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良し、行くぞう
♪車にポピー、ポピー。 90年代後半から、ポピーの花を見たらこのフレーズがしばらく頭から離れなくなるというオール阪神・巨人師匠の呪いにかかっている。 先日「くりはま花の国」という大きな公園に行った。 園内は季節の花やハーブがたくさん植えられており、初夏までのこの時期は一面ポピーが広がる「ポピー畑」という広大なゾーンが存在する。 ポピー畑は夏~秋にかけてコスモス畑へとチェンジするらしい。 まさに行った当日がポピー畑の最終日ということで、無料のポピー摘み大会が開催されていた。 不思議なもので、リュックの中からハサミとキッチンペーパーに輪ゴムと新聞紙、おまけに持ち帰るビニール袋まで出てきた。 計画どおり(ニヤァ)とほくそ笑む自分もポピー畑へ身を投じ、写真のポピーも含め戦利品をたくさん摘んできた。 その数、ツボミを約60本。 少々本気を出しすぎた気がする。 帰ってからようやく置く場所も花瓶も足りねぇぞと気づいたのだ。 「これでしばらく花が潤うわぁ」と近くで摘んでいたご婦人が嬉々として仰っていたが、ご婦人はもっと摘んでいたので潤いすぎてビッショビショなんじゃないかと想像する。 うちも潤いすぎてビッショビショになる前にと近くの知人にお裾分けし、置く場所も花瓶もなんとか事足りた。 足るを知るのは本当に大切だと数日前の自分にこっぴどく伝えたい。 時折カサッ…という音がして、見に行くと床に小さな殻を落とし、ツボミだったポピーがまた一輪開いている。 それがあと30本分は続くだろう。 殻と花ガラの掃除は面倒だが、ポピーの息吹を感じるのは楽しい。 無邪気にくねる茎もポピーの可愛いところ。まとめて生けるとやはり楽しい。 水揚げも場所の確保も大変だったが参加して良かった。 次は秋のコスモス摘み大会に行こうかと目論んでいるが、「足るを知る」のタトゥーでも彫らないとまた同じ轍を踏みそうである。 銭湯好きな自分はタトゥーを入れないので、おそらく足るを知ることを忘れる可能性が2割、3割、5割増し。
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良し、行くぞう
10ウン年ぶりに有名テーマパークへ。 どんな世情の時に行っても混んでいるが、歩くだけでもとても楽しい。 ちなみにカチューシャは使わない主義である。 帰り道、頭から外す瞬間に人生が燃え尽きてしまいそうな気がするからだ。 これまで行く季節がずれていたのか、来てもチュロスばかり見ていたのか、今回初めてディズニーランドローズというバラが美しく咲いているところに出会った。 香りを確かめたくて柵の隙間から頭をねじ込もうとしたが、ニュースで見かける中国の子供みたいになりそうだったのでやめた。 オレンジ色の咲き始めから、段々とキッチュなピンク色へと変わっていくらしい。大輪房咲きの美しく面白いバラ。 本国の担当者がディズニーの名を冠するにふさわしいバラを選ぼうと、作出されたてホヤホヤ・命名前の3種類からたったひとつ決めたのがこのバラだとか、違うとか。 2003年に作出された比較的新しいバラだが、あまり虫と病気に強くないらしく、栽培においては中上級者向けと称されている。 しかしながら、虫も病気も蒸れも一切なく、花を差し置いて木のコンディションを取っても美しい。 たぶんティンカーベルが魔法の粉を水に溶いたスプレーにして、こまめに散布しているのだろう。 シンデレラ城にも、黄昏ていく空にも似合うバラ。 ディズニーランドは本当によくできている。 ただ、もしこれとは違うバラがディズニーランドローズだったとしても似合うとか言いそうなので、自分の尻軽さが時々嫌になる。 バラは健やかそのものだったが、自分は帰ってからというもの小さな世界を鼻歌で歌い、ハイターを使いながらカリブの海賊を思い、ことあるごとにアプリでダンボの待ち時間をチェックしたくなってしまうという、ある種の病気にかかったようである。 ディズニー恐るべし。
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良し、行くぞう
