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耐寒性の低い塊根植物・多肉植物の室内越冬に関する実験

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夏越しよりも考えることの多い冬越し。今年から室内で植物用LEDライトを使って冬の間に生育させることを試しているので、それに関する記録と冬越しについて書いていきたいと思います。 春になり生育期に入ってからの状態を見ないと冬の成果は分からないので、このまとめは春まで続く予定です。
これまでの塊根植物・多肉植物の冬越し
塊根植物・多肉植物の中には15度以下になると屋外での栽培が難しい種類があります。例えば、アデニウムやパキポディウム、ユーフォルビアなどです。これらの中にはユーフォルビア・ゴルゴニスのように耐寒性がそこそこあるのもいますが、総じて寒さに弱い種類といえます。

アガベやエケベリア、ハオルチアは屋外で越冬させている私ですが、さすがにこれらの塊根植物・多肉植物については室内に取り込まざるをえません。
これまで私が行ってきた冬越しは実に一般的なものです。アデニウムやパキポディウムは葉を落とすまで外に出しておいて、気温を見ながら室内窓際に取り込み。ユーフォルビアやアストロフィツムなどのサボテンも同じようなタイミングで取り込みます。室内といっても暖房器具のない部屋の窓際で室温は10度〜15度、窓から入る日光と補助的な安いLEDライトで光を得ながらも、冬の間は「休眠」させている状態でした。
冬に完全休眠させて、春先に向けた栄養を蓄えて、春からまた成長させていくというのは、多肉植物の本にも書いてあるほど基本的な方法で、私もこの方法で何も問題は生じていませんでした。

しかし、この休眠についてちょっと疑問があったんですね。アデニウムやパキポディウム、ユーフォルビアは自生地でも休眠期があって一年中生育しているわけではありません。ただ、自生地の気温を見てみると明らかに日本での休眠期間よりも、自生地の気温が低い期間が短いのです。また、アデニウムはタイで盛んに栽培されていますが、タイは平年20℃以上の平均気温なのでおそらく休眠していないはずです。それもあってかタイ産のアデニウムは成長も速く、大株がマーケットで盛んに出回っています。

しっかりと休眠をさせないと春先の成長が悪くなるという話もありますが、これに関しては対照栽培をやらないと極論分かりませんし、前述のような情報を見ていると冬の時期に成長させるという選択肢もあるのかなと思いました。
そこで、分からんのならやってみようということで、新しく越冬のための環境を整えて冬期にも成長させることを実験的にやってみました。
室内LED冬越しに向けた準備
選択肢としてアデニウムやパキポディウムの葉が黄色くなったり、落ち始める前に室内に取り込む全く休眠させない方式、落葉させて休眠させてから室内LEDで目覚めさせていく方式がありましたが、今回は後者を選びました。

いきなり全く休眠させないというのも環境が変わりすぎだと思ったためです。よって、今回の越冬実験は一度休眠させた後に室内LED+加温で冬期も成長させるという形になります。

植物用のLEDライトはもちろん太陽光には及びませんが、近年は性能の良いものも出始めています。また、照射時間によって光量の不足を補うことも可能です。パキポディウムやアデニウムはかなり日光が必要なので、これまでの冬越しで補助的に使っていた安物のLEDライトはビカクシダにまわして、色々と新しく購入することにしました。
まずLEDライトは、MORSENというメーカーのライトを買いました。アガベの室内栽培をしている友人から、スペックの割に安いと聞いたためです。ちょうどブラックフライデーだったので、2300円で購入できました。

植物用LEDライトはヘッドの部分がかなりデカいので、傘がついていないソケットや傘が広いライトアームを使う必要があります。私はIKEAのTERTIALというライトアームを買いました。1400円です。

合計で4000円も掛かっていません。もちろん、置く植物の量によって変わってくると思いますが、私の場合は1セットで十分でした。
最後に、MORSENのライトはタイマーが付いていないのでスマートプラグを購入しました。TP-LinkのHS105で900円です。自力で点灯・消灯するなら必要ありませんが、決まった時間に照射したかったので買いました。
室内育成環境の整備と植物の配置(11/27)
機材も整ったので配置をしました。ライトの位置はアデニウム・パキポディウムを中心とする形で、アデニウム・パキポディウムから20cmから30cm程の高さに設置。離れれば離れるほど見た目以上に光が弱くなると思うので、近めの設置です。照射時間は6時から20時の14時間で、前述のタイマーで設定しています。

設置場所はキッチンのカウンターです。朝から晩までエアコンが付いていて、室温は23度から25度くらいに保たれています。風はシーリングファンによってある程度は流れています。別途ファンを回しても良かったのですが、流石にリビングでうるさいので設置はやめました。

日光は西窓から多少入ってきてますが、キッチンカウンターに直射日光はあたりません。なので、ほぼLEDライトが主な光源となります。実は来年あたり一部のハオルチアを完全室内栽培しようと思っていて、LEDライトだけでどの程度育つのかというのも確認したいことの一つです。


こんな感じで環境は整いました。後は成長を見ていくだけです。
成長の兆し(12/9)
休眠して棒みたいになっていたソテツキリンに新芽が出ました。しかも、2年くらい子株を出すことはなかったのに子株まで出ています。
ゴルゴニスは蕾をつけ始めました。まだ、アデニウムやパキポディウムに動きはありませんが順調といえます。

