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お出かけ先の画像 by so.raさん | お出かけ先とハナカンザシとsora の物語と瑠璃の冬の物語

2021/02/14

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【瑠璃の冬の物語】その3

弥彦が重い口を開いた。
「この子がこのまま乳を飲めなければ、死んでしまうだろう。私の弟の権蔵のところにも、同じくらいに子供を授かった。嫁の梅さんは体格も良くて、乳の出も良いと聞いた。
今時分、自分の子を育てるだけでも精一杯だと言われるかも知れないが、頼ってみてはどうだろう」
「でも、村人がお金を積んで食べ物を分けてくれと頼んでも、追い払ってしまうと聞きました。とても、黙ってお乳を分けてくれるとは思えないわ。」

家にはもう、金目のものはなにもなく、二人は再び黙りこんでしまった。

その時、瑠璃の父さまが仏壇の奥から、丁寧に布にくるんだものを持ってきた。

「これは我が家の家宝。代々続く我が家の守りの観音様じゃ。小さいが金でできている。命には変えられぬ、これを持って頼んでおいで」

父さまが持ってきたのは、家を離れるときにそれに気づいた母様が、守りにとそっと持たせてくれた大切な観音様だった。朝夕に父が祈りを捧げ話しかけているのを、瑠璃は幼い頃から見てきた、父様にとっては大切な大切な観音様なのだ。

「父さま、それは父さまが大切にしている家宝の観音様。とてもそんな大切なものは。。」

「守りの神仏像であれ、金銀財宝であれ、命より尊いものはないんじゃよ。お前たちがそう考えて、たくさんの村人に施して、今は自分達の命すら危うくなっておる。神様は、どこにいなさらろうときっと見ていて守ってくだろう。母さまとて、きっと同じことを言うだろう。さぁ、ぐずぐずせずに行っておいで」

弥彦や父に背中を押されて、瑠璃は赤ん坊を背負うと、家宝の観音様を懐に権蔵の家へと向かっていった。

背中では泣きつかれた赤ん坊が、すやすやと眠っていた。
空には明るく月が出て、瑠璃を励ますように夜道を照らした。

「お月様、お梅さんとて大変なところ。だけど、何としてもこの子の命を助けたい。どうぞ、お乳をもらえますように。」

続く

🌸東京 晴れ 18℃

🌸よろしかったら、物語の一話【瑠璃の物語】二話【瑠璃の冬の物語】は下のタグからご覧下さいね。

2021/02/14

すみません🙇‍♀️🙇‍♀️弥彦は旦那様でしたね。なんて素晴らしい人なのでしょう!弥彦や瑠璃の思いが受け入れられることを祈ります!

2021/02/15

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