今年はアマリリスの花がもうひとつ花芽を連れて還ってきた。 冬の間、ただの玉ねぎだった球根がまたも植え替えそびれたまま芽を出し始めてしまい、2年前に根詰まりで花がチンクシャになったことを思い出し鳥肌が立つ。 自分の頭の中の出川哲朗が「ヤバイヨ、ヤバイヨ!マジデマジデ!」と叫ぶなか手近にあった鉢に急ぎ植え替えた。 しかし、所詮は手近な鉢。 たいして広くならなかった。 それどころか無理してブチ込んだおかげでウォータースペースは皆無。 果たして意味はあったのか。 お気の毒なアマリリス。 しかしお気の毒な環境でもめげなかったアマリリス。 こうして花茎をグイィッと伸ばし、今年も見事な花を咲かせたのだ。 しかも育ててきて今回初めての2本目の花茎というオマケつき。 花茎が立派すぎて玄関前ではカメラから見切れてしまうので、わざわざ廊下の消火器前まで担いできて引き目に写真を撮った。 ところが建物の横線が奇しくも囚人の写真によくある身長を測る線のようになってしまい、せっかく花を咲かせてもバエない。彼女はやはりお気の毒なアマリリス。 ともあれ植え替えはうまくいったので、あとは気長に楽しむのみである。 咲かぬなら 咲くまで待とうアマリリス ───良し、いくぞう
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良し、行くぞう
昨年の「ガーベラの日」という売り場のポップを見て衝動買いしたあのガーベラがファイトォォ!一発! 今年も花を咲かせた。 昨年の投稿を見返したら、もう少しピンクっ気が強かったように思う。 おそらく持ち主に似て少し可愛げがなくなったに違いない。 これはこれで好きなのでOK牧場。 昨年は花が終わってからというもの、なんだか小松菜を育てているような気持ちになる葉だけの風貌になった。 そのニセ小松菜もとうとう冬には消え、それと共にこの鉢へのやる気も消えて、「何かが生えていた鉢」という無惨な姿で玄関入口に転がされていたのである。 自分は水をやったかどうかも覚えていない、春になったら何か植えるからとりあえず置いとこう程度のやる気しかなかったのに、ガーベラはそうではなかった。 風と日差しの中に春が見え隠れし始めた頃、ふいにニセ小松菜が戻ってきているのを見つけた瞬間、自分はガーベラの生命力にアッチョンブリケ!となり、心を入れ替えたのである。 ズボラを発揮して春まで転がしとけばいいやという姿勢は反省するに余りあるところだが、これほどの生命力と可愛らしさを併せ持つガーベラ。 もう少し力を入れて(真面目に)育てようと思ったのだった。 むか~し昔のことじゃった。 悪さばかりしていたズボラ妖怪良し、行くぞうはガーベラ和尚に退治され、お叱りに心を打たれたのじゃった。 それ以来、五穀豊穣を司り、花に水をやるのが好きな妖怪になったのじゃ。朝、花の近くに水が垂れていたら、それは日の出と共に現れた妖怪良し、行くぞうの仕業と言われておるぞ。 この妖怪には、KIRIN力水と塩大福を供えるとたいそう喜ぶそうじゃ。 チャンチャン。
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良し、行くぞう
夏が来る 嗚呼夏が来る 夏が来る そう思って早々とペチュニアを植えてからもうじき1ヶ月、「いっそ梅雨だと言ってくれ」と思い、窓の外で降りしきる雨を見てため息をつく日々が続いていた。 これが梅雨じゃないのなら、この後まだまだ雨が続く本チャンが待っていると思いたくなかったのである。 ペチュニアも植え替えられて、さぁやるぞと思っていたのに日照が足りないせいで、咲くに咲けない日々を過ごしたに違いない。 天気予報が変わりに変わって晴れる日も増え、ようやく植え替えて第一号と第二号が咲いた。 早々と購入したので花の様子はラベルのイラストと品種名だけが頼り。 ようやっと咲いた花を見て「よしよし可愛いぞ」と思ったのも束の間、今度は品種名を忘れたことに気づいてため息をついたのである。 品種名が書かれたラベルは植え替えた翌日にゴミ収集車へ載せられ、旅立っていったのだ。 くそぅ!どうしてこうなった… ジャックバウアーのようにクソォ!と吐き捨てて受話器をガシャンと置きたい気分だ。 