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ガーデナーの憧れといえば、自然美が楽しめるイングリッシュガーデンです。季節の花や、宿根草を使って、ナチュラルで美しい庭を自宅につくってみませんか?
今回はイングリッシュガーデンとはなにか、自宅の庭に取り入れるときの作り方や、上手につくるコツをご紹介しています。
イングリッシュガーデンとは、草花や樹木を自然な雰囲気で保ち、人の手を加えすぎない自然美を大切にした、イギリス式の庭園のことを指しています。
そもそも、洋風の庭の形式には、次の3つが代表的です。
歴史的には、16世紀にイタリア式ができ、そこから発展して17世紀から18世紀の間にフランス式と、イギリス式が生まれました。イタリア式とフランス式は共通して、「幾何学模様」「左右対称」といった、人工的な様式美を重んじていますが、それに対してイギリス式は自然で野趣に富んだ風景を重んじています。
春や秋にバラ園に行く方も多いかと思いますが、多くのバラ園ではイングリッシュガーデンの形式が取り入れられています。
ボーダーガーデンとは、イングリッシュガーデンのスタイルのひとつで、草丈の高い草花を後方(塀や壁際)に配置し、背の順で草丈の低い草花を手前(小道側)に植える方法です。
ボーダーガーデンにならって草花を植えると、あくまで自然でありながら、空間に広がりをもたせ、あらゆる美しい花を鑑賞できます。
庭には、フェンスや通路などのエクステリアがあるかと思いますが、これらも自然素材を意識してください。通路は石、木の板、レンガなど自然のものを使うようにして、コンクリートや人工的なタイルは避けましょう。
他にもベンチやテーブルなども木材のものを選ぶといいですよ。もしくはアール・ヌーヴォーの意匠が取り入れられたアイアン製のものもおすすめです。
イングリッシュガーデンには、天使やうさぎなどのオーナメントを置くのもおすすめです。本来は石造りですが、最近では合成樹脂をアンティーク加工したものも多く、比較的安価で手に入ります。
バラはイングリッシュガーデンの定番の花で、カラーも豊富にあり、庭を彩ってくれますよ。モッコウバラは立派に育つのでおすすめです。また、つるバラであれば、アーチや壁に這わせることで豪華な庭になります。
バラを植えると一気に洋風の庭になり、おすすめの植物です。
ハーブの一種であるラベンダーは花が大きすぎず、紫の見た目がキレイです。ラベンダーを密集してたくさん植えられていると、良い香りも楽しめますよ。風で揺れる様子もきれいなのでおすすめです。緑と紫のコントラストが庭全体を美しく見せますので、植えてみませんか。
湿気には弱いので、蒸れないように剪定をしてください。
デルフィニウムは初夏に青や紫、ピンクや白などの花色で咲く多年草です。とくにエラータムと呼ばれる系統の品種は、花穂が長く、草丈も1m前後になるので、ボーダーガーデンの後方によく植えられています。
アメジストセージは秋から冬にかけて、長細い花茎に紫の花をつけます。草丈が1m前後なので、ボーダーガーデンの後方や中間に植えます。花期以外はシルバーリーフとしても楽しめるので、ぜひイングリッシュガーデンで植えたい草花です。
シルバーリーフはイングリッシュガーデンには欠かせません。例えばシロタエギクや、ラムズイヤーなどを植えておくと、花が少ない時期でも美しい庭の景観を楽しむことができます。
アイビーは星型のような切れ込みがはいる葉を伸ばす、つる性の多年草です。とても丈夫で、日本の気候でもよく育ち、ほふくするように伸びていきます。生い茂ると野趣に富んだ庭になり、よりすてきなイングリッシュガーデンが楽めます。
秋から春にかけて、長期間花を咲かせてくれるパンジーとビオラは、花が少なくなる冬の時期のイングリッシュガーデンを彩る草花です。背丈が低いので、ボーダーガーデンでは手前に植えられます。
ラベンダーのように華奢な花ですが、ベル状になった花が愛らしい植物です。カラーバリエーションが豊富なので庭の色どりに向いています。
ガーデニングの定番といえばペチュニアというほど、カラーも豊富で育てやすい植物です。背丈は低いですが花期は長いので、長く庭を楽しませてくれます。
イングリッシュガーデンを上手につくるポイントは、規則正しく植物を並べないことです。
配置は気をつけましょう。規則正しく植物を並べたり、一箇所に同じ花をまとめすぎてしまうと、イングリッシュガーデンの自然美からは遠ざかるので、気をつけましょう。
ボーダーガーデンを意識しながら、自然に植えるように散らばせましょう。また色が散らばるようにすることもポイントです。赤の花はここ、青の花はここ、と色でまとめすぎるのではなく、自然に色が散らばるようにすると美しく見えますよ。
イングリッシュガーデンでは、パンジーのような背丈の低い花ばかりを植えるのではなく、背丈の高いものや、縦のラインで咲く花など、いろんな形の植物を植えるといいでしょう。
なお、庭を遠目で見て、どのあたりになにを植えるか、事前に計画しておくといいです。やみくもに庭に地植えしてしまうと、花の色が偏ってしまうなど後悔することがありますので、可能であれば庭の設計図のようなものを作りましょう。
イングリッシュガーデンには人工物は合わないので、あまり置かないようにしてください。プラスチックのジョウロやバケツ、物干し竿などは、イングリッシュガーデンの景観を損ねるので避けましょう。
庭には自然素材のもののみを置くといいですよ。石、土、木が素材のものであれば問題ありません。
イングリッシュガーデンは自然な風合いで、いろんな住まいの庭に取り入れやすいガーデニングスタイルです。狭い庭でも簡単にチャレンジできるので、ぜひご自宅の庭で始めてみてください。
GreenSnap編集部