参考文献: ・ロレイン・ハリソン (上原ゆうこ訳)『 ヴィジュアル版 植物ラテン語事典』原書房 2014. ・Peter Jarvis, The Pelagic Dictionary of Natural History of the British Isles: Descriptions of all Species with a Common Name, Pelagic Publishing Ltd, 2020. (Google booksにより閲覧。頁の記載無し。tristagma greekで検索。) ・Umberto Quattrocchi, CRC World Dictionary of Plant Names: Common Names, Scientific Names, Eponyms. Synonyms, and Etymology, CRC Press, 1999, p.2733. (Google booksにより閲覧)
風に揺れる
ハナニラ
陽光に透ける
淡紫色の花びらに
すっと引かれた
一筋の紅が映える
別れの季節に
そっと咲く花
別れの悲しみは
美しかった時間の証拠
今はただ
「ありがとう」という言葉が
心の中に
溢れていく
※ハナニラの花言葉「別れの悲しみ」
(撮影: 2020.3.6. 小学校のフェンスにて)
…………………………………………………………
❇️ハナニラ (花韮) ❇️
葉の形や匂いが野菜のニラに似ていることや、花が美しいことから「ハナニラ (花韮)」と名付けられた。
【分類】
ヒガンバナ科 (Amaryllidaceae)
- ネギ亜科 (Allioideae)
- ハナニラ属 (Ipheion / Tristagma)
※上記の分類は、wikipediaで採用されているAPG IIIに依拠している。他の参考資料で採用されている「ユリ科」や「ネギ科」は、誤りではなく、以前の分類法に基づくもの。
【学名】
Ipheion uniflorum (Graham) Raf.
「1花のハナニラ属 (最初の命名者 グラハム) 命名者 ラフィネスク」
Tristagma uniflorum (Lindl.) Traub
「1花のハナニラ属 (最初の命名者 リンドリー) 命名者 トラウブ」
~用語解説~
Ipheion
読み: イフェイオン
和訳: ハナニラ属
意味: 不明
語源: ギリシャ語
Tristagma
読み: トリスタグマ
和訳: ハナニラ属
意味: 3滴
語源: ギリシャ語 τρι「3」+ σταγμός「しずく」。子房の蜜を出す穴のこと。
uniflorum
読み: ユニフロルム
意味: 1花の (ラテン語)
Graham グラハム
Robert Graham。1786年~1845年。スコットランドの医師、植物学者。
Raf. ラフィネスク
Constantine Samuel Rafinesque-Schmaltz。1783年~1840年。フランスの博物学者。
Lindl. リンドリー
John Lindley。1799年~1865年。イギリスの植物学者、園芸家、蘭研究家。
Traub トラウブ
Hamilton Paul Traub。1890年~1983年。アメリカの植物学者。
【別名】
・「イフェイオン」
・「ベツレヘムノホシ (ベツレヘムの星) 」
・「 セイヨウアマナ (西洋甘菜)」
🔹🔹🔹🔹🔹🔹🔹
【原産地】
南アメリカ (アルゼンチンやウルグアイ)
【形態】
・多年草 球根植物
・草丈: 10 cm ~ 25 cm
【花】
・花期: 品種によって異なる。
3月~4月 (ハナニラ)
2月~4月 (黄花ハナニラ)
11月~12月 (パルビフローラ)
・形: 星形。6弁の花。
・大きさ: 直径約 3 cm。
・色: 白、ピンク、黄、青、淡紫、青紫。
・甘い香り。
【葉】
・形: ニラのように細い。
・葉や球根を傷つけると、ニラに似た匂いがする。
※野菜のニラ は同じ亜科に属するが別属である(Allium tuberosum)。
【その他】
・地上部が見られるのは開花期を含め春だけ。
・休眠期の7~9月には水やりは不要。
・ハナニラには毒があり、食べると激しい下痢を引き起こすことがある☠️
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【花言葉】
「別れの悲しみ😢」「 愛しい人」「堪え忍ぶ愛」「別離」「星に願いを」「地上の星」
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【歴史】
日本には、明治時代に観賞用の園芸植物として導入され、帰化している。
【文化】
南アメリカでは、ハナニラは恋占いに使われる。6枚の花びらを、毎日1枚ずつ枕の下に入れて好きな人を思いながら眠る。6日間のうちに好きな人の夢を見ることができれば、恋が成就すると言われている❇️💗
【外国語】
🇬🇧 英語
spring starflower「春の星形の花」
springstar「春の星」
🇩🇪ドイツ語
Einblütiger Frühlingsstern 「単花の春の星」
Frühlings-Sternblume 「春の星の花」
Einblütige Sternblume「単花の星の花」
Pampaslilie「パンパスのユリ」
参考ウェブサイト:
・「ハナニラ」Green Snap 植物図鑑
・「ハナニラ」他 Wikipedia
・「花韮 (はなにら) 」季節の花 300
https://www.hana300.com/hanani.html
・「ハナニラ (イフェイオン)」育て方がわかる植物図鑑 趣味の園芸
https://www.shuminoengei.jp/m-pc/a-page_p_detail/target_plant_code-383/target_tab-3
・「ハナニラとは?植物としての特徴や種類を解説!食用の花ニラとは違う?」BOTANICA 2020.2.29更新
https://botanica-media.jp/312
・「ハナニラ (花韮) 」
http://mikawanoyasou.org/data/hananira.htm
・「仲間をだますため、28種の存在しない生物を巧妙にでっちあげた博物学者『ジョン・ジェームズ・オーデュボン』」カラパイア 2016.5.6.
http://karapaia.com/archives/52217148.html
・「植物学者の略記一覧 (S-Z)他」Wikipedia
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%A4%8D%E7%89%A9%E5%AD%A6%E8%80%85%E3%81%AE%E7%95%A5%E8%A8%98%E4%B8%80%E8%A6%A7_(S-Z)
・Searching Botanary, Dave's Garden.
https://davesgarden.com/guides/botanary/
参考文献:
・ロレイン・ハリソン (上原ゆうこ訳)『 ヴィジュアル版 植物ラテン語事典』原書房 2014.
・Peter Jarvis, The Pelagic Dictionary of Natural History of the British Isles: Descriptions of all Species with a Common Name, Pelagic Publishing Ltd, 2020. (Google booksにより閲覧。頁の記載無し。tristagma greekで検索。)
・Umberto Quattrocchi, CRC World Dictionary of Plant Names: Common Names, Scientific Names, Eponyms. Synonyms, and Etymology, CRC Press, 1999, p.2733. (Google booksにより閲覧)