汚い言葉なので悪態はこれくらいにして、ワールドワイドウェブを駆使して同じ品種をとことん探したが見つからない。 これでは謎ペチュニアになるではないか。 冗談じゃない。498円もしたんだぞ。 どんぐりガムがいくつ買えると思っているんだ。天文学的数字だぞ。 自分の焦りと悔しさをよそにやっと来た晴れを満喫するペチュニア。 自分の負けだ。もう謎ペチュニアとして育てるしかない。 チーン。 モダンなんちゃらみたいな気もするし、なんちゃらショコラみたいなうまそうな名前だった気もする。 負けを認めたにも関わらずしつこく思い出そうとするがやはり出てこない。 こうなりゃ「探さないでください」と書き置きを残して行方をくらまし、山奥のひなびた宿で住み込みの仲居でもしないといたたまれないほどショックなのだが、謎ペチュニアが可愛いのがせめてもの救いである。 謎ペチュニアに免じてワケあり仲居になるのはやめておこう。
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良し、行くぞう
子供の入園直後、担任の先生による家庭訪問があるとの話だったので、慌てて玄関周りの片付けと掃除をし、ついでにおもてなしの花まで飾った。 それがこの、トルコキキョウとアルストロメリアである。 少々デカイ買い物をしたので財布の軽量化が進んでいる。 吹けば飛ぶだろう。がま口型の未確認飛行物体だ。 月刊ムーが黙ってない。 なので、なるたけ持ちの良い花かつゴージャスに見える花をと思い、この2種を選んだのだ。 これで、良しくんのお宅は花と緑がいっぱいねウフフと言ってもらえるだろう。 計画どおり(ニヤァ) ところがどっこい家庭訪問当日。 先生が登場するほんの数分前に、かのデカイ買い物をしたブツが届いてしまった。 ブツというのは何を隠そう、電動アシストチャリンコである。 配送業者さんにお礼のリポビタンDを渡しているところへ、先生が現れたのである。 チャリを覆う巨大ビニールがアパート入口でガサガサとはためく。 「わー、ちょうど届いたんですね。せっかく外でお会いしたので、ここで結構ですよ」 ここで結構ですよ…ですよ…すよ… なんということだ。 せっかく室内におもてなしの花を飾ったのに、先生は砂利の上から動かないではないか。 先生、信じてください。 うちは花と緑がいっぱいなんです。 珍しくちゃんと花瓶に生けたんです。 おもてなしの花なんです。 そんな思いもむなしく、先生はまた明日幼稚園で~と言い残し、去っていった。 誰のことももてなせなかった花を飾ってから一週間、今日もメリアとトルコはへこたれることなく玄関で笑っている。それどころか、ツボミまで開いてバラのようになってきた。 おもてなしという役職からあっさり放たれた今も、花は健やかである。 アルストロメリアは花粉の粒を外し、豆ほどの大きさのツボミは咲きにくいので購入後すぐカットすると持ちがグンと良くなる。 トルコは茎をハサミで切るのではなく指で折ると水揚げが良くなる。中心の雄しべ雌しべにカビが生えていないものを選ぶと持ちが格段に良い。 というのを忠実にやったのにこのザマだ。 仕方がないので、誰のことももてなせなかった悔しさを切り花豆知識に変えて、結びのご挨拶とさせていただきます。 チーン
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良し、行くぞう
風に乗っていい香りがしてきたので、向こうから美人でも来るのかと思っていたら、ツツジであった。 この時期たくさんのツツジが花を咲かせているが、個人的にこの平戸ツツジの香りが好きだ。 一番蜜が甘いのは赤紫のあいつだと思うが。 この世には、やれムスクだアンバーだと色々な香水が売られているが、誰かツツジの香りと銘打った香水でも作ってくれないだろうか。 フルール・ジャポネズなどという名で日本の花シリーズにして、ウメ・ツツジ・沈丁花に水仙など、日本に自生する花に特化した香りをまとえば、レッドカーペットの上に立つセレブ達も 「オゥ、サッチャエキゾチックジャパン」 と甘いため息をつくこと請け合いだ。 と、いつか世界的な調香師ジャン・クロード・エレナにでも会えたら言ってみようと思うが、エルメスお抱えの世界的なフランス人調香師がこんな辺境に現れるのはおそらく天地がひっくり返っても無理だろう。 そして特筆すべきは、このツツジがよそのお宅の生け垣だということだ。 人様のお宅で何をやっている。 春は馬鹿をより馬鹿にさせる。 そんな拍車のかかった馬鹿は淡い夢を胸にしまって、今朝も一人、レッドカーペットではなく川っぺりでツツジの香りに甘いため息をついてきたところである。
