ギンリョウソウモドキとは?
ギンリョウソウモドキは東アジアを原産とする、ツツジ科シャクジョウソウ属の多年草です。
本州以南の山地に自生しており、植物らしからぬ白色の株が高さ10〜30cmに生長します。しかし秋の開花期以外は地上に姿を見せることはありません。
さらに薄暗い山地でも生育できるため不可解な点が多いように見受けられますが、ひとえにギンリョウソウモドキが『腐生植物』であることと深く関係しています。
ギンリョウソウモドキの特徴でもある「腐生植物」とは?
ギンリョウソウモドキの不思議な植生は、この植物が『腐生植物』であることで説明がつきます。
腐生植物とは有機物を分解・吸収する菌根菌の出す菌糸から栄養をもらって生きている植物です。つまり菌根菌が分解する落ち葉などが底なしに存在する山地や樹林では、ギンリョウソウモドキは長く生き永らえることを意味します。
ギンリョウソウモドキの白い株や生態は、光合成で栄養を得る必要がない(葉緑体が存在しない)=細菌に依存しているからこそのものです。
ギンリョウソウモドキの栽培は難しい?
ギンリョウソウモドキの自生には栄養や日照条件だけでなく、菌類の繁殖を支える生態系があって初めて成り立ちます。たとえ手入れされたお庭や鉢でも生態系のサイクルが存在しない限られた環境下であることは変わりないため、栽培は難しいと言わざるを得ません。
ギンリョウソウとの違いとは?
ギンリョウソウモドキはその見た目がギンリョウソウにそっくりなことで知られる植物です。双方には以下のような違いが存在しています。
- 開花時期:ギンリョウソウモドキ(9〜10月)、ギンリョウソウ(5〜7月)
→ギンリョウソウモドキが『アキノギンリョウソウ』と呼ばれる理由
- 雄しべの長さ:ギンリョウソウモドキ(不均一)、ギンリョウソウ(均一)
- 鱗片(退化した葉)の反り返り:ギンリョウソウモドキ < ギンリョウソウ
- 果実の状態:ギンリョウソウモドキ(朔果)、ギンリョウソウ(液状果)
ギンリョウソウモドキの花の特徴
ギンリョウソウモドキは9〜10月にかけて、ギンリョウソウそっくりの青い雌しべに黄色い雄しべをもつ白い花を咲かせます。
9〜10月以外は地上部が存在しないため、ギンリョウソウモドキの目視はまず不可能です。
ギンリョウソウモドキの花言葉
ギンリョウソウモドキの花言葉は『そっと見守る』『はにかむ』です。
ギンリョウソウと同様、ふと地表に表れると思えば消えてしまう幽霊のような存在を表しています。
ギンリョウソウモドキはギンリョウソウと瓜二つ
ギンリョウソウモドキは名前の通り、ギンリョウソウと見分けのつきにくい植物です。双方とも限られた期間でしかお目にかかれないため、見つけられればラッキーですね。
この記事を書いた人
GreenSnap編集部
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