。多数のひげ根のうち1個だけ肥厚してイモをつくるが、これがどんどん生長していくわけではなく、春に古いイモの先端に別の新しいイモができ、新しいイモが古いイモから養分を吸収して大きくなる。つまり毎年より大きな新しいイモをつくるわけである。食べられるような大きさのイモになるまで4~5年かかる。栽培のナガイモに比べて、きめが細かく粘り気がある。また、秋になると葉腋に珠芽(むかご)をつけるが、茹でる、炒める、炊き込みごはんなどにして食べられるアンチエイジングメニュー。 里で栽培される里芋に対して山で生育するのが名の由来。山に自然に生える芋なので自然薯ともいう。 出典『野に咲く花』
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120
醜男
木大角豆(キササゲ) ノウゼンカズラ科キササゲ属の落葉高木。中国原産で江戸時代初期に渡来した。畑や庭に植えられ栽培される。民家の庭先に大木を見かけるのは、昔ながらの薬木であったことを伺わせる。地方の古い街の庭にこの木を植えている家は、ほとんどが昔は漢方医だったか漢方薬店だったのだという。また時に、川岸などで野生化したものが見かけられる。葉は桐に似た円形で秋に黄葉する。花期は6~7月、枝先の円錐花序に多数咲かせる。花は淡黄色、花弁の先が5裂した漏斗状で内側に濃紫色の斑紋があり、裂片の縁はちぢれている。果実は朔果。長さ30~40㎝のササゲに似た長い果実が枝から垂れ下がり晩秋に熟す。果実の中の扁平な種子は両端に長毛がついていて風にのって遠くまで飛ぶ。種子は荒廃した河川敷などで芽を出すとすぐ生長し育つと10mの高木になるが、高さ1m前後でもう花を咲かせて実を結び種子を作る。よく似たアメリカキササゲは北米原産で街路樹にされ、白い大きな花を咲かせる。 果実は梓実と呼ばれ利尿薬に利用した。10〜11月、果実が熟して弾ける寸前の蒴果をとって天日で乾燥させる。種子のなくなった鞘は薬としての品質が落ちるとされている。 名前は、細く垂れ下がる果実が野菜のササゲに似ていて、木だからキササゲとなった。キササゲを植えると雷が落ちないといわれ、雷電桐、雷の木とも呼ばれた。生長が早く避雷針の代わりになるという説がある。 出典『秋の樹木図鑑』『薬草の呟き』『樹木の名前』
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146
醜男
男郎花(オトコエシ) スイカズラ科オミナエシ属の多年草。野山の草地や道端の半日陰に生える。地上に長い走出枝を伸ばし、先端にロゼット状の子苗を作って殖える。葉は対生し、多くは羽状に分裂し、裂片は卵状長楕円形で頂裂片が最も大きい。茎の下部には白い粗毛が多い。花期は8~10月。花茎は直立し、白い花を散房状に多数つける。花は直径4㎜ほどで、5枚の花弁がある。花が終わると長さ約3㎜の倒卵形の果実がなる。果実になると小苞がうちわのような翼になり風に乗って散らばる。 男郎花や、よく似た女郎花(オミナエシ)を生けた水は腐った醤油のようないやなにおいがする。このとこから中国では敗醤と呼ぶ。漢方では両種とも根を敗醤根と呼んで消炎や排膿などに用いる。 男尊女卑の時代では、男は白い飯、女は粟の入った黄色い飯を食べた。男郎花によく似た女郎花は黄色い花が咲くが、黄色い小さなつぼみを粟飯に見立て、女飯(オミナメシ)が転じてオミナエシになった。それに対して男郎花の白いつぼみを白米に見立てた男飯(オトコメシ)が名前の由来とする説もある。また、女郎花よりも草姿が大きくて茎に毛が多く剛直な感じで男性的なのが名前の由来とする説もある。 出典『里山の植物ハンドブック』『野に咲く花』『秋の野草』
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137
醜男
盗人萩(ヌスビトハギ) マメ科ヌスビトハギ属の多年草。平地から山地の草地や道端、林縁などに生える。根もとはやや木質化する。葉は3小葉からなる。頂小葉は長さ4~8㎝、幅2.5~4㎝の卵形~長卵形。側小葉はやや小さい。花期は7~9月。花は細長い花序にまばらにつき、淡紅色で長さ3~4㎜。節果には長さ1~3㎜の柄があり、ふつう2個の小節果からなる。小節果は長さ5~7㎜の半月形。種子は小節果の中に1個でD字形。黄褐色~茶色でやや光沢がある。節果は表面にかぎ状の毛が密生し、動物などについて運ばれる。 江戸時代以前の多くの盗人は、人にそっと取りつき金や命を奪った。この花の果実も知らぬうちに動物や服のあちこちにつくため盗人の名前がついた。そして、花が萩に似るので萩を加えた。金品をつつんだ大風呂敷を背負い、抜き足、差し足、忍び足で歩く盗人がつま先で歩いた足跡の形とこの花の果実の形が似ているので盗人と付いたという説もある。 より日陰に生える藪萩(ヤブハギ)との間に様々な段階の雑種があり、どちらとも決めかねる個体もある。よく似た荒れ地盗人萩(アレチヌスビトハギ)は北アメリカ原産の帰化植物で、豆果が3~5つにくびれるが、本種ほどくびれないのが特徴。 出典『野に咲く花』『野草の名前』
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