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良し、行くぞう
本日午後3時、 開花を宣言いたしました。 花のサイズはバファリン一粒ほど。 優しさはどれくらい含まれているだろうか。 こんなにも小さい花でありながらパールホワイトという感じの柔らかな光沢があり、鼻を近づけると梅にも似た甘い香りがする。 そして、アングレカムの一族ならではの特徴ともいうべき距(キョ)というパーツも、後頭部にちゃんとついている。 が、それを確認できそうにない写真しか撮れなかったので偉そうなことは言えない。 何しろ相手はバファリンサイズ。 距(キョ)を取るか、顔を取るかと秤にかけたらとりあえず今回は顔にしとくか、ということになったのだ。 こんなにも小さいのにパーツがしっかりしているのを見ると、自然界の精巧さに芸術性をも感じる。 この、写せなかった距(キョ)というパーツに関するプチ情報なのだが、 NHK「ダーウィンが来た」でおなじみの自然科学者チャールズ・ダーウィン。 彼は、このアングレカムのキョというパーツを見ただけで 「このキョがある花から蜜を吸うために、他にはない特殊な機能を備えた蛾がいるに違ぇねぇ」 と予想した。 残念ながら存命中に彼自信が確かめることは叶わなかったが、後の世でダーウィンの予想どおり、本当に特殊な機能を持つ蛾が発見され、その蛾はまさにアングレカムの蜜を吸っていたのである。 植物の姿形だけを頼りに導きだした新種の存在をチラつかせるダーウィンがすごいのか、ダーウィンにとんでもないインスピレーションを与えるアングレカムがすごいのか。 答えはわからないが、こういうことはとりあえずキョの撮影ができてから語れよと我ながら思うのでこのくらいにしておく。
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良し、行くぞう
ブラタモリのどか改めブラサボラ・ノドサ。 購入時から謎のツノを生やしていたのだが、少しずつ大きくなってきた。 君は花芽なのか。どうなんだ。 頼む!教えてくれ! じゃないとあいつが…あいつが…ッ やはりそう言って肩を揺さぶりたくなるが、硬い葉がバインバインと揺れるだけなのでそっとしておく。 何より、花芽だろうが新葉だろうがどっちだっていいのだ。 実は今年に入って我が家では 「ランが咲かない問題」について白熱した議論を展開していた。 自分は 「まだ幼いから花がつかないだけで、心配などいらない」 と主張するのに対し、家人は 「光と湿度が足りないから咲くもんも咲かないんだ」と言って譲らない。 それではこちらの管理不行届きだと言いたいのか。 毎昼夜霧吹きは欠かさないし、洗濯物を干したらベランダから光が入る場所へ全員移動しているぞ。 洗濯物のおかげで遮光率30~50%が自宅で再現できているのだ! 主婦の知恵袋だ! それを足りないとは何だ! ダッフンダ! こちらがどれほどダッフンダと言っても、見事に咲く他人様のラン写真を見てコンプレックスを拭い去れない家人もダッフンダと言う。 「咲く・咲かない」という、何の肥料にもならない不毛な罵り合いに疲れた数日後、Amazonから小包が届いた。 全くなんて野郎だ。 届いたのは、家人が注文した植物育成用の紫外線照射ライトだったのだ。 身銭を切ってまで光量不足を証明したいのか。 全くなんて野郎だ。 腹が立つから早速つけてやった。 それからしばらく経つ。 今度はライトをつける時間帯でモメているが、まぁランたちとしてはまんざらてもなさそうなのが却って悔しいのだ。 ライトのスイッチを入れながら歯ぎしりしている。 おかげと言っちゃ癪に触るが、ブラサボラのツノは順調に大きくなっている。 これが花芽なら嬉しいが、新葉だったとて嬉しいのだ。 なぜなら、(ライトを導入したところで)生えたのは葉だったねと言えるからだ。 ライトのおかげによる花芽を邪魔する気はないが、もしこれが葉だったら、ライトを導入したところで結局ランの気分次第なんだよと、逆にこちらが証明してやりたい。 ランが元気でいるならば、花が咲こうが咲くまいがランに任せておきたいのだ。 なのでもう一度言う。 蕾でも葉でも、どっちだって良い。 元気が一番なのだ。 葉は真っ直ぐシャキッとしているが、自分は若干ひん曲がったような気がしている。
