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キツネノマゴは、夏の終わり頃から秋にかけて草地や道端など、私たちの身近な場所で見かけられる植物です。一見地味ですが、よく観察してみるととてもかわいらしい花を咲かせます。ほかにもすてきな花言葉がついていたり、薬草として使われたりと意外な一面もあります。
ここでは、キツネノマゴの特徴や花言葉、由来、似た花などをまとめています。ぜひご参照ください。
キツネノマゴはキツネノマゴ科・キツネノマゴ属の一年草で、日本では本州から九州、四国にかけて分布しています。古くから痛みや熱などを抑える薬草としても使われてきました。若芽はお浸しなど調理して食べられます。
キツネノマゴは真夏の暑さの厳しい時期に花を咲かせます。植物にとって夏の暑さは厳しく休眠するものも多いので、ハチや蝶など夏に活動する昆虫がキツネノマゴの蜜を求めて集まってきます。
キツネノマゴの名前は、花の形や花の穂がキツネの顔や尾に似ていたり、小さくてかわいい花を孫にかさねたりなど諸説ありますが、定かではありません。
昔は今よりもキツネが人間の生活に身近な存在だったので、キツネノマゴ以外に「キツネノカミソリ」や「キツネノボタン」など名前にキツネが付く名前の植物があります。
キツネノマゴは茎先から穂状花序を出し、7mmほどのうすい赤紫色で花の真ん中に白い星形の模様の入った小さくかわいらしい花を付けます。この白い模様は蜜標といって、昆虫に蜜の場所を示すものです。開花時期は8月~10月で、花穂に点々とまばらに2~3個咲かせます。
茎は枝分かれしやや斜めに立ち上がりながら生え、高さは10~40cm程になります。茎には節があり、節ごとに長めのたまご型の葉をつけるのが特徴です。
開花の後には花尾が伸び、細長い茶色い実をつけます。実が熟すと2つに裂けて、中から4つの種子が散布されます。
キツネノマゴの花言葉は「可憐美の極致」「女性の美しさの極致」「この上なくあなたは愛らしくかわいい」などです。
見逃してしまいがちな佇まいのキツネノマゴには意外な言葉かもしれませんが、よく見ると花言葉が表す通り、とても美しく可憐な姿をしています。花色が薄い赤紫色で、女性の奥ゆかしさを感じさせることからこのような花言葉がつけられたといわれています。
キツネノマゴ属は、地植えでも大丈夫ですが、鉢植えのほうが育てやすいです。日当たりの良い場所を好みます。水やりは、土の表面が乾いたらたっぷり与えましょう。湿気が多い状態は嫌うので、水のやりすぎには注意が必要です。
夏から秋にかけてキツネノマゴとよく似た花を見かけることがあります。キツネノマゴに似た花の代表例は次の通りです。
ヒメジソはシソ科イヌコウジュ属で高さ20~60cmほどの1年草です。山野の林や道端など日当たりが良い湿った場所を好み、日本全土で見られます。9~10月頃に薄い紫色または白っぽい小さな花を咲かせます。
ハグロソウはキツネノマゴ科ハグロソウ属で高さ30~50cmほどの多年草です。山裾などの半日陰の少し湿気のある場所を好みます。8月~10月に紅紫色の小さな花を数個つけます。
イヌコウジュはシソ科イヌコウジュ属で高さ20~60cmほどの一年草です。山野の道端や明るい草地など少し乾燥した場所を好みます。9月~10月に枝先の花穂に小さな薄紫色の花をたくさんつけます。
あまり目立たない印象のキツネノマゴですが、花の特徴を知りよく観察していくとその可憐な姿にハッとするに違いありません。名前の由来になっているとされる花穂と花の姿は、キツネの姿を連想させ楽しませてくれます。
花言葉のイメージを抱きながらキツネノマゴを見ると印象が変わるはずです。ぜひ、想像を膨らませながらキツネノマゴの観察を楽しんでみてください。
GreenSnap編集部