浮き島ケ原はかつては「浮島沼」と呼ばれ、南には旧東海道が通り、歌川広重をはじめとした浮世絵師らによって富士山を背景にした浮島沼の風景が描かれ現在でもその面影を伝えてます。
浮き島ケ原の湿原には、環境省レッドデータリストや静岡県版レッドデータブックに記載されている貴重な植物が生育しています。
この湿原の貴重な植物群落と自然風景を保全し、身近な自然を観察出来る自然公園として浮き島ケ原自然公園が整備されました。
春は特に珍しい植物がたくさん咲きます。
私といっしょにお花の観察に出かけましょう。
ここが公園の入口です。
4月の写真です。
ツツジがもうすぐ咲き出します。
1月16日の湿原です。
枯れたアシが茂ってます。
アシはサワトラノオに日光を当てることを目的に刈られます。
クズの冬芽葉痕 モジャモジャ髭爺さん。
冬の湿原は枯れたアシしかないと思ってました。
花友さんに教えていただき、冬芽葉痕を探しました。
想像以上に面白い顔が見つかりました。
1月26日
クズの冬芽と葉痕
真っ白のお顔、帽子をかぶった小人さんに見えませんか?
1月26日
セイタカアワダチソウ(キク科アキノキリンソウ属)
フワフワ、キラキラ光っていて、花後の姿も綺麗です。
セイタカアワダチソウは他の植物に与える影響が大きいことから、できる限り駆除するそうです。
1月26日
ヘクソカズラの冬芽葉痕
馬🐴に見えますね。
ピカピカの実がまだついていました。
1月26日
ノイバラの葉痕冬芽
鳥が飛んでるように見えます。
鋭いトゲが羽のように見えますね。
1月26日
ノイバラ(バラ科バラ属)
ノイバラ(野茨[)ノバラ(野薔薇)ともいいます。日本のノバラの代表的な種。
沖縄以外の日本各地の山野に多く自生し、枝に鋭いトゲがあります。
赤い果実は、利尿や便秘の治療に薬用されるそうです。
5月9日
コリヤナギ(ヤナギ科ヤナギ属)
バレンタインデーの前日、ハート♡の形の花穂がありました。
色も少し紅くなっていて、モコモコフワフワ可愛いです。
2月13日
コリヤナギ
細長い葉が出てきました。
5月5日
イヌコリヤナギ(ヤナギ科ヤナギ属)
花穂が綺麗ですね。
3月5日
イヌコリヤナギ
1ヶ月半でこんなに葉が出てきました。
イヌコリヤナギの葉は丸っこいです。
4月25日
ノウルシ(トウダイグサ科トウダイグサ属)
今年も咲き始めました。
原野、川岸の湿地に生える多年草です。3月〜4月に花をつけます。花と言っても植物形態学的にはポインセチアと同じように苞と呼ばれる器官が黄色になって目立つもので、花びらや萼はありません。
花はその中心の小さな部分だけです。
茎や葉を切ると白い汁を出し、それが肌につくと人によってはかぶれることもある為「野漆」の名前がつきました。
3月11日
ノウルシ
花が綺麗に咲きました。
準絶滅危惧(環境省)絶滅危惧Ⅱ類(静岡県)
3月16日
ノウルシの群生 湿原が黄色に染まります。
少しですがお花の香りがします。
3月27日
ヒキノカサ(キンポウゲ科キンポウゲ属)
絶滅危惧種Ⅱ類(環境省)絶滅危惧種Iᗷ類(静岡県)
水田の畦など、日当たりの良い湿原に生える多年草です。
茎は高さ10cmから30cmで花期は3月後半から4月にかけてです。
花は1、2〜1、7cmの大きさで花びらには光沢があります。
和名のヒキノカサは[蛙(ヒキ)の傘]の意味で、蛙の住むような湿地に生え、茎や葉、花を傘状に四方に広げる様子からつけたものと言われています。
3月16日
ヒキノカサ
普通は5弁のお花ですが、よく見ると6弁7弁もありました。
3月16日
ミツガシワ(ミツガシワ科ミツガシワ属)