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良し、行くぞう
うちの奇抜担当のアングレカム・ディスティカム。 購入して8か月だか9か月だか。 奇抜な形、奇抜な新芽の出し方、まさしくうちの奇抜を担当する奇抜なやつ。 よく見れば中心の枝、いや中心の葉、いや中心の茎…? 奇抜すぎて正式名称がわからないからもうこの際何だっていいだろう。 とにかく中心のコレからソレが出てきたのだ。 脇芽とは違う、黄緑色のソレが中心の枝のような茎っぽい葉に見える節間から頭を出しているのがおわかりいただけただろうか。 君は蕾なのか。どうなんだ。 正直に話したまえ。 そう言って肩を揺さぶりたいが、揺さぶったら折れてしまうだろう。 そして、そもそもどれが肩なのかもわからない。 そっとしておこう。 ともかく、何を苦しんだか覚えていないが苦節8か月。 ようやっと蕾(らしきもの)が現れたというわけだ。 今まで水やりのたびに所どころ同じような箇所から白くカサカサした何かが出ているのを見つけており、 「まさか今までのは蕾で、知らないうちにシケらせていたのでは…」 と顔にタテ線が入る。 ちびまる子ちゃんのアレだ。 しかし仮にシケていたとて真相は闇の中。 こうなりゃ自分はこの蕾だとおぼしきものを死守するのみである。 藤原紀香は水素水をかけるかもしれないが、自分は小市民らしく蛇口の水を霧吹きに蓄えて、今日もボディーガードのケビンコスナー気分で奇抜な依頼主の蕾を守るのだ。
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良し、行くぞう
舗装されたコンクリートのわずかな隙間に根を下ろし、 後ろでチヤホヤされながらこんもり咲くパンジービオラに対抗しているのか、 「わたしは自分で咲けます!」 と、これ見よがしな至近距離で街角のビーナスと化しているガッツ溢れるスミレを見つけた。 街角っちゅうかあれやな、コンクリの角やんか。本気でやっとるんやろ? ネタも根も突き抜けてんねんやんか。 こっちも本気でやっとるからわかるで!それが出たんやと思うわ。 いやぁこらホンマにおもろいなぁ。 むっちゃ好みやで。いやホンマに。 私はスミレが優勝やと思っとるわ。 いやーもうホンマ…後は聞かんといて! えみちゃんもそう言ってくれるだろうか。 たぶん一歩足を踏み入れたらもう戻っては来られないだろうと思い、あえて敬遠しているカルチャーのひとつが宝塚だ。 もうかれこれ数年、スミレを見ると 「スミレの花~咲く~頃ォ~」 と頭の中で良し行くぞう歌劇団が歌い出すのだが、これも立派な宝塚の影響だと思うのだ。 ここまで来ていながら周囲に話すことが出来ないのは、呆れられてしまうのが怖いのと、劇場へ連れて行かれることが怖いからだ。 なのでこれは自分とスミレだけの秘密である。
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良し、行くぞう
