クガイソウはまるで動物の尻尾のような愛らしい花を咲かせます。このページではクガイソウについて解説しています。花の名前の由来や、花の特徴、どんな似た花があるのかまとめています。これからクガイソウを自宅で育てたい方もぜひご参照ください。

クガイソウとは？

Photo by avecさん@GreenSnap

クガイソウはオオバコ科クガイソウ属の植物です。

クガイソウの茎はすらっと直立していて、草丈は８０センチから１３０センチです。クガイソウの葉は単葉で長さは５センチから２０センチほどで、幅は２センチから５センチです。花も葉もヒョロっとしているのが特徴です。

クガイソウは漢字で書くと「九蓋草」です。もともとは「九階草」でした。葉が４枚から８枚ほどで輪生し、９段くらいの層になることから、９階建てのように見えたため、「九階草」となり、そこから転じて「九蓋草」となりました。

クガイソウは湿地を好みますが、道端や庭に自生することもあります。

薬草としても利用される植物で、クガイソウを乾燥させたものは、草本威霊仙という名前で流通しています。

クガイソウの花の特徴

Photo by 由美子さん@GreenSnap

クガイソウの花期は７月から８月です。花の最大の特徴は穂状で長い見た目です。花の色は薄紫色で小花が多数の総状花序に花をつけます。花序軸には短い毛が生えています。

よく見ると１つ１つの花の中には、雄しべが２本あり、花冠から飛び出します。

先端に行くほど花は小さく先細りした形となっています。開花は下から順に咲いていき、開花途中ではグラデーションのように見えとても美しいです。

クガイソウに似た花

クガイソウはトウテイラン、エチゴトラノオに似ています。

トウテイラン

ゴマノハグサ科クワガタソウ属の植物です。クガイソウとは植物学上、仲間ではありません。茎や葉に白い毛が覆われているのが特徴です。花は青紫色で花を段々に付けるところが、クガイソウに似ています。

エチゴトラノオ

オオバコ科ルリトラノオ属の植物です。トラの尻尾のように見えることから、このような名前となっています。草丈は４０センチから８０センチ。クガイソウと比べると小さいのが特徴です。花も小さめでクガイソウと比べると華奢な印象です。花期は７月から９月でクガイソウと重なります。

クガイソウの育て方

Photo by おててさん@GreenSnap

クガイソウはとても育てやすい植物です。ヒョロっと上に伸びるので、地植えに向いていますが、鉢植えでも栽培ができます。明るい場所で育てましょう。

地植えであれば水やり不要で、鉢植えでは土の表面が乾いたら水やりをします。ただし、夏に水が切れると下葉が枯れやすくなるので注意しましょう。

クガイソウは土は選びませんが、水はけのよい土をおすすめします。丈夫な植物なため、肥料もとくに必要ありません。

クガイソウの花言葉

Photo by まっさんさん@GreenSnap

クガイソウの花言葉は「明るい家族」です。

小さな花が密集して穂になって咲く様子が、仲のいい家族のように見えたのでしょう。

クガイソウの花を楽しもう

Photo by vogel ②さん@GreenSnap

クガイソウの花は穂状になっていてノボリフジのような印象もありますが、ノボリフジほどは太くなく、クガイソウは華奢で細長い花です。風に揺れるほどふわふわとした穂になっていて愛らしいですよ。

よく見ると小さな花から雄しべが２本飛び出しているので、ぜひ観察して雄しべも見てみましょう。