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「秋海棠(シュウカイドウ)」は江戸時代頃に中国から伝わった多年草で、和名は瓔珞草(ようらくそう)です。ベゴニアの一品種として扱われている花で、夏の終わりから秋にかけて淡いピンク色の花を咲かせます。湿り気の多い場所を好み、日本各地の山中や河原などでもよく見かけます。この記事では人気の多年草、秋海棠の育て方全般についてご紹介します。
秋海棠は、直射日光のあたらない場所で水分を切らさないように育てます。また、葉をよく茂らせるために、風通しの良い場所で育てましょう。木陰などが最適な生育場所といえます。
秋海棠は山野の湿り気の多い場所でよく茂ることからわかるように、水分を好む植物です。鉢植えの場合は、土の表面が乾くたびに水やりしましょう。
庭植えの場合は日陰で湿潤な場所なら、よほど乾燥している時期以外特に水やりは不要です。保水性のよくない場所であれば、土の表面が乾いたら定期的に水やりします。
秋海棠の植え付けのときに緩効性肥料を加えた後は追肥は必要ありません。肥料を与えすぎると葉が茂りすぎ、花月が悪くなるので注意しましょう。
秋海棠を育てる用土は保水力に優れた性質のものを選びましょう。とはいえ、過度な水分は根腐れを引き起こす可能性があります。腐葉土を多めに配合したうえ小粒軽石などを混ぜて、水はけと通気性にも考慮する必要があります。
赤玉土や鹿沼土に多めに腐葉土を混ぜ込んだ土に植え付けます。用土には少量の緩効性肥料を加えておきましょう。
花が終わった秋以降地中で球根が肥大化します。この頃に新しい用土に植え替えておくとよく育ちます。
秋海棠は開花後には地上部が枯れ、地下で球根が太り年々大きくなる多年草です。
秋海棠の増やし方は「わき芽」が養分を貯えたむかごを採取して別の鉢で育てるとよいでしょう。花が終わったころ、葉の付け根の内側(葉腋)にむかごを見つけることができます。
また、「挿し木」でもよく根付きます。
秋海棠は耐寒性・耐暑性ともに強く、半日陰の湿り気のある環境でよく育ちます。水分を切らさないようにすることがなにより重要です。
秋海棠は野生でもよく育ち、注意すべき病気は特にありません。ただし葉がよく茂るので、特には夏場は通気性に注意しましょう。
梅雨明けから夏にかけて繁殖する吸汁性の害虫アザミウマがつくことがあります。葉裏に卵が産みつけられていないかチェックしましょう。
秋海棠の花は、8~10月頃が開花時期です。この時期になると、白やピンクの小さな花を咲かせます。
秋海棠には下向きに咲く可憐な花にふさわしい「片思い・繊細」といった花言葉がつけられています。
しかし、左右の葉がそろっていない様子から、イギリスでは「不格好」という意味の少々かわいそうな花言葉が用いられることもあります。
秋海棠は半日陰でもよく繁茂する育てやすさ、そしてうつむき加減に咲く花の控えめな美しさから、古来より文人たちから愛されてきました。
松尾芭蕉の句にも秋海棠を題材に取り上げた「秋海棠西瓜の色に咲きにけり」があります。
秋海棠の苗や鉢植えは主に園芸店の山野草のコーナーでよく見かけます。夏の終わりから秋にかけてのお庭の植栽にぜひ取り入れてみてください。
※トップ画像はJuneさん@GreenSnap
GreenSnap編集部