アネモネがふっくらぽってりと揺れる朝7時の寄せ植え。 忙しくしていた間に、蕾も早7番目。 ムスカリも峠に差し掛かり、若干集合体恐怖症をくすぐる出で立ちとなった。嗚呼ムズムズ。 自分はギリギリにならないとやる気が出ない脳を持っており、人生ウン十年、その脳の働きに苦しめられている。学生時代の毎年8月31日の過ごし方が良い例である。 現実なんて気にしない。 それワカチコ、ワカチコ。 とやっていたが、幼稚園グッズをあと2日で全て用意するというミッションがあらわれた! 否。本当は一ヶ月前からあらわれていたのだ。 自分が視界に入れないよう寄せ植えばかり見ていたのだ。 大人になんかなりたくない。 植物だけ見て楽しく暮らすのさ。 そう、自分は寄せ植え界のピーターパン。 鉢はまさしくネバーランドなのだ。 しかし学生時代と違って今度は家族の命運がかかっている。 ネバーランドでチンタラやっている場合ではない。 「ムーン締切パワー!メーイクアップ!!」 こうしてピーターパンは締切戦士へ姿を変え、血走った目で当日の明け方までミシンを走らせてなんとか事なきを得たのであった。 締切戦士は縫い物だけではなく、寄せ植えの水やりと花ガラ取りもやってくれていたらしい。 期日を乗り越えピーターパンに戻った自分にはその辺の記憶があまりない。 もう少しワカチコする時間配分を考えないとと思うのだが、こうしてアネモネがいい感じにネバーランドを彩っているのを見る限り、きっとまた戦士が現れることになる予感がするのだ。 自分をピーターパンにしてしまうのは自分なのか、花なのか。 植物というのは本当に恐ろしいものである。
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良し、行くぞう
ブラサボラ・ノドサ Brassavola nodosa うっかり「ブラタモリのどか」という韻を踏んでしまいそうなので、こちらも書いてメモをした。 「生産者さん追っかけショッピング」にて購入したもうひとつのランがこちらである。 すんごい尖っている人。 ガッチガチに尖ったランなど初めてだ。花は無くともこの硬さがたまらない。 前回投稿したサーコキラスa.k.aサー子ちゃんは香りそうで香らない花なのに対し、このトンガリ君は緑×白の香りつき花が咲くらしい。 どのような香りなのか生産者さんに伺ったところ、 「なんというかこうスーッとするにおいね!」 とのことだった。 出た。このスーという形容詞。 ウン十年生きてきた自分は、フローラル系、シトラス系、ムスク系、サロンパス系などの香調が、すべて 「スー」の一言で表現されているのを幾度となく見てきた。 つまり「スーッとする」という形容詞は汎用性が高い反面、自分なりのスーを思い描いてしまうと肩透かしを食らうおそれのあるワードなのだ。 ここは慎重に、慎重に。 夜半、気になって海外の植物フリークのSNSを覗き、このブラサボラの香りについてコメントしているカリフォルニア在住の男性を見つけた。 「丁子(クローブ)とナツメグを合わせたような、甘くて美味しそうな香りが夜に匂ってくるぜ」 美味しそう…だと…? 美味しそうな香りをスーッと呼んだことは一度もない。 そんなに美味しそうでスーッとするのか。 あぁ気になる。 生きてその香りを確かめねば。 しかしながらその彼が、ランだけではなく彼自身の上半身裸の写真もバンバン投稿している「上裸guy」なのもひどく気になる。 何なのだ。プロフィールにはチェロ奏者と書いてあるじゃないか。 君は脱がなくてもやっていけるだろう。 なぜ見事に咲いたランの横に立つ写真まで上裸なのだ。 大正生まれのうちの祖母が存命だったらその姿を見て 「あぁ~おっかないねぇ」 というに決まっている。 顔を覆った指の間からしっかり見てそう言うはずだ。 しかしこういう人に限ってランを咲かせるのもチェロの演奏も上手かったりするから、カリフォルニアというのは人を見た目で判断しがたい怖い場所である。 果たしてセロ弾きの上裸は正しいのか。 甘くて美味しそうな香りはするのか。 ちゃんとこの鼻で確かめるべく、日本のイチ植物フリークは服を着てお世話に邁進している。
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良し、行くぞう
