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エライオソームの一覧

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醜男
紫華鬘(ムラサキケマン) ケシ科キケマン属の2年草。やや湿ったところに生える。軟弱な草で強い雨に打たれたりすると茎はなかば倒れるが、日がさせばすぐ元にもどる。全体が柔らかく、傷をつけるとやや悪臭がある。葉は2〜3回羽状に細かく裂ける。花期は4~6月。花は茎の上部にびっしりと総状につき、紅紫色で長さ1.2〜1.8㎝。まれに花が白いものもある。果実は蒴果。長さ1.5㎝ほどの狭長楕円形。種子にはエライオソームがついていて蟻が運ぶ。全草にアルカロイドのプロトピン、サングイナリンなどの毒成分を含む。プロトピンはムラサキケマンばかりでなく、多くのケシ科植物に含まれていて、軽い鎮痙、鎮痛の作用がある。この毒草を飲むと、涙と唾液の分泌が増え、心筋運動に障害が現れて、痙攣を起こす。死亡するほどの毒性ではない。 名前は紫色のケマンソウという意味。ケマンソウは花が垂れ下がってつく様子が『華鬘(けまん)』に似ていることが名前の由来で、鯛釣草(タイツリソウ)とも呼ばれる。華鬘とは仏像の胸あたりの装飾品で、うちわ形の金属に蓮の絵などを描いたもの。仏堂の欄間の飾りなどにもいう。本種はケマンソウとも華鬘とも似ていないが、ただ同属というだけでケマンの名を借用した。 出典『野に咲く花』『春の野草』『薬草の呟き』『野草の名前 春』
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醜男
片栗(カタクリ) ユリ科カタクリ属の多年草。落葉樹林の林下に群生する。葉は淡緑色で紫褐色の斑紋をもつことが多く、はじめ1枚で、開花するときは2枚になる。花期は3~5月。地下深く長さ3〜5㎝の長楕円形の鱗茎(りんけい💬俗にいう球根)があり、この先端から地上に20㎝ほどの花茎を伸ばし、花茎の先に1個の花を下向きに開く。花弁の付け根にはW字形の蜜標識(ネクターガイド)がある。花は日が当たると開いて反り返り、夕方に閉じる。雨の日や陽射しがない日は花を開かない。果実は朔果。中に20~30個の種子がある。果実は成熟すると先端が3裂して種子を落とす。種子にはエライオソームがついていて蟻が運ぶ。木々に葉が茂り林内が暗くなる新緑の季節を迎える頃には地上部は枯れ、地下貯蔵器官と種子を残して休眠する。 カタクリがまだ寒い早春に花を咲かせるのは次のような理由が考えられる。カタクリの花が咲く時期は林の樹木にまだ葉がないため、地上まで光が到達し光合成ができる。樹木の葉が展開する5月頃までに1年間に必要な栄養分を蓄積し、6月頃から長い休眠に入る。他の植物が生育を始める前のまだ寒い時期から花を咲かせることで競争を避けるという生き残り戦略である。 カタクリは種が発芽して花が咲くまで8年以上かかる。8年間は毎年葉を広げるだけで、ひたすら栄養を蓄積する。他の花と比べると光合成できる期間がわずかなため、花を咲かせるだけの栄養分を蓄えるのに8年かかる。開花するようになってからは10年以上に渡って毎年花を咲かせる。 地中深くに長楕円形の小さな鱗茎があり、かつては片栗粉の原料とされた。現在の片栗粉はジャガイモのでんぷん。 名前は、花が咲かない片葉に鹿の子模様がはっきりと現れることから、片葉の鹿の子で『片葉鹿の子』が『カタカゴ』になり、転訛してカタクリになった説がある。他に、葉が栗の葉の一片に似ているなど諸説ある。 出典『春の野草』『都会の草花図鑑』『人が学ぶ 植物の知恵』『薬草の呟き』
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醜男
姫踊子草(ヒメオドリコソウ) シソ科オドリコソウ属の2年草。1893(明治26)年に東京の駒場で発見されたヨーロッパ原産の帰化植物。今では日本各地の道端、空き地、河川敷など日当たりの良い場所に群生する。葉を積み重ねた三角錐の形と、シソの葉のような赤紫色は、遠くから眺めてもすぐにわかる。どこでも群生し、しばらく放っておかれた畑などでは絨毯のような景観となる。多くは秋に芽生え越冬してから成長するが、春以降芽生えることもある。葉は重ならないように生える。新しい葉が生えるときは下の葉を陰にしない位置に出る。下の葉ほど葉柄は長く面積が大きく、すべての葉に太陽の光が当たる。葉は花時には暗紫色で、やがて緑色になる。花期は3〜5月。花は淡紫色、シソ科特有の唇形花で上唇と下唇がある。上唇に沿って雄しべがあり、花粉はオレンジ色。下唇の一部が前に突き出て昆虫の着陸場になり、蜜のありかを知らせる濃紅紫色の蜜標がある。種子にはエライオソームがついていてアリが運ぶ。 名前は、踊子草(オドリコソウ)に似ていて小さいため姫が付いた。オドリコソウは花の形を笠をかぶった踊り子に見立てたのが名前の由来。海外ではred dead nettle(トゲのない赤いイラクサ)と呼ばれ、若い茎葉と花が食用にされる。 出典『雑草のはなし』『都会の草花図鑑』『春の野草』『帰化&外来植物見分け方マニュアル 950種』
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醜男
木通(アケビ) アケビ科アケビ属の落葉つる性木本。雑木林や林縁に生え、根本から多数のつるが出てほかの木に巻き付いて高く登る。5枚の小葉は掌状複葉。花期は4~5月。花に花弁はなく、花弁に見えるのは3枚の萼片。雌雄同株で、紅紫色の雌花が花序の基部に1~3個つく。雌花には蜜も花粉もないが、大きくて目立つので虫は騙されて誘い込まれる。雌花より小さな淡紫色の雄花が花序の先に5~10個、下向きにつく。秋になると紫色に熟す果実は縦に裂ける。中の白い果肉は甘く、鳥獣に食べられ散布される。種子は黒色、エライオソームがついていて蟻が運ぶ。アケビ類は籠編み材、薬用、食用に古くから現代に至るまで親しまれている。果実の皮を油で炒めて食べる地方がある。また、春先に若葉や若枝を木の芽と呼んで浸し物、胡麻和えなどにして食べる。種子からアケビ油が採れ、ドレッシングに。 果実が熟すとぱっくり開くので『開け実』が語源。果実の色に由来する『朱実(あけみ)』との説もある。木通はつるを切って息を吹きかけると空気が通ることからついた。 アケビと近縁種の違い アケビ ・小葉は5枚で全縁(ギザギザなし) ・花色は薄紫色 ・果実は細くて小さく果皮は薄い ・果実は熟すと裂開する 三葉木通(ミツバアケビ) ・小葉は3枚で波形の鋸歯(ゆるいギザギザあり) ・花色は濃暗紫色 ・果実は大きく果皮は厚い ・果実は熟すと裂開する 五葉木通(ゴヨウアケビ) ・アケビとミツバアケビの自然雑種 ・小葉は3~5枚で波形の鋸歯(全縁もあり) ・花色は暗赤紫色 郁子(ムベ) ・小葉は3~7枚で全縁(尖った葉が基本) ・花色は淡黄白色 ・果実は小さい ・果実は熟しても裂開しない 出典『樹木の事典600種』『里山の花木 ハンドブック』『里山のつる性植物』『薬草の呟き』
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