氷河期の遺存植物の1つと言われています。
和名の由来は、3枚ある葉の形が「柏の葉」に似ているから、あるいは家紋の「三柏」に似ているというところからきています。
モフモフのお花がとっても可愛いんです。
3月27日
ミツガシワの花後
3枚の葉が出てきました。
4月18日
コゴメノイヌフグリ(オオバコ科クワガタソウ属)
名前は、白い花がコゴメグサを思わせることによります。
ヨーロッパ原産で、昭和35年(1960年)頃から東京都の小石川植物園で栽培されたものが逸出し、都内で野生化している越年草です。最近では近県でも見られます。茎はまばらに長毛が生え分枝して斜上し、長さ10-20cmになります。
お花は5ミリくらいです。
3月27日
トウダイグサ(トウダイグサ科トウダイグサ属)
草丈は20cmから30cmくらいの大きさです。
葉のつきかたに特徴があり、茎の中程の葉はヘラ型で互生するが、茎の頂部の葉は丸みの強いヘラ型の葉を5枚ずつ輪生します。
茎の頂部からは放射状に花茎を伸ばします。
苞葉の中に黄色い花を複数つけます。苞葉は椀状で、その中に黄色い花がある様が、燈火の皿に見立てて和名があります。
茎や葉を傷つけると白い乳液を出します。
全草にわたり有毒です。
3月27日
コオニタビラコ(キク科ヤブタビラコ属)
タビラコやホトケノザともいい、春の七草の一つとしても知られています。
湿地を好み、田や周囲のあぜ道などに多く生えます。
初春の水田ではロゼット葉を広げて地面にはいつくばった姿で見られます。葉は羽状複葉で頂羽片が大きくて丸っこい形です。
3月16日
シラバナヤハズノエンドウ(シロバナカラスノエンドウ)[マメ科ソラマメ属]
シロバナは珍しいのですが、この場所には群生しています。
名前の由来①《矢筈豌豆》 葉の先がくぼんでいて、弓矢 の「ヤハズ(矢筈)」(弦を受ける部分)に似ている事から。
②カラスノエンドウ 《烏野豌豆》 「カラス(烏)」は黒を意味し、果実が熟すと黒くなるので。
3月27日
タガラシ(キンポウゲ科キンポウゲ属)
水田や用水路などに生える雑草です。
有毒植物です。 和名の由来は、噛むと辛味があることから「田辛子」という説と、収量の少ない田に生えることから「田枯らし」という説があります。
お花は1cmくらいしかありません。
真ん中の緑の集合果、ピエロのお鼻みたいで可愛いです。
4月2日
カスマグサ 4月9日
カラスノエンドウ 3月27日
シロバナカラスノエンドウ 3月27日
スズメノエンドウ 3月27日
全てマメ科ソラマメ属です。
カスマグサはカラスノエンドウとスズメノエンドウの間の大きさで、中間的な感じなので「カスマ」グサとなりました。
面白い名前の付け方ですね。
オドリコソウ(シソ科オドリコソウ属)
和名のオドリコソウは、「踊子草」の意で、花が輪生したようすが、笠をかぶって踊る踊子に似ていることによります。
ピンクと白のお花が可愛いです。
4月18日
カキドオシ(シソ科カキドオシ属)
カキドオシの名前の由来は、垣通(かきどおし)の意味があり、花が終わったあとに、茎が長く伸びて、蔓状になり、地をはって、節から根をおろし、そのつるが伸びて垣根を通り抜けることから「垣根通し」と呼ばれ、転嫁(てんか)して「垣通し」の名になったということです。
3月27日
コバノタツナミソウ(シソ科タツナミソウ属)
葉っぱの鋸歯が5〜6、葉っぱにビロードのような毛が生えてること、茎が茶色いのが特徴です。
4月25日
カワヂシャ(オオバコ科クワガタソウ属)
水田や川岸、田のあぜなど、湿潤な場所に生育する越年草です。