Sarcochilus Kulnura Crystal (サーコキラス・クルヌラ・クリスタル) 久しぶりに、メモに書かないと覚えられない名前の植物と出会った。 オーストラリア原産の着生ランだ。 しかしながら学名も大文字入ってるので、これは両親がいる交配種。 よく行く巨大園芸店で、原種カトレアを買った時の生産者さんが出張販売会をやっているという情報を得た。 しかも今日が最終日というではないか。 知ったのは昨日だ。 クッ…これだから情報弱者は… そんなわけでバビューン!と、トムとジェリーのあの音をさせながら小走り気味に現場に向かい、二種類購入したうちのひとつがこのラン。 開花写真を見たら、5枚の丸い花弁。 そう、まるで梅だったのである。 昨日梅林に行ったばかりの自分はまんまと梅にあてられているらしい。 ランといえば良い香りがするものもあり、できればそれも楽しみたかったのだが、 「そうなのよ、形からして香ると思うでしょう?しないのよ~」 という生産者さんのお言葉がむしろ妙に楽しく、写真の大株はまるで 「梅のナイアガラや~」 と彦摩呂が叫びそうな勢いでたくさんの花を枝垂れている。 なので香りはさておき欲しくなったわけだ。 目指せ、枝垂れサーコキラス。 目指せ、ランのナイアガラ。 自分も彦摩呂になりたい。 目指せ、大株。 彦摩呂のくだりは生産者さんにはとても言えない。世間体は守りたい。 ともあれこうして梅の精と彦摩呂にたぶらかされて、このサーコキラスが我が家に新加入したのであった。
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良し、行くぞう
横須賀市・田浦梅の里に行ってきた。 よく晴れ、よく咲く白梅。 梅林をそよぐ風が魅惑の芳香を運んでくる。 頂上付近の白梅はおおむね満開、心臓をビリッビリに破る階段の途中はまだまだ3分咲き。 今週以降もまだまだ楽しめると思うが、来週もう一度行きたいと思いつつも自分の大腿筋とヒラメ筋が 「どんだけぇ~」 と叫んでいるのは無視できない。 山と階段は下りがつらい。膝と足首にくる。 梅を見に行くなら頑張れるが、帰り道だんだん梅のない世界へ戻るにはあの階段が心身ともにつらいのだ。 手製のサンドイッチを持って行ったが、リュックの中で押し合い・へし合いだったのだろうか。 食べようとリュックから出したら、マイク・タイソンに打たれたあとのようになっていた。 きっとおにぎりにしてもタイソンには勝てなかっただろう、あいつが強すぎたんだよと自分を慰める。 約3000本の梅に囲まれ、かぐわしい香りに包まれてどれほどはしゃいでいたのだろう。 撮った写真のほとんどに自分の指が写っていた。 これでは台無しじゃないか。 何をやってるんだ。この汚いブタ野郎。 大腿筋とヒラメ筋に謝れ。 タイソンと指先に苦しみつつも、田浦梅の里はとても良かった。 梅を見る人々の表情の、なんと素晴らしいことか。 梅の向こうに東京湾の水平線や沖を漂う貨物船が見えたり、トンネルから出てきた京急の赤い電車と梅のツーショットが撮れたりするのはこの梅園の良いところ。 指先さえ邪魔をしなければそっちを載せたかったのに。 なんて日だ。 せっかくなので、霞のような梅に淡く染められた里の景色をどうぞ。
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良し、行くぞう
八重の水仙を見つけた。 たまに通る道だが、反対側にはめったに渡らない。 今日たまたま魔が差して渡った場所の、おそらく自治体が管理していると思われる道路脇の植え込みにそれはいた。 おいちょっと待て。 水仙にしちゃ様子がおかしいぜ。 よく見てみろ。 自分の中の植物刑事(デカ)がそう呟いたもんだから、近づいてみたら八重咲きの水仙だったのだ。 初めて八重の水仙を見たのだと思うが、なんかこう、なんというか、 やけにクシャクシャしてるなぁ というのが第一印象。 しかしながら外側の花びらは精一杯水仙らしくいようとしているように見えて面白い。 思ってたこの世の八重全般とは結構違うので、水仙に関してひとつ利口になった気がする。 この水仙の群落、八重咲き水仙と肩を並べる近さにノーマル日本水仙も植わっている。 そのため、植物刑事が指摘しないと二つの水仙の違いに気づきにくい。 そして、植物刑事は不自然な点に気づく。 道路脇の植え込みはそれぞれ水仙やツツジが植えられて連なっているが、八重の水仙が生えているのはこの植え込みだけなのだ。 果たして自治体がこんなイタズラ心溢れる植え方をするか。 造園屋は町の植え込みなんかで遊ぶものなのか。 植物刑事は思案を巡らせたうえ、ひとつの仮定を立てた。 「水仙の横にわざと異なる水仙を植え、誰か気づくかなぁと陰ながら一人ほくそ笑む地域住民によるゲリラ園芸なのではないか」と。 残念ながら捜査は打ち切りとなったため真相は掴めず、迷宮で笑う八重咲き水仙。 間違いないのは、陰ながらほくそ笑むゲリラがここにもう一人誕生したということだ。
