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多肉植物という、葉や茎がぷっくりと肉厚な植物をご存知でしょうか?おしゃれなインテリアにもしっくりと馴染むため、とても人気の植物のひとつです。
今回は、そんな多肉植物の育て方をご紹介します。季節によって異なる管理のしかたや植え替えのタイミングなどについて、ぜひ参考にしてみてください。
多肉植物は、雨が少なくて大地が乾燥している地域を主な原産地とする、肉厚な葉や茎が印象的な植物です。
そんな多肉植物の葉や茎には、水を蓄えられるようになっています。
肉厚なぷっくりとした葉や茎が、見た目にもおしゃれなので、多肉植物を小さな鉢でかわいらしく飾るのも、寄せ植えで華やかに飾るのも楽しいものです。
多肉植物は、原産地の違いにより生育期が異なり、次の3つの種類に分けられます。
多肉植物は、乾燥に強く育てやすいといわれてはいるものの、育て方にはコツがあります。
まず、その多肉植物の原産地の環境に近い生育環境を作り、それぞれの原産地の気候に合った育て方をすることです。原産地の違いにより生育期も異なるため、多肉植物の種類に応じた育て方をしましょう。
いずれの種類の多肉植物にも共通するポイントは、どの季節も高温多湿にならないように注意することです。
春または秋に生育期を迎える春秋型の多肉植物は、過ごしやすい気候を好み、春先に花を咲かせることが多いという特徴があります。
4月になり春の温かさを感じられるようになったら、戸外へ移して少しずつ太陽光に慣れさせ、風通しのよい日なたへと移動させます。夏は風通しのよい半日陰に置き、梅雨時には雨の当たらないところを選んでください。初夏の日射しはちょうど良いのですが、真夏の直射日光は避けます。
秋の間は戸外の日なたで管理し、気温が10度を下回ったら霜に当たらない室内か軒下に移します。なお、セダムはほとんどが1年中戸外管理で大丈夫です。
冬場は日当たりのよい室内に置き、暖房の熱や加湿器などが直接当たらないようにします。また、風通しに気を配り、ときどき鉢を回してまんべんなく光が当たるようにするといいですね。
夏型の多肉植物は比較的暑さに強く、夏に花を咲かせます。
春になり暖かくなり始めたら、室内管理の鉢を戸外へ出し、徐々に太陽光に慣れさせて、風通しのよい日なたに移動させます。夏場は、風通しのよい場所で初夏の日射しによく当てますが、クラッスラ、コチレドン、 小型アロエは真夏の直射日光を避けてください。
真夏の直射日光を避けていたものも、9月の中頃になったら、日なたでよく日射しを当てましょう。休眠期に入る11月頃からは室内へ移動させます。冬の間は、風通しがよく日当たりのよい室内で、暖房の熱や加湿器などが直接当たらない場所に置き、ときどき鉢を回してまんべんなく光を当ててあげましょう。
秋から冬が生育期にあたる冬型の多肉植物は、蒸し暑さが苦手で、秋に花を咲かせるものが多いのが特徴的です。
4月の中頃から風通しのよい半日陰に置き、日中も涼しい場所を選びます。梅雨に入ったら雨除けをし、夏場も風通しのよい戸外の明るい半日陰に置きますが、直射日光が当たらないよう注意が必要です。夏は休眠期に当たるので水やりは控えますが、小さい株については土が乾いたら水やりをしてもOKです。
秋になったら戸外の日なたで管理し、気温が10度以下になったら、霜に当たらない室内か軒下に移動させます。冬場は、室内の風通しがよく日当たりのよい場所に置き、暖房の熱や加湿器などが直接当たらないよう配慮しましょう。
リトープス、コノフィツムなどの玉型メセンは、特に風通しのよさが大切です。
多肉植物は、そのほとんどが乾燥地帯に自生しているため、一般的な草花よりも排水性が求められます。
自分で多肉植物の土づくりをするなら、「赤玉土(小粒) 4:鹿沼土(小粒) 3:腐葉土3」の配合が基本です。そのほか、市販の多肉植物専用の培養土をつかうのもおすすめですが、育てる容器や鉢の材質も考慮して、排水性を調整すると、なおいいでしょう。
多肉植物の育て方で、もっともコツがいるのが水やりでしょう。多肉植物は、葉に水をためているので、水をあげすぎても、あげなすぎてもいけません。季節ごとの水やりの方法を覚えましょう。
1年を通して適度な水やりを行いますが、真夏と真冬は水やりを控えましょう。
梅雨時は雨に当たらない場所におき、冬の休眠期は水やりを控えましょう。
冬以外は土が乾いたら水やりをしましょう。葉の間に水が溜まるような品種は葉を避けて水やりをしましょう。
冬が生育期なので、土の表面が乾燥してきたら水やりをしましょう。
多肉植物を元気に育てていくためには、植え替えが必要です。なぜ植え替えが必要なのかというと、鉢植えの植物をずっとそのままにしていると、鉢の中で根っこが広がって根詰まりを起こしてしまうからです。
根詰まりを起こすと、老廃物がたまり土の栄養分がなくなってしまううえに水はけも悪 くなります。場合によっては根ぐされなどにより枯れてしまうこともあります。
そのため、年に1回は植え替えをしたいものです。また、植え替え時には古い土や根の整理をするため、同時に病虫害の確認もできて一石二鳥ですね。では、多肉植物の植え替えはどのように行うのがよいのでしょうか?
