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こんにちは、三上真史です。
植物の育て方相談Q&Aの第5弾は、冬でも豪華な花を楽しめるシクラメンです。
シクラメンは鉢花として室内で、寒さに強いガーデンシクラメンは花壇や寄せ植えにして楽しめますよね。
今回もGreenSnapユーザーさんからたくさんのお悩み相談をいただきましたので、お答えしていきます!
シクラメンの栽培にとって夏越しは最大の課題であり、最大の楽しみでもありますよね。
厳しい夏を乗り越えてまた冬に咲いてくれた時の喜びと感動は育てた者にしか味わえない特権であり、シクラメン栽培の醍醐味です。
いただいたお悩みですが、風通しの良いところというのは素晴らしいのですが、ぜひ気温も気にしていただきたいです。
シクラメンは高温と蒸れが大の苦手で、生育適温は5度〜20度(寒さに強いガーデンシクラメンであれば最低温度-5度まで耐えてくれます)とされています。なのでじつは30度が続くようでは我々人間同様暑さでやられてしまうんです。
それと水やりをどのようにされていたかも気になるところです。夏越し中も水を与えていたようでしたら、高温と蒸れでシクラメンの塊茎(球根)が腐ってしまったのかもしれません。
シクラメンの夏越しは難しいと思われがちですが、そんなことはありません。夏の管理はいたってシンプルで、とにかく球根部を腐らせないようにするだけです。
シクラメンは球根のような塊茎に栄養を蓄えておく植物ですので、他の球根植物と基本的に同じように考えていただければ簡単です。
球根植物は花を終えた後、球根だけで休眠して、また生育期になると起きたように芽吹きますよね。ですのでシクラメンは休眠期である夏に、水も肥料も完全にストップして休眠させ、風通しの良い涼しい場所で過ごさせる方法が簡単です。
シクラメンは5月下旬〜8月頃が休眠期ですので、その間に球根の状態でゆっくり休んでもらいます。
ここでのポイントはいかにスムーズに休眠モードへ入らせられるかで、コツは5月上旬頃から水やり頻度を少しずつ減らしていくことで「さあ休眠モードに入るよー」と教えてあげることです。
環境さえ大丈夫であれば、掘り起こさずに植え付けたままで夏を越えられますよ。
じつは夏越し方法はもう一つあって、完全に休眠させずに適度に水やりしながら半休眠で越させることもできちゃいます。この場合は葉を残して緩やかに生育させながら夏を越してもらいますので日光が必要となります。直射日光は避けて育てましょう。
どちらにしても重要なのは高温と蒸れを避けることです。雨と直射日光の当たらない風通しの良い涼しい場所で球根部を腐らせないよう厳しい夏から守ってあげてください。
そして生育期である9月になったら、通常の水やり再開です。起きて!と言わんばかりにしっかり日にも当てていきましょう。
オススメは2鉢育てて、どちらの方法も試してみることです。夏越し方法によって開花のタイミングも違うので楽しいですよ!
まずは夏越し成功おめでとうございます!夏越しはどちらの方法でやられたかが気になるところです。というのも、先程書きました通り、夏越し方法によって開花のタイミングが変わってくるんです。
完全に休眠させた場合でしたら、花が咲くのはだいたい年明け1月ごろ。半休眠での夏越しでしたら、休眠の場合より少し早くて年内12月くらいに咲いてくれます。
いずれにせよ、ご質問いただいた10〜11月ですとまだ花芽が出ていなくても心配ありません。葉が出てきているとのことですので、日が当たっていて適温で育てて肥料も与えているようでしたら、これから花芽が出てきてくれるはずです。
ちなみに肥料は生育期である9月〜5月頭頃まで、液体肥料を週1回ほど与えてくださいね。開花にもたくさんの栄養を使いますし、夏越しに向けて球根に栄養を蓄えるためにも重要ですので。
シクラメンは植え替えた方がリフレッシュして元気に育ってくれますのでぜひ植え替えてください。タイミングは生育期に入る9月、つまり夏を越した後です。
厳しい夏を頑張って乗り越えてくれたシクラメンに感謝する気持ちで、新しい土と鉢に植え替えてあげましょう。土には肥料(元肥)も入れてくださいね。
また、球根は全て埋めないということも大切なポイントです。何度も書いていますがシクラメンは蒸れが苦手ですので、球根が多湿で蒸れてしまわないよう球根上部が地上に出るように浅めに植えつけましょう。
ここでのポイントは、夏をどちらの方法で越したかによって植え替えのやり方も変えた方がいいということです。休眠させて夏越しした場合は、根についた古い土をなるべく落として根を半分ほど切ってから同じサイズか一回り大きな鉢に新しい土で植え替えましょう。
半休眠させて夏越しした場合は、根鉢を少しほぐす程度で大丈夫ですので、そのまま一回り大きな鉢に新しい土で植え替えてください。
シクラメンには大きく4タイプがあります。
寒さが苦手な「シクラメン」「ミニシクラメン」寒さに強い「ガーデンシクラメン」そして種類によって異なりますが比較的寒さに強い「原種シクラメン」です。
共通なのは、夏の高温多湿が苦手だということ。
夏越しは難しく考えるから失敗してしまうものです。今回書かせていただいた通り、シンプルに考えて実践してみてください。僕の実感では、休眠させた場合の方が成功率高いです。
ぜひ今から美しいシクラメンを楽しんで、来年は夏越しにもチャレンジしてみてくださいね。
三上 真史