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ロベリアは、小さいながらもはっきりとした色味の花で、人を惹きつけます。花の種類としては多年草ながら、日本の気候風土では一年草として捉えられることも。ロベリアを育てるのに適した場所や水やり、手入れのポイントなどについてご紹介します。
ロベリアを育てるときは、日当りと水はけに注意が必要です。ロベリアは非常に繊細な性質を持っているので、日当りが良い場所は好むものの、夏の時期の強い西日は嫌います。
また、水はけがよい場所を好み、水が溜まったり湿度が高くなったりする状態は嫌います。一方で水切れが良すぎる環境も苦手となります。
ロベリアを育てるとき、土にも気遣いが必要になります。水はけがよい土でありながら、ある程度の保水性もあり、通気性がよい環境に整えてあげないといけません。
水はけ、保水性、通気性のそれぞれの特性をもった土を混ぜることで簡単に解決します。たとえば、園芸用の赤玉土と腐葉土を混ぜるなどです。排水性を高めるために、川砂などを混ぜてもいいでしょう。
園芸用としてよく用いられる赤玉土は、粒の大きさによって排水性や保水性の機能が異なります。赤玉土の粒が大きいほど排水性、通気性に優れ、粒が小さくなるほど保水性が高くなり、肥料のもちもよくなります。
赤玉土と腐葉土を混ぜてロベリア用の用土にする場合、赤玉土7、腐葉土3くらいの割合に調整しましょう。
ロベリアは水やりにも気遣いが必要です。鉢やロベリアの根元に水が溜まり、湿度が高くなる状態を嫌う一方で、水気がまったくない状態は苦手だからです。そのため、ロベリアに水をやるタイミングは、土の表面が乾いたときです。
この表面が実はポイントで、表面のみが乾き、中の土はまだ湿った状態を維持することを心がけてください。
ロベリアを植えた鉢や地面の表面だけではなく、内部の土まで乾燥した状態になってしまうと、しおれてしまいます。いったんしおれたロベリアは元には戻せませんので、注意しましょう。
基本的にはロベリアは春から初夏にかけて咲きます。花が咲き、生長が盛んになる3月から6月にかけて、液体肥料を週に1回程度与えます。与えすぎにならないように肥料の濃さを薄めに調整してあげましょう。
ロベリアの苗を植える時期は、3月はじめから4月中旬にかけてです。苗同士がくっつかないように、15cmは離して苗を植えます。植える位置が深くなりすぎないように、注意します。
ロベリアについても、鉢やプランターで育てている場合は、1年ごとに植え替えてあげます。宿根草のロベリアであったり、夏越しさせられた場合などは2年に1回の植え替えでもいいかもしれません。
ロベリアの生長具合や花の付き方をみて判断するといいでしょう。
植え替えは植え付けと同じ3月はじめ、秋なら11月頃に行います。
ロベリアの花をたくさん、あるいは長く花を楽しみたいなら、開花時期の春から初夏にかけて肥料をこまめにあたえ、枯れた花がらは摘み取ってあげる必要があります。ロベリアの花がら摘みのやり方は、茎の一番上(先端)についた花が咲ききったら、その茎の根元から茎を切り落とします。
花が咲き終わった梅雨明けには枯れることが少なくないロベリアですが、切り戻しをしておくと、夏を越せる可能性が上がります。余裕があれば、花の終わりとともに切り戻しもやってあげましょう。
ロベリアは日本では一年草の扱いなので、増やすということはそれほどないかもしれません。しかしもともと宿根草なので、手入れさえ行っていれば、家庭で育てるときでも増やすこともできる可能性はあります。
増やすタイミングは植え替えのとき。ロベリアの株を根の周りの土ごと抜き、古い土を落としたあと、片手に収まる程度の大きさの株になるように分割して増やします。
また、花が終わったあとにとれる種から増やすこともできます。ロベリアの種は非常に小さいので、種を土に撒いたあとは上から土をかぶせないでおきます。
ロベリアを育てるときに注意したい病害虫は、ハダニです。
花が終わったあとの梅雨の時期にロベリアの葉の裏にハダニがつくことがあります。ハダニは乾燥した状態を嫌うので、乾燥した日が続くようなら葉の裏をこまめにチェックし、葉の裏まで水をかけ、ハダニを予防するように心がけましょう。
ロベリアは南米原産のキキョウ科に属する草花のひとつです。咲く花は濃い紫や落ち着きのある深い青のほか、白やピンク、赤、あるいは複数の色が混ざったものなどさまざま。
春から初夏にかけて咲くロベリアの花はそれほど大きいサイズで咲くわけではありませんが、はっきりとした色味が出るため、花の小ささなどは気にもならないほどの存在感を放ちます。
一度植えたら何年も咲く「多年草」の一種ではありますが、暑さや寒さにそれほど強くないために、日本の風土では「一年草」という扱いになります。
ロベリアの花言葉には、可憐な花が咲く姿とは似ても似つかない、ネガティブな言葉があります。そのひとつが「悪意」です。
ただし、ネガティブな花言葉ばかりではありません。日本人が美徳とする「謙遜」もロベリアの花言葉のひとつ。一方で「人目につく」という花言葉も含まれていて、ロベリアの花に魅了された人々が、いかに翻弄されたのかを物語っているようです。
ロベリアは日当りを好む一方で、強すぎる日差しを嫌い、水はけを好むかと思えば乾燥は苦手、と園芸の初心者には少し育てにくいイメージがあるかもしれません。しかしロベリアに限らず植物は、それぞれに適した環境を用意して、面倒を見てあげなければ、きれいに花を咲かせてはくれないものです。自然と向き合うことの難しさや、植物を育てる基本を学ぶには、ロベリアがうってつけの存在と言えるのではないでしょうか。
こまめに世話をしてあげることを誓いつつ、ロベリアをぜひ育ててみてくださいね。
GreenSnap編集部