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春先に田んぼのあぜ道などで、タンポポに似た黄色い小さな花を見かけることがあります。ホトケノザというこの花は、春の七草としても知られているキク科の植物ですが、同じ名前をもつシソ科のホトケノザと間違えらることもあります。
ここでは、キク科のホトケノザの特徴や食べ方、花言葉についてまとめています。ぜひご参照ください。
ホトケノザとは、キク科オドリコソウ属の越冬草です。
ロゼット状の葉の付き方が仏様の座る円座と似ていることから、この名前がつけられました。しかし、シソ科のサンガイグサも「ホトケノザ」と呼ばれ一般的に定着しています。
そのため、キク科のホトケノザは別名の「コオニタビラコ」と呼ばれることが多いです。漢字で書くと「小鬼田平子」です。田んぼに平に張り付いたいるように見られることから、この名前がつけられました。
ホトケノザは、3月~5月に花径5mmほどの小さな黄色の花を咲かせます。花は陽の光を浴びているときだけ開きます。根出葉はロゼット状で地面に張りつくように伸びていきます。
葉には不規則に羽状の切り込みが入っており、先端は丸いです。花が咲き終わると、花柄が垂れ下がり実が地面に付きます。
春の七草として七草がゆに入れることで有名なホトケノザは、葉・茎・花が食用とされています。お浸しや天ぷら、炒め物などさまざまな料理に使われます。
アクが強いので、よく水洗いをしたあと、沸騰したお湯にさっと10秒ほどくぐらせて流水にさらしアクを抜きましょう。ただし、油で揚げる場合は、揚げている途中にアクが抜けていくのでアク抜きは不要です。
ホトケノザには、整腸作用や健胃、高血圧予防などの効能があるといわれています。
ホトケノザに似た花の代表例は次の通りです。
オニタビラコは、キク科オニタビラコ属の越冬草です。花はホトケノザに似ていますが、ホトケノザより頭花の数が多いです。茎の長さは10㎝~1mになります。開花時期は5月~10月です。
ノゲシは、キク科ノゲシ属の越年草です。タンポポに似た2㎝ほどの黄色い花を咲かせます。葉には羽状の深い切り込みがあります。葉先はギザギザと尖っていますが、触っても痛くはありません。開花時期は4月~10月です。
ジシバリは、キク科ニガナ属の多年草です。花径が枝分かれして、1輪~3輪の黄色い花を咲かせます。葉には長い柄があり、丸い形もしくは広い楕円形をしています。葉にギザギザの切り込みはありません。開花時期は4月~6月です。
ヤクシソウは、キク科アゼトウナ属の越年草です。花径の先に多数の頭花をつけ、13個~19個の黄色い小花を付けます。花は上を向いて咲きますが、咲き終わると花柄を下に曲げて垂れ下がったような形になります。開花時期は8月~11月です。
ホトケノザは、一年中乾燥しない湿った環境を好むので、いつも適度に水分を保たせる必要があります。日当たりを好みますが、半日陰の環境でも育ちます。
ホトケノザの花言葉には、「輝く心」「調和」「仲間と一緒に」などがあります。葉が仏の座のように見え、そこに黄色く花を咲かし仏様の悟りの心を思わせることから「輝く心」と言う言葉が付けられたといわれています。
また、ホトケノザは湿地を好み、田んぼなど外に広がり他の植物を侵食することがないので、「調和」や「仲間と一緒」という言葉が付けられたといわれています。
ここまで、ホトケノザについてご紹介してきました。春の七草として親しまれているホトケノザですが、近年では水田の環境が変わってきていることから、その姿を見かけることが減ってきているといわれています。
春先に田んぼや湿地を通りかかったときは、ぜひホトケノザの黄色く小さなかわいい花を探してみてください。
GreenSnap編集部