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ゼフィランサスとしても流通していることがあるサフランモドキは、ピンク色のユリのような小さな花を咲かせる常緑多年草です。
雨が降ったあとに花を咲かせやすいことから、日本では梅雨の終わりを感じさせる花でもあります。
サフランモドキは半耐寒性があり、秋の終わりには地上部が枯れ冬越しし、また翌年の春に花を咲かせます。
植えっぱなしでも何年も花を咲かせる強健な性質から野原や土手、道端でもよく見かけます。
サフランモドキは「サフラン擬き」とも書き、これは薬用植物として知られる「サフラン」に似ていたことにちなみます。
江戸末期に日本に渡来した際サフランと誤認されましたが、明治初期に改められこの名前がつけられました。
日本では梅雨明けからの6月~10月が開花時期とされています。ゴールデンウィーク頃が最盛期で、小さくかわいらしいピンク色の花が群生しているのを見られるでしょう。
ユリのような、大きく開いたラッパ型の花びらで、鮮やかなピンク色をしています。
黄色いのが雄しべで、1本ひっそりとある白色のものが雌しべです。鮮やかでかわいらしい色合いから、ガーデニングにも人気の品種です。
名前の由来からも分かるとおり、「サフラン」と「サフランモドキ」の見た目は似ていますが、サフランには鮮やかな赤い雄しべがあるため、見分けることは容易でしょう。
また、山菜として親しまれている「ニラ」や「ノビル」も似ているといわれています。ただし「ニラ」や「ノビル」には独特のにおいがありますが、サフランモドキは葉を揉んでもにおいがしないという特徴があります。
ヒガンバナ科であるサフランモドキは全草に「リコリン」という有毒成分を含みますが、特に球根部分の鱗茎に強い毒性があります。
ニラやノビルなどと間違って摂取しないよう注意が必要です。
摂取量にもよりますが腹痛や吐き気、下痢、痙攣などの食中毒を引き起こす可能性があります。
1日程度で回復する症状だといわれていますが、身体の小さな子どもが誤って摂取しないようにしてください。
白い花を咲かせるサフランモドキは「玉すだれ」と呼ぶことが一般的です。
ペルー原産で丈夫な性質をもつため、最も普及している品種であるといわれています。
「ゼフィランサス・ロゼア」として流通していることが多いです。サフランモドキに比べ耐寒性が低く、やや濃いピンク色の花を咲かせます。
草丈が10cm程度とサフランモドキよりも小さいことからこの名前がついたとされています。
主な性質はサフランモドキとよく似ています。その名のとおり黄色い花を咲かせるため「キバナ」とされました。
「ゼフィランサス・シトリナ」として流通していることもあります。
日当たりがよければ花付きもよくなりますが、半日陰でも十分に育ちます。
強健な性質なため、特に用土は選びません。
地植えの場合は降雨のみで問題ありませんが、鉢植えの場合は乾燥させすぎないように気を付けましょう。乾燥が続き水切れを起こすと、花が咲きにくくなります。
サフランモドキは別名「レインリリー(Rain lily)」とも呼ばれており、雨が降った後に花を咲かせやすく、その花姿がユリにも似ていることからつけられたといわれています。
球根には十分な栄養が含まれているため肥料を与えなくても十分に育ちます。
花付きをよくしたり株を増やしたりしたい場合は、冬を迎える前の9月~10月頃に緩効性肥料を株元に少量与えてください。
植え付けは3月~4月のあたたかい時期に行いましょう。適期を過ぎてから植え付けると花を咲かせないこともありますが、植えたままにしておくことで翌年花を咲かせる可能性もあります。
サフランモドキは分球しやすいため、球根の間隔は最低3cmは確保しましょう。また、水やりした際に球根が地表に出ないよう5cm程度とやや深めに植え付けましょう。
植え替えの適期はあたたかくなった3月~4月です。植えっぱなしでも3年~5年ほどはきれいに花を咲かせますが、2年~4年で適宜古い球根を取り除くことで球根を充実させられます。
長期間手入れを怠ると、地中で球根が混み合ってしまい花付きが悪くなったり花が咲かなくなったりします。
株や球根への負担を減らすために、花が咲き終えたら摘花しましょう。種子を採取したりこぼれ種で増やしたりしたい場合はそのままにしておいても構いません。
サフランモドキは分球して増えるため、植え替えと同時に作業を行いましょう。
花後そのままにしておくことでこぼれ種でも増えますが、球根を充実させるために花が咲き終わったら摘み取ってしまう方がよいです。
サフランモドキは病気、害虫に強いためほとんど心配はありません。
サフランモドキには「便りがある」「陽気」「期待」「清純な愛」「歓喜」「予想」などさまざまな花言葉がつけられいています。
サフランモドキの学名「Zephyranthes」はギリシャ語で“風”を意味する「zephyros」と“花”をあらわす「anthos」からつけられています。その風が期待とともに便りを運んでくるようだといわれ、「便りがある」や「期待」といった花言葉がつけられたといわれています。
サフランモドキの代表的な花色のひとつに白色があり、「汚れない愛」という素敵な花言葉が添えられています。
かわいらしい花を咲かせるだけでなく耐暑性・耐寒性ともに強く、毎年花を咲かせることからガーデニングでも人気が高いサフランモドキ。
植え替えの際に分球するだけで簡単に群生させられるので、お庭の彩りにぜひ植えてみてくださいね。
GreenSnap編集部