ちなみに水やりについてですが、休眠させている時はほとんど必要ありませんが、今回の場合室温も高く、且つ成長しているので水やりが必要です。ただ、鉢底から水が出るほど水やりをすれば根腐れや徒長の恐れがあるのでそこまでやらない方が良いです。休眠させていれば根腐れや徒長の心配はほとんどないので、その点は成長させる場合のリスクともいえると思います。

何週間に何回だとか、どのくらい水をやるのかは環境や種類によるので書きませんが、アデニウムやパキポディウムは肌を触って少し柔らかくなっていたら数日待って水やりしています。分量は少なめです。ユーフォルビアやサボテンは鉢が完全に軽くなってから数日待って少量。基本的に水やりは少なめです。葉物のユーフォルビアは乾燥対策に霧吹きで葉水をしています。
パキポディウムに新芽(12/17)
パキポディウム・サウンデルシーに新芽が出ました。パキポディウムやアデニウムは気温以外にも光量や日のあたる時間で休眠するかどうかを判断しているので、これらに新芽が出れば成長するような環境を作れているといえると思います。
これまでの間に晴れて暖かい日があったので、パキポディウム・アデニウムは一日だけ外に出して鉢底から水が出るほど水やりをしました。
続々と成長(12/19〜12/25)
ゴルゴニスが開花しました。
アデニウム・アラビカムにも新芽。
アデニウム・オベスムにも新芽です。これで冬期に成長させているパキポディウム・アデニウムには全て新芽が出ました。
パキポディウム・サウンデルシーの葉も成長中。
写真撮るのを忘れていましたが、バリダも12月前半に開花していました。
ソテツキリンも成長が著しいです。
現状の全景。少し範囲を狭めてます。
ちょっと写ってますが、ハオルチア・月影も花芽を伸ばしています。
2月の現状(2/27)
2月も終わりかけ、いよいよ気温が上がり始めてきました。今日は気温も15度を超え風もそこそこあるので、2ヶ月ぶりにアデニウムとパキポディウムに屋外で水やりをしました。
そのついでに現状を記録したいと思います。

まずはパキポディウム・サウンデルシー。葉も生え揃い、下部から脇芽も出始め、塊根部もやや太り、と室内LED環境に最も適応しました。
昨年の春・夏より調子が良いまであるので、この株は直射日光で栽培しない方が良いのかなと思い至りました。
今年は少し遮光しようと思います。
アデニウム・アラビカム。新芽が出るのは早かったですが、葉の成長は一部に留まり、塊根部も現状維持という感じです。
おそらく、夜間はエアコンを入れていなかったこともあり成長モードにならなかったのだと思います。
アデニウムを冬場に成長させるのであれば、室内簡易温室でしっかり加温させた方が良い気がしますね。

現状、評価するにはまだ早いかなと思いますが、アラビカムに関しては成長とまではいかなかったと考えられます。
アデニウム・オベスム。葉は茂りましたが、成長期ほどの勢いはないです。2日ほど家を空けた時に無加温状態になりましたが、その時に葉が何枚か黄変したので、そこまで丈夫な葉ではないと思われます。
一方で、塊根部に関しては目視で分かる程度に太りました。葉はいずれにせよ春先に生え変わるので、塊根部が成長していれば成功といえるかなと思います。

その他ユーフォルビアなども順次記録していきたいですが、総じて、今のところ枯死したり状態が悪くなった株はないので、冬越しという点では今の環境は成功だと思います。
ただ、成長という観点でいえば、全ての株が成長していたわけではないので、改善の余地ありという感じです。
この点は完全に春を迎えたら、総括して今後の展望を考えたいと思います。
5月の結果
春の立ち上がりも概ね完了したかなと思うので、ユーフォルビアの写真でも並べながら総括したいと思います。

今のところ、室内LEDで冬越しした植物で立ち上がりに失敗したものはありませんでした。例年、何鉢かはなかなか目覚めないものもあったりしましたが、今回はわりかしスッと目覚めましたね。
前段で紹介したアデニウム・パキポディウムに関しては、春の直射日光で一度全部の葉を落としましたが、これは全く問題ありません。いわゆる室内で成長した軟弱な葉だったので落葉するのは当然で、現在はまた順調に新葉を出しています。
LEDの真下に置いていたアラビカムの葉は落葉せずに今まで成長しているので、LED直下だと直射日光に近い光量があるのかもしれませんね。
冬の間の成長に関しては、ユーフォルビアの峨眉山やプセウドグロボーサは冬の間も子株を出し続けていましたね。
メロフォルミス錦なども径が増したかなという感じ。

前回のアデニウム・パキポディウムと合わせて考えると、「冬の間に成長期ほど成長させることはこの環境では難しいが、春の立ち上がりは良好な結果となった」というのが今回の結論です。
要因として考えられるのは、多少の水やりができる環境だったので、特にユーフォルビアの細根が死滅しなかったのが大きいかもしれません。

ということで、このまとめはこれで終了となります。
長い間見て頂きありがとうございました😊

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