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センリョウ(千両)の原産地は東アジアの暖帯から熱帯にかけてで、穂先に赤い実のような花と黄色い実のような花(キミノセンリョウ)がつく木があります。実が美しいので観賞用に江戸時代から栽培されている低木です。赤い実のセンリョウはお正月に用いるおめでたい花としても知られています。
そんなセンリョウの育て方について詳しくご説明します。
センリョウを育てるのは明るい日陰で、風の当たらない場所が適しています。栽培自体はそれほど難しくなく、暑さに強いので、関東地方より西では地植えでもよく育ちます。
寒さが厳しい地方では、風に弱く寒さにあまり強くないため鉢植えがおすすめです。鉢植えをする場合は、家の外に鉢を置いて、日差しが強い夏は日陰で、冬は明るく寒い風が当たらない場所に置きます。
特に、花の時期は雨に当たらないような場所に置くことがたくさん実をつけるコツです。
センリョウは水はけの良い場所で育て、表面の土が乾いたら水をやります。植え付けたときは水やりが必要ですが、その後は夏冬に乾燥しないように気をつければ、特に必要ありません。鉢植えの場合も、表面を触って乾燥していたら水やりする程度で大丈夫です。
センリョウの肥料やりは基本的にしなくても大丈夫です。ただ、年に1回、2月ごろに化学肥料、骨粉、油かすなどを混ぜた肥料を少し株回りに施します。
株を大きくしたい場合は、チッソが緩やかに溶ける緩効性化学肥料を、5〜6月ごろに少し入れます。ただ、チッソ成分が多い肥料は実がつかなくなるので注意が必要です。
センリョウは、水はけがよくて適度な水分を保っている土壌を好む植物です。センリョウを育てる用土には、赤玉土:腐葉土の割合が3:1くらいにして土を混ぜます。
種まきは、熟した赤い実の種をその用土に巻きます。鉢植えするなら赤玉土と腐葉土の割合を8:2にしましょう。
センリョウは根元から芽が出て株が大きくなります。
センリョウの植え付け時期は、4月〜5月か9月〜10月頃です。明るい日差しが届く日陰に、植え付ける株より大きめの穴を掘り、そこに腐葉土を多めに入れこみます。その上に高めになるようにセンリョウの苗を植え付けます。
苗が倒れるようなら支柱を立てます。鉢植えにするなら、苗より大きめのプラスチックの深い鉢に底石を1/3ほど入れて、苗木を真ん中に置きます。
大きくなった株を植え替える場合は、2年に1度を目安にして、地下茎を2,3個にカットし元の鉢に植えます。すると、翌年には花をつけます。
センリョウは病害はあまり見られない育てやすい木です。
強いていえば、茎と節の間が黒褐色になり下の葉が枯れる立枯病や、水やりが多すぎると根腐病にかかることがあります。また、葉の表面が褐色の斑点ができる褐斑病や、葉に灰褐色などの病変や実や茎に黒褐色の病変ができる炭疽病などになることもあります。
病気にかかった株から土が感染するので、病気にかかったら、株を捨て、その土に植えないようにします。害虫は茎や葉には見られませんが、根を見ると根が暗褐色に腐敗するネグサレセンチュウ類がいる場合があります。
センリョウの増やし方は、「挿し木」や「種まき」が一般的です。
挿し木方法は、3月から4月に数節の長さの穂をとって、挿し木をする用土箱に風があたらない日陰で土が乾燥しないように管理します。挿し木してから3か月ほどすると発芽します。
種まき時期は12~3月頃です。熟した花を選び、果肉をきれいに水洗いで取り除くと種がでてきます。その種を乾燥する前に赤玉土と腐葉土を混ぜた土にまきます。
明るい家の外に置いて、乾燥しないように水やりをきちっとすれば春ごろに芽が出てきます。
センリョウの地下茎は張っていき、株もどんどん増えてそこから発芽し枝が伸びてきます。そのままでも木の形は変わりませんが、株が多すぎると蒸れて根元の葉が枯れてきます。また、3年以上の木の枝は実がつかないので、3月に枯れた枝や茂っている枝は地面の近くから剪定して取り除きましょう。
剪定することで実がなる木だけが残り、いい花が咲きます。あるいは、12月~1月頃に実がなっている枝はカットして、お正月飾りや部屋の飾りにして、実がなっていない枝をそのままにして伸ばしてもいいでしょう。
センリョウは千両、マンリョウは万両の価値があるとされる縁起がいい赤や黄色の実をつける木で、お正月花としてよく利用されています。明るい日陰でよく育ち、表土が乾燥した時だけ水をやればいいので、比較的育てやすい木です。
株が増えて挿し木もしやすいので、鉢植えや庭の低木として使われることが多いです。地植えでは東に赤い実がなるセンリョウの木を植えると良く、鉢植えにしても可愛い実をつけるので人気です。
GreenSnap編集部