植え替えの時期や手順、気を付けたいポイントについてご紹介します。
多肉植物の植え替えは、生育期の直前に行います。
生育期に入る直前に植え替えをすると、土が新しくなることで栄養分や水分を吸収しやすくなり、よく育つからです。春か秋に行うのが一般的ですが、生育スピー ドの早い小さな株は、春にも秋にも行うとよいでしょう。
3年から5年ほど育ったものであれば、1年に1回、それ以上のものは、鉢が窮屈そうなものだけ植え替えればOKです。
植え替えは、基本的に次のような手順で行います。
多肉植物を増やしたい場合に、その方法はいくつかあり、比較的手軽に増やすことができます。
植え替えの際に、株を分けて殖やすのが株分けという方法です。子株ができていれば、株分けで増やすことができます。
なお、地下茎が伸びるタイプの多肉植物の場合は、子株が親株の近くに付かず、離れた場所に付いたりしますので、株分けの方法が異なり、次のような手順で行います。なお、地下茎とは根よりも太くて節が付いていて、根とは別ものです。
挿し木は、茎を切って土に挿し、茎から発根させて増やす方法で、比較的成功しやすい繁殖方法だといえます。
葉挿しは、葉を土にさして発根・発芽させる方法です。
葉挿しも比較的簡単な増やし方ですが、肉厚で大きい葉っぱには向いていません。
多肉植物は、比較的病気や害虫の少ない植物だと言われていますが、まったくないわけではありません。病気や害虫は、できるだけ早期に発見して被害の拡大を防ぎましょう。
病気や害虫を早期に発見するためには、日ごろの観察が大切になってきます。
梅雨時に発生しやすい病気で、細菌が葉や茎の傷口から侵入し繁殖すると、腐敗して悪臭を放ちます。葉っぱや茎・枝が変色してブヨブヨしていたり、地際部分が変色している場合には軟腐病にかかっている可能性があります。病気にかかった株は他の株に感染する前に抜き取り、土ごと処分してください。軟腐病を予防するには、苦土石灰粉をまいておくのが有効です。
初夏または秋に発生しやすい病気で、葉に白カビのような粉がつき、生育を妨げます。全体的に白くなっているようならうどん粉病が疑われます。うどん粉病は、発生時期に合わせて葉の裏表に薬剤を散布すると効果的に予防できます。
体長1ミリから5ミリほどで、葉や茎の汁を吸って植物の生育を妨げます。白い粒状のものがこびりつき、葉や茎が全体的に白くなっていたらカイガラムシの可能性があります。幼虫には殺虫剤の散布が効果的で、硬い成虫は歯ブラシなどでこすり落とすのが効果的です。
葉に穴が開くなどの食害があればナメクジの可能性があります。ナメクジは葉だけでなく花も食べてしまいます。ナメクジ用の殺虫剤で駆除できます。
体長は0.5ミリ程度と小さいものの、梅雨から夏の間が繁殖期にあたり、葉や茎の汁を吸って生育を妨げます。葉がカスリ状になっていたらハダニの可能性があります。ハダニは、水をかけて駆除できるので、葉水が有効です。
多肉植物に共通するポイントはというと、多肉植物は高温多湿を苦手とするため、蒸れないように気を付けて育てるということです。
そして、できるだけ原産地の環境を知って、それぞれの気候にあった育て方をしてください。
多肉植物の種類によって生育期が異なりますので、それぞれの生育期に合わせて季節に合った管理をすることが大切です。
そんな多肉植物は、乾燥に強くて比較的病害虫の心配も少ないため、育てやすい植物だといえます。
小さな鉢でもかわいらしく、大きな寄せ植えにするのも素敵で、さまざまな楽しみ方ができますので、ぜひ多肉植物を楽しんでみてはいかがでしょうか。
GreenSnap編集部