10月に入った。暑かった今夏の跡を残しながら、私の散歩道の道際等の草花は、より秋色を深めていくようだ---

９月から10月、秋色に観る草花の姿、姿---その９。

ヘクソカズラとハツユキソウ。
---９月の中旬の散歩道。そんなに距離を置かない通り道際に、大きな鉢に入った２つの、今まであまり見留めていなかった、見逃して来た草花である。
それぞれに特異性、個性があって、改めてそれらの草花の姿を認識した。
　
・ヘクソカズラ＜屁糞蔓　別名 ヤイトバナ<粂花>、サオトメカズラ<早乙女蔓>、サオトメソウ<早乙女草>＞(アカネ科)

日本全土に分布し、山野や道端の草むらに普通に見られ、日照を好み、他の植物に絡みつきながら繁茂する。日本に限らずアジア東部に広く分布。

ヘクソカズラという下品な名は、花や実を揉んだり、葉を傷つけたりするとカメムシのような不快な匂いが生じることに由来。
万葉の頃には糞葛だったが、時代と共にその悪臭が強調され、屁糞葛になったという。

花の美しさにちなんだ「サオトメカズラ(早乙女葛)、またはサオトメソウ(早乙女草)」や、花の色形に由来する「ヤイトバナ(灸花)」という別名もある。ヤイトは灸であり、摘んだ花を手に乗せた様子がお灸のように見えることに由来。

開花は８～９月で、釣鐘状の花は葉の付け根にまとまって生じる。花の直径は１センチほど。先端は五つに裂け、内側は紅紫色の模様が入る。小さな蜂が花に出入りする姿が頻繁に観察される。

秋には直径５ミリ程度の果実が黄褐色に熟す。実にも悪臭があるがその果汁は、しもやけ、あかぎれ、ひびわれに効能があるとされ、ハンドクリームに混ぜるなどして使われる。なお、ヘクソカズラの蔓にも同様の効能が。

日本最古の和歌集である『万葉集』の中にも「屎葛（くそかずら）」の名で詠まれている。また、現代の次の俳句にも、「名をへくそ かづらとぞいふ 花盛り」　高浜虚子。

(出典・参考; 庭木図鑑 植木ペディア、ヘクソカズラ Wikipedia)

・ハツユキソウ＜初雪草＞(トウダイグサ科)
北アメリカに分布し、草原や牧草地などに自生。美しい草姿からアメリカでは広く栽培されており、逸出したものが各地で野生化している。

花期は7月～10月。花期になると、真っ直ぐに伸びた茎の頂部に多数の花序を出し、小さな花を咲かせる。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　葉は互生し、長さ5～7㎝、幅3㎝程度の長楕円形。花序が出始める頃になると、上部の葉は密集し、白い覆輪が入る。ハツユキソウの名前は、この美しい葉に由来。

茎は上部で分枝し、草丈60～100㎝程度に成長する。
群植すると、夏の花壇に涼し気な風景を作り出す。

花序はトウダイグサ科の植物に特有の杯状花序(ハイジョウカジョ)で葉は互生し、長さ5～7㎝、幅3㎝程度の長楕円形です。杯状花序とは、カップ状になった総苞の中に、雄花数個と雌花が包まれる形になった花序のこと。

(出典・参考; ガーデニングの図鑑)