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良し、行くぞう
アセビ 花まみれ、の図。 「I amツツジ科!」との主張をまざまざと見せつける、特徴的な小さい壷状の花。 花材として見れば、花がなくともその枝振りはどこを取っても美しく、壷に花を生ける際には「ブチ込むだけでなんか解決」という頼もしい枝物だったのを思い出す。 庭木として奔放にさせておくとこのように花まみれの茂みと化すが、それもまたアセビパワーがウズウズとしていて面白い。 そんな奔放なアセビとは、相模国一宮でおなじみの寒川神社で出会った。 皆が荘厳な本殿と大きなねぶた飾りにカメラを向けているその横で、自分はひたむきにアセビを撮っていたのだが、仲間もライバルも一人として現れなかった。 大丈夫だ。悲しくなどない。 自分は後厄になるのだが、嘘か真か、「後厄が一番ヤバいらしいよ、だってほらフィナーレじゃん、厄の。」 という誘いを受けて、厄の実施期間もあと一年という頃合いなのだが初めて厄落としのご祈祷を受けに寒川神社へ行ったところ、このアセビと出会ったのである。 授与品は色々入っていたが、御神撰の落雁がダントツで嬉しかった。落雁うめぇ。 こうして厄祓いが済み、今日もおかげさまで平穏無事に暮らしているが、それすなわち、自分の知らない所で払い除けられた厄はさぞや恐ろしかったのではないか。 厄との距離も近かったのではないか。 もしかして結構ギリギリだったんじゃないか。 すんでの所で払い除けたその厄は、どんな恐ろしい厄だったのだろう。 ギリギリでいつも生きている感のある自分が厄祓いを受けた後に平穏無事でいると、逃れたであろう厄がむしろ怖いもの見たさで気になってしまうのである。
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良し、行くぞう
先日ネットニュースにて、 イギリスのホームセンターで半額の2000円となって売られていたモンステラが、実は30万円相当にもなる珍しい斑入り品種だったと判明したことが報じられた。 そんなニュースを見たらやることはただ一つ。 自分もホームセンターへ駆けて行ったのである。 人はこれをミーハーと呼ぶのだろう。 しかしそこは平凡な運命の持ち主、30万円に化けそうな出会いは残念ながらなかった。 30万円だとわかっても売らずに「30万がこの手に…シシシ」と言いながら夜な夜な頬ずりするだけのつもりだったのに。おかしいな。 まぁホームセンターの植物コーナーは掘り出し物がなくても楽しいが。 代わりと言ってはアレだが、198円で面白いシダを購入したのでこれで満足した。 ハートファーン、イヌアミシダ、ヘミオニティス・アリフォリア… 通り名は様々だが、要は 「毛深いハートのシダ」なのである。 自生地は西インド諸島らしく、どうにもバハマやプエルト・リコといったカリブ海のビーチリゾートが頭をチラつく。 青い空の下、美しい海を目の前に、あちこちから飛んでくるウインクを横目で流しながらビーチチェアに体を預けて、うまいラムのダイキリを引っかけつつ、 自生しているシダのことを考える贅沢なひととき。 おぉ、いいぞ。 とてもいいじゃないか。 一筋縄じゃいかない大人の余暇はこのくらい振り幅がなくては。 198円で束の間バハマのビーチに心を飛ばしてくれるこのイヌアミシダだって、ありふれた存在だったとしてもなかなかにしてそこにいる価値が高いのではないか。 平凡な運命、平凡な価値。 ともに力を合わせれば、たとえ財布に30万円が無かろうと夢を見せてくれる存在に化けるのである。 こんな楽しみ方も出来るなら、ありふれたお手頃ミニ観葉だってある意味とても良い価値があると自分は思うのだ。
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