若葉がチシャ(レタス)に似て食べられることから名がつきました。 環境省レッドリスト2020、大阪府レッドリスト2014ともに「準絶滅危惧」です。
4月25日
キショウブ(アヤメ科アヤメ属)
ヨーロッパから西アジア原産で、明治頃から栽培さ れていたものが全国の水辺や湿地、水田などで野生化しているそうです。
”ショウブ”の名前をもつが、 ハナショウブと同様に、ショウブ(サトイモ科)とは分類学的にはかなり異なります。
花期は5~6月で 1日花の両性花です。
花後に果実をつけますが、栄養体からの繁殖も行い、地下に横に這う太い根茎から 分枝して繁殖します。
生態系被害防止外来種リストにより、「重点対策外来種」に指定されています。
5月9日
サワトラノオ(サクラソウ科オカトラノオ属)
絶滅危惧種ⅠB類(環境省)絶滅危惧種ⅠB類(静岡県)
2015年には「浮き島ケ原サワトラノオ群落」が富士市指定天然記念物になりました。
原野や湿地に生える多年草です。
茎の先に10cm前後の穂状の花をつけるのでトラノオ(虎の尾)の名前がつけられました。
5月中旬頃〜6月上旬にかけ白い花が咲きます。
昨年は4月20日頃咲きましたが、昨年雨が多かった為か今年は咲くのが遅かったようです。
お花もかなり小さく虎の尾の形にならず丸くなってます。
5月9日
原種グラジオラス・ビザンティヌス(アヤメ科グラジオラス属)
草原に真っ赤なお花を見つけました。
とってもステキなお花です。
見た目は繊細そうですが、とても生育旺盛のようです。
5月9日
ミゾソバ(タデ科イヌタデ属)
日本全国の小川や沼沢地、湖岸などに生育する一年生草です。 やや富栄養な水質の場所に生育し、水田地帯の用水路などに群生していることが多いようです。
葉っぱに特徴があり別名「ウシノヒタイ」と呼ばれます。
お花の色は白〜濃いピンクまで様々です。
ありさん🐜も好きなお花のようです。
5月9日
オヘビイチゴ(バラ科キジムシロ属)
オヘビイチゴは湿地を好む多年草です。ヘビイチゴに似ていますが、葉は5枚、果実の色は赤ではなく茶色なので見分けがつきます。
5月9日
オニナルコスゲ(鬼鳴子菅)カヤツリグサ科スゲ属
静岡県RDB 絶滅危惧種Ⅱ類
アシ等といっしょに、たくさん集まって生えることが多くあります。氷河期に分布を広げた植物で、中部地方より北に多く分布します。
西日本にも所々分布し、九州にも自生地があります。
その為中部地方から西に自生するものは、氷河期の生き残りではないかと言われてます。
上部に4cmくらいの雄花穂を1〜3個、下部に5cmくらいで円柱形の雌花穂を2〜3個つけます。
↖ウキヤガラ
↗アゼスゲ
↙アゼナルコ
↘カサスゲ
全てカヤツリグサ科です。
アシの中に群生してます。
木道の横にアシがグングン背を伸ばしてます。
和名として「アシ」「ヨシ」の両方の名前が使われてますが、古事記などの表記からみてアシが本来の名前のようです。近世になってアシは「悪し」に通ずるからヨシとなった、と言われてます。
漢字も正しくは伸び始めたアシを「葭」穂が出る前のものを「蘆」花の咲いたものを「葦」秋になって枯れたものを「芦」と書くのだそうです。
こんな難しい漢字、読めません。😢
お花の名前はガイドブック、ネットにて調べました。
間違いがありましたら教えて下さい。
長い間お付き合いくださってありがとうございました。
植物が少なくなる冬の湿原の様子を見れて
勉強になります❗️
早春からの貴重な珍しいお花たち、なかなか見れない品種ばかりで感激デス💖🥺
これからもずっと絶えることなく種の保存がされますように…(*´-`)✨
まとめ制作、お疲れ様でした。( ◠‿◠ )🌸